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第5話 *
しおりを挟む「…すまん…」
首元に埋めたまま2人で息を整えていたが、先に整った木元は顔を上げて俯いた。
いまだ整わない呼吸で思うように返答も出来なかった
怒ってると勘違いしたのか慌てるように木元はまだ挿れていたままのモノを抜こうとした。
それが嫌で足で阻止する
「ええて…まだ抜かんで…」
それが精一杯だった。
怖いほど静かな寝室には俺の乱れた呼吸だけが響き、焦らされる。
「風呂、入る?…一緒に…」
ぽつり、と小さくそういう木元の表情はへの字に眉を曲げ、それでいて顔は上気していた。
「何をそんなに申し訳ないと思うてるの?」
だいぶ整ってきて呼吸が楽になったタイミングで言いたかったことを言った。
風呂への返答はまだしていない。
「…シーツもよっさんも…びしゃびしゃにしてもうたし、中に、出して…しもうた…」
そういうと再度首元に顔を埋めた。
茶髪の髪がくすぐったく頬を掠めた
迷ったが、手のひらで頭をくしゃりと撫でる
「ええよ。俺がそうしてって言ったんやし、申し訳なく思う事ちゃうで。あと」
「あと?」
すぃ、と再度時計を見やる
「嬉しかったから、ええねん。もう」
今、時計の針はあの時から1時間進んだ場所に居るらしい
久しぶりに誰かとした。
本当に久しぶりに誰かに抱かれたこの温かさを今は離したいとは思えなかった
「嬉しかった?ほんま?」
いつもよりも小さな囁くような声、それでいていたずらっぽく跳ねるような言葉
俺に言われても嬉しかったんだな、と分かる
「嬉しかった。今は幸せや」
「まるで僕の事好きみたいな言い方する」
好き、とは言えなかった。
「…風呂入る」
「あ、すまん。抜くな」
ずるりと抜け、暖かい液体が溢れ出すのが分かる
「ティッシュ取ってもろてもええ?」
「あっ!…すまん」
バタバタとサイドテーブルまで四足歩行を行い、ティッシュボックスごと手に取ると戻ってくる
受け取るために手を伸ばしたが、渡されなかった。
「僕のやった事やから、僕に拭かせてや」
「あ、ちゃうねん、女の子とちゃうから中の掻き出さないとあかんねん」
また風呂でするんだけど。
「あ、そうよな。…見ててもええ?やり方、覚えたい」
「えっ見んの」
「あかん?」
いや、あかんくないけど。
なんだろう、恥ずかしい
「先風呂はいっててもええんやで?」
「いや、一緒に風呂場行く。今はお勉強する」
ほうですか…
2枚ティッシュボックスからティッシュを引き出し1枚は後ろへ当てがい、1枚は顔に飛んだ自らの潮を拭き取る
それを見た木元はティッシュを何枚か取り俺の胸からお腹を拭いてくれた。
「すまん、ありがとう」
「よっさん、凄くえっちやったんやな」
「うるさい」
ニコニコと笑い丁寧に拭いてくれる。
拭き終わったタイミングで先程使ったローションを手に取り指を濡らす。
オナニー見られてるような気分だ、と思いながら後ろへ指を滑らせた。
チラリと木元を見やればじっと指先を見ていた。
つぷ、と2本指をいれ掻き出すように抜き差しする。
見られているというのが頭にあるせいか、それが興奮材料となってしまっているようでくたりと頭を垂れていたモノがまた次第に頭を上げ始めてしまう。
普段から声を抑えてやっていれば良かったのになんて後悔は後にも先にもこれだけだろう
自然と声が溢れ出る。
自然と自分のいい所へ指をもっていってしまう。
「よっさん、気持ちええの?」
「んっ…気持ちええ…」
完全に硬くなってしまったモノを右手で包み込む
擦すろうと一瞬してしまったが、思い当たり止めた
「僕に見られて興奮してしまったんか?」
「こう、ふんした…っ…」
ニタリと口角を上げた木元を見てさらに羞恥と一緒に心拍が上がる。
卑猥な水音と淫らな自分の羞恥を木元に見られている。そう思うだけで頭が真っ白になった
「なぁこれはいつもどうやってつこうてるの?見せてや」
手元を見るとディルドがあった
木元に挿れてもらえないなら、今やそれが欲しくて堪らなかった。
「おしり、いれてほしい…」
指を抜きモノから手も離し、お尻を左右に広げると意地悪く笑った木元はそれを押し当てた。
「玩具の使い方見せてくれるん?」
「みせる、みせるから…いれて、おねがい…」
木元は静かに笑うと手に持っていたディルドをゆっくりといれてくれた。
「あっ、あっ」
先程まではいっていたホンモノとは違う偽物は冷たく広げていく
「いれたで。ここからよっさんはいつもどうやってしてるの?」
「ボタン、おすと…」
「これか」
言い終わる前に根元のボタンを押される
はいっている偽物は小刻みに揺れ始めた
「あぁあっ!」
「バイブが好きなんやな、よっさん。変態や」
木元の言葉でさらに駆り立てられ激しく抜き差しを行う。
木元の手元は自身のモノを擦っているようだった。
1人でしていた時、1回だけ妄想した構図が目の前にあった。
挿れて欲しいなんて言うのが勿体なくて、目に焼きつけるように見つめた
「僕のオナニーオカズにしてんのん?ええよ、見て。今、よっさんのえっちな姿で僕もしてるんやで」
「う、ん…っ」
腰元に居た木元は擦ったまま俺の胸近くまで寄ってくれた。
さっきまで入っていた、それだけで嬉しくなる
「よっさん胸いじられるんは好き?」
「あかん…胸は、あかん…っ」
「好きなんやな」
かぷりと口に含まれ、優しく歯を立てられる
「あぁっ!いやっあかん…!」
舌で舐め上げられまた歯を立てられた。
自然と抜き差ししていた偽物を奥まで押し込む
せせりあがってくる射精感、奥が疼く。
「い、ちゃう…っ」
「僕も…」
熱い吐息が胸の突起を掠めた快感で体が跳ねる。
キュッと後ろが締まり振動がいい所へ
触ってもいないで果てたモノは透明になった液体をトロリと吐き出した。
掠れた悲鳴を小さく零した
「よっさん、こっち見て」
余裕の無さそうな声の主を見やれば、音がなりそうな程目線が絡んだ
眉間に皺を寄せ唇を噛んでいた木元が近づき、キスをした。
舌が割り込み、俺の舌と絡む。
木元の頭を力強く撫でれば、一瞬うめき声をあげて俺の胸の上へ吐き出した。
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