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Ⅵ章
2話 恋愛力を採点しようよ
しおりを挟む高校1年生の2学期も中盤に差し掛かった頃、ぼくは恋煩いに陥っていました。
浅倉さんには、高校一年の春、夏、と2連続で振られていましたが、まだ諦めることはできないのです。
部活終わり、いつものようにバグり島にたむろして暇を持て余していたとき、ぼくはボブときゃぷてんに相談をしました。
「どうしたらええんや。俺の恋は、どうしたら叶う..?」
するとボブは一言。「絶対無理!」
きゃぷてんも続けて、「まあ、無理やな。二度も振られてるのに、まだファイティングポーズを取り続けていることが驚きや。」
しかし、ぼくは諦めません。
「まだわからんやろ!いけそうな気がするんや!」
「お前のいけそうは当てにならん。その程度でいけそうならケンイチでもいけてたわ」
ケンイチ…
ケンイチというのはぼくらの学校の先生で、50歳を超えて独身のまるまると太った人です。
ミニスカのJKから「せんせ~~!」と抱きつかれて、「むふふ~~、おまえら~~」と叫んでしまうことが多いのです。
そしてボブは、ケンイチについて熱く語り始めます。
「ケンイチだって若い頃は、こう思っていたんや。
俺だっていける。彼女もすぐにできるし、結婚もできる、とな。
ただみんなと圧倒的に違った事がある。
それは、圧倒的な無理プロウ要素や。
会話、服のセンス、所作。トータルが圧倒的やったんやろうな」
ぼくらの会話特有の言葉に、
無理プロウとイケプロウというものがあります。
無理プロウというのは、モテない男、ということで、
イケプロウというのは、イケている男、ということです。
そして、彼女ができることを、いける、という言葉で表します。
ボブはここで、話を整理し始めます。
「恋愛成就のためには、自分の今のレベルを考えることが大切やと思うねん。
とっしーの今の恋愛レベルを考えてみよう。」
「まあ、ひいき目にみて、
会話6、服1、髪型4。どうや?」
「それは100点満点やんな?」
「違うわ!10点満点や。」
きゃぷてんは10点満点に驚きつつも、彼自身の見解を述べます。
「会話6、服1、髪型4はまあええとしても、メールが長文でキモいから、それだけで、-150点や。」
しかしボブは、頭をひねっています。
そして、うなるように採点結果を伝えてきたのです。
「俺がとっしーを採点するなら、
会話。ちょっと何言うてるか分からんから、採点不可能。
服、1点。
髪型。短すぎて前髪がいつもないから、採点は不可能。やな。」
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