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ぽやっとしていたアクアは、身体を起こしたブラッドがガウンを脱ぎ落としたことに目を見張り、ゴクリとつばを飲み込んだ。
どこでこんなに鍛えているんだろう?スーツを着ているときはシュッとして見えるのに、その胸板は意外なほど厚いし、腹筋も割れている。
見惚れているアクアに気付いたのかブラッドはフッと色気たっぷりに笑い、こちらに身を寄せてきた。顔が近づいてきて、アクアは「アレだ!」と理解してぎゅっと目を閉じた。
しかし……ちゅ、と優しく額に唇が触れたのを感じて、目をパチッと開いた。思ってた場所と、違う。
眉間、鼻の頭、あごの先。次々にキスのスタンプを押されるのは嬉しいはずなのに、拗ねる気持ちが湧き上がってくる。
自然と唇が尖って、アクアはいたずらな旦那さまを見つめた。すると嬉しそうに口元に笑みを乗せたブラッドが、アクアの尖った唇に口付けを落とす。
「あ!」
「待ってた?」
「んぅ」
文句を言おうとした口を塞がれて、今度はたっぷりとアクアの唇は奪われた。上下の唇を順番に、吸ったり舌先で擽ったりして可愛がられる。
ブラッドの少し肉厚な唇が気持ちいい。アクアは初めてのキスに夢中になって、あっという間にトロンと蕩けていた。
「旦那さま……きす、すごい」
「かわいい。もっと気持ちいいキス、しようね」
もっと……?アクアの疑問はブラッドの舌が唇を割って差し込まれたことで、すぐに解けた。
どうしたらいいのか分からず彷徨っていた舌を絡め取り、擦り合わされる。唾液をたっぷりと含んだ舌が口の中を這いまわるのは、思いもよらぬ快感をアクアに与えた。
「ふぁっ。ん、……んん~……」
「ほら、飲んで」
「ん、んくっ……はぁ」
口の中に溜まったブラッドの唾液を飲み込むと、媚薬かと思うほど身体が熱くなった。アクアは横になっていなかったら腰砕けになっていたはずだ。
特に上顎を舌でなぞられたり舌を優しく吸われると、なぜか腰まで気持ちよくて震える。
気づけばブラッドの手が、アクアの輪郭を確認するように撫でていた。薄い寝巻きは、彼の手の弾力や熱さをダイレクトに伝えてくる。
どこに触れられてもぴくぴくと反応していたアクアは、その指先が胸の尖りを掠めた瞬間、「あぁっ」と一段高い声を上げてしまった。
こんな声……恥ずかしい。自分でも聞いたことがないのに、指先が同じ場所を何度も掠めるから抑えられない。
声が溢れるのはキスを続けているせいだと思い顔を背けると、ブラッドの舌はアクアの首筋に移動した。
「まって、あ。ひゃあっ!くすぐった……」
「可愛い声をもっと聴かせてくれ」
口を閉じたいのに首筋に何度も舌を這わされ、悶えているあいだに乳首を摘まれる。そこはいつの間にか硬くツンと立っていて、寝巻きの上からでも場所を主張しているみたいだ。
「ぁあん!も、だめ……ん~っ。だ、だんなさまぁっ」
「んー?」
ついには首筋の擽ったさも気持ちよさに変換され、アクアはなんとか快感を逃がそうと背筋を反らしたり丸めたりしてみるが上手くいかない。
乳首をくりくりと転がされたり、爪の先で先端を掻くように刺激されると、強すぎる感覚にアクアは涙目になった。ヒートのときだって胸には触らないのに、こんなのおかしい。
そう伝えるとブラッドは「素質があるな」と嬉しそうに呟いて、アクアのパジャマを脱がせた。
「ほら。赤くなってかーわいいなぁ」
「ひぅ……旦那さまのせいだもん……」
「あぁ、私のせいだね。責任を取らないと」
自分の乳首なんて普段は肌色に隠れて気にするほどの場所ではなかったのに、いまは見たこともないほど赤くなっている。
責任の内容がわからなくてキョトンとしていると、ブラッドはそこに顔を寄せ、アクアに見せつけるようにベロリと舐めた。
「あぁん!」
パチンッと風船が弾けるように、視界が白んで一瞬意識が飛ぶ。小さく達したような感覚があったけど、快楽は天井知らずで全然収まらない。
ぬめる舌は布越しに指で触られるより優しいはずだったが、蕩けるような心地と爆発しそうな快感を一緒くたに運んできた。
気づけば下履きの紐を解かれてアクアは丸裸にされている。部屋は温かくしているとはいえ、冬場だ。しかしアクアの肌は汗ばんで、外気が涼しいとさえ感じていた。
まだ触っていないのに、ペニスがはち切れそうに膨らんでいる。思わず自分の手をそこに伸ばそうとすると、ブラッドの手がそれを妨げた。
「旦那さま……?さわりたい」
「先に達するとつらいだろう。準備してあげるから、こっちを触ってくれるか?」
「?――あっ!」
なにがつらいのか理解できなかったものの、ブラッドに手を促された先には服越しにも熱く、硬い……旦那さまのペニスがあった。
アクアは抱き起こされブラッドの腰をまたぐように正面から座らされたが、その間も興味津々で彼の中心を撫でていた。作戦中にターゲットの陰茎が勃っているのを見たことはあったと思うけど、興味がなさすぎて記憶にない。
