20 / 28
20話 婦人科受診
しおりを挟む
大学病院のロビーで莉子と待ち合わせをした。
今日は大学の診療日だったが、事情を話して何とかやりくりをして抜け出してきた。
白衣だけはカバンに入れて莉子を捜した。
莉子はちょっと虚ろな表情で、端っこのベンチにぽつんと座っていた。
「莉子、お待たせ」と声をかける。
ちょっとホッとしたような表情でそばに来た。
受付にはすでに話を通して、手続きも済ませておいた。
婦人科は2階だから一緒に行こう。こんな場所なんだけど、俺は莉子の手を繋いだ。
婦人科の受付はカウンターや壁がピンクで明るい印象だった。
莉子、もうそろそろ順番が来るから、呼ばれたら診察室に入ってね。
俺は白衣を来て、先に裏から回って川瀬のそばにいるからね。
「うん」莉子はちょっと緊張したまま、手をぎゅっと握りしめていた。
俺は白衣を来て、スタッフ用の通路から川瀬の診察室のすぐ後ろに控えた。
患者さんの終わったタイミングで、川瀬によろしくと声をかけておいた。
「北原 莉子さん」とアナウンスがあった。俺の方がドキドキしてるな。
「北原、ここにいていいよ」と言ってくれた。
莉子が入ってくると、俺はニコッとしてみせた。
「君が莉子ちゃんかい? 莉子ちゃんの話は大学時代からいっぱい聞かされてるよ(笑)
莉子ちゃん命だもんね」と川瀬が言うと、莉子がくすっと笑った。
「おいおい、頼むよ」なんでここでバラすかなあ?? 汗……。
「莉子ちゃんは生理痛がひどいんだね?ちょっと詳しく聞かせてね」
それから莉子はいろいろな質問に答え、川瀬は症状をパソコンに入力していく。
今日はいくつか検査があるけど、眠っている間に終わる検査もあるからね。大丈夫だよ。
先にお腹だけ触らせてね。痛いこところがあったら教えて下さい。
その時に一緒にお腹のエコーも撮るよ。
俺も一緒に映し出された画像を見た。
それから血液検査をして、そのまま鎮静を掛けられた。
その後は、心配していた経腟用プローブをお尻から入れて、直腸からの超音波画像を
一緒に見せてもらった。
「う~ん。やっぱり右の卵巣が腫れてるよなあ~」
あとは、MRIの画像も見てから判断しよう。
その間、莉子は鎮静から覚めるまでベッドで横になっていた。
その後は予約しておいてくれたMRIの検査も無事に出来た。
検査結果は次回と言うことで、川瀬にお礼を言って、莉子と帰ることにした。
血液検査の結果も必要だから、また来ることになる。
ああ、もう次回は子宮内膜症を莉子に知られるし、卵巣の異変も知ることになるな。
莉子もそろそろ自分の状態を知るのは、良い時期かもしれない。
もう川瀬の判断に任せよう。餅屋なんだから。
ただ、父には報告をしておかないといけないな。
「莉子、夕飯は何を食べたい? どっかで食べて帰ろうか??」
「ううん、いいよ、なんだか疲れたから寝たい」
「うん、じゃあ、帰ろうな」
駅前の店舗でたこ焼きのいい匂いがして、買うことにした。
莉子も食べたいんだって。(笑)
じゃあ、帰ろうねと莉子の手を繋いだ。
今日は大学の診療日だったが、事情を話して何とかやりくりをして抜け出してきた。
白衣だけはカバンに入れて莉子を捜した。
莉子はちょっと虚ろな表情で、端っこのベンチにぽつんと座っていた。
「莉子、お待たせ」と声をかける。
ちょっとホッとしたような表情でそばに来た。
受付にはすでに話を通して、手続きも済ませておいた。
婦人科は2階だから一緒に行こう。こんな場所なんだけど、俺は莉子の手を繋いだ。
婦人科の受付はカウンターや壁がピンクで明るい印象だった。
莉子、もうそろそろ順番が来るから、呼ばれたら診察室に入ってね。
俺は白衣を来て、先に裏から回って川瀬のそばにいるからね。
「うん」莉子はちょっと緊張したまま、手をぎゅっと握りしめていた。
俺は白衣を来て、スタッフ用の通路から川瀬の診察室のすぐ後ろに控えた。
患者さんの終わったタイミングで、川瀬によろしくと声をかけておいた。
「北原 莉子さん」とアナウンスがあった。俺の方がドキドキしてるな。
「北原、ここにいていいよ」と言ってくれた。
莉子が入ってくると、俺はニコッとしてみせた。
「君が莉子ちゃんかい? 莉子ちゃんの話は大学時代からいっぱい聞かされてるよ(笑)
莉子ちゃん命だもんね」と川瀬が言うと、莉子がくすっと笑った。
「おいおい、頼むよ」なんでここでバラすかなあ?? 汗……。
