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【Ⅳ章】利家、まつと二人で創る夫婦像
【まつ利】4話 活路は、テレワークだ!
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利家は夫婦像についてまつに語りかけていた。
「夫:仕事一筋。会社に滅私奉公。妻:専業主婦。家事、子育て。
このサザエさん型モデルは、終身雇用制度と年功序列制賃金が確実な時代なら、それでもよかったんだ。けど、今は違う。この夫婦モデルは夫の収入に依存しすぎている」
「利家くんがいつも言っている`・リスクヘッジができていない`ってことよね?」
「そうさ。収入源がひとつしかないから、もし夫がリストラにでもあったらもう家庭は崩壊さ。それに、ワンオペ育児になることが多い」
「たしか、ワンオペレーションの略よね?」
「そう。主にコンビニストアや飲食店で、深夜の人手が不足する時間帯に、1人の従業員がすべての仕事をこなす状況のことを意味する和製英語なんだ。夫婦のどちらか一方に家事や育児の負担がかかっている状態をワンオペ育児というようになった。
「私の周りでもいるよ。夫が育児に参加してくれないって、人…」
「多いと思うよ。特に、夫の稼ぎが多いほどそうなると思う。稼いでいる夫が偉いという風潮があったり、亭主関白になったりするイメージがあるよね」
「そうだよね。でも、給料が多いほうがいいよ。そういう点ではやっぱり上場企業で働いている方がいいのかなあ」
「上場企業信仰はどこまで`持つ`んだろう?上場企業でさえ、ウイルスによる不景気で雇用が不安定じゃないか。
メガバンクだって、週休3~4日を導入して、実質人減らしを実施したり、
大手広告代理店だって、正社員を業務委託にして人件費を浮かせようとしている…」
「たしかにそうだよね。じゃあどういう仕事なら生き残れるの?免許職や公務員??」
「その職業も、AIの導入で明日はわからない…」
「じゃあ、どうすればいいの?」まつは頭をかしげた。
「収入のポケットを増やすのさ。労働所得以外にも投資所得や事業所得を増やすこととか…」といって、利家は手をあげた。
「ポケット?」
「そう。ポケット!やはり収入源を1つに頼る生き方はリスクが大きい。そもそも会社員の給料自体が目減りしていて、夫の給料だけでは子育てできない家庭が急増しているからね。
だからこそ、一番安定しているのは夫婦共働きなんだ!」
「共働きって今の私たちだよね?
夫 フルタイム会社員
妻 フルタイム会社員」
「そう。家事を分業にしているけど、俺たちはこの生活が上手くいっていない。
フルタイムの夫婦共働きって、2人ともスペックが相当高くないと難しいと思うんだ。
仕事もして、家事もして、料理も作って、さらに子供ができたら育児も行う」
「育児が始まったら大変だよね…育児を行うためには、保育所に預けるか、祖父母に預けるか」
「保育所は待機児童が多すぎるっていわれてるじゃないか。祖父母の近くに住めば、今度は夫がマスオさんになったり、嫁姑問題が発生したりする」
「どっちにしても難しいよね。だから利家くんが新しい作戦を考えた、と?」
「そう!新しい作戦はこれだ!
夫 在宅勤務がメインの社会保険完備の会社員。もしくは在宅のフリーランサー
嫁 フルタイムワーカー
平日の育児と家事は、夫がメイン。休日は妻がメインで家事を行う」
「よきよき!私も、家事の負担が減った方が仕事も頑張れる!」と、まつは利家の案を聞いて喜んでいるが、ひとつ質問をした。「けど、収入は下がるんじゃないの?目標収入は、夫婦合わせて600~700万円よね?」
「下がらないように直談判するさ。俺は今の職場、織田証券株式会社を辞めず、テレワークをメインにしてもらうのさ。もし、給与が下がるとしても、固定費削減、質素倹約によってその分はまかなえる!」
「あ、ちょっと持って!でも、利家くんはそれでいいの?世の中はまだ、男が仕事、女は家事っていうイメージが強いじゃない?」
「それはそうだなあ。夫が在宅ワークと家事作戦って恥ずかしいと思われるだろうな。けどいいんだ。他人からのみえかたより、自分たちがどうしたいか、だろ?世間体や常識だけを考えてたら、テンプレート人間になっちまう。まつこそ、いいのか?旦那が在宅勤務メインでも?」
「私は全然いいよ!」
「じゃあ決まりだ!来週、信長様に直談判してくるよ。俺たちの部署にテレワークを導入してください、ってな」
「うん、がんばってね!」まつはにっこり笑って、利家の背中を押した。
*
後日。織田証券株式会社、社長室前にて。
利家は、トントン…と、扉をたたいて、「はいってよろしいでしょうか!?」と尋ねた。
部屋の中から、「はいってよい~」という返答が聞こえる。
さあ、勝負だ…
「信長様!!」と、威勢よく社長室に入った。
「夫:仕事一筋。会社に滅私奉公。妻:専業主婦。家事、子育て。
このサザエさん型モデルは、終身雇用制度と年功序列制賃金が確実な時代なら、それでもよかったんだ。けど、今は違う。この夫婦モデルは夫の収入に依存しすぎている」
「利家くんがいつも言っている`・リスクヘッジができていない`ってことよね?」
「そうさ。収入源がひとつしかないから、もし夫がリストラにでもあったらもう家庭は崩壊さ。それに、ワンオペ育児になることが多い」
「たしか、ワンオペレーションの略よね?」
「そう。主にコンビニストアや飲食店で、深夜の人手が不足する時間帯に、1人の従業員がすべての仕事をこなす状況のことを意味する和製英語なんだ。夫婦のどちらか一方に家事や育児の負担がかかっている状態をワンオペ育児というようになった。
「私の周りでもいるよ。夫が育児に参加してくれないって、人…」
「多いと思うよ。特に、夫の稼ぎが多いほどそうなると思う。稼いでいる夫が偉いという風潮があったり、亭主関白になったりするイメージがあるよね」
「そうだよね。でも、給料が多いほうがいいよ。そういう点ではやっぱり上場企業で働いている方がいいのかなあ」
「上場企業信仰はどこまで`持つ`んだろう?上場企業でさえ、ウイルスによる不景気で雇用が不安定じゃないか。
メガバンクだって、週休3~4日を導入して、実質人減らしを実施したり、
大手広告代理店だって、正社員を業務委託にして人件費を浮かせようとしている…」
「たしかにそうだよね。じゃあどういう仕事なら生き残れるの?免許職や公務員??」
「その職業も、AIの導入で明日はわからない…」
「じゃあ、どうすればいいの?」まつは頭をかしげた。
「収入のポケットを増やすのさ。労働所得以外にも投資所得や事業所得を増やすこととか…」といって、利家は手をあげた。
「ポケット?」
「そう。ポケット!やはり収入源を1つに頼る生き方はリスクが大きい。そもそも会社員の給料自体が目減りしていて、夫の給料だけでは子育てできない家庭が急増しているからね。
だからこそ、一番安定しているのは夫婦共働きなんだ!」
「共働きって今の私たちだよね?
夫 フルタイム会社員
妻 フルタイム会社員」
「そう。家事を分業にしているけど、俺たちはこの生活が上手くいっていない。
フルタイムの夫婦共働きって、2人ともスペックが相当高くないと難しいと思うんだ。
仕事もして、家事もして、料理も作って、さらに子供ができたら育児も行う」
「育児が始まったら大変だよね…育児を行うためには、保育所に預けるか、祖父母に預けるか」
「保育所は待機児童が多すぎるっていわれてるじゃないか。祖父母の近くに住めば、今度は夫がマスオさんになったり、嫁姑問題が発生したりする」
「どっちにしても難しいよね。だから利家くんが新しい作戦を考えた、と?」
「そう!新しい作戦はこれだ!
夫 在宅勤務がメインの社会保険完備の会社員。もしくは在宅のフリーランサー
嫁 フルタイムワーカー
平日の育児と家事は、夫がメイン。休日は妻がメインで家事を行う」
「よきよき!私も、家事の負担が減った方が仕事も頑張れる!」と、まつは利家の案を聞いて喜んでいるが、ひとつ質問をした。「けど、収入は下がるんじゃないの?目標収入は、夫婦合わせて600~700万円よね?」
「下がらないように直談判するさ。俺は今の職場、織田証券株式会社を辞めず、テレワークをメインにしてもらうのさ。もし、給与が下がるとしても、固定費削減、質素倹約によってその分はまかなえる!」
「あ、ちょっと持って!でも、利家くんはそれでいいの?世の中はまだ、男が仕事、女は家事っていうイメージが強いじゃない?」
「それはそうだなあ。夫が在宅ワークと家事作戦って恥ずかしいと思われるだろうな。けどいいんだ。他人からのみえかたより、自分たちがどうしたいか、だろ?世間体や常識だけを考えてたら、テンプレート人間になっちまう。まつこそ、いいのか?旦那が在宅勤務メインでも?」
「私は全然いいよ!」
「じゃあ決まりだ!来週、信長様に直談判してくるよ。俺たちの部署にテレワークを導入してください、ってな」
「うん、がんばってね!」まつはにっこり笑って、利家の背中を押した。
*
後日。織田証券株式会社、社長室前にて。
利家は、トントン…と、扉をたたいて、「はいってよろしいでしょうか!?」と尋ねた。
部屋の中から、「はいってよい~」という返答が聞こえる。
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