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011:街
しおりを挟む「はぁ……」
街に入れるには入れたが無一文だ。いちおうエゾシカの毛皮だけは残ったが、それだけだ。
「どうしたもんかね」
思わず空を見上げる。するとハル。
「とりあえずエゾシカの毛皮だけでも売りましょう」
それもそうだな。
「とはいえだ。どこに売れば良いんだろうな?」
俺の質問にハルが即座に答えた。
「その辺の人に聞いてみましょう」
そう言うやいなや、街に入ってきた人に聞きに行ってしまう。
「行動力!」
呆れてしまうぐらいに行動力が有る。
「まぁ引っ込み思案でオドオドしているよりはいいか」
前向きに考える。この状況では素晴らしい能力だ。しばらく待っているとハルが帰ってきた。
「加瀬さん」
「おう」
「毛皮一枚の買い取りなら、ハンターギルドにでも持って行っちゃどうだと言われました」
「ハンターギルド?」
「はい。何でも害獣や魔物を狩ったりする人達の組合だそうです」
「へぇ……まぁいいか。分かった。じゃあ、そのハンターギルドとやらに行ってみるか」
「はい!」
こうして俺たちはハンターギルドの建物を目指すのだった。
※
※
※
町の中央を目指して歩く。30分ほど歩いただろうか。一軒の建物の前に到着した。
「ここ、ですよね?」
ハルが建物の看板を見上げながら言う。俺も看板を見上げながら頷く。
「たぶんな」
あいにくとスキルポイントを使い切ってしまって、言語習得が出来ていない。幸いにして看板は文字ではなく、イラストで描かれている。
「弓のマーク……街の人が言うには、ここなんだよな?」
そうハルに問うと、ハルが頷く。
「はい。弓のマークだと言っていましたから」
「そうか……」
閑散としているなぁと言うのが感じた印象だ。ハルが不安げに「入りますよね?」と聞いてきた。俺は頷く。
「あぁ。とりあえず取って食われるなんてことはないだろ。行くぞ」
そう言ってドアに手をかけて中へと入ったのだった。
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