こちら織田証券(株)清州営業所

喜多ばぐじ・逆境を笑いに変える道楽作家

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【外伝】ねねと秀吉~暗号資産講座

【ねね秀】マイニングは御恩と奉公

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仮想通貨は証券と似ている。ねねの言葉を聞いて秀吉は少し青ざめた。

「え、なんかまずいことを言った?」

「いや、証券についての話は複雑だから、今は飛ばそう…」

「わかった。それで、ほかにはどんな特徴があるの?」

「大きな特徴は、`中央管理者`が存在しない、ということだな」

「たしか、日本円や米国ドルといった法定通貨には、日本銀行やFRBといった発行主体がいるのよね」

「そう。けど、仮想通貨には価値を保証する中央集権的な発行主体や管理者が基本的には存在しない」

「管理者がいないなら、無秩序になるんじゃない?」

「いや、そうはならない。仮想通貨のシステムは基本的に、中央格納サーバや単一の管理者を置かずに、システムの参加者同士が管理している。Peer to Peer型のコンピューターネットワークにより運営され、取引はユーザ間で直接に行われる」

「Peer to Peer?もう!難しいよ!」ねねは頭を掻きむしった。

「もっとわかりやすくいうならば。仮想通貨は絶対的なリーダー、社長や先生のような存在がいなくても回る仕組みなんだ。社員や、生徒といった組織に参加しているメンバーたちが、システムを自主的に管理している」

「それはいいわね。絶対的な管理者がいれば、窮屈だもの。でも、どうして参加者はシステムを管理するの?そんなこと面倒じゃないの?」

「その質問は野暮だな。ならどうして、人は、会社員は仕事をする?」

「やりがいや生き甲斐かな。違うわ。やっぱり、一番の理由は、`お金という名の給料`=報酬がもらえるからじゃないかな」

「そうなんだよ。なにかもらえたり、ご褒美があるから、俺たちはがんばる」

「まさに、御恩と奉公ね」ねねはにっこりと笑った。

「仮想通貨は、その御恩と奉公の原理で、システムを維持している。システムを管理したり、仮想通貨をマイニングすれば、参加者には報酬がもらえるんだ。もちろん、例外はあるが、ビットコインをはじめ、多くはこの仕組みだ」

「マイニングってなに?英語で採掘って意味よね。通貨を採掘するの?」

「ねね、おもしろいところに気がついたね。このマイニングという仕組みは仮想通貨独自のものなんだ!

「そうなの?でも、通貨は基本的に`増える`よね?日本銀行だって、FRBだって、定期的に新規通貨を発行する。そして、その通貨は発行元の信用が裏付けとなって、多くの人に利用されてるんだよね」

「ああ、そうさ。
そして、仮想通貨にとっての新規通貨の発行が、`マイニング`なんだよ。
難しく説明するなら、-新たなブロックを生成し、その報酬として仮想通貨を手に入れる。「仮想通貨の新規発行」と「取引の承認」を担う役割がマイニング-」

「それなら、みんなマイニングをたくさんすれば仮想通貨がもらいたい放題ってことじゃない?」

「その考えは間違っていないよ。けど、マイニングにはコストがかかるんだ。複雑な計算を行うためのPC環境、また、そのPCを動かすための電気代。とても一個人が簡単に参入できるものではないのさ。だから、マイニングの専門会社があったりする。まあ、この辺の詳しい話は、ブロックチェーンという仕組みを…」

「チェーン?あなた、なんか新しいプレイがしたいの…?」

「そういう意味じゃねえよ!
ブロックチェーンは、今後様々な業界での活用が期待されていて、仮想通貨の根幹をなしている技術の一つだ。記録の改ざんや不正がしにくいなどの特徴を持つ。

ブロックチェーンをかみ砕いて説明すると、プログラムによって定義されたルールに基づいて、暗号資産の決済・送付といった取引データを記録し続けるソフトウェアのことだ。
取引データのことをトランザクション、記録のことをブロック生成、という。

まあ、詳しく話すとながくなるから、マイニングやブロックチェーンの説明はここまでだ」

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