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番外編
6.*
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「う……んっっ」
今度は手で夕里のペニスを支えながら腰を落としていく。コンドームのジェルとローションの滑りを借りつつ、ちょっといきんで、大きな先端を受け入れた。
挿れる瞬間の苦しさは未だにあるが、敏感な入口はじんじんと快感を生み、腹の中は先の期待に疼く。
昨日愛されたことを身体が覚えている。もうちょっと進むだけで……
「あ……あっ。あぁ!」
「ん。じょーず……気持ちいいですね?」
「ん~っ……きもちい……」
前立腺を通り抜けて、快感がぞくぞくと腹から広がった。彼には何をされても気持ちいいけど、夕里と繋がるときの快感はひとしおだ。幸せで、甘くて、胸がいっぱいになる。
身体を倒して広い胸に倒れ込む。脚に力を入れて腰をゆるゆると動かせば、耳元に熱い息がかかった。
――男で良かった。夕里をこの身に受け入れて、彼に快感を与えることができるのは、自分が男だからだ。
「好き……あんっ、ゆりぃ……すきー……」
「柊さんっ!!」
「あ゙あ!んっ、あっ、まって……激しっ……~~~っ!」
ドチュン!と下から突き上げられて、視界が白んだ。落ち着く間もなく尻に打ち付けてくる腰が、パンパンと音を立てる。
両手で腰を押さえられて快感を逃がす先がない。柊はされるがまま跳ねた。
腰から下が溶けそうだ。肌を重ねるたび感じるようになってしまった奥が、蕩けそうな快楽を柊にもたらす。
「ゆりっ、キス、してぇ……っ」
「ふふ。そう呼ばれるのも、好きです……ひーらぎさんッ」
「んむっ……んぅ……!」
目の前の肌に縋り付く。爽やかな顔に汗が浮かんでいて、必死な様子が愛おしい。輝く黒い瞳には情けない顔の自分が映っている。気持ちいいと、顔に書いてあるようだ。
キスを求めたのは自分なのに、互いに吸い寄せられて唇を重ねた。絡み合って溶けて、ひとつになってしまいそうなキス。
激しい律動に息が上がって、熱い吐息を交換する。もう、限界が近い。瞼の裏で星が弾けて、夕里にぎゅうっとしがみつく。
「あ゙~~~っ!も、……いっ……く…………!!」
「くっ……」
雄膣の襞を余すところなく擦り上げたペニスがガツンと最奥にぶつかり、叩きつけるように射精した。皮膜越しにも脈打っているのを感じる。柊はガクガクと中から全身へと広がる痙攣に震え、息を忘れた。
きゅうと甘えるみたいに、あるいは子種を搾り取ろうとするみたいに熱棒を締めつけてしまい、夕里が低く呻く。
重く甘い余韻が全身を包んでいる。全体重を預けているから重いかなと思っても、動く気に慣れなかった。石鹸の香り、汗の匂い。混じって夕里の濃い匂いがする。
胸をくっつけ合っているから、どちらのものか分からない鼓動が強く聞こえる。溶けてひとつになって、同じリズムを刻んでいる気さえしていた。
「……これで物足りないわけないでしょ」
「えっ?」
「不安になるまでもなく、あなたに夢中ってことです。てゆーか、もう柊さんにしか勃たないんですけど!……責任取ってくださいね」
「あ……う、うん!嬉しー……僕、もっとがんばるから!」
「…………」
捨てられないようがんばろうと一念発起したのに、結局乗っかってるだけだった……と柊は気付いた。いまのスキルでは、妄想の中の美人には到底追いつけない。
次こそがんばろう。なんだろ……スクワットとかすればいいのか?
