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妖怪変化(ホラー風味)
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ある日ある時のお話。
いつからだろう。とある山深い村に一匹の魔物が現れるようになった。
その魔物に名前はなかった。しかしある頃からその魔物のことを「すき間」と呼ぶようになった。その魔物は、戸のすき間からするりと女の子を拐って行くことからこの名がついた。
被害の出た村では、何度か山狩をしたものの成果は芳しくなかった。
さて。そんなある日「すき間」に、とある女の子が魅入られてしまった。
その子の名前を「さえ」という。ようやく13になったばかりの女の子。
彼女の両親たちは、必死に「すき間」の魔の手から彼女を庇っていた。
しかし、ある日。彼女の両親は、隣りの町へ法事に行かなければならなくなった。
仕方なく親は「さえ」を隣の家に預けて隣り町へと出かけていった。
さて隣の家には、15才の娘と弟とその両親が住んでいた。
「さえ」が預けられたその日の夜。
その家を訪ねてくるものがあった。
その家の両親が対応した所、どうやら村長から急な呼び出しらしい。
仕方なく二人で村長の家までひとっ走り行くことに。
その際「さえ」と二人の子供たちに絶対に戸を開けてはいけないよ。そう告げて家を出て行いった。
しばらくして
家の戸を叩くものがいた。
子供たちは肩を寄せ合い、戸を叩くものへと意識を向けていた。
すると、その戸を叩くものが話しだした。
「開けとくレ。開けとクレ。このトを開けとクれ」
その家の子。15歳になる女の子の名を「お文」というのだが、その子があろうことかスルスルと戸まで移動する。
「おっかさん?おっかさんか?」
すると、戸を叩く者が応える。
「そうダよ。オッカさんだよ。お前のおっかサんだヨ」
その答えに「お文」は、戸を少しだけ開けて、外を覗き込む。
すると、そのすき間から毛むくじゃらの手が「お文」に手を伸ばし、戸の向こう側へと引っ張りだした。
外へと引っ張りだされた「お文」
外から声がする。「さえ」は、そっと戸に近づき、すき間から外の様子を伺う。
そこには一匹の大きな猿が「お文」の上にのしかかり腰を振っている姿だった。
何をしているのか分からない「さえ」は、その光景をただただ見ていることしか出来なかった。
大きな毛むくじゃらの猿は、腰を振り終えた最後に「お文」を引き裂き山へと帰っていった。
それから月日が立ち16になった「さえ」は結婚した。そして18になる頃には、一人の女の子をもうけた。村には相変わらず「すき間」が出た。
「さえ」の子が12になった頃。
その日「さえ」の旦那は、用事で出かけていて、家には「さえ」と「さえの娘」が留守番をしていた。
すると、戸の向こう側から声がする。
「帰ったヨ。帰っタよ。トを開けとくレ。開ケとくレ」
その声に昔の恐怖が蘇り動けなくなる「さえ」
そんな「さえ」をよそに「さえの娘」が戸に駆け寄る。
「おっとう。おっとうか?」
そう言って戸を少しだけ開け外を確認する「さえの娘」
すると、やはりするりと毛むくじゃらの手が伸び「さえの娘」を攫う。
その様子を見ていた「さえ」は、昔の光景を思い出す。犯され引き裂かれた友人の死を。
「さえ」は台所に駆け込む。そして一本の包丁を手に取り、戸を開ける。
そこにはやはり一匹の大きな猿がいた。
その猿が「さえの娘」に伸しかかり、大きなイチモツをおっ立てて今にも犯そうとしたいた。
その様子を見た「さえ」は、怒り、包丁を振り上げ大きな猿のイチモツに振り下ろす。
「昔の私と思うな!」
イチモツを切られた、大きな猿「すき間」は「さえ」を突き飛ばし、山へと逃げていった。
その後、血の跡を追い山狩をした村の人達によって「すき間」は討ち取られることとなったとさ。
いつからだろう。とある山深い村に一匹の魔物が現れるようになった。
その魔物に名前はなかった。しかしある頃からその魔物のことを「すき間」と呼ぶようになった。その魔物は、戸のすき間からするりと女の子を拐って行くことからこの名がついた。
被害の出た村では、何度か山狩をしたものの成果は芳しくなかった。
さて。そんなある日「すき間」に、とある女の子が魅入られてしまった。
その子の名前を「さえ」という。ようやく13になったばかりの女の子。
彼女の両親たちは、必死に「すき間」の魔の手から彼女を庇っていた。
しかし、ある日。彼女の両親は、隣りの町へ法事に行かなければならなくなった。
仕方なく親は「さえ」を隣の家に預けて隣り町へと出かけていった。
さて隣の家には、15才の娘と弟とその両親が住んでいた。
「さえ」が預けられたその日の夜。
その家を訪ねてくるものがあった。
その家の両親が対応した所、どうやら村長から急な呼び出しらしい。
仕方なく二人で村長の家までひとっ走り行くことに。
その際「さえ」と二人の子供たちに絶対に戸を開けてはいけないよ。そう告げて家を出て行いった。
しばらくして
家の戸を叩くものがいた。
子供たちは肩を寄せ合い、戸を叩くものへと意識を向けていた。
すると、その戸を叩くものが話しだした。
「開けとくレ。開けとクレ。このトを開けとクれ」
その家の子。15歳になる女の子の名を「お文」というのだが、その子があろうことかスルスルと戸まで移動する。
「おっかさん?おっかさんか?」
すると、戸を叩く者が応える。
「そうダよ。オッカさんだよ。お前のおっかサんだヨ」
その答えに「お文」は、戸を少しだけ開けて、外を覗き込む。
すると、そのすき間から毛むくじゃらの手が「お文」に手を伸ばし、戸の向こう側へと引っ張りだした。
外へと引っ張りだされた「お文」
外から声がする。「さえ」は、そっと戸に近づき、すき間から外の様子を伺う。
そこには一匹の大きな猿が「お文」の上にのしかかり腰を振っている姿だった。
何をしているのか分からない「さえ」は、その光景をただただ見ていることしか出来なかった。
大きな毛むくじゃらの猿は、腰を振り終えた最後に「お文」を引き裂き山へと帰っていった。
それから月日が立ち16になった「さえ」は結婚した。そして18になる頃には、一人の女の子をもうけた。村には相変わらず「すき間」が出た。
「さえ」の子が12になった頃。
その日「さえ」の旦那は、用事で出かけていて、家には「さえ」と「さえの娘」が留守番をしていた。
すると、戸の向こう側から声がする。
「帰ったヨ。帰っタよ。トを開けとくレ。開ケとくレ」
その声に昔の恐怖が蘇り動けなくなる「さえ」
そんな「さえ」をよそに「さえの娘」が戸に駆け寄る。
「おっとう。おっとうか?」
そう言って戸を少しだけ開け外を確認する「さえの娘」
すると、やはりするりと毛むくじゃらの手が伸び「さえの娘」を攫う。
その様子を見ていた「さえ」は、昔の光景を思い出す。犯され引き裂かれた友人の死を。
「さえ」は台所に駆け込む。そして一本の包丁を手に取り、戸を開ける。
そこにはやはり一匹の大きな猿がいた。
その猿が「さえの娘」に伸しかかり、大きなイチモツをおっ立てて今にも犯そうとしたいた。
その様子を見た「さえ」は、怒り、包丁を振り上げ大きな猿のイチモツに振り下ろす。
「昔の私と思うな!」
イチモツを切られた、大きな猿「すき間」は「さえ」を突き飛ばし、山へと逃げていった。
その後、血の跡を追い山狩をした村の人達によって「すき間」は討ち取られることとなったとさ。
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