24 / 74
024:ラーダとジャック
しおりを挟む
ラーダに色々と質問をする。特に魔物のことを。
「お前さん。魔物を狩ったのは今日が初めてか?」
「そうです。俺の居たところでは魔物が居なくて」
するとラーダが「ほぉ、魔物が居ない場所か。俺には想像できんな」と笑った。よく笑う男だ。だが豪快で屈託がなく、いい男だと思う。
「熊は何回ほど狩った?」
「8回ほど」
「ふむ。悪くない」
「基本は鹿がメインでした」
「ほぉ。鹿か。警戒心が強くて近づくのが難しい獲物だ。うん。それを狩れるとなると獲物は弓か?」
「いえ。銃という、そうですね。遠距離系の武器を使います」
「銃? 聞いたことがないな。しかしそうか遠距離武器か」
「はい」
「ハルもか?」
「そうですね」
ラーダが沈黙する。そして……
「明日。俺たちと組んでやってみるか?」
そう言われて、すぐにハイそうですかとは頷けない。まだそこまでは信用ができないからだ。森の中で殺されて身ぐるみを剥がされる。なんてことも起きるかもしれない。俺だけならまだいいが、ハルが居る。行動は慎重にしたほうがいいだろう。
そんな俺の考えがわかったのか、ラーダが頷いた。
「そうだな。すまん。まだ信用できないよな」
俺は素直に謝罪する。
「すみません」
「いや。いいさ。カセには守らなきゃならん対象がいる。その警戒心は大事だ。よし。そうだな。じゃあ明日。ハンターギルドに行こう。そこで俺たちのことを聞いてから、その後どうするか判断してもらおう」
「ハンターギルド?」
「そうだ。ハンターギルドで情報収集だ。まずは俺たちの事を聞いてくれ。それから、そうだな。なんなら護衛依頼を出してくれても良い」
「護衛依頼?」
「そうだ。俺たちにカセが護衛依頼だ。それなら仕事の関係だ。悪くない話だと思う。それに俺たちが組むことを、第三者で中立の立場のハンターギルドが保証してくれる。どうだ? 多少は安心ができるだろう?」
なるほど。確かに。
このラーダと言う男。結構いろいろ考えているようだ。
「まぁ、それもこれも明日。ハンターギルドで俺たちの評価を聞いてもらってからだがな。な? ジャック?」
するとジャックと呼ばれたイケメンが頷いた。
「あぁ。組むんですか?」
「おそらくそうなる。期間は分からんがな」
俺は苦笑い。よほど自信があるらしい。でも、渡りに船とはこのことか。いや。まだ油断はできないんだ。気を引き締めないとな。
その後は、軽く話して解散となった。
とりあえずは明日だ。
ハルを見る。
きっと大丈夫。
なんとなくそう思った。
いや、願った。かな?
まぁ何はともあれ今日は疲れたな。
「おやすみ。ハル」
「はい。おやすみなさい加瀬さん」
「お前さん。魔物を狩ったのは今日が初めてか?」
「そうです。俺の居たところでは魔物が居なくて」
するとラーダが「ほぉ、魔物が居ない場所か。俺には想像できんな」と笑った。よく笑う男だ。だが豪快で屈託がなく、いい男だと思う。
「熊は何回ほど狩った?」
「8回ほど」
「ふむ。悪くない」
「基本は鹿がメインでした」
「ほぉ。鹿か。警戒心が強くて近づくのが難しい獲物だ。うん。それを狩れるとなると獲物は弓か?」
「いえ。銃という、そうですね。遠距離系の武器を使います」
「銃? 聞いたことがないな。しかしそうか遠距離武器か」
「はい」
「ハルもか?」
「そうですね」
ラーダが沈黙する。そして……
「明日。俺たちと組んでやってみるか?」
そう言われて、すぐにハイそうですかとは頷けない。まだそこまでは信用ができないからだ。森の中で殺されて身ぐるみを剥がされる。なんてことも起きるかもしれない。俺だけならまだいいが、ハルが居る。行動は慎重にしたほうがいいだろう。
そんな俺の考えがわかったのか、ラーダが頷いた。
「そうだな。すまん。まだ信用できないよな」
俺は素直に謝罪する。
「すみません」
「いや。いいさ。カセには守らなきゃならん対象がいる。その警戒心は大事だ。よし。そうだな。じゃあ明日。ハンターギルドに行こう。そこで俺たちのことを聞いてから、その後どうするか判断してもらおう」
「ハンターギルド?」
「そうだ。ハンターギルドで情報収集だ。まずは俺たちの事を聞いてくれ。それから、そうだな。なんなら護衛依頼を出してくれても良い」
「護衛依頼?」
「そうだ。俺たちにカセが護衛依頼だ。それなら仕事の関係だ。悪くない話だと思う。それに俺たちが組むことを、第三者で中立の立場のハンターギルドが保証してくれる。どうだ? 多少は安心ができるだろう?」
なるほど。確かに。
このラーダと言う男。結構いろいろ考えているようだ。
「まぁ、それもこれも明日。ハンターギルドで俺たちの評価を聞いてもらってからだがな。な? ジャック?」
するとジャックと呼ばれたイケメンが頷いた。
「あぁ。組むんですか?」
「おそらくそうなる。期間は分からんがな」
俺は苦笑い。よほど自信があるらしい。でも、渡りに船とはこのことか。いや。まだ油断はできないんだ。気を引き締めないとな。
その後は、軽く話して解散となった。
とりあえずは明日だ。
ハルを見る。
きっと大丈夫。
なんとなくそう思った。
いや、願った。かな?
まぁ何はともあれ今日は疲れたな。
「おやすみ。ハル」
「はい。おやすみなさい加瀬さん」
0
お気に入りに追加
1,107
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる