17 / 74
017:私と結婚します?
しおりを挟む
さて。運転を交代しながら開拓の最前線地を目指す。
「遠いな」
「ですね」
現在の運転はハルだ。
俺はスキル表から視線を外して風景に視線を向ける。
風が心地良い。
昨日、ガイエンから聞いた情報から現在は「霜が降りる月」らしい。まぁつまり11月だな。それも終わり頃とのこと。確か4周目だったかな?
それでも昼間は結構、温かい。日差しが心地良い季節だ。
針葉樹林と広葉樹が混じり点在していることから亜熱帯気候なのかなとも思うが……まぁどうでもいいか。雪も降るらしい。まぁ積もっても膝ぐらいまでとのこと。
狩猟にはいい季節が。
あぁ、でも夏場はどうっすかなぁ。
って来年のことを考えている自分に思わず苦笑い。
いつまでこの世界に居る気だよってな。
「なぁハル」
「はい?」
「もしこのまま日本に帰れなかったら、お前。どうする?」
「う~ん。そうですね。加瀬さんと結婚ですかね?」
「ぶほっ!」
俺が吹き出す。
「なっ、ちょっ、え? 俺とお前が結婚すんの?」
「えっ、だって、他にどうしようも……」
「いやいやいやいや。何でそうなるんだよ!」
「だってこっちの人と価値観が合うかどうか……」
「いやいや。だからって俺とお前はないだろう?」
「え~。じゃあ私、一生独りですか?」
「いやいやいやいや。えっ。そうなんの?」
「まぁ、帰れないとなったらですけどね?」
俺は一瞬沈黙。そして真剣に言った。いやかなりマジで。
「……帰る方法。見つけないとな」
「そんなに私と結婚するの嫌ですか?」
「いや。別にそんなことはないけど……結婚なぁ。しかも常識の違う異世界で? 苦労する景色しか見えんぞ?」
「出産する私の方が大変なんですけどね?」
そうだな。
「……帰ろうな。絶対に。日本へ。なっ?」
「…………」
なんかこの話題は、やばい方へ振り切っている気がして、この後。しばらく車内には沈黙が下りたのだった。
「遠いな」
「ですね」
現在の運転はハルだ。
俺はスキル表から視線を外して風景に視線を向ける。
風が心地良い。
昨日、ガイエンから聞いた情報から現在は「霜が降りる月」らしい。まぁつまり11月だな。それも終わり頃とのこと。確か4周目だったかな?
それでも昼間は結構、温かい。日差しが心地良い季節だ。
針葉樹林と広葉樹が混じり点在していることから亜熱帯気候なのかなとも思うが……まぁどうでもいいか。雪も降るらしい。まぁ積もっても膝ぐらいまでとのこと。
狩猟にはいい季節が。
あぁ、でも夏場はどうっすかなぁ。
って来年のことを考えている自分に思わず苦笑い。
いつまでこの世界に居る気だよってな。
「なぁハル」
「はい?」
「もしこのまま日本に帰れなかったら、お前。どうする?」
「う~ん。そうですね。加瀬さんと結婚ですかね?」
「ぶほっ!」
俺が吹き出す。
「なっ、ちょっ、え? 俺とお前が結婚すんの?」
「えっ、だって、他にどうしようも……」
「いやいやいやいや。何でそうなるんだよ!」
「だってこっちの人と価値観が合うかどうか……」
「いやいや。だからって俺とお前はないだろう?」
「え~。じゃあ私、一生独りですか?」
「いやいやいやいや。えっ。そうなんの?」
「まぁ、帰れないとなったらですけどね?」
俺は一瞬沈黙。そして真剣に言った。いやかなりマジで。
「……帰る方法。見つけないとな」
「そんなに私と結婚するの嫌ですか?」
「いや。別にそんなことはないけど……結婚なぁ。しかも常識の違う異世界で? 苦労する景色しか見えんぞ?」
「出産する私の方が大変なんですけどね?」
そうだな。
「……帰ろうな。絶対に。日本へ。なっ?」
「…………」
なんかこの話題は、やばい方へ振り切っている気がして、この後。しばらく車内には沈黙が下りたのだった。
0
お気に入りに追加
1,107
あなたにおすすめの小説
草食系ヴァンパイアはどうしていいのか分からない!!
アキナヌカ
ファンタジー
ある時、ある場所、ある瞬間に、何故だか文字通りの草食系ヴァンパイアが誕生した。
思いつくのは草刈りとか、森林を枯らして開拓とか、それが実は俺の天職なのか!?
生まれてしまったものは仕方がない、俺が何をすればいいのかは分からない!
なってしまった草食系とはいえヴァンパイア人生、楽しくいろいろやってみようか!!
◇以前に別名で連載していた『草食系ヴァンパイアは何をしていいのかわからない!!』の再連載となります。この度、完結いたしました!!ありがとうございます!!評価・感想などまだまだおまちしています。ピクシブ、カクヨム、小説家になろうにも投稿しています◇
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います
七地潮
ファンタジー
妻に先立たれた 後藤 丈二(56)は、その年代に有りがちな、家事が全く出来ない中年男性。
独り身になって1年ほど経つ頃、不摂生で自分も亡くなってしまう。
が、気付けば『切り番当選者』などと言われ、半ば押しつけられる様に、別の世界で第二の人生を歩む事に。
再び妻に巡り合う為に、家族や仲間を増やしつつ、異世界で旅をしながら幸せを求める…………話のはず。
独自世界のゆるふわ設定です。
誤字脱字は再掲載時にチェックしていますけど、出てくるかもしれません、すみません。
毎日0時にアップしていきます。
タグに情報入れすぎで、逆に検索に引っかからないパターンなのでは?と思いつつ、ガッツリ書き込んでます。
よろしくお願いします。
※この話は小説家になろうさんでアップした話を掲載しております。
※なろうさんでは最後までアップしていますけど、こちらではハッピーエンド迄しか掲載しない予定です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる