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II章 Let`s `One-sided love`!
PART8 じゃんけんロワイヤル(2)
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'じゃんけんで100円が動く'
びっくり仰天イベントを開催中の高校一年生の僕ら。
「倍チャンありすぎたら、1回の重みがなくなるからさ。1000円超えるまでは1回100円でレート固定しよ」
「せやな。」
そして、戦いは再び始まります。
「じゃんけんほい」
織田100
200
100
200
300
400
300
400
500
五分五分のじゃんけんで徐々に引き離される僕。
余りに負けるのですが、100円が積み重なっていく感覚が普通になってきています。
むしろ、
(今俺は何をしてるのや?)
という感覚に陥り、とりあえずじゃんけんを続けます。
こうなりゃヤケです。
ほぼ思考停止に陥った僕は足から崩れ
おちながらも
「ホイッ」
「ホイッ」
「ぽいっ」
「ほれっ」
と'拳'を出し続けます。
拳を出し続けます。
そうです。僕はもう殆どグーしか出していません。
たまにパーを出しますが、基本グーのゴリ押しです。
チョキという複雑怪奇な指を出す知力体力は残っていませんでした。
織田はそれを見抜き冷静にパーを出し続けます。
600っ
700
800
900
1000!
「やっべぇっぞぉー!」
ボブときゃぷてんはテンション上がりまくりです。
1100
1200
1300...
倒れこみながら、拳を突き上げ、
仁王立ちで僕を見下ろしパーを出し続ける織田。
思わぬ大差に興奮、爆笑するボブときゃぷてん。
スーパーマーケットのベンチではしゃぐそんな僕らの横を数々の主婦、お年寄りが通ります。
「この子ら何してるん?」
「ちょっ、ストップ!
1300まできてもたやん!」
「てかとっしー!お前、冷静になれって!
さっきからグーしか出してへんぞ!」
「はっ!ヤケになって適当にしてもたわ!本気出す...」
僕は逆転を誓います。
「とりあえず1300円やから、ここは倍や。」
「0 円が or 2600円!」
進行役のボブときゃぷてんの言葉に頷く僕と織田。
運命の戦いはあっさり終わります。
2600!
「待て!もっかい!2600、倍チャン!じゃんけんほいっ」
冷静さを失った僕はやはり拳に力を込めています。
それを見透かし包み込むような掌の織田。
5200...!
「ぐぁはあっっー」
そう叫んだと同時に僕は即座に続けます!
「倍チャン!じゃんけんほいっ」
僕は遂にチョキを出すことに成功します。
グーで連敗し続けた僕は、ここは勝利を確信しました。
「織田は俺がグーしか出さんとおもてるから、パーをだす!
いける!」
しかし皮肉なことに、
5200円で終わるつもりだった織田は次のじゃんけんを意識をしていませんでした。
拳を握ったままです。
織田は不意を突かれ、拳をそのままだしたのでした。
僕のチョキは、
パキンッバッキィ
無情にも叩き割られまきた。
勝手に挑んで勝手に負けた。
現実とは無情なものです。
10400円...
場に沈黙が流れます。
ボブときゃぷてんは、衝撃展開にくすくす笑っています。
じゃんけんをイベントを提案した彼らもここまで金額が跳ね上がるなんて
「これはあかん。とりあえず、
ラスト10400円で1発勝負。
次のこれで終わりにしよ」
「このまま倍になっていったら。
100万とか越えるわ」
「100万とか国家予算やな」
「アホか、神戸市の予算くらいや」
「お前らふざけてる場合ちゃう。
とっしーこれ負けたら、2万超えるぞ?」
織田は、ニンマリ笑って僕に告げます
「バイトしろ」
「うちの学校バイト禁止や」
僕の正論に意見を挟むボブ。
「織田んちで働けば?飯とか作れよ。
お母さんの負担減るやろ。」
「とっしーと織田のおかん会ったことあるんやろ?丁度ええ」
適当なことを言うボブたちを遮り、僕は織田に告げます。
「ほんまのラスト。10400円1発じゃんけん。」
「ラストやぞ?」
織田は凄みのかかった声で応じます。
1度のじゃんけんで10400円が動く。
ぶっとんだ勝負がついに...
