異世界で総菜屋始めます

むむ

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第二章

秋はすぐそこに

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暑い日が続く中、ロビンさんとメイプルちゃんは毎日、一期一会を手伝ってくれた。

冷蔵庫にあたるものが高額なこの世界では、食べるものは直前に作る、もしくは買うと言うスタンスのようで、朝からお店を開けても殆ど来店もなく、お昼頃からポツポツと人が流れてるので、オープンしてから営業時間を訂正した。
今では11時半~17時が営業時間となっている。
始めのうちは夜も20時頃まで営業してたのだが、電気はあまり出回っておらず、ランプを使う家庭がまだまだ多い為、節約のために夜は早く寝て、朝早く起きると言うスタンスの家庭が多い事と、夜に出かける店、即ち飲み屋と言う流れができているのも大きい。

それ故、仕込時間を考えてもかなりホワイトな営業時間だ。

一期一会は週に2日定休日を作ってはいるが、数日出てもらえるだけでもかなり助かっているし、農家の仕事もケインさんとピーター君が二人で行うには大変だから、必要な日はいつでも休んで大丈夫だと伝えたところ、そもそも一般的に休みが週に2日あって、さらに営業時間の短い職場は少なくそれ以上休むなんて考えられないと断られた。

以前暮らしていた世界では考えられないけど、こちらの世界では小さな子供も、家の仕事のお手伝いをしながら、空いた時間で遊ぶ。
また少し大きくなれば小遣い稼ぎに外の仕事を手伝い賃金を得ると言ったのが当たり前に行われているのだとルヴァンが教えてくれた。

最も驚かれたのは賃金だった。

「いつもお総菜貰って帰ってるのに、こんなに頂いちゃっていいのかしら…」

「勿論!だって、これはお二人の働きに対する正当な対価ですよ?お総菜だって売れ残ったもので、好きなものを選んでいただいてるわけでもないし、寧ろ少なくないか心配しているくらいです。」

この国では最低賃金というシステムはなく、秀でた能力や成績を残さない限り高級取りになる可能性は限りなく低いのだ。

特に、小遣い稼ぎで働きに出た子供の日給は4時間程度働いても1000円程度なのだ。
時給計算すると250円とか、この世界では林檎一個すら買えない計算だ。
かといって大人になって見習い仕事を始めてもそのニ~三倍が平均なのだとか…

一体どうやってやりくりしてるんだ、この世界の人は。

考えただけで元の世界で普通に生活なんて送ることができるはずがない。
クラっと目眩を起こしそうになると

「サラ、気にしてもこの世界ではコレが普通の生活なんだよ。」

とルヴァンが仕方ないと言うふうに首を振った。

「それに普段の食事は各家庭で飼っている鶏から卵を手に入れて、とか、生活に苦しくなると野草を煮詰めて、とか普通らしいから。」

一年先にこの世界にやってきたルヴァンが小さく首を振りながら教えてくれる。

納得できる内容ではないが、それがこの世界の理だと言うのであればどうしようも無い。
郷に入っては郷に従え、だ。

それでも何かできることはないのか?
そう考えてしまうのは驕りなのか?

そんな日が続くなか、気づけば辺りは紅葉が進んでいた。




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感想 131

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みんなの感想(131件)

yana
2021.05.19 yana

更新有り難う御座います。

さぁ、食欲の時間だ!(いつも通り)

……カボチャや芋類、栗・キノコ……。
そして穀物も収穫時期!

むむ
2021.05.20 むむ

コメントありがとうございます!
そして更新遅くなりましたm(_ _)m
秋の味覚は誘惑が多いですよね!

解除
狼怒
2021.05.19 狼怒

更新ありがとうございます。物語はいよいよ行楽・・・食欲の秋ですねw

むむ
2021.05.19 むむ

コメントありがとうございます!
そして更新遅くて申し訳ないですm(__)m
ようやく秋を迎えられそうです!

解除
yana
2020.09.08 yana

更新有り難う御座います。

スタッフが増えました?

むむ
2021.05.19 むむ

コメントありがとうございます!
無事、従業員を確保できました(⌒▽⌒)

解除

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