医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

文字の大きさ
上 下
77 / 455

76話 莉子の手術

しおりを挟む
莉子の手術は朝一でやる予定だ。両親たちも来てくれた。
手術時間は2~3時間くらいの予定だけど、癒着の程度によってはもっとかかるかもしれない。
莉子の病室に行って両親たちが励ましていた。莉子はなんとか頑張っていたが、両親の顔を見たらまた泣いていた。よく泣くな~.....しかし文句は言えない。

ところで心配していた生理が入院した夜中から始まっていた。痛みをすぐ訴え始めていたから、点滴の中に痛み止めを処方してくれたようだ。しかし21時から下剤を飲まないといけないので、その腹痛と合わさって、トイレで動けなくなってしまったらしい。当たり前だ。ああ~胸が痛い。

で、昨日は魔の二日目だから、痛み止めもあまり効かないところへ、21時からまた下剤を服用したから、今度は痛みで立てなかったそうだ。それで、手術当日に入れるバルーンを昨日から入れて、ベッドから起きないで済むようにしてくれたようだ。こういう事態を一番心配していたんだよな。

昨日は休めるはずが急遽病院の診療が入ってしまったんだ。だから莉子に会ったのは、早朝と昼休みと夜になってしまった。莉子はぐったりしていて、しゃべる気力もない感じだった。本当にもどかしいよ。

自宅にいる時だって、初日からバルーンを入れるんだ。そもそもが起きれないからね。生理の時に下剤を飲むなんて莉子の場合は無理なんだよ。ああ~悔しい。

何のために俺がお湯で浣腸していると思っているんだよ。二重の苦痛を味あわせたくないからだよ。......といっても病院じゃ無理か......。

手術を受ける人は、みんな二日連続で下剤を飲むんだよな。病院の手術前後の日程は決まっているんだ。

でも莉子は普通の身体じゃないからな。それでも手術時の前処置の必要性はわかっているから何も言えない。
万が一、腸などに傷をつけた場合は、中がきれいになっていないと、感染のリスクが大きいんだ。

人に任せた以上は病院のスケジュールで動くしかない。疼痛管理といってもどの程度できるのか?
痛みは当人が言わないと伝わらないからな。莉子はすごく我慢する奴なんだ。それで余計に俺は悔しいんだ。

とにかく、手術室近くの家族用待合室に両親たちと移動した。それからすぐに手術室の入り口前に、莉子が運ばれてくるのを待った。
やがて莉子のベッドがやってきた。お母さんが手を握って励ましていた。俺はちょっと遠慮して目を見つめて頷いただけだった。

莉子の手術は4時間近くかかった。癒着を剥がすのに時間がかかったそうだ。
摘出した卵巣を見せられた。黒っぽくなっていて、おそらくチョコレート嚢腫だろうと言うことだったが、組織検査に回すから、正式にはそれから報告しますとのことだった。

とにかく終わったんだ。あとは術後の痛みと生理の痛みのコントロールだな。本当に神頼みって感じだよ。
莉子は頑張ったよ。今すぐ抱きしめたいくらいだけど、術後の莉子は本当に痛々しくて涙が出そうだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない

若松だんご
恋愛
 ――俺には、将来を誓った相手がいるんです。  お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。  ――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。  ほげええっ!?  ちょっ、ちょっと待ってください、課長!  あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?  課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。  ――俺のところに来い。  オオカミ課長に、強引に同居させられた。  ――この方が、恋人らしいだろ。  うん。そうなんだけど。そうなんですけど。  気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。  イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。  (仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???  すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...