「んあ!あっ……」
「じゃあ、がんばりましょうか柊さん」
「…………?」
ぽやぽやと思考していた柊は、ずるりとペニスが抜けていった刺激に喘いだ。ころんと仰向けに転がされて、精液の溜まっていたコンドームを外される。まだ中も外も敏感なままで、びくびくと身を揺らすことしかできない。
熱に潤んだ眼差しのまま夕里の後始末を見ていると、彼は柊の片手を取り、自分の下肢へと導いた。手に手を重ねられ、目の前に持ってこられたペニスを掴む。手のひらにぴくっと動いたのが伝わってきて、なすがまま上下に扱く。
まさか……と思うもそれは簡単にむくむくと大きさを取り戻し硬くなってきた。そんなに強く掴んでいないけど、柊の手だから興奮しているのだろうか?ちょっと可愛い。
先端に透明の雫が浮かんでいる。いつもされてばかりだし、ほんの興味で……柊は頭を起こし、ペロと先端を舐めた。
「うわっ。ちょ、柊さん!?」
慌てた声に引いたのかと思ったけど、手の中の熱はさらに質量を増し、もっと先走りが出てきた。気持ちいいってことだ。柊は楽しくなって、手淫しながら亀頭を口に含みちゅうちゅう吸ってみる。
ちょっと苦い。けど、夕里の一部だと考えると愛おしい。若干ゴム臭いのが、逆に行為後であることを感じさせ興奮材料になった。顔を真っ赤に染めた夕里が、口の中からズルンと抜いてしまう。
「も~!斜め上に……びっくりしたじゃないですか」
「気持ちかった?」
「ええ気持ちよかったですよ!でも、いまは……一緒に気持ちよくなりたいですから」
「……もいっかい?」
熱の引きかけていた身体は、いまの行為で逆に燃え上がっていた。いつも柊を満たしてくれるものを目の前で見てしまったら……また、欲しくなってしまう。
つい一ヶ月前まで男を知らなかった身体が、いつの間にこんなにも欲張りになってしまったんだろう。恥じらうのも忘れて、柊は自分で脚を開き膝の裏を両手で抱えた。
――初体験時に癖づけられてしまったおかげで、柊はこの体勢で待つのが普通の正常位だと思っているのだ。後孔は慎ましく閉じたように見えて、いまだ柔らかく解れている。縁は赤くぷっくり腫れ、ぱくぱくと夕里を誘惑していた。
「は~~~っ。エッロいな……柊さん、ぜったい俺以外にコレ見せないでくださいね」
「当たり前でしょ……ゆりしか無理。ゆりくんがいい。ね、はやくきて……」
「……俺も柊さんしか無理です。これから先、一生」
「ん……?……っあ、あ゙ぁ!まっ、ていきなり、はげし……~~~~~ッ!」
◆
二度目は柊にコンドームをつけるのを忘れ、行為後に慌ててシーツを変える羽目になってしまった。なぜなら精液だけじゃなく、なんか色々と漏れてしまったのだ。あれはおしっこじゃないと信じたい。夕里は喜んでいたけど、死ぬほど恥ずかしかった。
ともかく、柊は学んだ。自分でもちゃんとコンドームをつけようと……
着けるも外すもすべてやってもらっていた柊は、夕里監修のもと上手にコンドームをつけられるようになるまで特訓した。喜んで張り切って夕里のものまで着け外しをするようになったせいで、絶倫ワンコを爆誕させてしまう未来を、彼はまだ知らない――――
――――――――――
番外編までお読みいただきありがとうございます!
夕里はゆっくり開発したい派です。まだ一ヶ月なので……柊の成長を楽しんでいるのですが、秘めたポテンシャルにびっくりさせられることもたびたび。
敏感体質&純粋培養の童貞処女(卒)柊くん、エロすぎです。
まぁ夕里も言葉責めひどいですけどね!?
次の番外編は会社のメンバーに会わせたいです。
今度は手で夕里のペニスを支えながら腰を落としていく。コンドームのジェルとローションの滑りを借りつつ、ちょっといきんで、大きな先端を受け入れた。
挿れる瞬間の苦しさは未だにあるが、敏感な入口はじんじんと快感を生み、腹の中は先の期待に疼く。
昨日愛されたことを身体が覚えている。もうちょっと進むだけで……
「あ……あっ。あぁ!」
「ん。じょーず……気持ちいいですね?」
「ん~っ……きもちい……」
前立腺を通り抜けて、快感がぞくぞくと腹から広がった。彼には何をされても気持ちいいけど、夕里と繋がるときの快感はひとしおだ。幸せで、甘くて、胸がいっぱいになる。
身体を倒して広い胸に倒れ込む。脚に力を入れて腰をゆるゆると動かせば、耳元に熱い息がかかった。
――男で良かった。夕里をこの身に受け入れて、彼に快感を与えることができるのは、自分が男だからだ。
「好き……あんっ、ゆりぃ……すきー……」
「柊さんっ!!」
「あ゙あ!んっ、あっ、まって……激しっ……~~~っ!」
ドチュン!と下から突き上げられて、視界が白んだ。落ち着く間もなく尻に打ち付けてくる腰が、パンパンと音を立てる。
両手で腰を押さえられて快感を逃がす先がない。柊はされるがまま跳ねた。
腰から下が溶けそうだ。肌を重ねるたび感じるようになってしまった奥が、蕩けそうな快楽を柊にもたらす。
「ゆりっ、キス、してぇ……っ」
「ふふ。そう呼ばれるのも、好きです……ひーらぎさんッ」
「んむっ……んぅ……!」
目の前の肌に縋り付く。爽やかな顔に汗が浮かんでいて、必死な様子が愛おしい。輝く黒い瞳には情けない顔の自分が映っている。気持ちいいと、顔に書いてあるようだ。
キスを求めたのは自分なのに、互いに吸い寄せられて唇を重ねた。絡み合って溶けて、ひとつになってしまいそうなキス。
激しい律動に息が上がって、熱い吐息を交換する。もう、限界が近い。瞼の裏で星が弾けて、夕里にぎゅうっとしがみつく。
「あ゙~~~っ!も、……いっ……く…………!!」
「くっ……」
雄膣の襞を余すところなく擦り上げたペニスがガツンと最奥にぶつかり、叩きつけるように射精した。皮膜越しにも脈打っているのを感じる。柊はガクガクと中から全身へと広がる痙攣に震え、息を忘れた。
きゅうと甘えるみたいに、あるいは子種を搾り取ろうとするみたいに熱棒を締めつけてしまい、夕里が低く呻く。
重く甘い余韻が全身を包んでいる。全体重を預けているから重いかなと思っても、動く気に慣れなかった。石鹸の香り、汗の匂い。混じって夕里の濃い匂いがする。
胸をくっつけ合っているから、どちらのものか分からない鼓動が強く聞こえる。溶けてひとつになって、同じリズムを刻んでいる気さえしていた。
「……これで物足りないわけないでしょ」
「えっ?」
「不安になるまでもなく、あなたに夢中ってことです。てゆーか、もう柊さんにしか勃たないんですけど!……責任取ってくださいね」
「あ……う、うん!嬉しー……僕、もっとがんばるから!」
「…………」
捨てられないようがんばろうと一念発起したのに、結局乗っかってるだけだった……と柊は気付いた。いまのスキルでは、妄想の中の美人には到底追いつけない。
次こそがんばろう。なんだろ……スクワットとかすればいいのか?
「んあ!あっ……」
「じゃあ、がんばりましょうか柊さん」
「…………?」
ぽやぽやと思考していた柊は、ずるりとペニスが抜けていった刺激に喘いだ。ころんと仰向けに転がされて、精液の溜まっていたコンドームを外される。まだ中も外も敏感なままで、びくびくと身を揺らすことしかできない。
熱に潤んだ眼差しのまま夕里の後始末を見ていると、彼は柊の片手を取り、自分の下肢へと導いた。手に手を重ねられ、目の前に持ってこられたペニスを掴む。手のひらにぴくっと動いたのが伝わってきて、なすがまま上下に扱く。
まさか……と思うもそれは簡単にむくむくと大きさを取り戻し硬くなってきた。そんなに強く掴んでいないけど、柊の手だから興奮しているのだろうか?ちょっと可愛い。
先端に透明の雫が浮かんでいる。いつもされてばかりだし、ほんの興味で……柊は頭を起こし、ペロと先端を舐めた。
「うわっ。ちょ、柊さん!?」
慌てた声に引いたのかと思ったけど、手の中の熱はさらに質量を増し、もっと先走りが出てきた。気持ちいいってことだ。柊は楽しくなって、手淫しながら亀頭を口に含みちゅうちゅう吸ってみる。
ちょっと苦い。けど、夕里の一部だと考えると愛おしい。若干ゴム臭いのが、逆に行為後であることを感じさせ興奮材料になった。顔を真っ赤に染めた夕里が、口の中からズルンと抜いてしまう。
「も~!斜め上に……びっくりしたじゃないですか」
「気持ちかった?」
「ええ気持ちよかったですよ!でも、いまは……一緒に気持ちよくなりたいですから」
「……もいっかい?」
熱の引きかけていた身体は、いまの行為で逆に燃え上がっていた。いつも柊を満たしてくれるものを目の前で見てしまったら……また、欲しくなってしまう。
つい一ヶ月前まで男を知らなかった身体が、いつの間にこんなにも欲張りになってしまったんだろう。恥じらうのも忘れて、柊は自分で脚を開き膝の裏を両手で抱えた。
――初体験時に癖づけられてしまったおかげで、柊はこの体勢で待つのが普通の正常位だと思っているのだ。後孔は慎ましく閉じたように見えて、いまだ柔らかく解れている。縁は赤くぷっくり腫れ、ぱくぱくと夕里を誘惑していた。
「は~~~っ。エッロいな……柊さん、ぜったい俺以外にコレ見せないでくださいね」
「当たり前でしょ……ゆりしか無理。ゆりくんがいい。ね、はやくきて……」
「……俺も柊さんしか無理です。これから先、一生」
「ん……?……っあ、あ゙ぁ!まっ、ていきなり、はげし……~~~~~ッ!」
◆
二度目は柊にコンドームをつけるのを忘れ、行為後に慌ててシーツを変える羽目になってしまった。なぜなら精液だけじゃなく、なんか色々と漏れてしまったのだ。あれはおしっこじゃないと信じたい。夕里は喜んでいたけど、死ぬほど恥ずかしかった。
ともかく、柊は学んだ。自分でもちゃんとコンドームをつけようと……
着けるも外すもすべてやってもらっていた柊は、夕里監修のもと上手にコンドームをつけられるようになるまで特訓した。喜んで張り切って夕里のものまで着け外しをするようになったせいで、絶倫ワンコを爆誕させてしまう未来を、彼はまだ知らない――――
――――――――――
番外編までお読みいただきありがとうございます!
夕里はゆっくり開発したい派です。まだ一ヶ月なので……柊の成長を楽しんでいるのですが、秘めたポテンシャルにびっくりさせられることもたびたび。
敏感体質&純粋培養の童貞処女(卒)柊くん、エロすぎです。
まぁ夕里も言葉責めひどいですけどね!?
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