2 / 9
1章
10年ぶりの再会
しおりを挟む
アグリコラ領のフォルムという街は、農作物の取引が盛んな町である。
新鮮な野菜や果物を求めてやってきた他の領地の商人達で、街の通りはいつも賑わいを見せていた。
そんな町の中で、農作物を全く売らない店に人だかりができている。
『生き別れた兄弟。行方知れずの友人はいませんか?貴方とご縁のある方であれば、必ず私が見つけ出します。(ただし、色恋沙汰はご遠慮ください)』
店の看板にはそんなことが書かれていた。
柔らかな字体から受ける印象とは裏腹に、店の主人はよく言えば個性的な人間である。
「空から何かが落ちてきた時に、身を守れる場所を探して欲しい?・・・・・・何が落ちて来るのかわからねぇと流石に検討がつかねぇな。」
「空が割れる前に伴侶を見つけたい?・・・・・・結婚相談所に行け。」
「娘を探して欲しい?どさくさに紛れて駆け落ちしてるだけな。放っておいてやれ。」
空に亀裂ができてからというもの、ネクサスが営んでいる探し屋を訪れる客は増え続ける一方だった。
空の亀裂に備えようと者。
終末を悟り家族を作ろうとする者。
非常時であることを有効活用する者。
などなど依頼者の背景は様々だったが、とてもじゃないが一人でさばき切れる客の量では無かった。
「久しぶりだな。ネクサス。」
馴々しく自分を呼ぶ相手に、ネクサスはいつも通り「あ?」と威圧的な返事を返した。
そしてそれをすぐさま後悔することになった。
「10年ぶりだからな。俺のことなんてもう記憶にないかもしれないが、グラディウスという名に覚えは無いだろうか。」
忘れるはずもなかった。
未開にあるザイアの神殿にいたネクサスがこの地に戻ろうと思ったのは、この男と出会えたからだ。
10年ぶりに顔を合わせたグラディウスは、年をとりますます魅力的な男になっていた。
筋肉質な体と精悍な顔に刻まれた傷は、とりわけ男の魅力を一層引き立てている。
「あ、ああ。もちろん覚えている。久しぶりだな。探し物は見つかったのか?」
「そのことで依頼があるんだ。すまないが、今日は店を閉めて欲しい。」
グラディウスの事情をある程度知っていたネクサスは、大口の依頼が入ったと嘘を言い、店の前に並んでいた客に帰ってもらった。
「繁盛しているみたいだな。」
「お陰様でな。そういや、お前さんから借りてた金を返して無かったな。」
「ん、何か貸していたか?」
「王国に戻ってきた時、俺は一文無しだったろ?そん時に、お前さんは金貨を何枚か恵んでくれたんだ。」
「あー、あの時に渡したやつか。あれは帰路の案内を任せた依頼料だぞ?返さなくていい。」
「俺も王国に行きたかったんだ。だからあれは依頼料じゃない。」
「律儀な奴だ。なら、こうしよう。これから話す俺の依頼を、あの時の金貨の代わりに受けるってのはどうだ?」
「・・・・・・色恋沙汰以外の依頼なら受けてやってもいいぞ?」
「お、本当か。言ってみるもんだな。そしたら、ザイアの指輪の探索と、空の亀裂の調査を・・・・・・。」
「待て待て、二つ依頼があるなんて聞いてねぇぞ。そもそも片方は、俺が前に断った話じゃねぇか。」
「ハハ。お前が言った通り、10年探し回っても指輪は見つからなかったよ。」
「だから言っただろ?ザイアにゆかりのあるものがこの地に現れれば、縁が見える俺の目が察知できる。言っとくが、まだ現れていないからな。」
「ここからだとかなり距離があると思うんだが、ザイアの神殿にいる同胞たちの元に指輪があらわれても、わかったりするもんなのか?」
「俺たちを守護する神さまにゆかりのあるもんなんだろ?ドライブの子であるお前さんが探せなくても、ザイアの子である俺たちにまで探せないようにする必要はないだろ。」
「それもそうだな。なら、指輪を見つけたら俺に教えてくれないか。」
「おう。」
「あっ・・・・・・この頼みは、依頼に入ったりするだろうか。」
「指輪がこの地に現れたことまでは、友人として知らせてやる。10年前にも同じことを言ったかもしれんがな。」
「そうしてもらえると助かる。それじゃあ、空の亀裂の原因の方を一緒に探ってはもらなえないだろうか。」
「・・・・・・ザイアの神殿に来た時にも話した気がするが、神殿の中にある御柱でザイアの子は天井を支えていた。もし天井が崩壊するならザイアの神殿に異常があったってことになるな。」
「アピトの神殿には異常がないとシビュラ殿が言っていたが、ドライブの神殿は本当に異常がないのか?」
「アピトの神殿が天井を支えていたのは、数百年前の話だろ?ドライブの神殿が天井を支えてたのも粛清前の話のはずだ。。」
「てことは、この10年、ザイアの御柱だけで天井を支えていたのか。だとすると妙だな。シビュラ殿はどうして嘘をついたんだ?」
「とりあえず何があったのか、以来の経緯を教えてくれ。認識の齟齬が怖い。」
ネクサスがグラディウスに頼むと、グラディウスは謁見の間で起きたことを事細かに話し始めた。
話の腰を折らずにじっと耳を傾けていたネクサスは、話が終わると早速悪態をついた。
「この依頼、王様からかよ。」
「相変わらず嫌いなんだな。」
「指輪がなきゃザイアの子のことなんて気にもかけない奴だからな。それにお前さんに無理を強いてるのも気に食わん。10年以上ありもしない指輪を探させるとかアホか。」
「お前の気持ちは嬉しいが、俺の主人を愚弄するのは辞めてくれ。」
「その発言でますます嫌いになったぜ。この件が終わったら、俺が直訴した方がいいかもしれねぇな。お前さんにも家族を作る時間が必要だろ。」
「家族云々は抜きにしても、王にお前を紹介するのはありかもな。二人を並べれて見れたら、似てるかどうかはっきりしそうだ。」
「げっ、そんなに似てるのか?」
「昔はそうでもなかったが、今はザイアの子とは思えんほど筋肉質だからな。顔つきも変わってラウンド髭も似合っている。」
「褒められたのは嬉しいが、王様に似てるってのは気にいらねぇ話だ。話が脱線しちまったな。何の話だったか。」
「シビュラ殿は何故嘘をついたのか。」
「ああ、そうだった。俺が思うにアピトの神殿は空の亀裂とは無関係だ。一応調べてみるべきだが、数百年天井を支えていなかったってのが、俺の推測の根拠だな。逆にドライブの神殿はきな臭い。謁見の間での話を聞くかぎり、誰も現状を把握してねえだろ。」
「把握できていないってのには俺も同感だ。だから海底神殿は大丈夫なのか、お前に聞いたんだ。あそこに送られるのは一生を牢屋で過ごすような重犯罪者だけだ。そいつらがその後どうなろうと誰が気にする?」
「そしたらまずは、海底神殿の調査からだな。ザイアの神殿は他の二組に任せるとしよう。」
「正直、ソル殿とデメテル殿が無事神殿にたどり着けるか・・・・・・不安だ。」
「この10年で義勇兵の知り合いができたんだが、なかなか優秀だぞ?数年死なずに生き残ってるからな。彼らの案内がありゃ、死にはしないだろ。」
「お前がそう言うなら、俺は俺の仕事に集中しよう。あらためて、依頼だネクサス。空の亀裂の調査をお前に頼みたい。」
「わかった。その依頼、俺が引き受けてやる。ま、いつもの依頼よりは楽しめそうだな。」
軽口を叩きながら、ネクサスは契約成立を確かなものにするために手を差し出した。
するとグラディウスは、その手をそっと握り返した。
ドライブの加護は肉体の強化である。
普通に握りしめられていたら、ネクサスの手は粉々に砕けていただろう。
そのことを覚えていてくれたことが嬉しくて、ネクサスの目頭が熱くなった。
ザイアの子供は遅かれ早かれ、この加護の違いによる洗礼を受ける。
故意でないのはわかっていても、肉親や友人に傷つけられたという事実はなかなか消えることはない。
「これでも痛かったか?」
グラディウスが気遣うようにネクサスに声をかけた。
その優しさが嬉しい反面、とても苦しかった。
「いや、大丈夫だ。それより、さっさと旅支度をしちまおう。」
ネクサスが提案すると、グラディウスは自分の泊まる宿へ荷物を取りに戻った。
グラディウスが戻ってくるまでの間、ネクサスは荷造りをしながら物思いにふけった。
安受けあいしてしまったが、本当にこいつとまた旅をして良いものかと、ネクサスは自分に問いかけ続けていた。
衣食住が保証された安全な神殿を離れ、この国にわざわざ戻ってきたのは、グラディウスの力になりたかったからだ。
しかし動機は、善意などという小奇麗なものではなかった。
下心からくるものだと当時からハッキリと自覚していた。
しかし、相手はドライブの子で、異性が好きなのは神が保証していた。
「はぁ・・・・・・。ザイアよ。お前さんもドライブのことが好きだったんだろ?この気持ちにどうやって折り合いをつけたんだ?教えてくれ。俺はそろそろ、生きるのに疲れてきたぞ。」
ネクサスの祈りにザイアは沈黙で答えた。
わかりきっていた答えを得られたネクサスは気持ちを切り替え、荷物を背負って店の外に出た。
新鮮な野菜や果物を求めてやってきた他の領地の商人達で、街の通りはいつも賑わいを見せていた。
そんな町の中で、農作物を全く売らない店に人だかりができている。
『生き別れた兄弟。行方知れずの友人はいませんか?貴方とご縁のある方であれば、必ず私が見つけ出します。(ただし、色恋沙汰はご遠慮ください)』
店の看板にはそんなことが書かれていた。
柔らかな字体から受ける印象とは裏腹に、店の主人はよく言えば個性的な人間である。
「空から何かが落ちてきた時に、身を守れる場所を探して欲しい?・・・・・・何が落ちて来るのかわからねぇと流石に検討がつかねぇな。」
「空が割れる前に伴侶を見つけたい?・・・・・・結婚相談所に行け。」
「娘を探して欲しい?どさくさに紛れて駆け落ちしてるだけな。放っておいてやれ。」
空に亀裂ができてからというもの、ネクサスが営んでいる探し屋を訪れる客は増え続ける一方だった。
空の亀裂に備えようと者。
終末を悟り家族を作ろうとする者。
非常時であることを有効活用する者。
などなど依頼者の背景は様々だったが、とてもじゃないが一人でさばき切れる客の量では無かった。
「久しぶりだな。ネクサス。」
馴々しく自分を呼ぶ相手に、ネクサスはいつも通り「あ?」と威圧的な返事を返した。
そしてそれをすぐさま後悔することになった。
「10年ぶりだからな。俺のことなんてもう記憶にないかもしれないが、グラディウスという名に覚えは無いだろうか。」
忘れるはずもなかった。
未開にあるザイアの神殿にいたネクサスがこの地に戻ろうと思ったのは、この男と出会えたからだ。
10年ぶりに顔を合わせたグラディウスは、年をとりますます魅力的な男になっていた。
筋肉質な体と精悍な顔に刻まれた傷は、とりわけ男の魅力を一層引き立てている。
「あ、ああ。もちろん覚えている。久しぶりだな。探し物は見つかったのか?」
「そのことで依頼があるんだ。すまないが、今日は店を閉めて欲しい。」
グラディウスの事情をある程度知っていたネクサスは、大口の依頼が入ったと嘘を言い、店の前に並んでいた客に帰ってもらった。
「繁盛しているみたいだな。」
「お陰様でな。そういや、お前さんから借りてた金を返して無かったな。」
「ん、何か貸していたか?」
「王国に戻ってきた時、俺は一文無しだったろ?そん時に、お前さんは金貨を何枚か恵んでくれたんだ。」
「あー、あの時に渡したやつか。あれは帰路の案内を任せた依頼料だぞ?返さなくていい。」
「俺も王国に行きたかったんだ。だからあれは依頼料じゃない。」
「律儀な奴だ。なら、こうしよう。これから話す俺の依頼を、あの時の金貨の代わりに受けるってのはどうだ?」
「・・・・・・色恋沙汰以外の依頼なら受けてやってもいいぞ?」
「お、本当か。言ってみるもんだな。そしたら、ザイアの指輪の探索と、空の亀裂の調査を・・・・・・。」
「待て待て、二つ依頼があるなんて聞いてねぇぞ。そもそも片方は、俺が前に断った話じゃねぇか。」
「ハハ。お前が言った通り、10年探し回っても指輪は見つからなかったよ。」
「だから言っただろ?ザイアにゆかりのあるものがこの地に現れれば、縁が見える俺の目が察知できる。言っとくが、まだ現れていないからな。」
「ここからだとかなり距離があると思うんだが、ザイアの神殿にいる同胞たちの元に指輪があらわれても、わかったりするもんなのか?」
「俺たちを守護する神さまにゆかりのあるもんなんだろ?ドライブの子であるお前さんが探せなくても、ザイアの子である俺たちにまで探せないようにする必要はないだろ。」
「それもそうだな。なら、指輪を見つけたら俺に教えてくれないか。」
「おう。」
「あっ・・・・・・この頼みは、依頼に入ったりするだろうか。」
「指輪がこの地に現れたことまでは、友人として知らせてやる。10年前にも同じことを言ったかもしれんがな。」
「そうしてもらえると助かる。それじゃあ、空の亀裂の原因の方を一緒に探ってはもらなえないだろうか。」
「・・・・・・ザイアの神殿に来た時にも話した気がするが、神殿の中にある御柱でザイアの子は天井を支えていた。もし天井が崩壊するならザイアの神殿に異常があったってことになるな。」
「アピトの神殿には異常がないとシビュラ殿が言っていたが、ドライブの神殿は本当に異常がないのか?」
「アピトの神殿が天井を支えていたのは、数百年前の話だろ?ドライブの神殿が天井を支えてたのも粛清前の話のはずだ。。」
「てことは、この10年、ザイアの御柱だけで天井を支えていたのか。だとすると妙だな。シビュラ殿はどうして嘘をついたんだ?」
「とりあえず何があったのか、以来の経緯を教えてくれ。認識の齟齬が怖い。」
ネクサスがグラディウスに頼むと、グラディウスは謁見の間で起きたことを事細かに話し始めた。
話の腰を折らずにじっと耳を傾けていたネクサスは、話が終わると早速悪態をついた。
「この依頼、王様からかよ。」
「相変わらず嫌いなんだな。」
「指輪がなきゃザイアの子のことなんて気にもかけない奴だからな。それにお前さんに無理を強いてるのも気に食わん。10年以上ありもしない指輪を探させるとかアホか。」
「お前の気持ちは嬉しいが、俺の主人を愚弄するのは辞めてくれ。」
「その発言でますます嫌いになったぜ。この件が終わったら、俺が直訴した方がいいかもしれねぇな。お前さんにも家族を作る時間が必要だろ。」
「家族云々は抜きにしても、王にお前を紹介するのはありかもな。二人を並べれて見れたら、似てるかどうかはっきりしそうだ。」
「げっ、そんなに似てるのか?」
「昔はそうでもなかったが、今はザイアの子とは思えんほど筋肉質だからな。顔つきも変わってラウンド髭も似合っている。」
「褒められたのは嬉しいが、王様に似てるってのは気にいらねぇ話だ。話が脱線しちまったな。何の話だったか。」
「シビュラ殿は何故嘘をついたのか。」
「ああ、そうだった。俺が思うにアピトの神殿は空の亀裂とは無関係だ。一応調べてみるべきだが、数百年天井を支えていなかったってのが、俺の推測の根拠だな。逆にドライブの神殿はきな臭い。謁見の間での話を聞くかぎり、誰も現状を把握してねえだろ。」
「把握できていないってのには俺も同感だ。だから海底神殿は大丈夫なのか、お前に聞いたんだ。あそこに送られるのは一生を牢屋で過ごすような重犯罪者だけだ。そいつらがその後どうなろうと誰が気にする?」
「そしたらまずは、海底神殿の調査からだな。ザイアの神殿は他の二組に任せるとしよう。」
「正直、ソル殿とデメテル殿が無事神殿にたどり着けるか・・・・・・不安だ。」
「この10年で義勇兵の知り合いができたんだが、なかなか優秀だぞ?数年死なずに生き残ってるからな。彼らの案内がありゃ、死にはしないだろ。」
「お前がそう言うなら、俺は俺の仕事に集中しよう。あらためて、依頼だネクサス。空の亀裂の調査をお前に頼みたい。」
「わかった。その依頼、俺が引き受けてやる。ま、いつもの依頼よりは楽しめそうだな。」
軽口を叩きながら、ネクサスは契約成立を確かなものにするために手を差し出した。
するとグラディウスは、その手をそっと握り返した。
ドライブの加護は肉体の強化である。
普通に握りしめられていたら、ネクサスの手は粉々に砕けていただろう。
そのことを覚えていてくれたことが嬉しくて、ネクサスの目頭が熱くなった。
ザイアの子供は遅かれ早かれ、この加護の違いによる洗礼を受ける。
故意でないのはわかっていても、肉親や友人に傷つけられたという事実はなかなか消えることはない。
「これでも痛かったか?」
グラディウスが気遣うようにネクサスに声をかけた。
その優しさが嬉しい反面、とても苦しかった。
「いや、大丈夫だ。それより、さっさと旅支度をしちまおう。」
ネクサスが提案すると、グラディウスは自分の泊まる宿へ荷物を取りに戻った。
グラディウスが戻ってくるまでの間、ネクサスは荷造りをしながら物思いにふけった。
安受けあいしてしまったが、本当にこいつとまた旅をして良いものかと、ネクサスは自分に問いかけ続けていた。
衣食住が保証された安全な神殿を離れ、この国にわざわざ戻ってきたのは、グラディウスの力になりたかったからだ。
しかし動機は、善意などという小奇麗なものではなかった。
下心からくるものだと当時からハッキリと自覚していた。
しかし、相手はドライブの子で、異性が好きなのは神が保証していた。
「はぁ・・・・・・。ザイアよ。お前さんもドライブのことが好きだったんだろ?この気持ちにどうやって折り合いをつけたんだ?教えてくれ。俺はそろそろ、生きるのに疲れてきたぞ。」
ネクサスの祈りにザイアは沈黙で答えた。
わかりきっていた答えを得られたネクサスは気持ちを切り替え、荷物を背負って店の外に出た。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
異世界のロボット乗りは大変です。~少女と機士の物語~
ハの字
ファンタジー
近未来の日本、人型機動兵器が導入された陸上自衛隊に所属するパイロット、御堂 るい三等陸尉は、任務の最中に異世界へと転移してしまう。
そこは人々が剣と魔術を持ち、魔道鎧と呼ばれるゴーレムが闊歩する、中世に魔法を加えたような世界だった。愛機と共に転移してしまった御堂は、偶然にも貴族の娘、ラジュリィを危機から救う。その恩から異世界での衣食住を得るが、それでも御堂の願いは一つであった。
「自分は必ず、日本へ帰ってみせます」地球への帰還を強く願い、足掻き続ける御堂。
「貴方を必ず、私のものにしてみせます」恋してしまったが故に、それを阻止しようとするラジュリィ。
帰りたい者と帰したくない者。二人の駆け引きが始まる。
またそれとは関係なく、御堂は人型機動兵器を繰り、巨悪と戦うことになるのだった。
▼毎日12時頃に更新予定です。
▼表紙1、挿絵:猫餅 様
▼「小説家になろう」と同時掲載です。
▼人型ロボットが活躍する話です。実在する団体・企業・軍事・政治・世界情勢その他諸々とは全く関係ありません。御了承下さい。
勇者が街にやってきた
覧都
ファンタジー
大地震とともに空間に亀裂が入り、そこから勇者が現れた。
こいつら、事もあろうに人間をスライムといいながら経験値稼ぎとほざき殺しだした。
事もあろうに、こいつらには、こっちの兵器はほとんど通用しない。
だがおれは、偶然手に入れた異世界の魔法で、こいつらに逆襲する。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる