異世界で総菜屋始めます

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第一章

女子会は和洋折衷で①

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ルヴァンが扉の向こうに消えた2日後リンランがやってきた。

ルヴァンがあちらに行く前にリンランに私の事を心配して色々と気にかけてやって欲しいとお願いしてくれたらしい。

「本当に心配性なんだから」

そう呟きつつもルヴァンらしいな、と少し笑えてしまった。

そんな私を見ながらリンランが

「って事だから、今日は泊まるわ、今日は女子会ねぇ~」

とふんわりと笑うリンラン可愛すぎる!尊すぎる!
アイドルのファンとかって物はサッパリだった私がここまでメロメロにされちゃってるんだからリンラン凄い!

リンランみたいな女子力本当に欲しい!

なんて思いながらお泊まり会?女子会?が始まった。

「そうだ~ここに来る時にダダンとトルーから色々貰ってきたの~一緒に食べましょ~」

ふふふ、と笑いながら大きな鞄から先日食べたパンやお肉などが次々に取り出され机の上が埋め尽くされていく。

取り出される物が机を埋め尽くすのと反対にリンランの鞄はどんどん小さくなる。私の鞄みたいな機能はないようできっとあの鞄は収縮性があるだけだろう。

あれ?

と言うことはリンランはあの量を軽々と持ち上げてたってこと?

チラリと机の上にを見て、あの半分の量すら持てる気がしない…と思ったところで考えるのをやめた。

うん。だってリンランは妖精だからきっと何か不思議な力で浮かせてたって事にしよう。
ネバーランドの妖精の鱗粉をかけたら人間だって飛べるんだもの、きっとそんな感じに違いない。


「ねえ、リンラン、この赤い液体の入った瓶は何?」

「此れはピピラニのジュースだよ~物によっては少し酸味が強いけど美味しいのよ~」

ピピラニ?

首を傾げながらも初めて聞く名前に少しワクワクしてきた。
ただルヴァンが居ないのだからどんなものなのか全く想像できなかった。

「サラは見たことないの~?」

「うん。」

「う~ん…そうだ~!これ使って見てみて~」

ハイ、と渡られたのはどう見ても虫眼鏡。

首を傾げながらも覗き込めば

「何、これ…」

目の前には浮かぶ四角いプレート。その中には


ーーーーーーーーーー

名称:ピピラニ

赤い実の果物

森林の奥深くになっている事が多い
繁殖力が強く年中取れるのでハウフロートでは果汁にして愛されている

地球で言う所の桃のような見ためで味はクランベリー似ている
珍しいものは濃い紫色をしていて地球の葡萄に味がにている

ーーーーーーーーーー


何これ…形状と味が全く違う。
流石異世界。赤い桃や紫の桃って時点でファンタジーだ。

それにこのステータスも…

「すごい…」

「これはね~マジックルーペって言って昔の刻人様が作った鑑定グッズなの~」

「へえー」

「刻人様しか作れなかったから今は手に入らないんだけどねぇ~」

困ったものよね~と頬に手を当てて小さく息を吐く姿まで絵になる可愛さだ。

「これがあれば全ての鑑定は簡単に出来るから紛い物をつかまされる心配もないのよ~、だ・か・ら!サラにプレゼント~」

ニコっと微笑みかけてくれるもそんな貴重な物をありがとうと貰えるはずもなく

「そんなに凄いもの貰えないよ…」

と少し困ったような反応になってしまった。

「あら、私はマジックルーペいくつか持ってるし第一目利きに自信もあるの、だからサラが騙されないように使ってくれた方が安心だわ~」

「ゔっ…」

そう言われてしまうとこれ以上何も言えない。

「ありがとう、リンラン。」

素直にお礼を伝えて受け取ればフニャッと崩れた笑みになってしまった。
ルヴァンは勿論だけどこうも心配して気遣ってくれる人が周りにいる事が少し気恥かしくてそれでいてすごく嬉しいのだ。

「今日はリンランに喜んでもらえるような料理を作るから!」

「嬉しいわぁ~」

料理の準備をすることを伝えると手伝うと快く言ってくれたので始めに氷水で抽出していた紅茶とリンランが持ってきてくれたクロン(塩と小麦の風味のする硬いクッキーのようなもの)で一息ついてから料理に取り掛かることにした。

「冷たい紅茶!?初めて飲むけど凄く美味しいわぁ~、サラの作るものは何でも美味しいけど最近は暑くなってきて来てたから幸せ~」

と心底幸せそうに目を細めている

「レシピ教えて欲しい~」

「いいよー」

やった~と喜んでいる姿は少し幼く見えるけど、私の実年齢を考えると幼く見えるのは普通のことに思えた。

「ご飯は何食べたい?」

「う~ん。最近食欲ないけどサラの料理なら食べられると思うし、お任せで~」

「お任せかぁー」

お任せが一番難しい…

ほら、好みとか、好みとか、好き嫌いとか、好みとか色々あるじゃん?

うーん。

食欲がない、暑くなって来た…

夏バテとか?

まだ梅雨にもなっていないのにここ2、3日は本当に普通に過ごすだけでじっとりと汗をかくことがふえてきた。
アイスティーもその為作って常備していたのだから体の熱を取れるようなメニューが良いかな?

持って来てくれた食材を眺めなていると茄子やトマトなどの夏野菜も見られる。

この辺の野菜で何か作ろうかな?

「よーし、今日は和洋折衷色々作ってみるからリンランも手伝ってね!」

「和洋折衷?取り敢えず頑張るわぁ~」

えいえいおーっと手を上げ、残りの紅茶を飲み干した。





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