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6.※年下の男
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◇
さっきまで涙目だったメルクが、突然目に強い光を宿し、とんでもないことを言い放った。
性行為中に愛を囁くなんて、普通なら遊び人の常套手段だ。しかし俺はこいつが誰よりも真面目な男だと知っている。つまり、本気だ。
発情期が来ていることをバレたときは焦ったが、メルクは口も固いし、何より俺に強い憧れを抱いている。純情な彼を利用して悪いと思う気持ちがありつつも、こうなったら俺の秘密に引きずり込んでやろうという打算もあった。
これまで相手してきた男たちのように、フェロモンを嗅ぐと目の色を変えて襲いかかってくるということもない。童貞のくせにたいした忍耐力で……いや、挿れただけで達したから身体は正直だが。
悔しがって涙を浮かべた顔は、なんだか胸にグッときた。
18歳という若さで副団長に抜擢されるなんて異例中の異例なのに、全く驕ったところがない。恵まれた体格に、貴族特有の綺麗な顔。レモンみたいに鮮やかな金髪は暗闇でも輝いている。そして深みのある紺青の瞳は、日焼けしにくい白い肌の中で際立っていた。
こんなにも美しくて若い、そして将来有望な男が俺に『責任取れ』って? なんだよそれ、上等だよ。
メルク、お前こそ返品できないことを嘆くなよ。ひと回りも年の違うオメガのおっさんなんて、面倒くさいに決まってる。秘密は守り通してもらうし、子どもを一緒に育てるみたいな、普通の家庭なんて築けない。だいいち俺は平民だ。
でも「本当にいいのか?」なんて聞いてやらない。本気の目をしているメルクに失礼だし、俺は大いに乗り気になった。十年前の自分に「でかした」と褒めてやりたいぜ。
「――いいぞ。責任とってやる。お前なら、俺も愛せそうだ」
自分が言い出したくせに、メルクは驚きに目を丸くした。そんなところも可愛いが、そろそろ俺も限界だ。
メルクのでかすぎる陰茎は、俺の腹の中で圧倒的な存在感を放っている。正直どんな風に動いても快いところに当たって、相性が良すぎる。アルファの精を受けて少し落ち着いていたはずの身体は、貪欲に次を強請っていた。
内腔がうねる。メルクの腰がピクっと震えた。
俺はさらに身体を倒してメルクに唇を重ねた。自分よりも薄く上品な形の唇。それを食むように愛撫しながら腰を動かすと、タイミングを合わせてメルクも腰を突き上げはじめた。ガツガツとした激しさはない。捏ねるように、ペニスが俺の最奥をトントンとノックする。快感が腹にたまって、あふれ出す。
「ぅあっ、あ、あ……メルク、めるく、イキそうだ」
「ぐ……っ僕もです。団長、好きです。すき……」
生理的な涙が目に溜まる。零れ落ちそうになった粒をメルクは唇で吸い取った。大きな両手で耳の上から包まれて、顔中にキスのスタンプが押される。
らしくもなく多幸感に包まれた。結腸口がメルクの先端にちゅぱちゅぱと吸い付きはじめる。なんだこれ、やべぇ……
ぐぽん、という感覚が訪れた瞬間腰から下の感覚がなくなった。
視界がチカチカと白み、全身を突き抜けるような快感が走った。入ったことのない場所にメルクの熱い情熱を注がれる。
恐ろしいほどの甘美な刺激に、ガクガクと痙攣が止まらない。ぺたんとメルクの上に尻を乗せていることに気づいて初めて、やっと全部俺の中に入ったことを悟った。
「あっ。~~~~!!」
「くぅっ……だんちょ……」
ハッ、ハッ、と全力疾走したあとのような荒い息を吐きながら見つめ合う。後頭部が掴まれ、メルクの方から噛みつくようにキスされた。全然慣れていない、舌の動きが愛おしい。
ぐちゃぐちゃに舌を絡めあったあと、またメルクの熱塊が復活していることに気づく。ははっ。こいつ、やっぱ若ぇな。
俺はオメガとしては半端者だから、記憶をなくすほど欲に溺れたりしないし、発情期でも一発でスッキリすることはよくある。でも今は、もっともっとこいつの子種がほしいと、本能が叫んでいる。
「よっ……と」
「わ、だ、団長?」
メルクを抱き起こし、今度は自分が仰向けになる。メルクの腹から俺の精液が垂れてきた。繋がったままの場所からジュプ、と卑猥な音が鳴る。
――朝までまだ長い。今夜はもう少し、こいつに付き合ってもらおう。
さっきまで涙目だったメルクが、突然目に強い光を宿し、とんでもないことを言い放った。
性行為中に愛を囁くなんて、普通なら遊び人の常套手段だ。しかし俺はこいつが誰よりも真面目な男だと知っている。つまり、本気だ。
発情期が来ていることをバレたときは焦ったが、メルクは口も固いし、何より俺に強い憧れを抱いている。純情な彼を利用して悪いと思う気持ちがありつつも、こうなったら俺の秘密に引きずり込んでやろうという打算もあった。
これまで相手してきた男たちのように、フェロモンを嗅ぐと目の色を変えて襲いかかってくるということもない。童貞のくせにたいした忍耐力で……いや、挿れただけで達したから身体は正直だが。
悔しがって涙を浮かべた顔は、なんだか胸にグッときた。
18歳という若さで副団長に抜擢されるなんて異例中の異例なのに、全く驕ったところがない。恵まれた体格に、貴族特有の綺麗な顔。レモンみたいに鮮やかな金髪は暗闇でも輝いている。そして深みのある紺青の瞳は、日焼けしにくい白い肌の中で際立っていた。
こんなにも美しくて若い、そして将来有望な男が俺に『責任取れ』って? なんだよそれ、上等だよ。
メルク、お前こそ返品できないことを嘆くなよ。ひと回りも年の違うオメガのおっさんなんて、面倒くさいに決まってる。秘密は守り通してもらうし、子どもを一緒に育てるみたいな、普通の家庭なんて築けない。だいいち俺は平民だ。
でも「本当にいいのか?」なんて聞いてやらない。本気の目をしているメルクに失礼だし、俺は大いに乗り気になった。十年前の自分に「でかした」と褒めてやりたいぜ。
「――いいぞ。責任とってやる。お前なら、俺も愛せそうだ」
自分が言い出したくせに、メルクは驚きに目を丸くした。そんなところも可愛いが、そろそろ俺も限界だ。
メルクのでかすぎる陰茎は、俺の腹の中で圧倒的な存在感を放っている。正直どんな風に動いても快いところに当たって、相性が良すぎる。アルファの精を受けて少し落ち着いていたはずの身体は、貪欲に次を強請っていた。
内腔がうねる。メルクの腰がピクっと震えた。
俺はさらに身体を倒してメルクに唇を重ねた。自分よりも薄く上品な形の唇。それを食むように愛撫しながら腰を動かすと、タイミングを合わせてメルクも腰を突き上げはじめた。ガツガツとした激しさはない。捏ねるように、ペニスが俺の最奥をトントンとノックする。快感が腹にたまって、あふれ出す。
「ぅあっ、あ、あ……メルク、めるく、イキそうだ」
「ぐ……っ僕もです。団長、好きです。すき……」
生理的な涙が目に溜まる。零れ落ちそうになった粒をメルクは唇で吸い取った。大きな両手で耳の上から包まれて、顔中にキスのスタンプが押される。
らしくもなく多幸感に包まれた。結腸口がメルクの先端にちゅぱちゅぱと吸い付きはじめる。なんだこれ、やべぇ……
ぐぽん、という感覚が訪れた瞬間腰から下の感覚がなくなった。
視界がチカチカと白み、全身を突き抜けるような快感が走った。入ったことのない場所にメルクの熱い情熱を注がれる。
恐ろしいほどの甘美な刺激に、ガクガクと痙攣が止まらない。ぺたんとメルクの上に尻を乗せていることに気づいて初めて、やっと全部俺の中に入ったことを悟った。
「あっ。~~~~!!」
「くぅっ……だんちょ……」
ハッ、ハッ、と全力疾走したあとのような荒い息を吐きながら見つめ合う。後頭部が掴まれ、メルクの方から噛みつくようにキスされた。全然慣れていない、舌の動きが愛おしい。
ぐちゃぐちゃに舌を絡めあったあと、またメルクの熱塊が復活していることに気づく。ははっ。こいつ、やっぱ若ぇな。
俺はオメガとしては半端者だから、記憶をなくすほど欲に溺れたりしないし、発情期でも一発でスッキリすることはよくある。でも今は、もっともっとこいつの子種がほしいと、本能が叫んでいる。
「よっ……と」
「わ、だ、団長?」
メルクを抱き起こし、今度は自分が仰向けになる。メルクの腹から俺の精液が垂れてきた。繋がったままの場所からジュプ、と卑猥な音が鳴る。
――朝までまだ長い。今夜はもう少し、こいつに付き合ってもらおう。
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