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21話 結婚・1 父に告白
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「莉子、明日の午後はちょっと時間を作って父さんに会ってくるよ。
相談したいことがあるんだ。五時までには帰ってくるからね」
「うん、わかった。気を付けて行ってきてね」
「莉子もたまには帰りたいか? 行きたいなら週末に一緒に行くよ」
「ううん、いいよ。往復すると疲れるから」
莉子がちょっと元気なくそう言った。そうだな、まだ無理かもな。
実家は父が内科の医院をやっている。
午前の診療が終わった頃、1時半くらいなら父さんと話せるから、
その時間を狙って行った。もちろん事前に連絡はしていた。
「母さん、元気? これお土産のケーキ」
「うわ~ありがとう。春ちゃんも元気そうでよかったわ」
「それで莉子はどんな具合だ?」父が心配して聞いてきた。
俺は時々メールで莉子の様子を父に知らせているから、大学で倒れた件も知っていた。
「大学で倒れたんだろう?」
「うん、迎えに行って、痛み止めの注射をして連れて帰って来たよ。
生理痛で気を失う寸前という感じかな。だんだん子宮内膜症が酷くなってきてるんだ」
で、痛み止めの投与だけではもう限界だから、金曜に、大学の同期で同じ大学病院にいる産婦人科医の川瀬に診てもらったんだよ。
いろいろ検査をして、今度結果を聞きに行くから、分かったらまた連絡をするよ。
「悪いな、莉子の面倒を色々見てくれて。おかげでこっちは安心しているよ」
「ところで、本題はなんだ?」と父は、早く聞かせろとばかりに聞いてくる。
ああ…これが苦手なんだよなあ。なんだかいつも見透かされているようで、全くごまかせない……汗。
「ちょっとお母さんの前では言いにくいんだけどさ、莉子は処女だから、
膣から入れる超音波のプローブを、鎮静かけて直腸から診断してもらったんだよ」
「ふふふ、随分過保護な扱いを頼んだもんだなあ~笑。さすが莉子命の春樹だよ。あははは!」
と母と一緒になって笑っている。
「それにしても、莉子はまだ処女だったか。ふふふ」
「えっ??何言ってるんだ! 決まってるじゃないか!」俺はちょっとむっとして言った。
「で、もっと言いたいことがあるんだろう?」
「つまり、今回は処女だったから、膣からの診断はできなかったんだけど、
直腸からの画像では、明らかに右の卵巣が2倍くらいに腫れていて問題があるんだ。
で、これから先の治療や診断のことを考えると、内診がすごく重要になってくるから、
俺も考えたんだ。莉子がまだ18歳だから、ちょっと言いにくいんだけど………」
「莉子を嫁さんにしたいんだ」
父と母は一瞬、顔を見合わせてどっと笑い出す……。
「なんだよ~、なんで笑うんだよー?」
「遅いなあ~お前は。本当に自分の息子ながら真面目だよ。感心感心。あははは」
「気が付かないか?莉子をお前のとこにやったのは、嫁に出したつもりでいるんだけど」
「ねえ、そうだよね?」と母さんと一緒に笑ってる。
「そうそう、そうなのよ」と母。
「えええ=====っ?????!!!」ったく、何言っちゃってるの??
母が、「莉子にはちゃんと言ってあるんだけど、聞いてない?お兄ちゃんに一生お世話してもらいなさいって言っといたのよ」
「はあ?? そんなこと聞いてないよ」
父が、「そもそもだなあ、莉子の結婚相手は医者でなけりゃ無理だ。医者以外の人と結婚しても体を壊して早々に出戻ってくるだけだよ。おまけに子宮内膜症が酷いから、不妊に腹痛、排便痛、性交痛と問題の山だ。
これで結婚生活ができると思うか??」
「春樹は莉子命だから、分からないだろうけど、普通の男だったら、性交痛一つとっても結婚生活は成り立たないよ」
「おまけに浣腸されて、まだお前に泣いてしがみついとるのか?」
「ううう??―――っつ、ええーーっと、うん、まあね」
二人で大爆笑している。ったくなんだよ~。
「莉子も幸せだなあ~。なんせ8歳から同じことやってるんだもんなあ~」と大笑い。
「いいか、春樹、普通の男が同じことをできると思うか?それだけを考えたって、莉子の相手はお前しかいなんだよ」
「春ちゃん、莉子のこと、よろしくお願いしますね。好きにしていいわよ」と母まで笑いながら言う。
父が、「入籍はいつだっていいよ。血はつながっていなんだし、ちゃんと法律で認められてるんだから。
その辺のところは、莉子とよく話し合って決めろよ。
それと、やはり妊娠することが、子宮内膜症をストップさせる一番の治療法になる。
春樹も医者なんだから、それはよくわかるだろう?
年齢とか大学とか余計なことは考えなくていいから、子供ができるなら、一日も早い方が可能性があるぞ。
まあ、そんなにこっちは期待してないけど、莉子の希望もあるだろうからな。
それに春樹もいい歳だろう?早く決めろよ」
え?もう子供のことまで??もう~なんだよ~……。
予想外の展開で、頭がまとまらないよ。とにかくどっかでお茶でもしよう。
全くついていけない。落ち着いたらマンションに帰ることにしよう。
相談したいことがあるんだ。五時までには帰ってくるからね」
「うん、わかった。気を付けて行ってきてね」
「莉子もたまには帰りたいか? 行きたいなら週末に一緒に行くよ」
「ううん、いいよ。往復すると疲れるから」
莉子がちょっと元気なくそう言った。そうだな、まだ無理かもな。
実家は父が内科の医院をやっている。
午前の診療が終わった頃、1時半くらいなら父さんと話せるから、
その時間を狙って行った。もちろん事前に連絡はしていた。
「母さん、元気? これお土産のケーキ」
「うわ~ありがとう。春ちゃんも元気そうでよかったわ」
「それで莉子はどんな具合だ?」父が心配して聞いてきた。
俺は時々メールで莉子の様子を父に知らせているから、大学で倒れた件も知っていた。
「大学で倒れたんだろう?」
「うん、迎えに行って、痛み止めの注射をして連れて帰って来たよ。
生理痛で気を失う寸前という感じかな。だんだん子宮内膜症が酷くなってきてるんだ」
で、痛み止めの投与だけではもう限界だから、金曜に、大学の同期で同じ大学病院にいる産婦人科医の川瀬に診てもらったんだよ。
いろいろ検査をして、今度結果を聞きに行くから、分かったらまた連絡をするよ。
「悪いな、莉子の面倒を色々見てくれて。おかげでこっちは安心しているよ」
「ところで、本題はなんだ?」と父は、早く聞かせろとばかりに聞いてくる。
ああ…これが苦手なんだよなあ。なんだかいつも見透かされているようで、全くごまかせない……汗。
「ちょっとお母さんの前では言いにくいんだけどさ、莉子は処女だから、
膣から入れる超音波のプローブを、鎮静かけて直腸から診断してもらったんだよ」
「ふふふ、随分過保護な扱いを頼んだもんだなあ~笑。さすが莉子命の春樹だよ。あははは!」
と母と一緒になって笑っている。
「それにしても、莉子はまだ処女だったか。ふふふ」
「えっ??何言ってるんだ! 決まってるじゃないか!」俺はちょっとむっとして言った。
「で、もっと言いたいことがあるんだろう?」
「つまり、今回は処女だったから、膣からの診断はできなかったんだけど、
直腸からの画像では、明らかに右の卵巣が2倍くらいに腫れていて問題があるんだ。
で、これから先の治療や診断のことを考えると、内診がすごく重要になってくるから、
俺も考えたんだ。莉子がまだ18歳だから、ちょっと言いにくいんだけど………」
「莉子を嫁さんにしたいんだ」
父と母は一瞬、顔を見合わせてどっと笑い出す……。
「なんだよ~、なんで笑うんだよー?」
「遅いなあ~お前は。本当に自分の息子ながら真面目だよ。感心感心。あははは」
「気が付かないか?莉子をお前のとこにやったのは、嫁に出したつもりでいるんだけど」
「ねえ、そうだよね?」と母さんと一緒に笑ってる。
「そうそう、そうなのよ」と母。
「えええ=====っ?????!!!」ったく、何言っちゃってるの??
母が、「莉子にはちゃんと言ってあるんだけど、聞いてない?お兄ちゃんに一生お世話してもらいなさいって言っといたのよ」
「はあ?? そんなこと聞いてないよ」
父が、「そもそもだなあ、莉子の結婚相手は医者でなけりゃ無理だ。医者以外の人と結婚しても体を壊して早々に出戻ってくるだけだよ。おまけに子宮内膜症が酷いから、不妊に腹痛、排便痛、性交痛と問題の山だ。
これで結婚生活ができると思うか??」
「春樹は莉子命だから、分からないだろうけど、普通の男だったら、性交痛一つとっても結婚生活は成り立たないよ」
「おまけに浣腸されて、まだお前に泣いてしがみついとるのか?」
「ううう??―――っつ、ええーーっと、うん、まあね」
二人で大爆笑している。ったくなんだよ~。
「莉子も幸せだなあ~。なんせ8歳から同じことやってるんだもんなあ~」と大笑い。
「いいか、春樹、普通の男が同じことをできると思うか?それだけを考えたって、莉子の相手はお前しかいなんだよ」
「春ちゃん、莉子のこと、よろしくお願いしますね。好きにしていいわよ」と母まで笑いながら言う。
父が、「入籍はいつだっていいよ。血はつながっていなんだし、ちゃんと法律で認められてるんだから。
その辺のところは、莉子とよく話し合って決めろよ。
それと、やはり妊娠することが、子宮内膜症をストップさせる一番の治療法になる。
春樹も医者なんだから、それはよくわかるだろう?
年齢とか大学とか余計なことは考えなくていいから、子供ができるなら、一日も早い方が可能性があるぞ。
まあ、そんなにこっちは期待してないけど、莉子の希望もあるだろうからな。
それに春樹もいい歳だろう?早く決めろよ」
え?もう子供のことまで??もう~なんだよ~……。
予想外の展開で、頭がまとまらないよ。とにかくどっかでお茶でもしよう。
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