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アクアが艶然と微笑んで、背伸びしながら唇を合わせてくる。その刹那、ぶわっと花が一斉に開いたような強い香りに包まれて、思わず目を白黒させた。
「なっ……アクア、どうしたんだ!?」
「ブラッドさま。もう、始まるんです。おれを…………番に、してください」
アクアと番になるまでは、と服用し続けていた抑制剤なんて全く意味がないほどの、衝動。ブラッドを唯一誘惑するフェロモンが、目の前のオメガから放たれている。
発情期のフェロモンをコントロールできるというアクアが、こうして全開にしている意味……それを理解できないはずもない。
気づけば両手がアクアを持ち上げるように掻き抱き、その唇を貪っていた。脳みそが溶けそうなほど、甘い。身体が熱い。
互いの興奮の証が擦れ合って、痺れるような快感が腰から広がる。もっと触れたい。ふれ合いを阻む布が邪魔だ。
アクアを抱えたままなんとか砂浜に戻ったものの、舌を絡ませ彼の身体に手を這わせるのをやめられない。なんて蠱惑的な身体なんだ……その場で服を剥いで抱いてしまいたい。
いつの間にか水平線の向こうに隠れようとしている太陽が、二人を茜色に染めている。
かき集めた理性で唇を離すと、互いの間に糸が光った。これがアルファのラットか……目の前のオメガを、めちゃくちゃに抱いてしまいたい。
「アクア……私は、優しくできないかもしれない」
「いいですよ。旦那さま……好きにしてください」
くぅっ……天使なのか!?
だが、このまま抱いては駄目だ。ブラッドはこれまで、恋を自覚する前からずっと……アクアを大切にしたいと思ってきた。これでも、精一杯の誠意を見せてきたのだ。
固く決意して熱い身体を抱き上げると、甘い香りがブラッドに纏わりつく。アクアの顔もとろんと蕩け、自分を求めてくれているのが分かる。
そこからブラッドのフェロモンも感じ取れるのだろうか?首元に顔を寄せて「んー……」と甘い声を出しているアクアに悶絶しながらも、屋敷の中へと歩みを進めた。
頭を下げて出迎えた使用人が状況を察し、寝室への扉を開ける。そのままバスルームへ直行し砂にまみれた足を洗う。焦った手つきで互いに生まれたままの姿になったあと、広いバスタブへと飛び込んだ。
やっと肌と肌で触れ合えた。アクアも嬉しそうにブラッドの身体に手を這わせ、腰を押し付けてくるのが無邪気でかわいい。
「んっ。ねぇ、旦那さま……はやく」
「もっと味わわせてくれ」
どうしても滑る水の感触がもどかしくて、気持ちいい。自分の膝の上にアクアを座らせ、向かい合って口で愛撫する。乳首を舌で転がしながら両手を尻にまわすと、そこは水の中でもわかるくらいに粘液でぬめっていた。
後孔をくるりと撫でると、アクアはぴくんと跳ねる。ひくっと蕾がうごめき、ブラッドを誘う。
いつもはほぐす段階から楽しんでいるが――これがヒートだ。ブラッドは脳が焼き切れるほどの興奮を感じつつ、蜜壺へと中指を挿入した。
「あっ、あっ。あ~~!」
「熱い……。柔らかいな」
ぎゅうっと指を締め付けられ、中が震える。甘く達したアクアはさらにフェロモンを垂れ流し、本格的な発情に入った。
「ん~っ。きもちぃ……。ぶらっどさま、もっとぉ」
「あ゛ー……これ以上我慢したら、俺が死ぬ」
くてん、と寄りかかってくるアクアの身体を持ち上げ、中心に痛いほどに勃っている屹立を充てがう。溶けた氷色の瞳と視線を交わすと同時、彼をゆっくりと下ろしていく。
「ん、あ、ぁ……くぅんっ~~!」
「もう達したのか?かわいい」
さすがに苦しいかと思ったものの、弱いところを亀頭が通り抜けた瞬間にアクアは可愛く鳴き、湯の中に白濁を飛ばした。赤く腫れている唇にキスをするだけで、またキュウとペニスが締め付けられる。
まだアクアが余韻に浸っていることは分かっていたけれど、ブラッドは腔内の蠕動に誘われるがままもっと彼の身体を下ろしていく。目の前が白むほどの快感だ。
「あっ。まって、あ……ふぁ」
「気持ちいいな?アクア」
「や……っあ゛ぁ!」
トン、と奥に先端がぶつかって、強い衝撃を受けたようにアクアが顎を反らす。その項を手で支えながら、ブラッドは律動を開始した。
「なっ……アクア、どうしたんだ!?」
「ブラッドさま。もう、始まるんです。おれを…………番に、してください」
アクアと番になるまでは、と服用し続けていた抑制剤なんて全く意味がないほどの、衝動。ブラッドを唯一誘惑するフェロモンが、目の前のオメガから放たれている。
発情期のフェロモンをコントロールできるというアクアが、こうして全開にしている意味……それを理解できないはずもない。
気づけば両手がアクアを持ち上げるように掻き抱き、その唇を貪っていた。脳みそが溶けそうなほど、甘い。身体が熱い。
互いの興奮の証が擦れ合って、痺れるような快感が腰から広がる。もっと触れたい。ふれ合いを阻む布が邪魔だ。
アクアを抱えたままなんとか砂浜に戻ったものの、舌を絡ませ彼の身体に手を這わせるのをやめられない。なんて蠱惑的な身体なんだ……その場で服を剥いで抱いてしまいたい。
いつの間にか水平線の向こうに隠れようとしている太陽が、二人を茜色に染めている。
かき集めた理性で唇を離すと、互いの間に糸が光った。これがアルファのラットか……目の前のオメガを、めちゃくちゃに抱いてしまいたい。
「アクア……私は、優しくできないかもしれない」
「いいですよ。旦那さま……好きにしてください」
くぅっ……天使なのか!?
だが、このまま抱いては駄目だ。ブラッドはこれまで、恋を自覚する前からずっと……アクアを大切にしたいと思ってきた。これでも、精一杯の誠意を見せてきたのだ。
固く決意して熱い身体を抱き上げると、甘い香りがブラッドに纏わりつく。アクアの顔もとろんと蕩け、自分を求めてくれているのが分かる。
そこからブラッドのフェロモンも感じ取れるのだろうか?首元に顔を寄せて「んー……」と甘い声を出しているアクアに悶絶しながらも、屋敷の中へと歩みを進めた。
頭を下げて出迎えた使用人が状況を察し、寝室への扉を開ける。そのままバスルームへ直行し砂にまみれた足を洗う。焦った手つきで互いに生まれたままの姿になったあと、広いバスタブへと飛び込んだ。
やっと肌と肌で触れ合えた。アクアも嬉しそうにブラッドの身体に手を這わせ、腰を押し付けてくるのが無邪気でかわいい。
「んっ。ねぇ、旦那さま……はやく」
「もっと味わわせてくれ」
どうしても滑る水の感触がもどかしくて、気持ちいい。自分の膝の上にアクアを座らせ、向かい合って口で愛撫する。乳首を舌で転がしながら両手を尻にまわすと、そこは水の中でもわかるくらいに粘液でぬめっていた。
後孔をくるりと撫でると、アクアはぴくんと跳ねる。ひくっと蕾がうごめき、ブラッドを誘う。
いつもはほぐす段階から楽しんでいるが――これがヒートだ。ブラッドは脳が焼き切れるほどの興奮を感じつつ、蜜壺へと中指を挿入した。
「あっ、あっ。あ~~!」
「熱い……。柔らかいな」
ぎゅうっと指を締め付けられ、中が震える。甘く達したアクアはさらにフェロモンを垂れ流し、本格的な発情に入った。
「ん~っ。きもちぃ……。ぶらっどさま、もっとぉ」
「あ゛ー……これ以上我慢したら、俺が死ぬ」
くてん、と寄りかかってくるアクアの身体を持ち上げ、中心に痛いほどに勃っている屹立を充てがう。溶けた氷色の瞳と視線を交わすと同時、彼をゆっくりと下ろしていく。
「ん、あ、ぁ……くぅんっ~~!」
「もう達したのか?かわいい」
さすがに苦しいかと思ったものの、弱いところを亀頭が通り抜けた瞬間にアクアは可愛く鳴き、湯の中に白濁を飛ばした。赤く腫れている唇にキスをするだけで、またキュウとペニスが締め付けられる。
まだアクアが余韻に浸っていることは分かっていたけれど、ブラッドは腔内の蠕動に誘われるがままもっと彼の身体を下ろしていく。目の前が白むほどの快感だ。
「あっ。まって、あ……ふぁ」
「気持ちいいな?アクア」
「や……っあ゛ぁ!」
トン、と奥に先端がぶつかって、強い衝撃を受けたようにアクアが顎を反らす。その項を手で支えながら、ブラッドは律動を開始した。
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