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42話 私を泣かせて
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病院から帰ってくると、莉子は自分の部屋のベッドで横になった。
俺はそのまま、夕飯を支度した。
エビピラフを炊き込みで作った。他にサラダとスープだ。
背中を向けて横になっている莉子に、夕飯だよと声を掛けると、あんまり食べたくないという。
俺は莉子のベッドの脇に腰かけて、髪を何回も撫でた。
じゃあ、スープだけでも飲むか?
「後でいい」じゃあ、お腹が空いたら食べてね。
莉子がこうなるのは予想していた。しばらく時間が必要のようだ。
まだまだ18歳だ。無理もない。
でも今は一食でも抜くと身体が余計に弱るから、それが気になった。
きつい生理や喘息の発作が治まったばかりで、身体のダメージからまだまだ復活してはいない。
先に夕飯を済ませ、お風呂を沸かした。
莉子、一緒にお風呂に入ろう。身体を洗ってあげるから。
「イヤだ、入らない」そう言うと思ったがしょうがない。先に風呂に入ることにした。
莉子は意固地になっているようだ。気持ちをぶつけるところがないんだね。
今日の今日じゃ、しょうがないか。あとでゆっくり話そう。
お風呂に入ったあとで、莉子の部屋に行った。
莉子、寝る前に少し診察させて。まだ体力が完全に回復しているわけではないし、
大学に行けるかどうかを判断したいから。
そう言うと莉子は諦めて仰向けになってくれた。
朝の診察と同じように一通りしている間はじっと目をつぶったままだった。
莉子、少し話をしよう。
莉子の頭を支えて上半身を起こし、背中側に俺が座り胸にもたれ掛けさせて、両腕で抱きしめた。
莉子、今日はよく頑張ったね。
内診はやはりまだ痛かったんじゃないの?
「うん」 ちょっとまだ辛かったかもしれないね。
でも莉子の頑張りで、川瀬も正しい診断をしてくれたね?
莉子、今日の診断結果をどう思ったの? 俺は莉子がこの世で一番大切だ。
一番愛しているから、なるべく元気でいて欲しいんだ。でも元気が出ない時は無理をしなくていいんだよ。
ありのままの莉子でいいんだよ。そんな莉子だって大好きだ。
俺がもし、病気になったら莉子は心配してくれるだろう? 同じなんだよ。
お父さんもお母さんも莉子に幸せになって欲しいと思っているんだ。
莉子の身体は一人だけのものじゃないよ。
妊娠の可能性を今日言われたね。
莉子がいいなら、今からだって子作りに励んだっていいんだぞ!
俺たちは結婚しているんだ。何の問題もない。
もし妊娠したら、大学を休学してもいいし、退学してもいい。
なんなら、俺が子育てをしてもいいんだ。試してみる?
でも子供がいるだけが幸せじゃないよ。
子どもがいなくたってなんの問題もない。
莉子が卒業したら、やりたいことがいっぱいあるだろうから、思い通りにしていいんだよ。
なんにも縛られなくてもいいんだ。
俺は二人でいることが一番幸せなんだ。いつも莉子が最優先だ。
この前、莉子が喘息発作を起こして呼吸困難になっていたのに、
さらに生理痛で気絶した時は、俺は本当にパニックになったよ。医者なのに。
莉子を失うことが怖くて涙が出たよ。
卵巣を取るのは何も問題ないよ。怖がらなくていいんだ。俺がついているから。
頼りにならない医者だけど、莉子には頼って欲しいと思っているんだ。
どうかな??
そう言いながら、俺はなぜか涙が流れていた。莉子もボロボロと涙を流して泣いていた。
それから莉子の向きを変えて俺は力いっぱい抱きしめた。
莉子、愛しているよ。
俺はそのまま、夕飯を支度した。
エビピラフを炊き込みで作った。他にサラダとスープだ。
背中を向けて横になっている莉子に、夕飯だよと声を掛けると、あんまり食べたくないという。
俺は莉子のベッドの脇に腰かけて、髪を何回も撫でた。
じゃあ、スープだけでも飲むか?
「後でいい」じゃあ、お腹が空いたら食べてね。
莉子がこうなるのは予想していた。しばらく時間が必要のようだ。
まだまだ18歳だ。無理もない。
でも今は一食でも抜くと身体が余計に弱るから、それが気になった。
きつい生理や喘息の発作が治まったばかりで、身体のダメージからまだまだ復活してはいない。
先に夕飯を済ませ、お風呂を沸かした。
莉子、一緒にお風呂に入ろう。身体を洗ってあげるから。
「イヤだ、入らない」そう言うと思ったがしょうがない。先に風呂に入ることにした。
莉子は意固地になっているようだ。気持ちをぶつけるところがないんだね。
今日の今日じゃ、しょうがないか。あとでゆっくり話そう。
お風呂に入ったあとで、莉子の部屋に行った。
莉子、寝る前に少し診察させて。まだ体力が完全に回復しているわけではないし、
大学に行けるかどうかを判断したいから。
そう言うと莉子は諦めて仰向けになってくれた。
朝の診察と同じように一通りしている間はじっと目をつぶったままだった。
莉子、少し話をしよう。
莉子の頭を支えて上半身を起こし、背中側に俺が座り胸にもたれ掛けさせて、両腕で抱きしめた。
莉子、今日はよく頑張ったね。
内診はやはりまだ痛かったんじゃないの?
「うん」 ちょっとまだ辛かったかもしれないね。
でも莉子の頑張りで、川瀬も正しい診断をしてくれたね?
莉子、今日の診断結果をどう思ったの? 俺は莉子がこの世で一番大切だ。
一番愛しているから、なるべく元気でいて欲しいんだ。でも元気が出ない時は無理をしなくていいんだよ。
ありのままの莉子でいいんだよ。そんな莉子だって大好きだ。
俺がもし、病気になったら莉子は心配してくれるだろう? 同じなんだよ。
お父さんもお母さんも莉子に幸せになって欲しいと思っているんだ。
莉子の身体は一人だけのものじゃないよ。
妊娠の可能性を今日言われたね。
莉子がいいなら、今からだって子作りに励んだっていいんだぞ!
俺たちは結婚しているんだ。何の問題もない。
もし妊娠したら、大学を休学してもいいし、退学してもいい。
なんなら、俺が子育てをしてもいいんだ。試してみる?
でも子供がいるだけが幸せじゃないよ。
子どもがいなくたってなんの問題もない。
莉子が卒業したら、やりたいことがいっぱいあるだろうから、思い通りにしていいんだよ。
なんにも縛られなくてもいいんだ。
俺は二人でいることが一番幸せなんだ。いつも莉子が最優先だ。
この前、莉子が喘息発作を起こして呼吸困難になっていたのに、
さらに生理痛で気絶した時は、俺は本当にパニックになったよ。医者なのに。
莉子を失うことが怖くて涙が出たよ。
卵巣を取るのは何も問題ないよ。怖がらなくていいんだ。俺がついているから。
頼りにならない医者だけど、莉子には頼って欲しいと思っているんだ。
どうかな??
そう言いながら、俺はなぜか涙が流れていた。莉子もボロボロと涙を流して泣いていた。
それから莉子の向きを変えて俺は力いっぱい抱きしめた。
莉子、愛しているよ。
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