8 / 74
008:どーんとしてて
しおりを挟む
翌朝。車を適当な方向に流しながら町か村を探す。
兎にも角にも、自分が今、居る国がどこなのかを知らないと、言語の取得が出来ないからだ。
「現地住民さん、どこですか~」
ハルが調子っぱズレな歌を歌い始めたのでツッコミを入れてみる。
「お前さんは呑気だね」
「それはまぁ。楽しまなきゃ損ですから!」
「その強心臓を俺にくれ」
「不安なんですか?」
「当たり前だろ」
「男らしくド~ンとしてたらいいのに」
「俺のド~ンは経験によるものなんだよ。だから未知の体験には弱いんだ」
「あらら」
そんな弱音を吐き出してみる。年下の女の子相手に何を言ってんだろうな。するとハル。
「しっかりしてくださいよぉ。加瀬さんがド~ンとしてないと私まで不安になっちゃいますよぉ」
「お前のド~ンは俺頼みかよ」
「当然でしょ? 一人だったら心細かったです」
「そんな事を言われたら、男としても大人としてもド~ンとしてないといけないな」
「はい! 加瀬さんはド~ンとしてて下さい!」
そうだな。ここで頑張らないで何が大人だって話だな。
「んじゃあ、少し見栄を張ってド~ンとしてみるか」
「はい!」
こうして道なき道を進むこと少し。遠くの方に町並みが見え始めてきた。ちょうど見下ろす形なので窪地になっているようで、町の中央に大きな川と湖が見える。ハルが感嘆の声を上げた。
「うわぁ。可愛い!」
俺も同感だ。確かに見栄えのする町だ。城壁らしきものも見える。
「このまま車で行くんですか?」
「どうすっかなぁ」
そんな悩み。異世界に車はあるのだろうか?
そんなことを思いながら進んでいると、町との間に馬車の姿が見える。
「加瀬さん! 馬車ですよ! 馬車!」
どうやらこの世界では、まだ馬車が現役のようだ。
「車で町に行くのはヤバいかな?」
「でも、それだと車ごと私達を異世界に飛ばしますかね?」
「あいつは愉快犯だからな。面白そうだからという理由でやりかねない」
「困りましたね」
「とりあえず馬車の住人と接触してから考えよう」
そういう結論にいたり、少し車のスピードを上げて馬車を追いかけるのだった。
兎にも角にも、自分が今、居る国がどこなのかを知らないと、言語の取得が出来ないからだ。
「現地住民さん、どこですか~」
ハルが調子っぱズレな歌を歌い始めたのでツッコミを入れてみる。
「お前さんは呑気だね」
「それはまぁ。楽しまなきゃ損ですから!」
「その強心臓を俺にくれ」
「不安なんですか?」
「当たり前だろ」
「男らしくド~ンとしてたらいいのに」
「俺のド~ンは経験によるものなんだよ。だから未知の体験には弱いんだ」
「あらら」
そんな弱音を吐き出してみる。年下の女の子相手に何を言ってんだろうな。するとハル。
「しっかりしてくださいよぉ。加瀬さんがド~ンとしてないと私まで不安になっちゃいますよぉ」
「お前のド~ンは俺頼みかよ」
「当然でしょ? 一人だったら心細かったです」
「そんな事を言われたら、男としても大人としてもド~ンとしてないといけないな」
「はい! 加瀬さんはド~ンとしてて下さい!」
そうだな。ここで頑張らないで何が大人だって話だな。
「んじゃあ、少し見栄を張ってド~ンとしてみるか」
「はい!」
こうして道なき道を進むこと少し。遠くの方に町並みが見え始めてきた。ちょうど見下ろす形なので窪地になっているようで、町の中央に大きな川と湖が見える。ハルが感嘆の声を上げた。
「うわぁ。可愛い!」
俺も同感だ。確かに見栄えのする町だ。城壁らしきものも見える。
「このまま車で行くんですか?」
「どうすっかなぁ」
そんな悩み。異世界に車はあるのだろうか?
そんなことを思いながら進んでいると、町との間に馬車の姿が見える。
「加瀬さん! 馬車ですよ! 馬車!」
どうやらこの世界では、まだ馬車が現役のようだ。
「車で町に行くのはヤバいかな?」
「でも、それだと車ごと私達を異世界に飛ばしますかね?」
「あいつは愉快犯だからな。面白そうだからという理由でやりかねない」
「困りましたね」
「とりあえず馬車の住人と接触してから考えよう」
そういう結論にいたり、少し車のスピードを上げて馬車を追いかけるのだった。
0
お気に入りに追加
1,107
あなたにおすすめの小説
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
【完結】先だった妻と再び巡り逢うために、異世界で第二の人生を幸せに過ごしたいと思います
七地潮
ファンタジー
妻に先立たれた 後藤 丈二(56)は、その年代に有りがちな、家事が全く出来ない中年男性。
独り身になって1年ほど経つ頃、不摂生で自分も亡くなってしまう。
が、気付けば『切り番当選者』などと言われ、半ば押しつけられる様に、別の世界で第二の人生を歩む事に。
再び妻に巡り合う為に、家族や仲間を増やしつつ、異世界で旅をしながら幸せを求める…………話のはず。
独自世界のゆるふわ設定です。
誤字脱字は再掲載時にチェックしていますけど、出てくるかもしれません、すみません。
毎日0時にアップしていきます。
タグに情報入れすぎで、逆に検索に引っかからないパターンなのでは?と思いつつ、ガッツリ書き込んでます。
よろしくお願いします。
※この話は小説家になろうさんでアップした話を掲載しております。
※なろうさんでは最後までアップしていますけど、こちらではハッピーエンド迄しか掲載しない予定です。
スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる