8 / 18
8.
しおりを挟む
ぽやっとしていたアクアは、身体を起こしたブラッドがガウンを脱ぎ落としたことに目を見張り、ゴクリとつばを飲み込んだ。
どこでこんなに鍛えているんだろう?スーツを着ているときはシュッとして見えるのに、その胸板は意外なほど厚いし、腹筋も割れている。
見惚れているアクアに気付いたのかブラッドはフッと色気たっぷりに笑い、こちらに身を寄せてきた。顔が近づいてきて、アクアは「アレだ!」と理解してぎゅっと目を閉じた。
しかし……ちゅ、と優しく額に唇が触れたのを感じて、目をパチッと開いた。思ってた場所と、違う。
眉間、鼻の頭、あごの先。次々にキスのスタンプを押されるのは嬉しいはずなのに、拗ねる気持ちが湧き上がってくる。
自然と唇が尖って、アクアはいたずらな旦那さまを見つめた。すると嬉しそうに口元に笑みを乗せたブラッドが、アクアの尖った唇に口付けを落とす。
「あ!」
「待ってた?」
「んぅ」
文句を言おうとした口を塞がれて、今度はたっぷりとアクアの唇は奪われた。上下の唇を順番に、吸ったり舌先で擽ったりして可愛がられる。
ブラッドの少し肉厚な唇が気持ちいい。アクアは初めてのキスに夢中になって、あっという間にトロンと蕩けていた。
「旦那さま……きす、すごい」
「かわいい。もっと気持ちいいキス、しようね」
もっと……?アクアの疑問はブラッドの舌が唇を割って差し込まれたことで、すぐに解けた。
どうしたらいいのか分からず彷徨っていた舌を絡め取り、擦り合わされる。唾液をたっぷりと含んだ舌が口の中を這いまわるのは、思いもよらぬ快感をアクアに与えた。
「ふぁっ。ん、……んん~……」
「ほら、飲んで」
「ん、んくっ……はぁ」
口の中に溜まったブラッドの唾液を飲み込むと、媚薬かと思うほど身体が熱くなった。アクアは横になっていなかったら腰砕けになっていたはずだ。
特に上顎を舌でなぞられたり舌を優しく吸われると、なぜか腰まで気持ちよくて震える。
気づけばブラッドの手が、アクアの輪郭を確認するように撫でていた。薄い寝巻きは、彼の手の弾力や熱さをダイレクトに伝えてくる。
どこに触れられてもぴくぴくと反応していたアクアは、その指先が胸の尖りを掠めた瞬間、「あぁっ」と一段高い声を上げてしまった。
こんな声……恥ずかしい。自分でも聞いたことがないのに、指先が同じ場所を何度も掠めるから抑えられない。
声が溢れるのはキスを続けているせいだと思い顔を背けると、ブラッドの舌はアクアの首筋に移動した。
「まって、あ。ひゃあっ!くすぐった……」
「可愛い声をもっと聴かせてくれ」
口を閉じたいのに首筋に何度も舌を這わされ、悶えているあいだに乳首を摘まれる。そこはいつの間にか硬くツンと立っていて、寝巻きの上からでも場所を主張しているみたいだ。
「ぁあん!も、だめ……ん~っ。だ、だんなさまぁっ」
「んー?」
ついには首筋の擽ったさも気持ちよさに変換され、アクアはなんとか快感を逃がそうと背筋を反らしたり丸めたりしてみるが上手くいかない。
乳首をくりくりと転がされたり、爪の先で先端を掻くように刺激されると、強すぎる感覚にアクアは涙目になった。ヒートのときだって胸には触らないのに、こんなのおかしい。
そう伝えるとブラッドは「素質があるな」と嬉しそうに呟いて、アクアのパジャマを脱がせた。
「ほら。赤くなってかーわいいなぁ」
「ひぅ……旦那さまのせいだもん……」
「あぁ、私のせいだね。責任を取らないと」
自分の乳首なんて普段は肌色に隠れて気にするほどの場所ではなかったのに、いまは見たこともないほど赤くなっている。
責任の内容がわからなくてキョトンとしていると、ブラッドはそこに顔を寄せ、アクアに見せつけるようにベロリと舐めた。
「あぁん!」
パチンッと風船が弾けるように、視界が白んで一瞬意識が飛ぶ。小さく達したような感覚があったけど、快楽は天井知らずで全然収まらない。
ぬめる舌は布越しに指で触られるより優しいはずだったが、蕩けるような心地と爆発しそうな快感を一緒くたに運んできた。
気づけば下履きの紐を解かれてアクアは丸裸にされている。部屋は温かくしているとはいえ、冬場だ。しかしアクアの肌は汗ばんで、外気が涼しいとさえ感じていた。
まだ触っていないのに、ペニスがはち切れそうに膨らんでいる。思わず自分の手をそこに伸ばそうとすると、ブラッドの手がそれを妨げた。
「旦那さま……?さわりたい」
「先に達するとつらいだろう。準備してあげるから、こっちを触ってくれるか?」
「?――あっ!」
なにがつらいのか理解できなかったものの、ブラッドに手を促された先には服越しにも熱く、硬い……旦那さまのペニスがあった。
アクアは抱き起こされブラッドの腰をまたぐように正面から座らされたが、その間も興味津々で彼の中心を撫でていた。作戦中にターゲットの陰茎が勃っているのを見たことはあったと思うけど、興味がなさすぎて記憶にない。
どこでこんなに鍛えているんだろう?スーツを着ているときはシュッとして見えるのに、その胸板は意外なほど厚いし、腹筋も割れている。
見惚れているアクアに気付いたのかブラッドはフッと色気たっぷりに笑い、こちらに身を寄せてきた。顔が近づいてきて、アクアは「アレだ!」と理解してぎゅっと目を閉じた。
しかし……ちゅ、と優しく額に唇が触れたのを感じて、目をパチッと開いた。思ってた場所と、違う。
眉間、鼻の頭、あごの先。次々にキスのスタンプを押されるのは嬉しいはずなのに、拗ねる気持ちが湧き上がってくる。
自然と唇が尖って、アクアはいたずらな旦那さまを見つめた。すると嬉しそうに口元に笑みを乗せたブラッドが、アクアの尖った唇に口付けを落とす。
「あ!」
「待ってた?」
「んぅ」
文句を言おうとした口を塞がれて、今度はたっぷりとアクアの唇は奪われた。上下の唇を順番に、吸ったり舌先で擽ったりして可愛がられる。
ブラッドの少し肉厚な唇が気持ちいい。アクアは初めてのキスに夢中になって、あっという間にトロンと蕩けていた。
「旦那さま……きす、すごい」
「かわいい。もっと気持ちいいキス、しようね」
もっと……?アクアの疑問はブラッドの舌が唇を割って差し込まれたことで、すぐに解けた。
どうしたらいいのか分からず彷徨っていた舌を絡め取り、擦り合わされる。唾液をたっぷりと含んだ舌が口の中を這いまわるのは、思いもよらぬ快感をアクアに与えた。
「ふぁっ。ん、……んん~……」
「ほら、飲んで」
「ん、んくっ……はぁ」
口の中に溜まったブラッドの唾液を飲み込むと、媚薬かと思うほど身体が熱くなった。アクアは横になっていなかったら腰砕けになっていたはずだ。
特に上顎を舌でなぞられたり舌を優しく吸われると、なぜか腰まで気持ちよくて震える。
気づけばブラッドの手が、アクアの輪郭を確認するように撫でていた。薄い寝巻きは、彼の手の弾力や熱さをダイレクトに伝えてくる。
どこに触れられてもぴくぴくと反応していたアクアは、その指先が胸の尖りを掠めた瞬間、「あぁっ」と一段高い声を上げてしまった。
こんな声……恥ずかしい。自分でも聞いたことがないのに、指先が同じ場所を何度も掠めるから抑えられない。
声が溢れるのはキスを続けているせいだと思い顔を背けると、ブラッドの舌はアクアの首筋に移動した。
「まって、あ。ひゃあっ!くすぐった……」
「可愛い声をもっと聴かせてくれ」
口を閉じたいのに首筋に何度も舌を這わされ、悶えているあいだに乳首を摘まれる。そこはいつの間にか硬くツンと立っていて、寝巻きの上からでも場所を主張しているみたいだ。
「ぁあん!も、だめ……ん~っ。だ、だんなさまぁっ」
「んー?」
ついには首筋の擽ったさも気持ちよさに変換され、アクアはなんとか快感を逃がそうと背筋を反らしたり丸めたりしてみるが上手くいかない。
乳首をくりくりと転がされたり、爪の先で先端を掻くように刺激されると、強すぎる感覚にアクアは涙目になった。ヒートのときだって胸には触らないのに、こんなのおかしい。
そう伝えるとブラッドは「素質があるな」と嬉しそうに呟いて、アクアのパジャマを脱がせた。
「ほら。赤くなってかーわいいなぁ」
「ひぅ……旦那さまのせいだもん……」
「あぁ、私のせいだね。責任を取らないと」
自分の乳首なんて普段は肌色に隠れて気にするほどの場所ではなかったのに、いまは見たこともないほど赤くなっている。
責任の内容がわからなくてキョトンとしていると、ブラッドはそこに顔を寄せ、アクアに見せつけるようにベロリと舐めた。
「あぁん!」
パチンッと風船が弾けるように、視界が白んで一瞬意識が飛ぶ。小さく達したような感覚があったけど、快楽は天井知らずで全然収まらない。
ぬめる舌は布越しに指で触られるより優しいはずだったが、蕩けるような心地と爆発しそうな快感を一緒くたに運んできた。
気づけば下履きの紐を解かれてアクアは丸裸にされている。部屋は温かくしているとはいえ、冬場だ。しかしアクアの肌は汗ばんで、外気が涼しいとさえ感じていた。
まだ触っていないのに、ペニスがはち切れそうに膨らんでいる。思わず自分の手をそこに伸ばそうとすると、ブラッドの手がそれを妨げた。
「旦那さま……?さわりたい」
「先に達するとつらいだろう。準備してあげるから、こっちを触ってくれるか?」
「?――あっ!」
なにがつらいのか理解できなかったものの、ブラッドに手を促された先には服越しにも熱く、硬い……旦那さまのペニスがあった。
アクアは抱き起こされブラッドの腰をまたぐように正面から座らされたが、その間も興味津々で彼の中心を撫でていた。作戦中にターゲットの陰茎が勃っているのを見たことはあったと思うけど、興味がなさすぎて記憶にない。
190
お気に入りに追加
344
あなたにおすすめの小説
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
【短編】旦那様、2年後に消えますので、その日まで恩返しをさせてください
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「二年後には消えますので、ベネディック様。どうかその日まで、いつかの恩返しをさせてください」
「恩? 私と君は初対面だったはず」
「そうかもしれませんが、そうではないのかもしれません」
「意味がわからない──が、これでアルフの、弟の奇病も治るのならいいだろう」
奇病を癒すため魔法都市、最後の薬師フェリーネはベネディック・バルテルスと契約結婚を持ちかける。
彼女の目的は遺産目当てや、玉の輿ではなく──?
優しく暖かなその声は(幽閉王子は最強皇子に包まれる・番外編)
皇洵璃音
BL
「幽閉王子は最強皇子に包まれる」の番外編。レイナード皇子視点。ある日病気で倒れたレイナードは、愛しいアレクセイに優しくされながら傍にいてほしいとお願いしてみると……?
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
ふしだらオメガ王子の嫁入り
金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか?
お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる