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大陸で最も精強な国と言えばアグルファン王国である。
土地は肥え勇猛な騎士団を抱えるかの国は恐れを知らず、大陸の中で敵無しであった。
しかし、何時までも栄華を誇るものが居ないのと同じように、その威名も地に落ちる時がやってきたのだ。
突如侵攻を開始した魔王に対し、勇猛さを誇る騎士団といえども、魔王の軍勢の前に戦況は日増しに悪くなる一方である。
その国難の中、騎士団最強、武勇の誉れ高い若き英傑ジークバルト・ブランエールが注目を浴びるのはごくごく自然なことであった。
勇猛なるジークバルトには1人の幼なじみがいた。
マリア・カルグア、歴史ある公爵家の一人娘であるマリアはジークとは幼い頃からの付き合いであった。
仲睦まじい2人を周囲はお似合いと誉めそやし2人もまた満更ではなかった。
そんな2人が婚約という名の愛情で結ばれるのにそう長い時間は掛からなかったのである。
しかし、魔王軍の侵攻という懸念が解決しない限り2人には結婚という選択肢は有り得ない。
ジークもマリアも共に公を重んじる性格であったからだ。また最前線で戦うジークにそんな余裕も時間もなかったのである。
転機が訪れたのは、それから少し時間が経ってことである。
神のごとき力を身に宿らしめているという青年の存在が浮かび上がった。
平民出身ながらあれよあれよというまに戦功を挙げる青年に周囲はジークと並べて双璧と称した。
青年の名はキサラギと言った。
特別な後ろ盾も出自でもない彼が強大な力を手に入れた訳とは誰も知る由はなかった。
ただ剣を振るえば岩を泥のように切り裂き、数多の神秘的な力を振るう。
人々は彼を勇者と称したのだ。
そして、騎士ジーク、勇者キサラギの二人を中心とした魔王征伐隊が結成され、国や人々の期待を一身に背負い彼らは旅立ったのである。
幾度の戦いの末に彼らは魔王を打ち破った。
魔の王たる存在を倒した彼らはそれで事は終わりと信じ込んでいた。
だが事は彼らの思うように運ばなかった、何故なら王を慕い共に殉じようとする残党たちが勇者一行へと襲いかかってきたのである。
彼らが無事に国へ戻るには魔族たちの包囲を突破せねばならなかった。
そこからは惨たる撤退戦が開始された。
先頭を走るジークの胸中にあるのは魔族の襲撃で分断された仲間たちの事であった。
何故なら、はぐれた仲間3人のうちの1人はジークの婚約者マリアであったからだ。
教会に身を置き高い癒やしの能力を持つマリアはジークと同じく魔王討伐のメンバーとして選ばれていたのであった。
そして、マリア以外にも若いながらも魔法使いとして名を馳せていた聖炎イグニア、精霊語りの異名を持つ精霊術師ルンフェイも魔王討伐の旅に加わっていた。
(あの3人ならば、余程のことがない限り大事ないはずだっ……!」
焦るジークは深い山合を鎧が奏でる不協和音を響かせながら走っていく。
「キサラギ! そっちだ!」
鎧に身を固めた騎士ジークは自分の背中を守る男、キサラギへと警戒の声を飛ばす。
「ああ、分かってるよ、ジーク!」
軽く応じるとキサラギは背後に迫りつつあった魔物を簡単に切り飛ばす。
勇者キサラギとその盟友たる騎士ジークの二人の連携に魔族達は打つ手を知らなかった。
それもそのはずである、平民ながらも勇者としての素質を開眼させたキサラギは国王直々に魔王討伐の任を賜るまでに至り、その勇者を支える仲間として選ばれたのが王国最強騎士として名高いジークであった。
そんじょそこらの魔族が2人の相手になる訳がなかった。
数分と掛からずに近場にいた魔物や魔物を殲滅し終えた2人は休む暇なく次の戦いの場へと移動しようとしていた。
仲間を、婚約者の窮地を一刻も早く救わんとするジークの足取りは驚くほど早かった。
しかし、一瞬感じた殺気に武器を構えて振り向こうとしたジークに鋭い剣先が襲った。
突然の背後からの攻撃を防ぐ手立てはなく、頑丈なジークの鎧を悠々とキサラギの持つ剣が切り裂いた。
「ぐぅ!!」
脇腹からの出血をごつごつとした手甲で押さえられるはずもなく、血が流水のごとくジークの体からこぼれ落ちていく。
突然、行われた仲間の背信にジークは激昂した。
「何の真似だ、キサラギ!!!」
常人ならば、怯えすくむような怒号もキサラギにはそよ風に等しかった。
うっとうしいと言わんばかりにキサラギは前髪をかき上げている。
そして、その余裕の態度が崩れるようにキサラギから邪念が浮きで始めた。
「せっかく楽に殺してやろうと思ったのに……君はなんてしつこい奴なんだ」
そのまま理由を答える事もなく、キサラギは剣を構えたままジークとの距離を詰める。
ひどく出血しているジークは己の不利を悟り、距離を取ろうとするのだが勇者キサラギはそれを許さない。
「いい加減死んじゃえよっ!」
狂気じみた声とともに再びジークを剣戟が襲う。
その勢い、溢れんばかりの殺意にジークはほぞを噛んだ。
不意を突かれていなければ、このおびただしい出血がなければジークはキサラギと肩を並べる実力の持ち主であった。
だが、受けた傷がキサラギを剣でねじ伏せようとすることを許さない。
一合、二合、三合と剣を交える度にジークは追い詰められていく。
そのまま押し込められるようにジークは文字通り崖っぷちへと立たされた。
「いよいよ決着のようだね……さあ! ここまでだよジーク!!」
勢い良く振りかぶったキサラギの剣が致命傷を与えるべくジークへ迫った。
同じく剣を構えて迎え撃ったジークは長らく続いていた出血ゆえか体勢を崩してしまう。
だが、それを功を奏したのかあるいは更なる不運であったのか。
キサラギの剣はジークの肩を切り裂くのみで彼の命を奪うに至らなかった。
「何故だ、キサラギイイイィィィィィ!!!!」
ジークは崖上に剣と雄叫びを残し崖から滑落していった。
ジークが落ちていった先をうすら笑いを浮かべて眺めていたキサラギはおもむろにジークの剣を拾う。
ジーク同様に鍛え上げられた剣は曇り一つ、歪み一つ見受けられず、それがキサラギの癇に障った。
キサラギは振りかぶったそれを勇者の力を用いて地面へと何度となく叩きつける。
次第に曲がり削れていく鋼芯はとうとう勇者の暴虐に耐えかねてその身を折った。
「ははっざまあみろ!!」
惨めにひしゃげた剣を見下ろしながら、今は居ないジークもろともに悪罵を放つ。
ジークを葬り平静を取り戻したキサラギが仲間たちの元へ戻ったのはそれから半時あまりのことであった。
「すまない、ジークは……彼は……僕を守って……」
仲間たちの元に戻り、心底悔やむようにキサラギはジークの形見となった半身の剣をマリアへと差し出した。
顔が強ばりキサラギから剣を受け取ったマリアの震える体が地面へと沈んだ。
ジークの死、それを受け入れられることができないマリアは折れた剣をかき抱きただ震えていた。
ややあって、彼女の行き場のない感情が爆発したようにひとつの行き先を見つける。
「うぁあっ、ジーク、ジークぅぅぅぅぅ、うぁあ、うあああぁぁぁぁぁぁぁああああああ」
イグニアやルンフェイは婚約者を亡くしたマリアに寄り添うように沈鬱な顔を並べていた。
だが、二人とは全く違う感情を描く男がその場にいた。
子供のように泣きじゃくるマリアの姿を見て、キサラギは顔に出す表情とは裏腹に嗜虐心が刺激されていた。
彼女らには感知しえない服の中でその男根が躍るように自己主張を始めていたのだ。
彼女らの前でなければ、キサラギは舌なめずりをしていたことだろう。
キサラギは今はいないジークに向かい哀悼の意を捧げる。
(安心しろよジーク……マリアはお前の分まで僕が可愛がってやるからさ……いいや、マリアだけじゃない、イグニアもルンフェイも僕のハーレムに入れてあげよう、僕は優しいからね……)
土地は肥え勇猛な騎士団を抱えるかの国は恐れを知らず、大陸の中で敵無しであった。
しかし、何時までも栄華を誇るものが居ないのと同じように、その威名も地に落ちる時がやってきたのだ。
突如侵攻を開始した魔王に対し、勇猛さを誇る騎士団といえども、魔王の軍勢の前に戦況は日増しに悪くなる一方である。
その国難の中、騎士団最強、武勇の誉れ高い若き英傑ジークバルト・ブランエールが注目を浴びるのはごくごく自然なことであった。
勇猛なるジークバルトには1人の幼なじみがいた。
マリア・カルグア、歴史ある公爵家の一人娘であるマリアはジークとは幼い頃からの付き合いであった。
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そんな2人が婚約という名の愛情で結ばれるのにそう長い時間は掛からなかったのである。
しかし、魔王軍の侵攻という懸念が解決しない限り2人には結婚という選択肢は有り得ない。
ジークもマリアも共に公を重んじる性格であったからだ。また最前線で戦うジークにそんな余裕も時間もなかったのである。
転機が訪れたのは、それから少し時間が経ってことである。
神のごとき力を身に宿らしめているという青年の存在が浮かび上がった。
平民出身ながらあれよあれよというまに戦功を挙げる青年に周囲はジークと並べて双璧と称した。
青年の名はキサラギと言った。
特別な後ろ盾も出自でもない彼が強大な力を手に入れた訳とは誰も知る由はなかった。
ただ剣を振るえば岩を泥のように切り裂き、数多の神秘的な力を振るう。
人々は彼を勇者と称したのだ。
そして、騎士ジーク、勇者キサラギの二人を中心とした魔王征伐隊が結成され、国や人々の期待を一身に背負い彼らは旅立ったのである。
幾度の戦いの末に彼らは魔王を打ち破った。
魔の王たる存在を倒した彼らはそれで事は終わりと信じ込んでいた。
だが事は彼らの思うように運ばなかった、何故なら王を慕い共に殉じようとする残党たちが勇者一行へと襲いかかってきたのである。
彼らが無事に国へ戻るには魔族たちの包囲を突破せねばならなかった。
そこからは惨たる撤退戦が開始された。
先頭を走るジークの胸中にあるのは魔族の襲撃で分断された仲間たちの事であった。
何故なら、はぐれた仲間3人のうちの1人はジークの婚約者マリアであったからだ。
教会に身を置き高い癒やしの能力を持つマリアはジークと同じく魔王討伐のメンバーとして選ばれていたのであった。
そして、マリア以外にも若いながらも魔法使いとして名を馳せていた聖炎イグニア、精霊語りの異名を持つ精霊術師ルンフェイも魔王討伐の旅に加わっていた。
(あの3人ならば、余程のことがない限り大事ないはずだっ……!」
焦るジークは深い山合を鎧が奏でる不協和音を響かせながら走っていく。
「キサラギ! そっちだ!」
鎧に身を固めた騎士ジークは自分の背中を守る男、キサラギへと警戒の声を飛ばす。
「ああ、分かってるよ、ジーク!」
軽く応じるとキサラギは背後に迫りつつあった魔物を簡単に切り飛ばす。
勇者キサラギとその盟友たる騎士ジークの二人の連携に魔族達は打つ手を知らなかった。
それもそのはずである、平民ながらも勇者としての素質を開眼させたキサラギは国王直々に魔王討伐の任を賜るまでに至り、その勇者を支える仲間として選ばれたのが王国最強騎士として名高いジークであった。
そんじょそこらの魔族が2人の相手になる訳がなかった。
数分と掛からずに近場にいた魔物や魔物を殲滅し終えた2人は休む暇なく次の戦いの場へと移動しようとしていた。
仲間を、婚約者の窮地を一刻も早く救わんとするジークの足取りは驚くほど早かった。
しかし、一瞬感じた殺気に武器を構えて振り向こうとしたジークに鋭い剣先が襲った。
突然の背後からの攻撃を防ぐ手立てはなく、頑丈なジークの鎧を悠々とキサラギの持つ剣が切り裂いた。
「ぐぅ!!」
脇腹からの出血をごつごつとした手甲で押さえられるはずもなく、血が流水のごとくジークの体からこぼれ落ちていく。
突然、行われた仲間の背信にジークは激昂した。
「何の真似だ、キサラギ!!!」
常人ならば、怯えすくむような怒号もキサラギにはそよ風に等しかった。
うっとうしいと言わんばかりにキサラギは前髪をかき上げている。
そして、その余裕の態度が崩れるようにキサラギから邪念が浮きで始めた。
「せっかく楽に殺してやろうと思ったのに……君はなんてしつこい奴なんだ」
そのまま理由を答える事もなく、キサラギは剣を構えたままジークとの距離を詰める。
ひどく出血しているジークは己の不利を悟り、距離を取ろうとするのだが勇者キサラギはそれを許さない。
「いい加減死んじゃえよっ!」
狂気じみた声とともに再びジークを剣戟が襲う。
その勢い、溢れんばかりの殺意にジークはほぞを噛んだ。
不意を突かれていなければ、このおびただしい出血がなければジークはキサラギと肩を並べる実力の持ち主であった。
だが、受けた傷がキサラギを剣でねじ伏せようとすることを許さない。
一合、二合、三合と剣を交える度にジークは追い詰められていく。
そのまま押し込められるようにジークは文字通り崖っぷちへと立たされた。
「いよいよ決着のようだね……さあ! ここまでだよジーク!!」
勢い良く振りかぶったキサラギの剣が致命傷を与えるべくジークへ迫った。
同じく剣を構えて迎え撃ったジークは長らく続いていた出血ゆえか体勢を崩してしまう。
だが、それを功を奏したのかあるいは更なる不運であったのか。
キサラギの剣はジークの肩を切り裂くのみで彼の命を奪うに至らなかった。
「何故だ、キサラギイイイィィィィィ!!!!」
ジークは崖上に剣と雄叫びを残し崖から滑落していった。
ジークが落ちていった先をうすら笑いを浮かべて眺めていたキサラギはおもむろにジークの剣を拾う。
ジーク同様に鍛え上げられた剣は曇り一つ、歪み一つ見受けられず、それがキサラギの癇に障った。
キサラギは振りかぶったそれを勇者の力を用いて地面へと何度となく叩きつける。
次第に曲がり削れていく鋼芯はとうとう勇者の暴虐に耐えかねてその身を折った。
「ははっざまあみろ!!」
惨めにひしゃげた剣を見下ろしながら、今は居ないジークもろともに悪罵を放つ。
ジークを葬り平静を取り戻したキサラギが仲間たちの元へ戻ったのはそれから半時あまりのことであった。
「すまない、ジークは……彼は……僕を守って……」
仲間たちの元に戻り、心底悔やむようにキサラギはジークの形見となった半身の剣をマリアへと差し出した。
顔が強ばりキサラギから剣を受け取ったマリアの震える体が地面へと沈んだ。
ジークの死、それを受け入れられることができないマリアは折れた剣をかき抱きただ震えていた。
ややあって、彼女の行き場のない感情が爆発したようにひとつの行き先を見つける。
「うぁあっ、ジーク、ジークぅぅぅぅぅ、うぁあ、うあああぁぁぁぁぁぁぁああああああ」
イグニアやルンフェイは婚約者を亡くしたマリアに寄り添うように沈鬱な顔を並べていた。
だが、二人とは全く違う感情を描く男がその場にいた。
子供のように泣きじゃくるマリアの姿を見て、キサラギは顔に出す表情とは裏腹に嗜虐心が刺激されていた。
彼女らには感知しえない服の中でその男根が躍るように自己主張を始めていたのだ。
彼女らの前でなければ、キサラギは舌なめずりをしていたことだろう。
キサラギは今はいないジークに向かい哀悼の意を捧げる。
(安心しろよジーク……マリアはお前の分まで僕が可愛がってやるからさ……いいや、マリアだけじゃない、イグニアもルンフェイも僕のハーレムに入れてあげよう、僕は優しいからね……)
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