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9話 莉子の体調不良*
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電車に乗ってる間に、だんだん莉子の顔色が悪くなってきた。
やっぱり来たな.........。 頼むから家に着くまで待ってくれ。
こうなったら歩く余裕はない。すぐタクシーで家に向かった。
カフェで山盛りのフルーツや生クリームが乗ったパンケーキを思いっきり食べていた莉子。
俺は知らないぞ…と一抹の不安があった。
これは毎年やる誕生日パーティーの後と同じだ。
毎回わかっていても、楽しくてセーブできないんだ。莉子は......。
日頃、寝込むことが多いから、たまに友達と会うと楽しくて、はしゃいじゃうんだよね。
帰宅したら、莉子は途端にトイレに走って行った。やっぱりな……。
全体に生クリームやバターの油分が多そうだったから心配していたんだけど、
あんなにうれしそうに、無心になって食べていたから俺も止められなかった。
一度に食べすぎたことで、胃腸の負担になったんだと思う。
それに油分を摂り過ぎると莉子はパンクする。
普通に友達と一緒にパンケーキさえも好きなだけ食べられないんだよな。
友達と一緒でなければ俺が食べる量を制限したんだけどね。
まあ、こうなることは予想していたんだけど、
友達の前では莉子の好きなようにさせてやりたかったんだよな。
莉子はトイレでゲーゲー吐いていた。
俺はひたすら莉子の背中をさすってやるしかなかった。
「大丈夫か?」顔を見るともう真っ青で涙とよだれでぐしょぐしょだ。
それにもう立てないくらいにぐったりしている。
「莉子、大丈夫か?すぐベッドに連れて行くよ」と姫抱きにして莉子のベッドまで連れて行く。
すぐ洗面器とタオル類、水を用意する。
「莉子、洗面器はここだよ。まだ吐きそうか?水でうがいだけでもするか?」
ダメだ。反応が薄い。眉を寄せたままでろくに返事も出来ない。
俺は水を口に含んで、莉子の頭を少し起こして口移しで飲ませる。
ごくっと飲んだようだ。
「もう一回飲みな」そう言って、また水を含んで莉子に口移しで飲ませる。
なんとか飲めたようだ。はーっ、しかし一気にこんなになるのか……。
この調子だと、水を飲ませてもまた吐きそうだな。
俺は自分の部屋に用意している医療用具を取りに行った。
点滴台と点滴。注射道具一式と吐き気止めの注射を莉子の部屋に持って行く。
念のためにポータブルトイレやナプキン類を入れているバスケットも置いておく。
聴診器や血圧計に体温計を用意する。俺の部屋には家庭用だが、酸素ボンベまである。
莉子を想定して、必要そうなものは大体置いてあるので間に合う。
足りなければ父に連絡して持って来てもらえばいい。
早速に血圧を測る。やっぱり血圧がちょっと下がっていて、
回復するまでは歩かせられないな。
トイレに行こうとしてバタンと倒れるのだけは避けたい。頭でも打ったら大変だから。
「莉子、おしっこ出るか?」
「うう…」とは声を出しているけど……本当に反応が悪いな…。
最悪は導尿するけど、今はちょっと様子をみようか。
「莉子、ちょっと着替えるよ」
上はパジャマに着替えさせて、下はおむつを履かせることにした。
どう考えてもお腹を下すのは時間の問題だ。
腰回りにバスタオルを巻いて、身体の下にもバスタオルを敷いた。
万全の準備をした。うん、これでいいかな。
次は点滴を始める。吐き気止めを入れたけど、効くまでには20分くらいはかかる。
今晩は点滴もあるし、最低でも2本は必要だろうし....。
とにかく莉子が落ち着くまでは寝られない。しょうがない。
せっかく友達と楽しくお茶が出来たのにねえ。莉子がかわいそうになる。
普通に好きなものもいっぱい食べることができないなんてね。
これじゃあ、いつまでたっても身体が細いままで体力がつけられないね。
やっぱり来たな.........。 頼むから家に着くまで待ってくれ。
こうなったら歩く余裕はない。すぐタクシーで家に向かった。
カフェで山盛りのフルーツや生クリームが乗ったパンケーキを思いっきり食べていた莉子。
俺は知らないぞ…と一抹の不安があった。
これは毎年やる誕生日パーティーの後と同じだ。
毎回わかっていても、楽しくてセーブできないんだ。莉子は......。
日頃、寝込むことが多いから、たまに友達と会うと楽しくて、はしゃいじゃうんだよね。
帰宅したら、莉子は途端にトイレに走って行った。やっぱりな……。
全体に生クリームやバターの油分が多そうだったから心配していたんだけど、
あんなにうれしそうに、無心になって食べていたから俺も止められなかった。
一度に食べすぎたことで、胃腸の負担になったんだと思う。
それに油分を摂り過ぎると莉子はパンクする。
普通に友達と一緒にパンケーキさえも好きなだけ食べられないんだよな。
友達と一緒でなければ俺が食べる量を制限したんだけどね。
まあ、こうなることは予想していたんだけど、
友達の前では莉子の好きなようにさせてやりたかったんだよな。
莉子はトイレでゲーゲー吐いていた。
俺はひたすら莉子の背中をさすってやるしかなかった。
「大丈夫か?」顔を見るともう真っ青で涙とよだれでぐしょぐしょだ。
それにもう立てないくらいにぐったりしている。
「莉子、大丈夫か?すぐベッドに連れて行くよ」と姫抱きにして莉子のベッドまで連れて行く。
すぐ洗面器とタオル類、水を用意する。
「莉子、洗面器はここだよ。まだ吐きそうか?水でうがいだけでもするか?」
ダメだ。反応が薄い。眉を寄せたままでろくに返事も出来ない。
俺は水を口に含んで、莉子の頭を少し起こして口移しで飲ませる。
ごくっと飲んだようだ。
「もう一回飲みな」そう言って、また水を含んで莉子に口移しで飲ませる。
なんとか飲めたようだ。はーっ、しかし一気にこんなになるのか……。
この調子だと、水を飲ませてもまた吐きそうだな。
俺は自分の部屋に用意している医療用具を取りに行った。
点滴台と点滴。注射道具一式と吐き気止めの注射を莉子の部屋に持って行く。
念のためにポータブルトイレやナプキン類を入れているバスケットも置いておく。
聴診器や血圧計に体温計を用意する。俺の部屋には家庭用だが、酸素ボンベまである。
莉子を想定して、必要そうなものは大体置いてあるので間に合う。
足りなければ父に連絡して持って来てもらえばいい。
早速に血圧を測る。やっぱり血圧がちょっと下がっていて、
回復するまでは歩かせられないな。
トイレに行こうとしてバタンと倒れるのだけは避けたい。頭でも打ったら大変だから。
「莉子、おしっこ出るか?」
「うう…」とは声を出しているけど……本当に反応が悪いな…。
最悪は導尿するけど、今はちょっと様子をみようか。
「莉子、ちょっと着替えるよ」
上はパジャマに着替えさせて、下はおむつを履かせることにした。
どう考えてもお腹を下すのは時間の問題だ。
腰回りにバスタオルを巻いて、身体の下にもバスタオルを敷いた。
万全の準備をした。うん、これでいいかな。
次は点滴を始める。吐き気止めを入れたけど、効くまでには20分くらいはかかる。
今晩は点滴もあるし、最低でも2本は必要だろうし....。
とにかく莉子が落ち着くまでは寝られない。しょうがない。
せっかく友達と楽しくお茶が出来たのにねえ。莉子がかわいそうになる。
普通に好きなものもいっぱい食べることができないなんてね。
これじゃあ、いつまでたっても身体が細いままで体力がつけられないね。
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