びっくり仰天イベントを開催中の高校一年生の僕ら。
「倍チャンありすぎたら、1回の重みがなくなるからさ。1000円超えるまでは1回100円でレート固定しよ」
「せやな。」
そして、戦いは再び始まります。
「じゃんけんほい」
織田100
200
100
200
300
400
300
400
500
五分五分のじゃんけんで徐々に引き離される僕。
余りに負けるのですが、100円が積み重なっていく感覚が普通になってきています。
むしろ、
(今俺は何をしてるのや?)
という感覚に陥り、とりあえずじゃんけんを続けます。
こうなりゃヤケです。
ほぼ思考停止に陥った僕は足から崩れ
おちながらも
「ホイッ」
「ホイッ」
「ぽいっ」
「ほれっ」
と'拳'を出し続けます。
拳を出し続けます。
そうです。僕はもう殆どグーしか出していません。
たまにパーを出しますが、基本グーのゴリ押しです。
チョキという複雑怪奇な指を出す知力体力は残っていませんでした。
織田はそれを見抜き冷静にパーを出し続けます。
600っ
700
800
900
1000!
「やっべぇっぞぉー!」
ボブときゃぷてんはテンション上がりまくりです。
1100
1200
1300...
倒れこみながら、拳を突き上げ、
仁王立ちで僕を見下ろしパーを出し続ける織田。
思わぬ大差に興奮、爆笑するボブときゃぷてん。
スーパーマーケットのベンチではしゃぐそんな僕らの横を数々の主婦、お年寄りが通ります。
「この子ら何してるん?」
「ちょっ、ストップ!
1300まできてもたやん!」
「てかとっしー!お前、冷静になれって!
さっきからグーしか出してへんぞ!」
「はっ!ヤケになって適当にしてもたわ!本気出す...」
僕は逆転を誓います。
「とりあえず1300円やから、ここは倍や。」
「0 円が or 2600円!」
進行役のボブときゃぷてんの言葉に頷く僕と織田。
運命の戦いはあっさり終わります。
2600!
「待て!もっかい!2600、倍チャン!じゃんけんほいっ」
冷静さを失った僕はやはり拳に力を込めています。
それを見透かし包み込むような掌の織田。
5200...!
「ぐぁはあっっー」
そう叫んだと同時に僕は即座に続けます!
「倍チャン!じゃんけんほいっ」
僕は遂にチョキを出すことに成功します。
グーで連敗し続けた僕は、ここは勝利を確信しました。
「織田は俺がグーしか出さんとおもてるから、パーをだす!
いける!」
しかし皮肉なことに、
5200円で終わるつもりだった織田は次のじゃんけんを意識をしていませんでした。
拳を握ったままです。
織田は不意を突かれ、拳をそのままだしたのでした。
僕のチョキは、
パキンッバッキィ
無情にも叩き割られまきた。
勝手に挑んで勝手に負けた。
現実とは無情なものです。
10400円...
場に沈黙が流れます。
ボブときゃぷてんは、衝撃展開にくすくす笑っています。
じゃんけんをイベントを提案した彼らもここまで金額が跳ね上がるなんて
「これはあかん。とりあえず、
ラスト10400円で1発勝負。
次のこれで終わりにしよ」
「このまま倍になっていったら。
100万とか越えるわ」
「100万とか国家予算やな」
「アホか、神戸市の予算くらいや」
「お前らふざけてる場合ちゃう。
とっしーこれ負けたら、2万超えるぞ?」
織田は、ニンマリ笑って僕に告げます
「バイトしろ」
「うちの学校バイト禁止や」
僕の正論に意見を挟むボブ。
「織田んちで働けば?飯とか作れよ。
お母さんの負担減るやろ。」
「とっしーと織田のおかん会ったことあるんやろ?丁度ええ」
適当なことを言うボブたちを遮り、僕は織田に告げます。
「ほんまのラスト。10400円1発じゃんけん。」
「ラストやぞ?」
織田は凄みのかかった声で応じます。
1度のじゃんけんで10400円が動く。
ぶっとんだ勝負がついに...
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