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I章 波乱の高デ!革新的な一手やと?
1話 ボウズとプールと、時々校長
しおりを挟む「おいおまえ!こっち向けやっおまえ!おまえのことやぞ!」
階段の上から'ある人物'に声をかけるのは高校に入りたての僕ら。
えらそーに声をかけている相手は、この学校の校長先生です。
一体なぜこんなとちくるった遊びをしているのか?それは僕らもわかりません。一つ言えることは、
こういう謎イベントは案外楽しくて、無機質になりがちな学校生活を楽しくしてくれるということです。
考えてみてください。
学校において、校長先生という最高権力者に対して「おまえ!」と呼び捨てる。
こんなバカなことを考える奴らはそう多くはいません。小学生ちっくな悪戯ごころを持った高校生がちょっとくらいいてもいいかもしれませんね。
校長先生に「それはワシのことかー!?」と'クリリンの死'に切れる悟空のようにキレられても言い訳はあります。「ちゃいますよ!そこの友人に対してです!学校で1番偉い校長先生にそんなこと言うはずないじゃないですか?!」
そんなバカなことを考えて日々をテキトーに楽しんでいる僕たちが、稜北台高校に入学して約1週間。現在、部活動を探しという一大イベントを迎えております。
「やきうするか?」
「せやせや!コーシエン行くぞ!」
僕、ボブ、織田の3人は野球経験者なので、野球部の見学へ行きました。
ボブと織田はエースとしてチームを引っ張ったゴリゴリ野球人です。僕は、コテコテの三枚目野球人です。
ツーアウトランナーなしで打席に立ってもセフティーバンドのサインが出ます。2球バント失敗したあと打てのサインが出て、「しぇっあーっ」と張り切ってフルスイングするもかすりもせず三振が定番です。
そんな僕ら3人が野球部を見学していると、僕らに声をかける人がいました。
みるからに'ヤクザっぽくムダに胸を張って歩くボウズ'はエ・グザイルのサングラスの人と、
番長キ・ヨハラをたして2で割って、タチヒ・ロシを足したような人でした。
「あっ、お前らも野球部入るん?ポーズにせえよ?ボーズ!ボーズ!それまでは来るな。ボーズやでボーズ!」
少し切れ気味にボーズを連呼され、威圧的に言われた僕らは
「そこまで野球やりたくないしあの人ゴリゴリしてゴリ怖いからやめよ」
と野球からすぐ逃げました。
はい。この物語は甲子園を目指す熱き球児の物語ではありません。
そんな僕らはいろいろな部活を見学してもどれもピンときません。
「陸上部。服が寒そうやからやめよ。」
「バスケ部。陸上部よりはましやけど、やっぱ寒そう、やめよ。」
そこでボブが僕に提案します。
「とっしープール部いけよ。」
「は?プール部??うちには水泳部はあるけどプール部はないぞ!」
「知ってるよ。今から作るねん。水泳部より下手やけど、一般人より速く泳げる。そしてちょっと、
自慢できる。それがプール部や。」
「そんなへぼい部活誰が入ってくれるねん?!」
「部員はとっしー1人や。けど、顧問は俺がみつけてるから安心せえ。
ガリガリで蹴ったらすぐ骨折れそうなヨボヨボ青年、理科の合田先生」
どうでもいい話をしながら見学を続けていると、テニスコートにつきました。ただ軟式庭球部が練習しているだけでしたが、軟式ボールのあの感じ、部員の感じ、練習のふわっとした感じ…。これはいかにも……カモ。
高校に上がりたて、部活入らんのは嫌や 、しんどいのも嫌、そんな僕らの'ゆとり魂'にジャストフィットしちゃってる感じがそこにありました。
「ここにしよか」
「せやせや!せぇや!」
昼飯を食べる店を選ぶ以上のテキトーさで僕らはテニス部に入りました。
その後。部活を決め、安心しきった僕らは、地元に帰ってから謎の行動にでます…
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