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037:魔導書とは
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冒険者ギルドにやってきた。テレンスさんから魔導書を買った翌日の昼のことだ。
「こんにちは」
いつものごとく受付はリサさんのところ。
「はい。こんにちは。ジンさん。今回はどうしたんですか?」
「冒険者に護衛を頼みたくて」
「護衛ですか?」
「はい。森に入りたいんですよね」
「ジンさんがですか?」
「そうです」
今回、冒険者ギルドに来た理由。それは魔導書の試し撃ちをしたいと思ったからだ。リサさんにその説明をする。すると驚いた顔をした。
「魔導書って、あれですよね。魔力がある人なら誰でも高等な魔法が使えるようになるという」
「そうです。よくご存知で」
「えぇ。私も魔力はあるんですよ。ただ魔法陣を構築する技術と才能がないだけで」
「そうなんですよね。俺も技術は習得しましたが、魔法使いとしての才能はないという結果でしたからね」
魔法使いには魔力以外にも魔法陣を脳内で計算して構築する魔導演算という才能が必要らしい。それがあるかないかが魔法使いになれるかどうかの差なのだそうだ。その才能の壁を突破するのが魔導書だ。つまり魔導書とは魔導演算処理するための一種の装置みたいなものだ。
リサさんが俺の持つ魔導書を見ている。
「貴重なものを手に入れましたね。もう所有者登録を?」
「えぇしました」
「そうですか。では名実ともにジンさんの所有物なんですね」
「そうですね」
リサさんが頷いた。
「分かりました。護衛依頼の張り紙を出しておきますね。依頼内容は戦闘指導でいいですか?」
「そうですね。お願いします」
後は、護衛の人が来るのを待つだけ。
俺は「明日また来ます」と告げて帰る。日常の栄養ドリンクの納品の仕事がまだ残っているからね。
「こんにちは」
いつものごとく受付はリサさんのところ。
「はい。こんにちは。ジンさん。今回はどうしたんですか?」
「冒険者に護衛を頼みたくて」
「護衛ですか?」
「はい。森に入りたいんですよね」
「ジンさんがですか?」
「そうです」
今回、冒険者ギルドに来た理由。それは魔導書の試し撃ちをしたいと思ったからだ。リサさんにその説明をする。すると驚いた顔をした。
「魔導書って、あれですよね。魔力がある人なら誰でも高等な魔法が使えるようになるという」
「そうです。よくご存知で」
「えぇ。私も魔力はあるんですよ。ただ魔法陣を構築する技術と才能がないだけで」
「そうなんですよね。俺も技術は習得しましたが、魔法使いとしての才能はないという結果でしたからね」
魔法使いには魔力以外にも魔法陣を脳内で計算して構築する魔導演算という才能が必要らしい。それがあるかないかが魔法使いになれるかどうかの差なのだそうだ。その才能の壁を突破するのが魔導書だ。つまり魔導書とは魔導演算処理するための一種の装置みたいなものだ。
リサさんが俺の持つ魔導書を見ている。
「貴重なものを手に入れましたね。もう所有者登録を?」
「えぇしました」
「そうですか。では名実ともにジンさんの所有物なんですね」
「そうですね」
リサさんが頷いた。
「分かりました。護衛依頼の張り紙を出しておきますね。依頼内容は戦闘指導でいいですか?」
「そうですね。お願いします」
後は、護衛の人が来るのを待つだけ。
俺は「明日また来ます」と告げて帰る。日常の栄養ドリンクの納品の仕事がまだ残っているからね。
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