医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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104話 甘えた

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莉子の生理は3日目になった。膀胱に入れていたバルーンは抜去した。もうトイレまで歩けるね。
バルーンをずっと入れたままだと尿路感染になりやすくなるから、できるなら避けたいんだけど、莉子はばい菌に弱いからなあ~。どこまでもぬくぬくと培養された子だよねえ。これは俺のせいかなあ? 否定はしない。

それにしても、<莉子を守る会>は俺が作ったわけではない。向こうが自発的に作ってくれたということは、やっぱりどこかに莉子的女王様オーラ?でも発しているのかな? 俺も言いなりだもんな。ふふ。

今日も点滴は必要だけど、そろそろ少しは食べられるかな?起こしてこよう。
先に熱を測り、血圧を測る。
莉子、起きられるか? トイレに行こう。管はさっき抜いたよ。
髪を撫でて頬に手を当てる。小さな赤い唇がつやつやとぷっくりしていてスモモみたいだな。なんてかわいいんだ。ちゅっちゅっと何回もやさしいキスをする。瞼も長いまつげにも口づけると目をパチッと開ける。大きな茶色の瞳で俺をじっと見つめている。なんだか身体がキュンキュンとしてくる。愛しているよ。莉子、大好きだ。唇をこじ開けて舌を侵入させる。「んん、あ、ん」とわずかに声が漏れてくる。莉子、俺はもう三日も我慢しているんだぞ。ああ、ダメだ。これ以上煽られたら止められない。

莉子トイレに行くよ。一緒に行くからおいでと、莉子の両手を俺の首に回して抱っこした。
「う~ん......」なんて言いながら俺の胸に抱きつき、身体をピタッとくっつけて、顔を肩にすりすりしている。
莉子、起きているのか? おしっこは出るか? 「う~んわかんない」トイレに座らせる。
トイレに座っても、上半身はだら~んと俺の腰に預けたままだ。両手は腰回りに回している。
全く少女の頃と同じなんだよなあ。少しでもいいからおしっこ出してと耳元でささやく。
目をつぶったままじっとしている。それで出しているの? 出た? うんと頷く。
そうか、水分が全然足りていないね。どんどん水を飲まないと駄目だよ。

もう一度抱っこして、ナプキンを片手で当てたまま、またベッドに寝かせる。下着を履こうね。
それから診察するよ。聴診器を当てて音を聴く。莉子はじっと目をつぶったまま横を向いている。
膝を立てて、触診するからね。手術の痕のかさぶたが取れて、蚊に刺されたようにポツポツと赤くなっている。
まだおなかが痛いか?「ううん。それほど痛くない」そうか、でもおなかが張っているよね。お通じがまだないもんね。よし、午後まで様子見しようね。

ご飯を食べよう。莉子の好きなパンケーキを焼くよ。「うわ~やったー!」と喜んでいるけど、本当に食べられるのかな?少しでも食べてくれたらいいよ。

じゃあ、出来たら呼ぶからソファで横になっていてね。 莉子の好きな朝の音楽をかける。鳥の声やせせらぎの音が部屋中に流れる。まるで森の中にいるような気がするよね。フルーツとサラダとオムレツも用意した。

莉子、出来たからおいで。ケチャップをいっぱい掛けていいよ。
「いえ~い!」今日は元気が出ているねえ。川瀬の薬の効果か?あっ待てよ、もしかしたらニンニク効果かなあ?だとしたら凄いぞ。

莉子はおいしそうにパンケーキを食べていた。へえ~本当に食べられるんだねえ。随分身体が改善されているなあ。
食欲が出たねえ。うれしいよ。元気になってくれたら一番うれしい。
莉子、今回赤ちゃんが出来ていなったからがっかりした? 
「うん、でもなんかそんな気がしていた。そうなんだろうなあって予感はしていたよ。」
そうか、次の後期試験が終わったら、どこかに旅行に行こうか?
「うん。行きたい」 どこに行きたいの?「んん~わかんない」 じゃあ、考えておいてね。

ところで、明日の大学は行けそうか?。無理なら休んでもいいよ。
「う~ん、明日の朝に決めてもいい?」うん、いいよ。これを食べたらまた休むといいよ。
今から点滴を1本するよ。今日はこれだけにしておくからね。お昼はしっかり食べてねよ。
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