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160話 莉子入院・5
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昨夜は莉子がうっすらと目を開けたし、水を口移しで何回か飲めたんだ。血圧は8も上がった。良かった。意識が戻っただけでも本当に神様に感謝したい。
今日は自宅でオンライン診療の日だから、早朝に病院に行って莉子に流動食を食べさせないといけない。
食べられるかどうか?が気になる。俺は病院に朝7時頃着いた。すぐ白衣に着替えて、内科病棟に行った。
もちろん一般の面会は時間が決められているが、そこは同じ大学病院の非常勤とはいえ、名札を下げている医師だから無視させてもらう。スタッフ用のエレベーターを降りて医局に向かった。すると、昨夜の医師が夜勤明けでいた。
「おはようございます。莉子の流動食は、昨日の今日だから間に合ったかなあ?」と聞くと、「おはようございます。はい、ばっちり間に合いました。もうすぐきますよ」と言ってくれた。「ありがとう、莉子の病室にいるよ」
莉子おはよう、目が覚めた?と頬に手をあてて聞いた。するとゆっくりと目を開けた。お水を飲むか?と聞くとうんと頷いた。声はまだ発しないが昨日よりは呼びかけに応える。良かったよ。
自分で飲めるかどうかを確かめたくて、タオルを首回りにかけてからベッドの上半身を上げた。
で、莉子の口を少し開けておいて、口元にコップを当てて、お水だよ、飲んでと言って傾けた。まだそれは無理だった。ぼとぼとっとこぼれた。ふう......、やっぱり無理か。自分から吸うと言うことが出来ないようだ。
今度は口移しで水を飲ませてみた。すると、なんとかごくりと飲めた。もう一回飲んでと言って、また口移しで飲ませた。またごくっと飲んだ。もう一回だよ。また口移しで飲ませた。
試しに吸い飲みを買ってこう。「莉子、売店に行って吸い飲みを買ってくるからね。待っててね」と言って髪を撫でながらキスをした。ベッドはそのままの傾斜を維持することにした。
吸い飲みを買って戻ってくると、莉子はまた目をつぶっていた。吸い飲みで水を飲むかどうか試したかった。
「莉子、水だよ。飲んで」と言って、首にタオルをかけて吸い飲みで口の中に水をいれると、ほとんどこぼれてしまう。はあ......、困った。もっと覚醒してやらないとおかゆには程遠いな。ベッドの傾斜を戻して平行にした。
熱めのお湯にタオルを浸した。やけどをしない程度の温度で、莉子の顔を拭いた。それか両手を拭いた。カーテンを閉めて、莉子のパジャマを脱がせた。それから、身体を拭いてやった。背中と腰には40度くらいの温度でしばらくタオルを当てて、血行を良くした。あたためた後は手でさすってマッサージをした。あとは冷えないようにバスタオルを掛けてやった。
そしてこの前買ったかわいいネグリジェを着せた。今度は下を拭こう。もう一度熱い湯を用意する。
下はおむつだけだ。バルーンの管が入っているから気を付けて、膝を立てて開かせる。とりあえず出血はしていないようだ。別タオルで陰部を拭く。おむつをしたら、今度は足を拭いて湿気を取ると、ネグリジェの裾を直した。ふう、とりあえずこれで良しと。そうだ、便は出たのかなあ?聞いていないな。あとで聞こうかな。
拭き終わったら、あとは莉子に化粧水を付けて髪を梳いた。そこへ流動食が来た。
重湯にスープ、あとはリンゴジュースとヨーグルトドリンクだった。ベッドの上半身を上げた。
首周りにタオルを掛けて、口を開けさせて、スプーンで重湯を入れた。飲んでと莉子に言った。すると、ごくりと飲んだ。飲めたね!! うれしい。莉子が飲めて俺はうれしいよと言ってキスをした。すると俺の目を見た。ふふふ。
結局、全体の5分の1くらいだけど、飲めたんだ。本当にうれしいよ。途中で莉子のおなかがぐぐっって鳴っていたよ。あははは。うれしい、胃や腸がちゃんと活動してきたのかな?
最後に莉子の口をゆすいであげた。もちろん歯も磨いてあげたさ。莉子は口の中までかわいいなあ~って思いながらね。本当に赤ちゃんみたいなんだ。
さて、この時点で8時半過ぎた。もう帰らないといけない。医局では引継ぎが終わったかどうかという頃だな。
俺は医局に行って例の医師に合図をすると出て来てくれた。
「忙しいところをすまないね。身体も拭いたし、歯磨きもしたから清拭はしなくて良いよ。あと食事は5分の1は飲めたよ。あと、便は出ただろうか?」と聞くと「いえ、出ていないんですよ、それで今日の午後にでも浣腸をしようかと思っていたところなんですよ」
「そうか、そしたら悪いんだけど、莉子は腸が弱いからグリセリンは禁物なんだよ。苦しんだ挙句に復活するのに2時間から半日もかかるんだよ。だからお湯だけで十分だから300ccくらいでお願いしたいです。じゃあ、お昼にまた食事の介助に来るので置いといてください。よろしくお願いしますね」というと、「はい、分かりました!」と言ってくれたので、そのまま医局を後にした。
今日は自宅でオンライン診療の日だから、早朝に病院に行って莉子に流動食を食べさせないといけない。
食べられるかどうか?が気になる。俺は病院に朝7時頃着いた。すぐ白衣に着替えて、内科病棟に行った。
もちろん一般の面会は時間が決められているが、そこは同じ大学病院の非常勤とはいえ、名札を下げている医師だから無視させてもらう。スタッフ用のエレベーターを降りて医局に向かった。すると、昨夜の医師が夜勤明けでいた。
「おはようございます。莉子の流動食は、昨日の今日だから間に合ったかなあ?」と聞くと、「おはようございます。はい、ばっちり間に合いました。もうすぐきますよ」と言ってくれた。「ありがとう、莉子の病室にいるよ」
莉子おはよう、目が覚めた?と頬に手をあてて聞いた。するとゆっくりと目を開けた。お水を飲むか?と聞くとうんと頷いた。声はまだ発しないが昨日よりは呼びかけに応える。良かったよ。
自分で飲めるかどうかを確かめたくて、タオルを首回りにかけてからベッドの上半身を上げた。
で、莉子の口を少し開けておいて、口元にコップを当てて、お水だよ、飲んでと言って傾けた。まだそれは無理だった。ぼとぼとっとこぼれた。ふう......、やっぱり無理か。自分から吸うと言うことが出来ないようだ。
今度は口移しで水を飲ませてみた。すると、なんとかごくりと飲めた。もう一回飲んでと言って、また口移しで飲ませた。またごくっと飲んだ。もう一回だよ。また口移しで飲ませた。
試しに吸い飲みを買ってこう。「莉子、売店に行って吸い飲みを買ってくるからね。待っててね」と言って髪を撫でながらキスをした。ベッドはそのままの傾斜を維持することにした。
吸い飲みを買って戻ってくると、莉子はまた目をつぶっていた。吸い飲みで水を飲むかどうか試したかった。
「莉子、水だよ。飲んで」と言って、首にタオルをかけて吸い飲みで口の中に水をいれると、ほとんどこぼれてしまう。はあ......、困った。もっと覚醒してやらないとおかゆには程遠いな。ベッドの傾斜を戻して平行にした。
熱めのお湯にタオルを浸した。やけどをしない程度の温度で、莉子の顔を拭いた。それか両手を拭いた。カーテンを閉めて、莉子のパジャマを脱がせた。それから、身体を拭いてやった。背中と腰には40度くらいの温度でしばらくタオルを当てて、血行を良くした。あたためた後は手でさすってマッサージをした。あとは冷えないようにバスタオルを掛けてやった。
そしてこの前買ったかわいいネグリジェを着せた。今度は下を拭こう。もう一度熱い湯を用意する。
下はおむつだけだ。バルーンの管が入っているから気を付けて、膝を立てて開かせる。とりあえず出血はしていないようだ。別タオルで陰部を拭く。おむつをしたら、今度は足を拭いて湿気を取ると、ネグリジェの裾を直した。ふう、とりあえずこれで良しと。そうだ、便は出たのかなあ?聞いていないな。あとで聞こうかな。
拭き終わったら、あとは莉子に化粧水を付けて髪を梳いた。そこへ流動食が来た。
重湯にスープ、あとはリンゴジュースとヨーグルトドリンクだった。ベッドの上半身を上げた。
首周りにタオルを掛けて、口を開けさせて、スプーンで重湯を入れた。飲んでと莉子に言った。すると、ごくりと飲んだ。飲めたね!! うれしい。莉子が飲めて俺はうれしいよと言ってキスをした。すると俺の目を見た。ふふふ。
結局、全体の5分の1くらいだけど、飲めたんだ。本当にうれしいよ。途中で莉子のおなかがぐぐっって鳴っていたよ。あははは。うれしい、胃や腸がちゃんと活動してきたのかな?
最後に莉子の口をゆすいであげた。もちろん歯も磨いてあげたさ。莉子は口の中までかわいいなあ~って思いながらね。本当に赤ちゃんみたいなんだ。
さて、この時点で8時半過ぎた。もう帰らないといけない。医局では引継ぎが終わったかどうかという頃だな。
俺は医局に行って例の医師に合図をすると出て来てくれた。
「忙しいところをすまないね。身体も拭いたし、歯磨きもしたから清拭はしなくて良いよ。あと食事は5分の1は飲めたよ。あと、便は出ただろうか?」と聞くと「いえ、出ていないんですよ、それで今日の午後にでも浣腸をしようかと思っていたところなんですよ」
「そうか、そしたら悪いんだけど、莉子は腸が弱いからグリセリンは禁物なんだよ。苦しんだ挙句に復活するのに2時間から半日もかかるんだよ。だからお湯だけで十分だから300ccくらいでお願いしたいです。じゃあ、お昼にまた食事の介助に来るので置いといてください。よろしくお願いしますね」というと、「はい、分かりました!」と言ってくれたので、そのまま医局を後にした。
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