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016:話し合い

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 いったん宿に戻って、少ししてから再び彼女と対峙する。

 するとエステラは「さっきはごめん」と謝ってきた。俺は彼女に確認をする。

「落ち着いた?」
「うん。かなり取り乱してたみたい。ごめんなさい」

 まぁ分かってくれたならいいけど。そう思った矢先。また彼女が言った。

「それでなんだけどね」
「うん?」
「さっきの話に戻るんだけど」
「子種がほしいって言う話?」
「そう。どうしたらいいかなって……」
「いや。んなこと聞かれても……」

 するとエステラが目を涙ぐませながら言った。

「私。もう帰るところがないの! 他に行くところもない! 貴方の下に居させてください!」

 そう言って彼女は頭を下げた。

 マジか……

 いや。実際マジなんだろう。

 まぁ俺にも責任の一旦が無いわけではない。将来を期待せれて付き合うのを許されていた訳だし。

「はぁ。まぁじゃあ家に来る?」
「いいの!」
「まぁ客室が空いているし、そこでの寝泊まりになるけど……」
「抱いては……もらえないよね?」
「それは……」

 う~ん。正直な話。美味しい話ではある。ただなぁ……気が乗らないんだよなぁ。なんか俺は要らないと言われているようで。

 それを正直に打ち明ける。

「なんかさ。俺個人は要らないと言われているようで腹立つから」
「そっか」

 するとエステラは微笑んだ。

「私もね。父に私は要らないと言われたようで……何か、そう考えたら腹が立ってきた」
「だろ?」
「うん」
「まぁ今後どうするかは落ち着いて考えていこう。生活費の心配はいらないから」

 するとエステラは首を左右に振った。

「うぅん。私も何か出来ることをする。させて。日がな一日ボーッとしててもしょうがないし」
「そう?」
「うん。そだ。侍女のミナはどうしよう?」

 するとミナが言った。

「私はお嬢様に付いていきますので」

 俺は客室が2つあることを告げる。

「住む部屋は大丈夫だから」
「分かった。ありがとう。ジン」

 こうして、出来たばかりの家に奇妙な居候が住み着くこととなったのだった。
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