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010:収穫祭
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秋も深まり、村では収穫祭が行われた。飲めや歌えや踊って戦えという感じで大変な盛り上がりようだった。
うん?
戦えってなんだって?
それは冒険者たちが剣で戦ったり、相撲をしたりだな。
俺も参加してみた。
無謀だって?
知ってる。なんたって相撲の一回戦で負けたからな!
相手は幼馴染のゴンダだ。
しっかり場外に投げ飛ばされたさ。
「だっはっは。そんな生白い体のやつに負けるかってんだ!」
う~ん。俺も少しは鍛えたほうが良さそうだな。反省だ。
相撲の後は冒険者たちの武器を使っての模擬戦だ。武器って言っても木の剣とか槍とかな。真剣でやったら死人が出るからね。そんな試合を観戦しているとゴンダとカレナがやってきた。
「よぉ。ジン」
「はぁい。ジン」
そう言って俺に彼らが手に持っていた料理を手渡してきた。肉肉肉。肉がてんこ盛りだ。
「こんなに食えないよ……」
ゴンダにそう言って抵抗する。しかし……
「食え。そして体を作れ。これは命令だ!」
カレナも言う。
「そうそう。そんな生白い体じゃあ、この村じゃやっていけないよ?」
そう言われたら、さっき体を鍛えると決意した以上は食べないとな。
「わかったよ」
俺は肉に齧りつく。肉汁がポタポタと垂れる。うは。美味い!
するとゴンダ。
「ウメェだろ?」
「あぁ。これは美味い!」
「そうだろう。そうだろう。なんたって俺のカレナの手作りだからな!」
「へぇ。カレナの?」
するとカレナ。
「うん。まぁ村の女性の総出だけど、それは私が作ったんだ」
「へぇ。あのカレナがねぇ」
するとゴンダとカレナが笑った。何だか二人がとても良く似てる。
ゴンダが言う。
「あの、ってのが気になるが。まぁ言いたいことは分かる。お前の知ってるカレナはお転婆が服を着ている女の子だったからなぁ」
「今は違う?」
「今は最強の女房をやってるよ」
「あっはっは。そうか。へぇ」
俺とゴンダが話し始めると、カレナが気を利かせて「料理と飲み物。持ってくるね」と席を立った。
ゴンダが小さな声でいった。
「いい女房だろ?」
俺は頷く。
「そうだな。しっかしお前らが、くっつくとは思わなかったなぁ」
「あっはっは。そうか?」
「だって、お前ら顔を合わせたら喧嘩だったじゃん?」
「ばっか、お前。あれは照れ隠しでな」
「え。じゃあ何。昔から好きだったの?」
「そうだよ。まぁ少なくても俺はな」
「ほぉ」
そんな会話を交わしていると、カレナが戻ってきた。手には飲み物と料理だ。
「ん? 何の話?」
俺がニヤニヤしながら答える。
「ゴンダが昔からカレナを好きで、誂っていた話し」
するとカレナ。
「あぁ。それね。私も初めて聞いたときは笑ったよ。バカだよねぇ」
「バカってなんだよ。俺なりに頑張ってたんだよ」
「喧嘩することが?」
「他にやり方を知らなかったんだよ」
二人が笑いながら、そんな昔話をしている。
俺は、それを笑いながら聞いているのだった。
変わったのは村だけじゃない。人と人の関係も。だいぶ変わったようだ。
うん?
戦えってなんだって?
それは冒険者たちが剣で戦ったり、相撲をしたりだな。
俺も参加してみた。
無謀だって?
知ってる。なんたって相撲の一回戦で負けたからな!
相手は幼馴染のゴンダだ。
しっかり場外に投げ飛ばされたさ。
「だっはっは。そんな生白い体のやつに負けるかってんだ!」
う~ん。俺も少しは鍛えたほうが良さそうだな。反省だ。
相撲の後は冒険者たちの武器を使っての模擬戦だ。武器って言っても木の剣とか槍とかな。真剣でやったら死人が出るからね。そんな試合を観戦しているとゴンダとカレナがやってきた。
「よぉ。ジン」
「はぁい。ジン」
そう言って俺に彼らが手に持っていた料理を手渡してきた。肉肉肉。肉がてんこ盛りだ。
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ゴンダにそう言って抵抗する。しかし……
「食え。そして体を作れ。これは命令だ!」
カレナも言う。
「そうそう。そんな生白い体じゃあ、この村じゃやっていけないよ?」
そう言われたら、さっき体を鍛えると決意した以上は食べないとな。
「わかったよ」
俺は肉に齧りつく。肉汁がポタポタと垂れる。うは。美味い!
するとゴンダ。
「ウメェだろ?」
「あぁ。これは美味い!」
「そうだろう。そうだろう。なんたって俺のカレナの手作りだからな!」
「へぇ。カレナの?」
するとカレナ。
「うん。まぁ村の女性の総出だけど、それは私が作ったんだ」
「へぇ。あのカレナがねぇ」
するとゴンダとカレナが笑った。何だか二人がとても良く似てる。
ゴンダが言う。
「あの、ってのが気になるが。まぁ言いたいことは分かる。お前の知ってるカレナはお転婆が服を着ている女の子だったからなぁ」
「今は違う?」
「今は最強の女房をやってるよ」
「あっはっは。そうか。へぇ」
俺とゴンダが話し始めると、カレナが気を利かせて「料理と飲み物。持ってくるね」と席を立った。
ゴンダが小さな声でいった。
「いい女房だろ?」
俺は頷く。
「そうだな。しっかしお前らが、くっつくとは思わなかったなぁ」
「あっはっは。そうか?」
「だって、お前ら顔を合わせたら喧嘩だったじゃん?」
「ばっか、お前。あれは照れ隠しでな」
「え。じゃあ何。昔から好きだったの?」
「そうだよ。まぁ少なくても俺はな」
「ほぉ」
そんな会話を交わしていると、カレナが戻ってきた。手には飲み物と料理だ。
「ん? 何の話?」
俺がニヤニヤしながら答える。
「ゴンダが昔からカレナを好きで、誂っていた話し」
するとカレナ。
「あぁ。それね。私も初めて聞いたときは笑ったよ。バカだよねぇ」
「バカってなんだよ。俺なりに頑張ってたんだよ」
「喧嘩することが?」
「他にやり方を知らなかったんだよ」
二人が笑いながら、そんな昔話をしている。
俺は、それを笑いながら聞いているのだった。
変わったのは村だけじゃない。人と人の関係も。だいぶ変わったようだ。
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