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006:異世界の夜
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丘陵地帯の遠くには、とんでもなく大きな山脈が見える。その山脈の麓を目指して進む。
狩りに関してだが、現状では意思の疎通をする為にポイントが居るので、狩った獲物を現地の人に見せないと言う条件で、小動物を狩ってレベルアップを図ろうという事になった。
異世界の丘陵地帯を地球産の車であるランドクルーザーが行く。運転はハル。俺が助手席だ。運転をハルに任せた理由は俺はステータスの検証をするためだ。
天気は晴れで現在の時刻は、おそらく昼をかなり過ぎた頃。
地球に居た時刻とほぼ一緒だと思う。いちおう時計を確認すると16時34分と有る。まぁ地球産の時計が果たしてこの異世界で活きているかのかどうかは不明だが。
俺はスキルツリーをチェックしている。そこには実に様々な項目があった。
「ハル」
「はい?」
「スキルツリーに肉体年齢を若返らせると言う項目があるぞ」
「おぉ! それってもう技能《スキル》じゃないですよね?」
「まぁそうだな」
「気になります?」
「まぁなぁ。40歳にもなると体力も落ちて色々と身体にガタが来るからなぁ」
「ふぅん。なら30歳ぐらいまで若返っちゃいます?」
「う~ん。体力が戻るならそれもいいかもな」
まぁ優先度は低いか。他にも有用そうなスキルは多いのだ。
何はともあれ異世界言語だ。
ただ。今、俺達が居る地域の言語が分からないのがネックだが……
※
※
※
日が落ち始めた。時刻は17時。空には月が……2つ。青い月と赤い月が浮かんでいる。
「異世界ですねぇ」
「重力関係とかどうなってんだろうな?」
「さぁ?」
そんな会話を交わしながら、キャンプの準備をする。ちなみに丘陵地帯にわずかばかりに生えている木陰でだ。茂みも少しありキャンプをするにはいい場所だった。
ワンタッチ式のテントを広げて、火を起こす。車も風除けにして配置。食料は昼間に仕留めた鹿肉と、スープの粉を溶かしただけの簡易なものだ。
調味料も色々持っては来ているので、なかなか美味い夕食となった。
しばらく夕飯を食べていると、近くでオオカミの遠吠えが聞こえた。
ハルがビクッと顔を上げる。俺も顔を上げ、すぐさまライフル銃を手に取った。
「ハル。車の中に入ってろ」
少し戸惑うハルだったが、すぐに立ち直ったようだ。
「いえ。戦います!」
そう言って、散弾銃を手に取った。
そうしてお互いが銃を構える中、焚き火の炎が照らすギリギリ外の辺りを、獣のハッハッハという息遣いが聞こえ始めた。
結構な数がいる。
俺はハルを見て、ハルも俺を見る。
お互いに撃つぞと言う確認をした後に発砲を始めた。するとギャン! と言うオオカミの悲鳴。そこからは焚き火の明かりの中にオオカミの姿が見えた瞬間に発砲を繰り返した。
俺が銃弾を5発撃ち、ハルが2発。途中で弾込めして更に2発を撃ったところでオオカミたちは逃げ出していった。
あとに残ったのは、5匹分の死体と4匹の痛みに呻く瀕死のオオカミの姿だった。
痛みが続くのは可哀想なので、ナイフで止めを刺して回った。本当は銃で止めを刺したかったが、弾が勿体無いという理由でナイフとなった。
その後は、オオカミの毛皮を剥ぐ。肉は食べないので血抜きはしない。
それらの作業が終わる頃には、時刻は22時を回っていた。
血の匂いが充満する中で、眠れるわけがない。
しょうがないのでテントは片付け、車の中で寝ることになったのだった。
狩りに関してだが、現状では意思の疎通をする為にポイントが居るので、狩った獲物を現地の人に見せないと言う条件で、小動物を狩ってレベルアップを図ろうという事になった。
異世界の丘陵地帯を地球産の車であるランドクルーザーが行く。運転はハル。俺が助手席だ。運転をハルに任せた理由は俺はステータスの検証をするためだ。
天気は晴れで現在の時刻は、おそらく昼をかなり過ぎた頃。
地球に居た時刻とほぼ一緒だと思う。いちおう時計を確認すると16時34分と有る。まぁ地球産の時計が果たしてこの異世界で活きているかのかどうかは不明だが。
俺はスキルツリーをチェックしている。そこには実に様々な項目があった。
「ハル」
「はい?」
「スキルツリーに肉体年齢を若返らせると言う項目があるぞ」
「おぉ! それってもう技能《スキル》じゃないですよね?」
「まぁそうだな」
「気になります?」
「まぁなぁ。40歳にもなると体力も落ちて色々と身体にガタが来るからなぁ」
「ふぅん。なら30歳ぐらいまで若返っちゃいます?」
「う~ん。体力が戻るならそれもいいかもな」
まぁ優先度は低いか。他にも有用そうなスキルは多いのだ。
何はともあれ異世界言語だ。
ただ。今、俺達が居る地域の言語が分からないのがネックだが……
※
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日が落ち始めた。時刻は17時。空には月が……2つ。青い月と赤い月が浮かんでいる。
「異世界ですねぇ」
「重力関係とかどうなってんだろうな?」
「さぁ?」
そんな会話を交わしながら、キャンプの準備をする。ちなみに丘陵地帯にわずかばかりに生えている木陰でだ。茂みも少しありキャンプをするにはいい場所だった。
ワンタッチ式のテントを広げて、火を起こす。車も風除けにして配置。食料は昼間に仕留めた鹿肉と、スープの粉を溶かしただけの簡易なものだ。
調味料も色々持っては来ているので、なかなか美味い夕食となった。
しばらく夕飯を食べていると、近くでオオカミの遠吠えが聞こえた。
ハルがビクッと顔を上げる。俺も顔を上げ、すぐさまライフル銃を手に取った。
「ハル。車の中に入ってろ」
少し戸惑うハルだったが、すぐに立ち直ったようだ。
「いえ。戦います!」
そう言って、散弾銃を手に取った。
そうしてお互いが銃を構える中、焚き火の炎が照らすギリギリ外の辺りを、獣のハッハッハという息遣いが聞こえ始めた。
結構な数がいる。
俺はハルを見て、ハルも俺を見る。
お互いに撃つぞと言う確認をした後に発砲を始めた。するとギャン! と言うオオカミの悲鳴。そこからは焚き火の明かりの中にオオカミの姿が見えた瞬間に発砲を繰り返した。
俺が銃弾を5発撃ち、ハルが2発。途中で弾込めして更に2発を撃ったところでオオカミたちは逃げ出していった。
あとに残ったのは、5匹分の死体と4匹の痛みに呻く瀕死のオオカミの姿だった。
痛みが続くのは可哀想なので、ナイフで止めを刺して回った。本当は銃で止めを刺したかったが、弾が勿体無いという理由でナイフとなった。
その後は、オオカミの毛皮を剥ぐ。肉は食べないので血抜きはしない。
それらの作業が終わる頃には、時刻は22時を回っていた。
血の匂いが充満する中で、眠れるわけがない。
しょうがないのでテントは片付け、車の中で寝ることになったのだった。
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