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番外編
4.*
しおりを挟む夕里もフリーランスで仕事を始めるとき、ゲイであることを包み隠さない方針にした。いつバレるかと怯えて過ごすより、仕事が増えなくても受け入れてくれる人を相手にしたいと思ったのだ。
結果として偏見の少ない業界人から声のかかることが増え、華やかな客ばかりになっていくのはもう少し先の話。
「俺もオープンにしてよかったな。惚気聞かせてくれって女性のお客さんがなぜか増えて、遠慮なく話しちゃってます」
「あーあ。僕専属のゆりくんは一瞬だったなぁ……」
「うわ~っ!かわいい!!!」
「ゔ。苦じい゙って……」
小さな嫉妬はチョコレートよりも甘い。遠慮なくぎゅうぎゅうと抱きしめ、幸せを噛みしめる。ソファの上でこちらを向かせて、チュッとキスの音を立てた。
「大好きです、柊さん」
「ん、僕も……」
そろそろ柊を風呂に入れないといけない。酔いは醒めていそうだが、もう眠そうだ。まぁ、すぐには寝かしてあげられないんだけど……
「時間がもったいないんで、一緒にシャワーしましょうか!」
「う、んん?」
◇
バスルームに、ぴちゃぴちゃと妖しい音が響いている。小ぶりな尻を広げふちを舌でなぞると、ひくひく蕾が震える。
「んっ……あぁ!ゆり……もぅ、やぁ……」
「んー?嫌って言ってるけど、もうだいぶ解れましたよ。赤く熟れてる……エロい穴」
「もっ、……そんな、とこ……汚いってぇ……ぁんんっ」
「一緒に綺麗にしたじゃないですか。恥ずかしがる柊さん、可愛かったなぁ……ほら、気持ちいいでしょ?素直に言えたら、欲しいもの、あげますよ」
もう一度指を差し込むと、そこは柔軟に広がる。指の隙間から舌も差し込めば、甘くキュウキュウ締め付けられた。興奮で腰がズンと重くなる。
なんて虐めがいのある人なんだろう。本気で拗ねさせてしまったことも何度かあるものの、柊は敏感すぎるため抵抗が弱く、すぐ夕里に流される。
感じすぎる体質は本人にしてみれば大変だろう。とはいえ体格に見合って大きいであろう夕里のものを初回でも受け入れられたことも然り、ネコとしては恐ろしく才能があるのだ。
ノンケで良かったかもしれない。打てば響く身体はタチにとって最高の相手で、中身が純粋ならなおさら。夕里の前に誰かと出会わなくてよかった……なんて仮定でも考えていることが知れたら怒られるだろうか。
「あっ、ほし……ゆりくんの、欲しい……ッ」
「じゃあ俺にお尻舐められて気持ちいいって、ちゃんと言ってください?」
ベロンと狭間を舐め上げる。バスルームの壁にしがみつく柊は、湿気で曇った鏡にペニスを擦り付けていることに気づいていない。垂れた先走りが鏡に筋を残していることが、彼の興奮の証だ。
「うぅ……ひっく。おし、お尻……きもちいいからぁっ。はやく奥までちんちん挿れ、て……ッ……――あ゙ぁ~~~っっ!」
「ん、ごめんなさい泣かないで。ほら、お腹のここまでちんちん来てるでしょ?」
うわ、ちょっとやりすぎたみたいだ。半ギレで泣きながら振り向いて、懇願する柊に興奮してしまう自分も重症。
お望み通り最初から奥まで一気に突っ込んで、後ろから優しく揺する。ぴゅっと柊の精液が鏡にかかった。
柊の中はふわふわで気持ちいい。お腹に手を当てて、夕里の先端がどこまで来ているかを柊に自覚させる。
「あ、おく……はぁんっ。きもちいー……。ゆりくん……ね、ゆりくんもきもちい?」
「やばいです。柊さんのなかで、ぎゅーって、抱きしめられてる……。動きますね」
「え?まっ、~~~ッ!……んっ、あ~っっ……だめ、あ。……いっちゃう」
蕩けた柊は素直に気持ちいいと言ってくれるから最高だ。身体も素直。挿れたまま揺するだけで根本が何度も締め付けられ、内腔がびくびくと蠕動する。奥の狭まったところは甘く先端に絡みつき、夕里も蕩けるような快感に腰が砕けそうになった。
我慢できずに細い腰を掴む。抜けるギリギリまで抜き、奥に叩きつけるようなストロークを開始する。夕里と比べると柊は小柄なため、つま先立ちでつらそうだ。
焦らすのはあとにして、一気にスパートをかける。右手を前にまわしペニスを擦ると、ヒッと悲鳴のような声がバスルームに響いた。ベッドでは柊もコンドームを着けているから、イッた直後の刺激が久しぶりに強すぎるらしい。
「いっぱい出していいですよ。俺も、奥、出すんで……」
「ひぁっ……あ!ん~~~っ!!!」
中で達した柊がきつく夕里を締めつける。搾り取るような動きの雄膣を何度か往復し、欲に逆らわず射精した。皮膜越しにもマーキングするよう、奥に精液を叩きつける。
一緒に動かしていた右手が水に濡れる。プシュ、プシュッと噴き出すのは柊の潮だ。あーまた泣いちゃうかな。柊が嫌がるからたまにしかしないが、夕里はもうコツを掴みつつある。
風呂場だと百パーセント潮吹きさせたくなってしまうなんて、言ったら絶対怒られるだろうなぁ。
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