「莉子ちゃんは生理痛がひどいんだね?ちょっと詳しく聞かせてね」
それから莉子はいろいろな質問に答え、川瀬は症状をパソコンに入力していく。
今日はいくつか検査があるけど、眠っている間に終わる検査もあるからね。大丈夫だよ。
先にお腹だけ触らせてね。痛いこところがあったら教えて下さい。
その時に一緒にお腹のエコーも撮るよ。
俺も一緒に映し出された画像を見た。
それから血液検査をして、そのまま鎮静を掛けられた。
その後は、心配していた経腟用プローブをお尻から入れて、直腸からの超音波画像を
一緒に見せてもらった。
「う~ん。やっぱり右の卵巣が腫れてるよなあ~」
あとは、MRIの画像も見てから判断しよう。
その間、莉子は鎮静から覚めるまでベッドで横になっていた。
その後は予約しておいてくれたMRIの検査も無事に出来た。
検査結果は次回と言うことで、川瀬にお礼を言って、莉子と帰ることにした。
血液検査の結果も必要だから、また来ることになる。
ああ、もう次回は子宮内膜症を莉子に知られるし、卵巣の異変も知ることになるな。
莉子もそろそろ自分の状態を知るのは、良い時期かもしれない。
もう川瀬の判断に任せよう。餅屋なんだから。
ただ、父には報告をしておかないといけないな。
「莉子、夕飯は何を食べたい? どっかで食べて帰ろうか??」
「ううん、いいよ、なんだか疲れたから寝たい」
「うん、じゃあ、帰ろうな」
駅前の店舗でたこ焼きのいい匂いがして、買うことにした。
莉子も食べたいんだって。(笑)
じゃあ、帰ろうねと莉子の手を繋いだ。
1
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
美人すぎる姉ばかりの姉妹のモブ末っ子ですが、イケメン公爵令息は、私がお気に入りのようで。
天災
恋愛
美人な姉ばかりの姉妹の末っ子である私、イラノは、モブな性格である。
とある日、公爵令息の誕生日パーティーにて、私はとある事件に遭う!?
姉の身代わりで冷酷な若公爵様に嫁ぐことになりましたが、初夜にも来ない彼なのに「このままでは妻に嫌われる……」と私に語りかけてきます。
夏
恋愛
姉の身代わりとして冷酷な獣と蔑称される公爵に嫁いだラシェル。
初夜には顔を出さず、干渉は必要ないと公爵に言われてしまうが、ある晩の日「姿を変えた」ラシェルはばったり酔った彼に遭遇する。
「このままでは、妻に嫌われる……」
本人、目の前にいますけど!?
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
側妃を迎えたいと言ったので、了承したら溺愛されました
ひとみん
恋愛
タイトル変更しました!旧「国王陛下の長い一日」です。書いているうちに、何かあわないな・・・と。
内容そのまんまのタイトルです(笑
「側妃を迎えたいと思うのだが」国王が言った。
「了承しました。では今この時から夫婦関係は終了という事でいいですね?」王妃が言った。
「え?」困惑する国王に彼女は一言。「結婚の条件に書いていますわよ」と誓約書を見せる。
其処には確かに書いていた。王妃が恋人を作る事も了承すると。
そして今更ながら国王は気付く。王妃を愛していると。
困惑する王妃の心を射止めるために頑張るヘタレ国王のお話しです。
ご都合主義のゆるゆる設定です。
結婚して5年、初めて口を利きました
宮野 楓
恋愛
―――出会って、結婚して5年。一度も口を聞いたことがない。
ミリエルと旦那様であるロイスの政略結婚が他と違う点を挙げよ、と言えばこれに尽きるだろう。
その二人が5年の月日を経て邂逅するとき
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
7年ぶりに私を嫌う婚約者と目が合ったら自分好みで驚いた
小本手だるふ
恋愛
真実の愛に気づいたと、7年間目も合わせない婚約者の国の第二王子ライトに言われた公爵令嬢アリシア。
7年ぶりに目を合わせたライトはアリシアのどストライクなイケメンだったが、真実の愛に憧れを抱くアリシアはライトのためにと自ら婚約解消を提案するがのだが・・・・・・。
ライトとアリシアとその友人たちのほのぼの恋愛話。
※よくある話で設定はゆるいです。
誤字脱字色々突っ込みどころがあるかもしれませんが温かい目でご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる