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2章

なぁ、ブル。お願いがあるんだけど。

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「ゴートの剣術学校入学を祝って、乾杯!」
「「「「乾杯!!!!」」」」
口上の終わりと共に、俺は思わずぐびぐひぐびとアルコールの入ったコップをあおった。
日本にいた頃はほとんど酒など飲まなかったのだが、今日は狩りと解体で体が疲れ切っており、酒を飲まずにはいられなかった。
とは言え、ゆっくり飲んでばかりもいられない。
今日のパーティーの主役はゴートなのだ。
ゴートが楽しめるように、配慮するのが大人というものだろう。
「飲んでるかい、力也さん!」
俺がゴートの元へ行こうとすると、ブッチャさんとその連れが酒のお代わりを持って来てくれた。
これだ、こういうことをしなければならないのだ……などと思いつつも、もう1杯ぐらいはいいかなぁと、お酒のお代わりをありがたくいただくことにした。
こうして割と盛大なパーティーを開けたのは、ほんのちょっとだけ俺のおかげ、いや俺のスキルのおかげなわけだし。
何を言いたいかと言うと、もうちょっとだけ英気を養わせてくれゴート君……だった。
「飲んでます、飲んでます。仕事が終わった後の一杯は格別ですね。」
完全におっさんの発言ではあったが、ブッチャさんは嬉しそうに目を輝かせた。
「わかるよ、その気持ち。ここ最近はずっと仕事場に張りついて、かなり大変だったからね。お互いアルコールで日々のストレスを発散しよう。」
再度陽気に乾杯をしようとするブッチャさんの肩を、連れの1人がポンポンと叩いた。
「おいおい、その前に俺たちを紹介しろよ。」
「ああ、そうだった。忘れてた。えっと、今俺の肩を叩いた男が傭兵のアックスで、お隣が商人のケティング。うちで買い取った素材を、よその町で販売してくれる行商人だ。」
ケティングという商人はふくよかで穏やかそうだった。
身なりも立派で、とても庭先で飲み会をするような身分には見えなかった。
一方のアックスは良くいえばワイルドな、悪くいえばほとんど裸のような格好をしていた。
いわゆるハーネスではあるのだが、胸もとや股間以外の防御が心許ない。
正直目のやり場に困るなと俺は思った。
「聞いたぜ勇者。オマエ、ブルとやったんだってな。」
「ブフー!?」
何の話があってブッチャさんに紹介してもらったのか疑問だったが、予想の斜め上をいく話題に俺は思わず酒を吹き出してしまった。
「それで?野郎同士の交わりでもよ、限界突破はできたのかよ。」
「あー確か、ブルは1レベ上げられるようになったって言ってたな。今はどうかしらんけど。あの後も1回やったからな。」
話をしながら、俺はブルの姿を目で追った。
解体屋の自宅の庭には20人近い客が集まっていたが、俺はその姿をすぐに見つけることができた。
ブルは今、ゴートやその友達のご両親と楽しそうに話をしていた。
その光景は、思わず見惚れてしまうほど完璧で、まるで1枚の絵画のようだった。
俺はいま、壁に飾ってあるそれに気づき、足を止めて、その絵画を眺めている。
いつか歩き出さなければならないその時まで、俺はじっとそれを眺めている。
ああ、この感覚は久しぶりだ。
俺は今、疎外感を感じていた。
子供がいる家庭の集まりに自分がいることに、とてつもない違和感を覚えたのだ。
「それなら、俺たちともやろうぜ。俺もコイツも強くなりたいんだ。」
「えっ?」
ぼんやりしていた俺は、アックスの言葉で一気に現実世界へと引き戻された。
今こいつは何て言ったんだ?やろうぜって、何をやるんだ?
「何だ?聞こえなかったのか?ちょっくらパーティーを抜け出してさ、俺らだけで楽しもうぜ。」
「ご、ごめんなさい。力也さん。こいつはかなり頭が悪くって。」
「頭が悪いってなんだよ。ただナンパしてるだけだろ。」
「いきなり3pを誘う奴があるか!物事には順序ってもんがあるだろ。」
ケティングにポカっと頭を殴られたアックスは不平を言いながら頭を押さえた。
「私はこの国で行商人をしているケティングと申します。ヌシ討伐に行かれる勇者様のお役に立ちたいのですが、今日のところはひとまず顔を覚えてもらえればと思います。そういう趣旨のパーティーでは無いので、後日あらためてお話ができればと思います。」
領土を増やすためには、未開の主を倒さなければならない。
それがこの国の王から告げられた、この世界の仕組みだった。
商いをするものの視点で見れば、勇者と交流を持てれば利権などに噛ませて貰えると考えてもおかしくないのだが、限界突破したいがために商人が自分に近づいてくる理由がわからなかった。
やっぱりスキルのせいだろうか。
商人専用のスキルでもあるんだろうか。
「ご挨拶ありがとうございます。ケティングさんにアックスさん。……力也と申します。協力の申し出は大変ありがたいのですが、限界突破ができるかどうかは、互いの親密度が重要なので、好きでもない人と寝ても意味が無いかと。」
「なるほど、限界突破のスキルとはそのようなものでしたか。ということはやはり、貴方に惚れてもらえるように、努力しなければならないということですね。」
ケティングの言葉に俺は曖昧に返事を返した。
努力したところでタイプじゃなければ、縁を結べないことは多々あると身を持って知っていたからだ。
気まずい感じになる前に、ゴートに挨拶をしたいからと俺は席を外させてもらった。
去り際に振られたなと、アックスが陽気に笑う声が聞こえた。
ゲイである俺には関係無い話だと思っていたが、まさか限界突破したさに口説いてくる人間が出てくるとは思わなかった。
陽菜はわからないが、胎芽は今頃ハーレムになっていそうだなぁと俺は思った。
一夫多妻が認められて否愛日本においてはひんしゅくを買いそうな話だが、この世界においては悪いことでは無いように思えた。
むしろ、現状の自分達のレベルの低さを考えると、至極真っ当な生存戦略と言えるだろう。
ようやくゴートに声をかけようとした俺は、視界の右上にあるマップに赤いアイコンが近づくの見た。
「ブル!」
俺の叫び声は門の入り口から聞こえた爆発音にかき消された。
「敵襲、敵襲!」
宴の終わりは突然やってきた。
カンカンカンカンと響く鐘の音と共に、兵士たちが避難誘導のための指示を出していく。
青ざめたブッチャさんが家に帰り、家の中から年老いた老人を背負って出て来た。
家族総出でパーティにやって来た者達はひとまとまりにまとまり、そうでないものは急ぎ自分の家へと帰っていく。
「ゴート、剣は持ってるか?」
ブルがゴートと同じ目線になるようにしゃがみ、息子の頭に手を置いた。
「うん、袋の中に。」
「お前はブッチャ達と一緒に北に逃げろ。やばそうなら、そのまま剣術学校へ行け。」
「とーちゃんは?」
「ひとまず力也と様子を見てくる。」
「・・・・・・わかった。またね、とーちゃん、おっちゃん。」
「ああ。はげめよ、ゴート。」
ゴートがブッチャ達と一緒に避難するのを確認した俺たちは、ひとまず解体屋の家の屋根に登って様子を見ることにした。
「お前ら、身軽だな。」
ブルは跳躍、俺は天狗の御業のスキルにある登攀(とうはん)を使って、屋根の上にひょいひょい飛び乗った。
その一部始終を見ていたアックスが、感嘆の声を上げる。
「お二人は逃げないのですか?」
「逃げたいのは山々なのですか、勇者様のお役に立ちたいと言った手前、逃げられませんよ。」
普通ならありがたい話なんだろうが、ゲイルの一件があったので俺は信頼して良いか迷ってしまった。
乱戦中に背後からブスり、なんてことがあっても困るので、俺はチラッチラッとブルに視線で合図を送った。
俺の持つデブロフンティスの目は熟練度がまだ10なので、レベル10以下の相手のことしかわからないのだ。
「まっ、いいんじゃねえか。お前の盾が一枚増えたってことでよ。ひとまず臨時のパーティーを組む。その辺、教えてねえが、通知がきたら同意してくれりゃいい。」
ブルが何度か指を動かし、こちらに向かって何かをスライドさせると、俺の視界にダイアログウィンドウのようなものが表示された。

ブルが貴方をパーティーに招待しました。
参加しますか?

はい いいえ

はいを押すと、俺の視界に4人分のレベルや体力、そして魔力が表示された。
ブルはレベル31、アックスがレベル24、ケティングがレベル21だった。
限界突破がしたいと言ってたのに、レベル30じゃないんだなと俺は少し余計なことを考えてしまった。
「あれ?勇者、レベル上がるの早くね?一昨日召喚されたばかりなんだよな?」
「そのはずですが……、もしかすると特別なスキルの力で上がりやすくなっているのかもしれません。」
まだレベル10なのに早いも遅いもあるのだろうか。
俺が疑問に感じてると、ブルはこの家から百メートルほど先にある門の様子を伺いながら、解説をしてくれた。
「レベルが上がってくると、こうやってパーティーを組んでレベル上げを行うことがある。ただ、今の俺たちみたいにレベル差があると、敵を倒しても経験値が均等に配分されずに、貢献度に応じて経験値が割り振られちまうんだ。だから俺は、お前に1人で獲物を倒すようにさせていたってわけだ。」
ゲイルを倒した時に取得した経験値を思い出していた俺は、ブルの言わんとしていることがすんなり頭に入った。
「随分とスパルタな教育をされているんですね……同じレベルの魔物が相手でも、死ぬ可能性があることをお忘れなく。」
ケティングはブルの行動に対してご立腹のようだったが、格上と戦うことの大切さを知っている身としては、ブルのやり方にケチをつけるつもりは無かった。
どごおおおぉぉん。
と、何かがぶつかり合う爆音のような音が響いた。
その音とともに砦の入り口が煌めき、幾何学模様のかかれた障壁が露わにする。

「蟻塚の軍王ダイクアイトが、パクトーロス王国南方第一障壁に宣戦を布告しました。」

感情のこもっていない淡々とした男の声が街中に響いた。
神なのか精霊なのか、その声の主は姿を見せずじまいだったが、俺以外の人間にもその声は聞こえているようだった。
「軍王だか、なんだか知らねえが、第一障壁がある限り安心だぜ!あれがある限りレベル30以下の魔物しか内部へ侵入できないんだからな!」
なるほど、だからこの国は領土を広げてこれたのか。
アックスの言葉で、色々と腑に落ちなかった点にようやく合点がいった。
単純にレベルの強さだけがものを言うのなら、第三関所が突破された時点で人類は詰むはずである。
それでも持ちこたえられるのであれば、何かカラクリがなければならないと思っていたのだ。
この仕組みなら確かに限界突破ができていない門兵でも対処できるのかもしれないが……。
相手が大量にレベル30の魔物を呼び出すなりなんなりして、物量戦になったら戦線を維持できるのかが気になってしまった。
「そんなことは第二、第三障壁を突破してんだからわかってんだろ。・・・・・・来るぞ。」
デブロフンティスの目を凝らすと、甲冑のような人型の生き物がギムレーの街の眼前の空に浮かんでいるのが朧げながらに見えた。
障壁を殴りつけていた手が、不意に止まったかと思うと、体中からワラワラと蟻がを排出し始めた。
「うわっ、やっぱり物量できやがった。」
「力也さん、何が見えるのか教えてください。」
「軍王から蟻がいっぱい湧き出してます。・・・・・・蟻塚ってそういうことか。あいつ自体が巣とか?ブル、奴らの狙いは障壁の解除だよな?それはどこにある?」
「知らん。軍事機密だ。」
「そりゃそうか。どうする、門に加勢に行くか?」
「行くっきゃねえだろ。とりあえずゴート達が避難する時間を稼がねえとな。逃げるのはそれからだ。」
「わかった。お二人もそれでかまいませんか。」
「わかりました。行きましょう、アックス。」
「お、おう。」
引きつった笑顔を浮かべているアックスを、ケティングが背中を叩いて鼓舞した。
穏やかな雰囲気とは裏腹に、ケティングは度胸があるようだ。
俺は一体どんな顔をしているんだろうか。
先頭を走るブルの後を追いながら、そんなことを思った。

「ブル、来てくれたのか。」
ギムレーの街にある大きな門に向かうと、今朝方、第三関所が突破されたことをブルにこっそり教えていた兵士が俺たちを出迎えた。
ゲイルがいなくなったことによって、臨時の兵士長になってしまったらしい。
「状況は?」
「軍王とやらから湧き出した蟻は、今のところ門兵50人で対応できている。が、弓矢の在庫が切れたら終わりだ。このペースで矢を放つと、朝まで持たないだろう。」
「イゴール殿。矢の材料でしたら私が商品として取り揃えています。ゴンドゥルさんは避難されましたか?」
「避難などするか。ここは儂の街じゃぞ!」
俺達の背後から聞き覚えのある声がした。
「お、頑固親父も来てたのか。」
ブルが茶化すと、ゴンドゥルはフンと鼻を鳴らした。
「お前とこやつの話を思い出してな。弓矢を使うんなら、矢の補充がいるじゃろう。儂が作ってやる、ありがたく思え。」
最初に街に来た時、鍛冶屋で俺は弓の話をしていた。
その時の話をどうやら聞いていたようである。
「街一番の武器職人がいるなら、なんとか1日は持たせられそうですね。」
「光明が見えてきたな。救援は既に呼んである。1日持てば、なんとかなるかもしれん。」
「とりあえず半日持ちそうってんなら、俺らは先に寝かせてもらうわ。」
話を聞いていたブルが、あっけらかんとそんなことを言い放った。
「はっ?せっかく加勢に来たってのに、もう寝ちまうのかよ。」
アックスは驚いていたが、ブルの発言は俺としてはとてもありがたかった。
ゴートの送迎会でアルコールを入れてしまったせいで、正直言ってだいぶ眠かったからだ。
「俺はともかく、こいつは朝からずっと狩りをしてて疲れてんだ。だから今のうちに休ませる。そもそも兵士達だって、総出で戦っているわけじゃないだろ。」
「ああ、ブルの言うとおりだ。物資の調達や避難誘導、王への連絡などでやむを得ず稼働してもらった者はいるが、基本的には夜番の兵だけで対応している。3チーム、8時間交代でことにあたるつもりだ。」
「つうわけで、イゴール。俺たちに部屋を貸してくれ。」
「わかった。部下に案内させよう。ケティング殿、ゴンドゥル殿はこちらに。矢の他にも作っていただきたいものがありまして、ご相談をさせてもらえればと。」
イゴールの説明によってようやく合点がいったのか、アックスも戦いに備えて部屋で休息をとろうとした。
しかしケティングに、あなたはこっちですと言われ、ズルズルと鍜治場の方へと引きずられていってしまった。
「お部屋にご案内いたします!」
イゴールの部下だという兵士についていくと、外敵を阻むために閉ざされた巨大な扉近くにある建物の一室へと案内された。
その部屋は兵舎だとは思えないほど綺麗で、家具にいたってはブルの家にある物よりも高そうな作りをしていた。
「もっとこう、二段ベットが両サイドにある狭い部屋に案内されるかと思ってたんだけど。ツインルームか。ホテルみたいだな。」
「力也様は勇者様なので、こちらの部屋に案内いたしました。あいにくダブルベットではありませんが、存分にお楽しみください!」
お楽しみくださいと言われましても、この非常時にエッチなことなんてできませんよ。
そう思っていた俺の口を、ブルが突然自分の口で塞いだ。
「んんっ・・・・・・!?」
唇と唇が触れ合う柔らかい感覚を楽しむ間もなく、ブルの舌先が俺の唇を押し分けて、無遠慮に口内を犯してまわった。
兵士に見られているという内心の恥ずかしさとは裏腹に、体は素直にブルへと反応を返していく。
「なんだ?キスしかしてないのに、ギンだちだな。そんなに興奮したのか。」
ズボンの上から指先で股間を撫でられた俺は、ピクピクと体を震わせながら、快感に身を委ねることしかできなかった。
「し、失礼しました!」
顔を真っ赤にしながら、兵士が部屋から立ち去った。
兵士がいなくなったことを確認したブルは、俺の服を脱がしてペロりと乳首を舐め始めた。
ブルがそんなことをしてくれたというだけで、俺は物凄い興奮してしまった。
「ああ、ああっ・・・・・・。」
小さな突起に舌先が触れるたびに、俺は甘い声を漏らした。
舐められている方と逆側の突起がブルの大きな指で撫でられ始めると、俺は快感に耐えきれなくなって体をくの字に曲げた。
ためらいがちにブルの股間に触れると、俺の喘ぎ声に萎えることなく、その芯に熱が入っていた。
窮屈そうだった服を脱ぎ捨て、俺の前に裸になったブルが近づくと、俺は自然に頭を下げてかしずき始めた。
口いっぱいに広がる男の逸物に舌を這わせると、ブルは気持ちよさそうに唸り声をあげた。
男が射精できるように亀頭への刺激を続けていると、ブルは自分の逸物から俺の頭を引き離した。
「・・・・・・?」
困惑する俺を尻目に、ブルはベットの一つに仰向けになって寝転がった。
今しがた咥えていた逸物が艶(なまめ)かしく光、天井に向かってそびえだっている。
「乗ってくれ。」
ブルの発言に俺はごくりと唾を飲んだ。
先日水浴びの際に感じた快感を、思い出してしまったからだ。
ブルに近づきながら自分の中の具合を確かめると、スキルの影響かそれはトロトロにほぐれていた。
ブルの逸物を自分に当てがい、俺はゆっくりと腰を下ろしていった。
その様子をブルがじっと観察してくる。
恥ずかしいという気持ちもあったが、それと同じくらい興奮した。
「まだ、動かないでくれ・・・・・・。」
逸物が半分ほど入った所で、俺はブルに警告をした。
まだブルの大きさに馴染んでいないせいか、内側をこじ開けられる感覚は健在で、多少の痛みがあったからだ。
それからゆっくりと時間をかけて腰をおろすと、俺は逃げ場の無い快感に悶えることになった。
「もう動いていいのか?」
ブルに尋ねられた途端。
「・・・・・・いくっ、いくっ。」
俺はガマンできずに一回目の射精をした。
騎乗位は川で後ろから突かれた時よりも突き刺さり、ブルが動かなくても俺は絶頂へと導かれてしまった。
「すげえな。そんなに気持ちよかったのか?」
恥ずかしさのあまり俺がこくこくと頷くと、ブルは下からズンと突き上げ始めた。
「ああっ・・・・・・待って、待ってくれ・・・・・・、まだ・・・・・・動いちゃ……らめだ・・・・・・」
腹の奥から沸き出す快感に流され、俺は頭の中が真っ白になってきた。
上反りのブルの逸物が腰の動きと共に正確に俺の前立腺を刺激してくる。
快感から逃げようにも自重のせいで深く突き刺さってしまい、俺はなす術なく快感に身を委ねるしか無かった。
「・・・・・・きもぢい・・・・・・きもぢいよぉ・・・・・・ブル・・・・・・」
理性を飛ばした俺が素直に喘ぎ声をあげると、ブルがいやらしい笑みを浮かべた。
嬌声をあげる俺に追い打ちをかけるように、ブルが両の手で乳首を触り始める。
「ひぎっ・・・・・・チグビ、チグビぎもぢいぃ・・・・・・」
乳首をいじられると、何故だかわからないが前立腺が敏感になる。
俺の中の弱点が露骨に膨らんだので、ブルはいよいよ、どこを攻めれば男が気持ちよくなるのか、正確に把握してしまったようだった。
「ここをこうすると、気持ちいか?」
ブルが体勢を微妙にずらして、俺の真芯を捉えると、返事をする前に俺の逸物が嬉し涙を流した。
「いいみてえだな。力也、こっちに倒れてこい。」
仰向けに寝たブルの上に覆い被さるように、俺は上半身をブルに預けた。
そこまでしてよいかわからなかったが、しがみつくように手を首の後ろに回して、顔を男の耳元へ寄せた。
この体勢は男同士だと結合が解かれてしまうことが多いのだが、ブルの逸物が大きいせいでアナルから性器が飛び出ることはなかった。
「スキルのせいかわからんが、お前からめちゃくちゃいい匂いがするな。思わず舐めたくなっちまう。」
そう言うやいなや、ブルが突然俺の耳の穴を舐めた。
ブルの息遣いや舌が這い回る音共に、ぞくぞくした感覚が湧き上がり、俺の脳髄を震わせた。
「そんな趣味はないはずなんだがな。なんとなく甘いような。」
「ブ、ブル・・・・・・返事が欲しいなら、ケツを掘るのを・・・・・・辞めてくれ。頭が、回らない。」
大勢が変わってもブルの逸物は俺の気持ちい場所にブチュブチュとキスを続けていた。
更にはブルと自分の腹に挟まった俺の逸物がピストンの度に上下するので、中と外の二重の刺激を処理するのに俺の頭はいっぱいいっぱいだった。
「すまんすまん。一応明日に備えて休息もとらんといけねえからな。今日はこの辺にしておくか。本腰入れて掘るから、気張ってけよ。」
ブルの宣言通り、相手をイカせるためではなく、自分がイクための腰つきへ男の動きが変わっていった。
背中をがっちりと抱きしめられ、動けないように拘束された俺は、下から突き上げてくる快感にただひたすら耐えた。
前立腺に何度も何度もブルの亀頭が当たり、じわじわとした幸福感が体に染み渡る。
中をきつくしたほうがいきやすいことはわかっていたが、中を締めれば自分の弱点をさらすことになってしまう。
できれば一緒にイキたかったので、俺は先にいかないように体の力を抜いた。
「はっ、はっ、はっ、はっ・・・・・・」
まるでランニングをするような息が自分の口からこぼれ落ちる。
あと少しで山頂まで登りきってしまう、そんな予感がした。
「そろそろイケそうだ。イッていいか?」
ようやくブルが、タイミングについて尋ねてきた。
「・・・・・・俺も、イギそう。もう・・・・・・ガマン・・・・・・でぎない・・・・・・イグッ、イグッ、イグッ。」
俺の限界を悟ったブルが、会話の途中でラストスパートをかけてくれた。
相手を孕ませようとする男の性だろうか。
奥底へと自分の種を送れるようにより深く突かれた俺は、ブルの熱い体液を感じながら、自分も男の腹の上に2回目の射精をすることになった。
射精と共にパクパクと俺の内壁が痙攣するかのようにひきついた。
その度に頭の奥が痺れ、俺は少しの間、口を開けて放心してしまった。
「お、おう。おおう。」
射精をした後の敏感になった逸物へ刺激が加わったせいか、ブルが腰を何度か震わせた。
その姿が可愛らしく見え、俺は勇気を出して、ブルに頼みごとをすることにした。
「なぁ、ブル。お願いがあるんだけど。」
俺がブルの顔を覗き込むと、ブルは勝手にしろとばかりに目を閉じた。
俺はブルとの繋がりを自分の中に感じたまま、男の唇に自分の唇を重ねた。
「ん・・・・・・。」
それ以上何もしない俺を見かねたのか、ブルの舌が俺の中に入ってきた。
何度も何度も舌をからめ、吸いあい、愛撫を続け……名残惜しそうにお互いのことを確かめ合った。
そんな余韻に浸る時間は、ブルの逸物が力を失い、俺からこぼれ落ちるまで続けられた。
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