【完】オメガ騎士は運命の番に愛される《義弟の濃厚マーキングでアルファ偽装中》

市川パナ

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IFエロ

IF:完結後の運命の番ヤンデレモード展開⑤

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 ベッドにどさりと押し倒されて、万感をこめた声で告げられる。

「愛している」
「……はい」
「君は? 愛しているのならそう言葉にしてほしい」
「……愛しています。ユリウス隊長」
 
 隊長は至福の笑みで瞳をとろけさせた。
 服を肌蹴られ、乳首に吸い付かれる。

「ぁっ……、っ……!」
「ずっと側にいると言え」
「んっ、側に……いますっ……!」

 満足した様子でで、窄まりへ触れてくる。
 指を射しこまれると、中に出された精液が漏れてしまって身体が震えた。
 ユリウス隊長は待ちきれないというように服を寛げ、昂った物で俺の体を貫いた。

「ッ、……く」
「絡みついてくる……。求めているのだな」

 ユリウス隊長が確かめるように言って、俺はそれに頷いた。

「君が本心で求めているのは、私だ」
「は、いっ……!」

 聞きながら、もう流されてしまったほうが良い気がしていた。
 自分の心のためにも、ジョシュアの命のためにも、ユリウス隊長のためにも。
 俺がユリウス隊長を愛すれば、全部が丸く収まる。
 揺さぶられながら、俺はユリウス隊長の首筋にしがみついた。

「あの男が目覚めたら、何と言えばいいかわかっているな?」
「あぁっ……! ん、んっ……?」
「私を愛しているから、番契約を解除してほしいと伝えるんだ。いいな?」

 胸が苦しかったけれど、そうするしかない。
 確認するように抽挿を止められて、俺はこくこくと頷いた。
 俺は隊長を愛している。いまの番は解除してほしい、と自己暗示をかける。

「ンああぁッ……!!」

 ごちゅっ、と奥へ穿たれて、背中が弓なりにのけ反った。
 子種が注がれていく。
 頭の隅ではジョシュアの姿が蘇ったけれど、運命の番の子種を託された喜びがつらさを掻き消していってくれる。
 そうして、何時間経っただろうか。

「ぉっ……、ぉっ……」

 交接は続いており、俺はビクビクと震え続けていた。
 ベッドは潮でぐしゃぐしゃだ。
 もう潮も精液も出なくなり、尿道口はクパクパと無意味に開閉していたが、ユリウス隊長の手で玩弄されてトロリとわずかばかりの精液をこぼした。

 そのとき、ドアがキィと微かな音を立てた。

「…………ロイス、さん」

 ジョシュアの声が聞こえる。

「ロイス、さあ。何というんだ?」

 挿入されたまま隊長のヒザの上に乗せられ、俺はジョシュアと対面した。
 霞んだ頭の中、何と言うんだったかと考える。
 それより、ジョシュアの腫れた顔が気になった。今すぐに駆け寄って手当てしたい。

「じょしゅ、…………?」

 すると、喉元に四本の指がナイフのように添えられた。
 ジョシュアの顔が強張る。
 俺はもしかして、人質にされているのだろうか。

 そして脅しではなく。ユリウス隊長は本気なのだと思った。
 俺が手に入らなければ本気で殺す気なのだ。そして、自分も後を追う。

 喪失感は唐突に訪れた。
 体を占めていたつながりがごっそりと抜けていく。半身を失ったようだった。全身が虚脱して、体温が一気に冷えていく。目の奥から涙がこぼれてくる。ジョシュアが契約を解除したのだ。
 その直後だった。うなじに歯を立てられ、冷えた体に熱を込めるように抱き締められた。

「ッ――!! ァッ……!! ひッ、ひィ……!!」

 新しい番契約が結ばれた。電流が走って、許容量を上回っていく。
 激しくのたうつ体を、ユリウス隊長が抱き締めてくる。
 番契約すれば本能を縛る。縛られる喜びによって、行き場をなくしていた心が満たされていく。
 ジョシュアの絶望した顔が視界に入ったが、すぐに瞳が上瞼へぐるんと向いて見えなくなった。

 ――俺の新しい番は、契約解除なんて絶対にしない。
 もし俺が死の危機にあっても、他のアルファに奪われるくらいなら死を選ぶ。
 死が俺たちを分かつまで、俺だけを愛し抜く。

 絶望と喜びが交差して、何度も何度も絶頂していた。
 そして、バツン、と意識が途絶えた。









 庭先では春の花が開花している。
 リビングのソファで読書をしていると、となりに座っていたユリウス隊長が呟いた。

「監禁したいな……」
「だめですよ」

 ふふ、と笑いながら答える。
 騎士の仕事は止めたのだから、それで満足してほしい。
 本音を言えばもう少し続けたかったけれど、「他の男を見ていたか?」と毎晩ベッドで激しく責められるので、体が持ちそうになくて止めた。

 たびたび訪問しに来るジョシュアやミカエルから重い眼差しを向けられるけれど、俺は案外幸せだなと感じている。
 憧れの騎士のそばにいると、騎士になりたいのではなく、騎士を支える存在になりたいと思えた。

 それにもう二度と解除の喪失感を味わいたくない。
 解除されるくらいなら、いっそ死んでしまったほうがいい。
 ジョシュアは独り立ちしているし、ひとりでだいじょうぶ。

 周囲の人々には、「ユリウス隊長にピッチングされてオメガになった」と伝えた。
 予想を上回って俺はすでに優秀なアルファとして認められていたらしく、ユリウス隊長は優秀なアルファをピッチングしたアルファとして、大いに敬服されることになった。
 役に立ててすごく嬉しい。









おわり



*****
ヤンデレモードでした……!
リクエストありがとうございました……!
頸動脈は爪で切れるらしいです!


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