医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘～い愛の物語

33話 新婚の夜・１

大学病院から帰宅して、ただいまと言って莉子の部屋をのぞくと、莉子は勉強していた。
身体は大丈夫か？「うん、月曜日に提出のレポートがあるから今必死なんだ」

無理するなよ。じゃあ、すぐ夕飯の支度をするから、後で一緒に食べよう。

俺は風呂を用意しながら、パスタを作った。
今日はブラックペッパーの効いたカルボナーラにしよう。
あとは、作り置きのニンジンのラぺと野菜スープだ。

俺は着替えてから、いつもの黒のエプロンを掛けてから作り始めた。
スープとサラダの用意を先に終わらせてから、パスタをゆでる。
同時に卵や生クリームを出して用意。
それとこの前奮発して買った、パルミジャーノ・レッジャーノを出す。

茹でたパスタと炒めたベーコン、パルミジャーノや他の材料を混ぜたら、
最後にゆでたお湯で、湯煎して混ぜてねっとりさせる。
仕上げはブラックペッパーとまたパルミジャーノをおろして振りかけえば出来上がり！

「莉子、カルボナーラが出来たから、秒を争って来いよ！」と叫ぶ。
「はーい！」　全く、こういう時だけ元気だな。

ワインも出して乾杯だ。

俺たち、結婚おめでとう！！と言うと、莉子もニコッとかわいい笑顔でグラスを合わせた。
なんて、かわいい笑顔なんだ。これは誰にも見せたくないな。(笑)

あしたさ、結婚指輪を買いに行こうよと言うと、
「えっ？」と莉子が驚く。

「指輪があったら学校に、はめていく？？」と俺が聞くと、
「ええ……と、うう……んと、どうしよう。どうしたらいいの？？」

そこは迷うとこなの？？　俺ははめて欲しいけど、無理強いはしないよ。
莉子に任せるよ。ただ、あまりにも学校でモテるようなら強制的にはめさせるからな。

二人でくすくすと笑い合う。

それとさ、そろそろお兄ちゃんと呼ぶのはやめてくれないか？
俺達は結婚したんだから夫婦だぞ。

知らない人が聞いたら人聞きが悪いだろうが(笑)　
俺は男として名前を呼んで欲しいんだ。

「う～ん、じゃあ春樹さん？」見合結婚じゃないんだ。

「じゃあ、ハーさん」こら、ふざけているだろう？　　二人であはははと爆笑する。

「じゃあ、春ちゃん」でどうですか？　うん、良し！　また笑い合った。

莉子、これからは1日に10回は呼んで練習してね。俺もまだ慣れないからさ。

順応できるように頑張るから。ふふふ、とまた二人で笑い合った。