どこでこんなに鍛えているんだろう?スーツを着ているときはシュッとして見えるのに、その胸板は意外なほど厚いし、腹筋も割れている。
見惚れているアクアに気付いたのかブラッドはフッと色気たっぷりに笑い、こちらに身を寄せてきた。顔が近づいてきて、アクアは「アレだ!」と理解してぎゅっと目を閉じた。
しかし……ちゅ、と優しく額に唇が触れたのを感じて、目をパチッと開いた。思ってた場所と、違う。
眉間、鼻の頭、あごの先。次々にキスのスタンプを押されるのは嬉しいはずなのに、拗ねる気持ちが湧き上がってくる。
自然と唇が尖って、アクアはいたずらな旦那さまを見つめた。すると嬉しそうに口元に笑みを乗せたブラッドが、アクアの尖った唇に口付けを落とす。
「あ!」
「待ってた?」
「んぅ」
文句を言おうとした口を塞がれて、今度はたっぷりとアクアの唇は奪われた。上下の唇を順番に、吸ったり舌先で擽ったりして可愛がられる。
ブラッドの少し肉厚な唇が気持ちいい。アクアは初めてのキスに夢中になって、あっという間にトロンと蕩けていた。
「旦那さま……きす、すごい」
「かわいい。もっと気持ちいいキス、しようね」
もっと……?アクアの疑問はブラッドの舌が唇を割って差し込まれたことで、すぐに解けた。
どうしたらいいのか分からず彷徨っていた舌を絡め取り、擦り合わされる。唾液をたっぷりと含んだ舌が口の中を這いまわるのは、思いもよらぬ快感をアクアに与えた。
「ふぁっ。ん、……んん~……」
「ほら、飲んで」
「ん、んくっ……はぁ」
口の中に溜まったブラッドの唾液を飲み込むと、媚薬かと思うほど身体が熱くなった。アクアは横になっていなかったら腰砕けになっていたはずだ。
特に上顎を舌でなぞられたり舌を優しく吸われると、なぜか腰まで気持ちよくて震える。
気づけばブラッドの手が、アクアの輪郭を確認するように撫でていた。薄い寝巻きは、彼の手の弾力や熱さをダイレクトに伝えてくる。
どこに触れられてもぴくぴくと反応していたアクアは、その指先が胸の尖りを掠めた瞬間、「あぁっ」と一段高い声を上げてしまった。
こんな声……恥ずかしい。自分でも聞いたことがないのに、指先が同じ場所を何度も掠めるから抑えられない。
声が溢れるのはキスを続けているせいだと思い顔を背けると、ブラッドの舌はアクアの首筋に移動した。
「まって、あ。ひゃあっ!くすぐった……」
「可愛い声をもっと聴かせてくれ」
口を閉じたいのに首筋に何度も舌を這わされ、悶えているあいだに乳首を摘まれる。そこはいつの間にか硬くツンと立っていて、寝巻きの上からでも場所を主張しているみたいだ。
「ぁあん!も、だめ……ん~っ。だ、だんなさまぁっ」
「んー?」
ついには首筋の擽ったさも気持ちよさに変換され、アクアはなんとか快感を逃がそうと背筋を反らしたり丸めたりしてみるが上手くいかない。
乳首をくりくりと転がされたり、爪の先で先端を掻くように刺激されると、強すぎる感覚にアクアは涙目になった。ヒートのときだって胸には触らないのに、こんなのおかしい。
そう伝えるとブラッドは「素質があるな」と嬉しそうに呟いて、アクアのパジャマを脱がせた。
「ほら。赤くなってかーわいいなぁ」
「ひぅ……旦那さまのせいだもん……」
「あぁ、私のせいだね。責任を取らないと」
自分の乳首なんて普段は肌色に隠れて気にするほどの場所ではなかったのに、いまは見たこともないほど赤くなっている。
責任の内容がわからなくてキョトンとしていると、ブラッドはそこに顔を寄せ、アクアに見せつけるようにベロリと舐めた。
「あぁん!」
パチンッと風船が弾けるように、視界が白んで一瞬意識が飛ぶ。小さく達したような感覚があったけど、快楽は天井知らずで全然収まらない。
ぬめる舌は布越しに指で触られるより優しいはずだったが、蕩けるような心地と爆発しそうな快感を一緒くたに運んできた。
気づけば下履きの紐を解かれてアクアは丸裸にされている。部屋は温かくしているとはいえ、冬場だ。しかしアクアの肌は汗ばんで、外気が涼しいとさえ感じていた。
まだ触っていないのに、ペニスがはち切れそうに膨らんでいる。思わず自分の手をそこに伸ばそうとすると、ブラッドの手がそれを妨げた。
「旦那さま……?さわりたい」
「先に達するとつらいだろう。準備してあげるから、こっちを触ってくれるか?」
「?――あっ!」
なにがつらいのか理解できなかったものの、ブラッドに手を促された先には服越しにも熱く、硬い……旦那さまのペニスがあった。
アクアは抱き起こされブラッドの腰をまたぐように正面から座らされたが、その間も興味津々で彼の中心を撫でていた。作戦中にターゲットの陰茎が勃っているのを見たことはあったと思うけど、興味がなさすぎて記憶にない。
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