医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

文字の大きさ
上 下
161 / 455

160話 莉子入院・5

しおりを挟む
 昨夜は莉子がうっすらと目を開けたし、水を口移しで何回か飲めたんだ。血圧は8も上がった。良かった。意識が戻っただけでも本当に神様に感謝したい。
今日は自宅でオンライン診療の日だから、早朝に病院に行って莉子に流動食を食べさせないといけない。
食べられるかどうか?が気になる。俺は病院に朝7時頃着いた。すぐ白衣に着替えて、内科病棟に行った。

もちろん一般の面会は時間が決められているが、そこは同じ大学病院の非常勤とはいえ、名札を下げている医師だから無視させてもらう。スタッフ用のエレベーターを降りて医局に向かった。すると、昨夜の医師が夜勤明けでいた。

「おはようございます。莉子の流動食は、昨日の今日だから間に合ったかなあ?」と聞くと、「おはようございます。はい、ばっちり間に合いました。もうすぐきますよ」と言ってくれた。「ありがとう、莉子の病室にいるよ」

莉子おはよう、目が覚めた?と頬に手をあてて聞いた。するとゆっくりと目を開けた。お水を飲むか?と聞くとうんと頷いた。声はまだ発しないが昨日よりは呼びかけに応える。良かったよ。

自分で飲めるかどうかを確かめたくて、タオルを首回りにかけてからベッドの上半身を上げた。
で、莉子の口を少し開けておいて、口元にコップを当てて、お水だよ、飲んでと言って傾けた。まだそれは無理だった。ぼとぼとっとこぼれた。ふう......、やっぱり無理か。自分から吸うと言うことが出来ないようだ。

今度は口移しで水を飲ませてみた。すると、なんとかごくりと飲めた。もう一回飲んでと言って、また口移しで飲ませた。またごくっと飲んだ。もう一回だよ。また口移しで飲ませた。

試しに吸い飲みを買ってこう。「莉子、売店に行って吸い飲みを買ってくるからね。待っててね」と言って髪を撫でながらキスをした。ベッドはそのままの傾斜を維持することにした。

吸い飲みを買って戻ってくると、莉子はまた目をつぶっていた。吸い飲みで水を飲むかどうか試したかった。

「莉子、水だよ。飲んで」と言って、首にタオルをかけて吸い飲みで口の中に水をいれると、ほとんどこぼれてしまう。はあ......、困った。もっと覚醒してやらないとおかゆには程遠いな。ベッドの傾斜を戻して平行にした。

熱めのお湯にタオルを浸した。やけどをしない程度の温度で、莉子の顔を拭いた。それか両手を拭いた。カーテンを閉めて、莉子のパジャマを脱がせた。それから、身体を拭いてやった。背中と腰には40度くらいの温度でしばらくタオルを当てて、血行を良くした。あたためた後は手でさすってマッサージをした。あとは冷えないようにバスタオルを掛けてやった。
そしてこの前買ったかわいいネグリジェを着せた。今度は下を拭こう。もう一度熱い湯を用意する。

下はおむつだけだ。バルーンの管が入っているから気を付けて、膝を立てて開かせる。とりあえず出血はしていないようだ。別タオルで陰部を拭く。おむつをしたら、今度は足を拭いて湿気を取ると、ネグリジェの裾を直した。ふう、とりあえずこれで良しと。そうだ、便は出たのかなあ?聞いていないな。あとで聞こうかな。

拭き終わったら、あとは莉子に化粧水を付けて髪を梳いた。そこへ流動食が来た。
重湯にスープ、あとはリンゴジュースとヨーグルトドリンクだった。ベッドの上半身を上げた。

首周りにタオルを掛けて、口を開けさせて、スプーンで重湯を入れた。飲んでと莉子に言った。すると、ごくりと飲んだ。飲めたね!! うれしい。莉子が飲めて俺はうれしいよと言ってキスをした。すると俺の目を見た。ふふふ。

結局、全体の5分の1くらいだけど、飲めたんだ。本当にうれしいよ。途中で莉子のおなかがぐぐっって鳴っていたよ。あははは。うれしい、胃や腸がちゃんと活動してきたのかな?

最後に莉子の口をゆすいであげた。もちろん歯も磨いてあげたさ。莉子は口の中までかわいいなあ~って思いながらね。本当に赤ちゃんみたいなんだ。
さて、この時点で8時半過ぎた。もう帰らないといけない。医局では引継ぎが終わったかどうかという頃だな。
俺は医局に行って例の医師に合図をすると出て来てくれた。

「忙しいところをすまないね。身体も拭いたし、歯磨きもしたから清拭はしなくて良いよ。あと食事は5分の1は飲めたよ。あと、便は出ただろうか?」と聞くと「いえ、出ていないんですよ、それで今日の午後にでも浣腸をしようかと思っていたところなんですよ」

「そうか、そしたら悪いんだけど、莉子は腸が弱いからグリセリンは禁物なんだよ。苦しんだ挙句に復活するのに2時間から半日もかかるんだよ。だからお湯だけで十分だから300ccくらいでお願いしたいです。じゃあ、お昼にまた食事の介助に来るので置いといてください。よろしくお願いしますね」というと、「はい、分かりました!」と言ってくれたので、そのまま医局を後にした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

処理中です...