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「その話はしないでって言ったでしょう!?」
悲鳴にも似たマリアの叫び声が部屋内に響いた。
「しかしだね、マリア、お前の気持ちは分からんでもないが、いつまでもジーク君を、彼の事を想ってどうなるというのだ?」
マリアの父親はゆっくりと諭すようにマリアをたしなめる。
次いで母親が口を開く。
「そうよ、マリア、貴女がいつまでもその調子だと彼も浮かばれないわ」
マリアの両親が言いたいこと、それは早くジークバルト・ブランエールの事を忘れて前向きに、つまりは勇者キサラギと結婚しろというものであった。
そして、そんな話はマリアと両親の間で何度も話されていた。
怒るマリアはそのまま両親との会話を打ち切ると階段を駆け上がり自室へと戻った。
そんな娘の後ろ姿を両親は深い溜息をついて見送った。
「どうしたものか、娘のあの意固地な所は誰に似たのやら……」
「あなたですよ、あなた! まあ、あの子も最後には諦めてくれるでしょう」
夫婦で娘の今後について話していると家令が客人の来訪を告げる。
「おう、また今日も来てくれたのか、彼も豆なことじゃないかね」
「そうね、ジークさんを失った悲しみを彼と分かち合ってくれるといいのだけれど」
扉がノックされ家令に導かれるようにキサラギが部屋へと入り込んできた。
「公爵閣下、度々お邪魔して申し訳ありません」
両親の前で深く一礼するキサラギの姿は好青年そのものの姿である。
そんなキサラギの姿を公爵夫妻は心象をより良くするには余りあるものだった。
マリアの父親はそんな彼の礼を押しとどめる。
「いやいや、私たち家族と君との仲ではないかね」
「そうよ、マリアもきっと貴方の来訪を心から喜んでくれるわ」
「おお、そうだ、もうしばらくすると食事時には良い時間だな、どうかね、今日は我が家で食卓を共にしないか?」
一緒に食事をと誘われたキサラギは一瞬、遠慮めいた表情を見せるがすぐにそれを取り繕う。
「閣下のお招きとあってはお断りするのも失礼というもの、ご一緒させていただきます」
「ああ、そうしてくれるとありがたい……それと時間が来るまでマリアの顔を見ていってやってくれないか? やはり、ジークバルト君のことが堪えているようでねぇ、君が顔を見せれば娘も喜んでくれると思うのだよ」
「僕なんかの顔で気が紛れるといいのですが……」
「何を言うのですか、婚約者を失って意気消沈する娘を毎日のように元気づけていただいているのはこの屋敷の者ならば皆が知っていることですよ」
「恐縮です、では早速、マリアの様子を見て参ろうと思います」
本来であれば結婚前の貴族の令嬢の部屋で男と二人きりになるなど言語道断であった。
けれど、婚約者を失い悲しみにくれる娘、魔王を討伐した勇者、その二つの要素がそれを可能にしたのである。
それは娘を想う父親の計らいであったのかもしれない、だが、その計らいによりカルグア家にはキサラギの毒がより一層まわっていったのである。
両親の姿が見えなくなったところでキサラギは鼻を鳴らした。
(言われなくとも貴方たちの娘は僕がしっかりと面倒を見てあげますよ)
キサラギは何度叩いたであろうか、再びマリアがいる部屋をノックして入った。
「また来たの?」
毎度、キサラギを拒絶するトゲのある言葉であった。
しかし、キサラギはそれを意に介さない、マリアへの執着とジークへの憎しみがないまぜになっており彼の中ではマリアを手に入れない限りジークとの戦いは終わらないのだ。
「君のことが心配でね、しっかりと食事は取っているのかい? 何も食べないのは体に悪いよ?」
キサラギは部屋内に置かれている椅子に断りなく腰を下ろす。
マリアは訪問の度に彼の無礼を咎めていたのだが、毎度繰り返されるやり取りに彼女は咎める気力を無くしていた。
黙っているマリアにキサラギは話しかける。
「お父上が心配されていたよ、ジークを失った君の姿を見ていられないと」
「ジークを、掛け替えのない半身を失えば誰しもそうなるものよ、放っておいて頂戴」
「そうはいかないね、僕にはジークの代わりに君を支える義務があるんだ」
「言ったでしょ? ジークの代わりになんて誰にもなれないわ」
「そんなことは無いさ、君がジークを失った同じ悲しみを僕も背負っているんだ、一人では押し潰されてしまいそうな悲しみも僕ら二人でなら乗り越えていけるよ」
「何それ、傷心を慰めるという名目のプロポーズなのかしら?」
挑むようなマリアの目にキサラギは臆さず、彼女が腰掛けるベッドへと近づいた。
「どう受け取ってくれても構わないよ」
キサラギがそのままマリアの肩へ手を掛けようとして……
ドアの外からノックの音が聞こえた。
「マリア様、キサラギ様、食事の支度が整いましたのでお越し願います」
「残念だけど、本日はここまでのようだね、僕はお相伴に預からせてもらうけどマリアも早くくるんだよ」
そのまま踵を返し、部屋へ出ると呼びに来たメイドの一人と目が合う。
その顔を見て、キサラギは空気の読めない奴と内心舌打ちする。
(この使えないメイドめ……僕がマリアと結婚したら、さっさとクビにしてやるのに……)
キサラギはメイドをその場に置いて階段を降りていった。
マリアはキサラギが出ていったあと、体を震わせていた。
それは怒りよりも怯えの方がより大きかった。
マリアも木石ではない、彼の意図するところが見え始めていたからである。
そして、本来彼女を守るべきジークがいないことが彼女の心を一層苦しめていた。
「ジーク……どうして、どうして私を置いていってしまったの……」
マリアの膝にぽたりぽたりと流れる涙、その涙を拭き、止める人間が今は彼女の側には誰も居なかった。
――――
キサラギは公爵夫妻と食事を共にしていた。
「それで陛下は君に爵位をお与えになると……?」
「ええ、まだ内示の段階ではありますが、そのようにお話を伺っております」
「素晴らしいことだ、君の魔王を倒した功績ならば、男爵、子爵を飛ばして一気に侯爵という線もあるな」
食卓では、キサラギと夫妻は和気藹々の様相を呈していた。
「お前もそうは思わないか?」
公爵が妻に水を向ける。
「ええ本当に、お聞きしても素晴らしい活躍ぶりでございますもの」
「いえ、まだ若輩の身には重すぎると私は思っておりますので……」
「謙虚な事だ、だが男たるもの大望を抱いて上を見なければならない、いつまでも同じ爵位に甘んじるという訳でもなかろう?」
そそのかすような公爵の話しぶりにキサラギは明言せず苦笑で答える。
(当然だろう? 僕は家臣なんかにおさまる男ではないんだよ、いや、爵位という言葉がそもそも僕を侮っている)
キサラギは微笑を浮かべる表面とは裏腹に、自分に低い地位をあてがう国王や貴族に怒りを抱いていた。
(所詮、お前らでは僕の価値は測れない、例え、公爵の椅子を用意されても僕には値しない、僕が目指す先は国王という玉座なのだからね)
表面上、キサラギと公爵夫妻の団欒は和やかに進んだ。
だが、彼が来て欲しかったマリアは食事の終わりまでにとうとう姿を見せなかったのである。
(マリアめ……最後まで顔を見せなかったな、未来の夫に対して、ようく躾をしておかなければならないね、まあいい、僕もマリアだけには構っていられないんだ、他の女の子たちの所へも行かなければならないからね……)
悲鳴にも似たマリアの叫び声が部屋内に響いた。
「しかしだね、マリア、お前の気持ちは分からんでもないが、いつまでもジーク君を、彼の事を想ってどうなるというのだ?」
マリアの父親はゆっくりと諭すようにマリアをたしなめる。
次いで母親が口を開く。
「そうよ、マリア、貴女がいつまでもその調子だと彼も浮かばれないわ」
マリアの両親が言いたいこと、それは早くジークバルト・ブランエールの事を忘れて前向きに、つまりは勇者キサラギと結婚しろというものであった。
そして、そんな話はマリアと両親の間で何度も話されていた。
怒るマリアはそのまま両親との会話を打ち切ると階段を駆け上がり自室へと戻った。
そんな娘の後ろ姿を両親は深い溜息をついて見送った。
「どうしたものか、娘のあの意固地な所は誰に似たのやら……」
「あなたですよ、あなた! まあ、あの子も最後には諦めてくれるでしょう」
夫婦で娘の今後について話していると家令が客人の来訪を告げる。
「おう、また今日も来てくれたのか、彼も豆なことじゃないかね」
「そうね、ジークさんを失った悲しみを彼と分かち合ってくれるといいのだけれど」
扉がノックされ家令に導かれるようにキサラギが部屋へと入り込んできた。
「公爵閣下、度々お邪魔して申し訳ありません」
両親の前で深く一礼するキサラギの姿は好青年そのものの姿である。
そんなキサラギの姿を公爵夫妻は心象をより良くするには余りあるものだった。
マリアの父親はそんな彼の礼を押しとどめる。
「いやいや、私たち家族と君との仲ではないかね」
「そうよ、マリアもきっと貴方の来訪を心から喜んでくれるわ」
「おお、そうだ、もうしばらくすると食事時には良い時間だな、どうかね、今日は我が家で食卓を共にしないか?」
一緒に食事をと誘われたキサラギは一瞬、遠慮めいた表情を見せるがすぐにそれを取り繕う。
「閣下のお招きとあってはお断りするのも失礼というもの、ご一緒させていただきます」
「ああ、そうしてくれるとありがたい……それと時間が来るまでマリアの顔を見ていってやってくれないか? やはり、ジークバルト君のことが堪えているようでねぇ、君が顔を見せれば娘も喜んでくれると思うのだよ」
「僕なんかの顔で気が紛れるといいのですが……」
「何を言うのですか、婚約者を失って意気消沈する娘を毎日のように元気づけていただいているのはこの屋敷の者ならば皆が知っていることですよ」
「恐縮です、では早速、マリアの様子を見て参ろうと思います」
本来であれば結婚前の貴族の令嬢の部屋で男と二人きりになるなど言語道断であった。
けれど、婚約者を失い悲しみにくれる娘、魔王を討伐した勇者、その二つの要素がそれを可能にしたのである。
それは娘を想う父親の計らいであったのかもしれない、だが、その計らいによりカルグア家にはキサラギの毒がより一層まわっていったのである。
両親の姿が見えなくなったところでキサラギは鼻を鳴らした。
(言われなくとも貴方たちの娘は僕がしっかりと面倒を見てあげますよ)
キサラギは何度叩いたであろうか、再びマリアがいる部屋をノックして入った。
「また来たの?」
毎度、キサラギを拒絶するトゲのある言葉であった。
しかし、キサラギはそれを意に介さない、マリアへの執着とジークへの憎しみがないまぜになっており彼の中ではマリアを手に入れない限りジークとの戦いは終わらないのだ。
「君のことが心配でね、しっかりと食事は取っているのかい? 何も食べないのは体に悪いよ?」
キサラギは部屋内に置かれている椅子に断りなく腰を下ろす。
マリアは訪問の度に彼の無礼を咎めていたのだが、毎度繰り返されるやり取りに彼女は咎める気力を無くしていた。
黙っているマリアにキサラギは話しかける。
「お父上が心配されていたよ、ジークを失った君の姿を見ていられないと」
「ジークを、掛け替えのない半身を失えば誰しもそうなるものよ、放っておいて頂戴」
「そうはいかないね、僕にはジークの代わりに君を支える義務があるんだ」
「言ったでしょ? ジークの代わりになんて誰にもなれないわ」
「そんなことは無いさ、君がジークを失った同じ悲しみを僕も背負っているんだ、一人では押し潰されてしまいそうな悲しみも僕ら二人でなら乗り越えていけるよ」
「何それ、傷心を慰めるという名目のプロポーズなのかしら?」
挑むようなマリアの目にキサラギは臆さず、彼女が腰掛けるベッドへと近づいた。
「どう受け取ってくれても構わないよ」
キサラギがそのままマリアの肩へ手を掛けようとして……
ドアの外からノックの音が聞こえた。
「マリア様、キサラギ様、食事の支度が整いましたのでお越し願います」
「残念だけど、本日はここまでのようだね、僕はお相伴に預からせてもらうけどマリアも早くくるんだよ」
そのまま踵を返し、部屋へ出ると呼びに来たメイドの一人と目が合う。
その顔を見て、キサラギは空気の読めない奴と内心舌打ちする。
(この使えないメイドめ……僕がマリアと結婚したら、さっさとクビにしてやるのに……)
キサラギはメイドをその場に置いて階段を降りていった。
マリアはキサラギが出ていったあと、体を震わせていた。
それは怒りよりも怯えの方がより大きかった。
マリアも木石ではない、彼の意図するところが見え始めていたからである。
そして、本来彼女を守るべきジークがいないことが彼女の心を一層苦しめていた。
「ジーク……どうして、どうして私を置いていってしまったの……」
マリアの膝にぽたりぽたりと流れる涙、その涙を拭き、止める人間が今は彼女の側には誰も居なかった。
――――
キサラギは公爵夫妻と食事を共にしていた。
「それで陛下は君に爵位をお与えになると……?」
「ええ、まだ内示の段階ではありますが、そのようにお話を伺っております」
「素晴らしいことだ、君の魔王を倒した功績ならば、男爵、子爵を飛ばして一気に侯爵という線もあるな」
食卓では、キサラギと夫妻は和気藹々の様相を呈していた。
「お前もそうは思わないか?」
公爵が妻に水を向ける。
「ええ本当に、お聞きしても素晴らしい活躍ぶりでございますもの」
「いえ、まだ若輩の身には重すぎると私は思っておりますので……」
「謙虚な事だ、だが男たるもの大望を抱いて上を見なければならない、いつまでも同じ爵位に甘んじるという訳でもなかろう?」
そそのかすような公爵の話しぶりにキサラギは明言せず苦笑で答える。
(当然だろう? 僕は家臣なんかにおさまる男ではないんだよ、いや、爵位という言葉がそもそも僕を侮っている)
キサラギは微笑を浮かべる表面とは裏腹に、自分に低い地位をあてがう国王や貴族に怒りを抱いていた。
(所詮、お前らでは僕の価値は測れない、例え、公爵の椅子を用意されても僕には値しない、僕が目指す先は国王という玉座なのだからね)
表面上、キサラギと公爵夫妻の団欒は和やかに進んだ。
だが、彼が来て欲しかったマリアは食事の終わりまでにとうとう姿を見せなかったのである。
(マリアめ……最後まで顔を見せなかったな、未来の夫に対して、ようく躾をしておかなければならないね、まあいい、僕もマリアだけには構っていられないんだ、他の女の子たちの所へも行かなければならないからね……)
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