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029:料理対決?
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翌日。さっそく昼食の時間帯にサリナちゃんがやってきた。手には料理の入った籠と彼女が作ったコレクションのペンダント。
天気は、この時期には珍しく快晴でぽかぽかと暖かな日差し。風も穏やかだ。ここ3日ほどは雪も降っていない。そのせいでだいぶ雪が溶けては凍りを繰り返したために滑るのだが。
実際。サリナちゃんは危なっかしい足取りをしている。
「大丈夫?」
「はい」
俺は彼女の腕から荷物を受け取った。
「いい天気になったね」
「そうですね。久しぶりに太陽を見ました」
「工房で悪いけど……」
「はい。大丈夫です」
そう言って工房へ案内する。工房にも一応、客を持てなせるような部屋がある。そちらで昼食を摂る。
お昼は、どうやら黒パンに野菜と干し肉を挟んだ物に各家庭の味であるハーブと塩を調合したドレッシングだ。それにシチューもついている。素朴な味で母の手料理を思い出す。
そういえば帰ってきた日しか食べてないな。また今度。時間があったら手土産でも持って行くかな。
「美味しいですか?」
「うん。美味いよ」
「すみません。もっと手の込んだ物を作れればいいんだけど」
「いや。充分だよ」
まぁ確かにエステラと食べた侍女の手料理に比べれば味に優劣がついちゃうが、それでも充分、食える味だ。
「そうだ! 今度一緒に時間があったら料理しない?」
「え。料理ですか?」
「そうそう。料理のレシピをいくつか知ってる……いや。多分こうやって作るのかなぁって言う想像のつく料理があるんだ。前々から作ろう作ろうと思っていたんだよね。それを一緒に作ってみない?」
「それって美味しいんですか?」
「上手く行けば美味しい、はず……だよ?」
ジト目で見られる。
「大丈夫大丈夫。失敗しても俺が食べるからさ」
「なら、まぁ……」
というわけで、いつか料理を一緒にすることになったのだった。
そんな感じの話をしていたら、工房のドアがバァンと開いた。
「うお! 何だ!」
ドアの前にはエステラが立っていた。
「私も混ぜて!」
いやいやいや。マジか。
ドスドスドスと言う感じで歩いて入ってくるエステラ。その後ろからスススと静かに入ってきてテーブルの上に料理を並べ始める侍女。
「お前ね……」
俺が抗議の声をあげようとするとエステラが拗ねたように言った。
「私に目がないのは分かってる。でもさ。だからって無視はよくないと思うの」
そんなことを言われちゃったら何も言えないじゃないか。
俺の心の声でも聞こえたのだろうか。エステラが微笑む。
「さっ、料理を食べましょうか」
俺は重い重い空気の中で味のしない料理を頬張るのだった。
天気は、この時期には珍しく快晴でぽかぽかと暖かな日差し。風も穏やかだ。ここ3日ほどは雪も降っていない。そのせいでだいぶ雪が溶けては凍りを繰り返したために滑るのだが。
実際。サリナちゃんは危なっかしい足取りをしている。
「大丈夫?」
「はい」
俺は彼女の腕から荷物を受け取った。
「いい天気になったね」
「そうですね。久しぶりに太陽を見ました」
「工房で悪いけど……」
「はい。大丈夫です」
そう言って工房へ案内する。工房にも一応、客を持てなせるような部屋がある。そちらで昼食を摂る。
お昼は、どうやら黒パンに野菜と干し肉を挟んだ物に各家庭の味であるハーブと塩を調合したドレッシングだ。それにシチューもついている。素朴な味で母の手料理を思い出す。
そういえば帰ってきた日しか食べてないな。また今度。時間があったら手土産でも持って行くかな。
「美味しいですか?」
「うん。美味いよ」
「すみません。もっと手の込んだ物を作れればいいんだけど」
「いや。充分だよ」
まぁ確かにエステラと食べた侍女の手料理に比べれば味に優劣がついちゃうが、それでも充分、食える味だ。
「そうだ! 今度一緒に時間があったら料理しない?」
「え。料理ですか?」
「そうそう。料理のレシピをいくつか知ってる……いや。多分こうやって作るのかなぁって言う想像のつく料理があるんだ。前々から作ろう作ろうと思っていたんだよね。それを一緒に作ってみない?」
「それって美味しいんですか?」
「上手く行けば美味しい、はず……だよ?」
ジト目で見られる。
「大丈夫大丈夫。失敗しても俺が食べるからさ」
「なら、まぁ……」
というわけで、いつか料理を一緒にすることになったのだった。
そんな感じの話をしていたら、工房のドアがバァンと開いた。
「うお! 何だ!」
ドアの前にはエステラが立っていた。
「私も混ぜて!」
いやいやいや。マジか。
ドスドスドスと言う感じで歩いて入ってくるエステラ。その後ろからスススと静かに入ってきてテーブルの上に料理を並べ始める侍女。
「お前ね……」
俺が抗議の声をあげようとするとエステラが拗ねたように言った。
「私に目がないのは分かってる。でもさ。だからって無視はよくないと思うの」
そんなことを言われちゃったら何も言えないじゃないか。
俺の心の声でも聞こえたのだろうか。エステラが微笑む。
「さっ、料理を食べましょうか」
俺は重い重い空気の中で味のしない料理を頬張るのだった。
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