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86話 莉子を介抱して(詩音+裕司+部長サイド)
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昨日、莉子兄からメールが来た。「莉子の具合がまだ良くないのに、大学に行くと言っているから、なにかあったら、申し訳ないけど連絡を下さい」だって。
正直、がーーんだよ。私には荷が重すぎるんだもん。莉子の命がかかっているから、私ひとりじゃ無理!!!
とりあえず、すぐ裕司君にもメールを転送した。で、朝一の授業から隣に座ってもらって、絶対私のそばを離れないでね!と頼んだ。もうこうなったら連帯責任だよ。
莉子は朝から青い顔をしていた。うわ~大丈夫か??? なんだか動くのもやっとって感じだった。
莉子、大丈夫??お兄さんからメールが来たよ。まだ具合が悪いんじゃないの?
「うん、でも座っているだけだから大丈夫だよ。ありがとう」
そうやって祈るような時間が過ぎて行った。お昼ご飯は、私もお弁当を食べた。だって、莉子を見張っていないと心配だから、学食には行けなかったんだよ。
私がいない隙になんかあったらあの素敵な莉子兄になんと言って良いのかわかんないもん。
裕司君も付き合わせた。当然! お昼もなんか買っておいでと言ったんだ。
莉子は莉子兄が作ったらしいサンドイッチとスープを持ってきていた。
あ~あ、いいよなあ~。あの素敵な素敵なイケメン莉子兄は、こんなにかわいい卵サンドや、スープまで作ってくれるんだぜっ!! うらやましすぎるよ。もう世の中本当に不公平だったらありゃしないよ。
裕司君はおにぎりとパンを買ってきてた。ごめんね。付き合わあせちゃって。
ところで、莉子はほとんどサンドイッチを食べなかった。ふう......と息をついて、机に突っ伏していた。
裕司君と顔を見合わせて・・イヤな予感......。
なんとか昼休みを過ごして、午後の授業が始まった。 しばらくすると、莉子がさらに青い顔をしてお腹が痛いと言ったんだ。きた===っ! で、トイレに行くと言って、授業中に抜けて行った。
実は午後の授業が始まる前に教授に莉子の不調を伝えておいたんだ。もしかしたら授業中に抜けるかもしれないと言っておいた。ほら出席が欠席になっても困るからさ。そしたら、一応事務局からも医務室からも話は聞いているから、気にしなくて大丈夫だよ。万が一の時は手助けしてあげてくれと言われたんだ。はあ~。
莉子兄は本当に良く気がつくし、頭の良い人なんだなあって思ったよ。
どうよ、この手回しの良さは。すごくない??ねえ、裕司君聞いてる?
あら?それにしても莉子が帰ってこない。なんで?? 心配だ。ちょっと見に行こうよ。
独りじゃ怖いから、裕司君も来てよ。ついでに荷物も持って行っとこうよ。何があるかわかんないんだからさ。
二人でトイレを見に行くと、もう莉子が真っ青な顔で倒れてた。しかも死にそうなくらい呼吸が苦しそうで、こっちの心臓が死にそうになったよ。
すぐ莉子兄に連絡をしないといけない!!
裕司君、とりあえず教授に一言伝えて来て!それですぐに戻って来てよ。
私が莉子兄に電話して伝えたら、「救急車で迎えに行くから、それまでは医務室の人に酸素ボンベを持ってきてもらって、酸素を吸わせてほしい」って言われた!
ええ==っ、医務室って何番だっけ? 急にわかんないから、とりあえず事務局から医務室に電話して話してもらおう。
酸素、酸素、ってことは呼吸が危ないってこと?? どうするの??莉子がここで死んじゃうかもしれないの??
いやだよ~!もう私の方がぼろぼろと泣いてしまった。莉子、しっかりしてえ~!!死んじゃ駄目だよ~!!
そこへ裕司君や他のみんなも聞きつけて助けに来てくれたから、手分けして救急車が来られるように誘導してほしいとみんなに言った!
それから私はずっと莉子を後ろから抱きかかえて頭を支えていた。裕司君には3人分の荷物を持っていてもらった。
そのうちに医務室の人が酸素ボンベを持ってきて、莉子に酸素マスクを付けてくれた。ふう~これで何とか大丈夫かなあ?あと、脈を測ったり、血圧を測ったりしていた。
でも莉子は本当に苦しそうだったし死にそうだったんだ。呼びかけてもあんまり反応がないんだよ。
本当に怖かったよ。そうこうしている間に救急車が来た!正門からずっとそばまでみんなが誘導してくれたんだ。
で、莉子は運ばれていった。荷物は医務室の人が預かってくれて一緒に救急車の乗って行ってくれた。
はあ......。救急車が行ったあとは、みんなで、はーっ!と息をついて、しばらく呆然としていた。
教室に戻って、とりあえず教授に救急車で搬送されたことを報告した。
そしたら「良し良し、みんなご苦労さんだったねえ。偉い偉い」とほめてくれた。点数を上げてくれないかな?
後は大学病院に着けば、莉子兄が救命救急にも来て診てくれるはずだから、安心だ。本当に助かったよ。
お兄さんが医者って大事だなあ。またそう思った。私も医者と結婚しなきゃ長生きできないわ。
そうだ!この話、絵画部の部長にも聞かせないと駄目だな。
裕司君、後で部室に行くよ。この話は部長にも話して共有しないと駄目だもんね。
「そうだよねえ~。もう俺、ノミの心臓だから、またこっちまで息が苦しくなっちゃったよ。もうかわいそうでかわいそうで、俺まで目がうるうるして泣きそうだったもん」
午後の授業が全部終わって、絵画部の部室に裕司君と行った。
部長は悠然と座っていた。
「ああ! 二人とも何も言わなくていいよ。もうとっくに聞いたからね」と部長が言った。
詩音ちゃん「えええ??? 誰からですか?」
部長「へへへ、いっぱいいるんだよ。話したがりがねえ~。第一、学内を救急車が入って来るんだよ!目立つだろう?それに、誘導する奴がいっぱいいたじゃん!もう何事なんだって事務局の人も出て来るしさ。医務室の人もボンベを持って走っているのが見えたんだよ。すごすぎるだろう? 誰かが飛び降りたのか?くらいのインパクトだろう?」
部長「おまけに3号館方向へ行ったら、もう答えはわかるでしょ?一人しかいないよね」
えええ~つまんない。いっぱい喋りたかったのにぃ~。
私と裕司君はブスっとして不貞腐れた。
正直、がーーんだよ。私には荷が重すぎるんだもん。莉子の命がかかっているから、私ひとりじゃ無理!!!
とりあえず、すぐ裕司君にもメールを転送した。で、朝一の授業から隣に座ってもらって、絶対私のそばを離れないでね!と頼んだ。もうこうなったら連帯責任だよ。
莉子は朝から青い顔をしていた。うわ~大丈夫か??? なんだか動くのもやっとって感じだった。
莉子、大丈夫??お兄さんからメールが来たよ。まだ具合が悪いんじゃないの?
「うん、でも座っているだけだから大丈夫だよ。ありがとう」
そうやって祈るような時間が過ぎて行った。お昼ご飯は、私もお弁当を食べた。だって、莉子を見張っていないと心配だから、学食には行けなかったんだよ。
私がいない隙になんかあったらあの素敵な莉子兄になんと言って良いのかわかんないもん。
裕司君も付き合わせた。当然! お昼もなんか買っておいでと言ったんだ。
莉子は莉子兄が作ったらしいサンドイッチとスープを持ってきていた。
あ~あ、いいよなあ~。あの素敵な素敵なイケメン莉子兄は、こんなにかわいい卵サンドや、スープまで作ってくれるんだぜっ!! うらやましすぎるよ。もう世の中本当に不公平だったらありゃしないよ。
裕司君はおにぎりとパンを買ってきてた。ごめんね。付き合わあせちゃって。
ところで、莉子はほとんどサンドイッチを食べなかった。ふう......と息をついて、机に突っ伏していた。
裕司君と顔を見合わせて・・イヤな予感......。
なんとか昼休みを過ごして、午後の授業が始まった。 しばらくすると、莉子がさらに青い顔をしてお腹が痛いと言ったんだ。きた===っ! で、トイレに行くと言って、授業中に抜けて行った。
実は午後の授業が始まる前に教授に莉子の不調を伝えておいたんだ。もしかしたら授業中に抜けるかもしれないと言っておいた。ほら出席が欠席になっても困るからさ。そしたら、一応事務局からも医務室からも話は聞いているから、気にしなくて大丈夫だよ。万が一の時は手助けしてあげてくれと言われたんだ。はあ~。
莉子兄は本当に良く気がつくし、頭の良い人なんだなあって思ったよ。
どうよ、この手回しの良さは。すごくない??ねえ、裕司君聞いてる?
あら?それにしても莉子が帰ってこない。なんで?? 心配だ。ちょっと見に行こうよ。
独りじゃ怖いから、裕司君も来てよ。ついでに荷物も持って行っとこうよ。何があるかわかんないんだからさ。
二人でトイレを見に行くと、もう莉子が真っ青な顔で倒れてた。しかも死にそうなくらい呼吸が苦しそうで、こっちの心臓が死にそうになったよ。
すぐ莉子兄に連絡をしないといけない!!
裕司君、とりあえず教授に一言伝えて来て!それですぐに戻って来てよ。
私が莉子兄に電話して伝えたら、「救急車で迎えに行くから、それまでは医務室の人に酸素ボンベを持ってきてもらって、酸素を吸わせてほしい」って言われた!
ええ==っ、医務室って何番だっけ? 急にわかんないから、とりあえず事務局から医務室に電話して話してもらおう。
酸素、酸素、ってことは呼吸が危ないってこと?? どうするの??莉子がここで死んじゃうかもしれないの??
いやだよ~!もう私の方がぼろぼろと泣いてしまった。莉子、しっかりしてえ~!!死んじゃ駄目だよ~!!
そこへ裕司君や他のみんなも聞きつけて助けに来てくれたから、手分けして救急車が来られるように誘導してほしいとみんなに言った!
それから私はずっと莉子を後ろから抱きかかえて頭を支えていた。裕司君には3人分の荷物を持っていてもらった。
そのうちに医務室の人が酸素ボンベを持ってきて、莉子に酸素マスクを付けてくれた。ふう~これで何とか大丈夫かなあ?あと、脈を測ったり、血圧を測ったりしていた。
でも莉子は本当に苦しそうだったし死にそうだったんだ。呼びかけてもあんまり反応がないんだよ。
本当に怖かったよ。そうこうしている間に救急車が来た!正門からずっとそばまでみんなが誘導してくれたんだ。
で、莉子は運ばれていった。荷物は医務室の人が預かってくれて一緒に救急車の乗って行ってくれた。
はあ......。救急車が行ったあとは、みんなで、はーっ!と息をついて、しばらく呆然としていた。
教室に戻って、とりあえず教授に救急車で搬送されたことを報告した。
そしたら「良し良し、みんなご苦労さんだったねえ。偉い偉い」とほめてくれた。点数を上げてくれないかな?
後は大学病院に着けば、莉子兄が救命救急にも来て診てくれるはずだから、安心だ。本当に助かったよ。
お兄さんが医者って大事だなあ。またそう思った。私も医者と結婚しなきゃ長生きできないわ。
そうだ!この話、絵画部の部長にも聞かせないと駄目だな。
裕司君、後で部室に行くよ。この話は部長にも話して共有しないと駄目だもんね。
「そうだよねえ~。もう俺、ノミの心臓だから、またこっちまで息が苦しくなっちゃったよ。もうかわいそうでかわいそうで、俺まで目がうるうるして泣きそうだったもん」
午後の授業が全部終わって、絵画部の部室に裕司君と行った。
部長は悠然と座っていた。
「ああ! 二人とも何も言わなくていいよ。もうとっくに聞いたからね」と部長が言った。
詩音ちゃん「えええ??? 誰からですか?」
部長「へへへ、いっぱいいるんだよ。話したがりがねえ~。第一、学内を救急車が入って来るんだよ!目立つだろう?それに、誘導する奴がいっぱいいたじゃん!もう何事なんだって事務局の人も出て来るしさ。医務室の人もボンベを持って走っているのが見えたんだよ。すごすぎるだろう? 誰かが飛び降りたのか?くらいのインパクトだろう?」
部長「おまけに3号館方向へ行ったら、もう答えはわかるでしょ?一人しかいないよね」
えええ~つまんない。いっぱい喋りたかったのにぃ~。
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