【完】オメガ騎士は運命の番に愛される《義弟の濃厚マーキングでアルファ偽装中》

市川パナ

文字の大きさ
上 下
81 / 86
IFエロ

IF:完結後の運命の番ヤンデレモード展開③

しおりを挟む
 ぐるりと大きく弧を描かれ、途中で気持ちのいい場所を押し潰されて背中がのけぞった。

「ここをあの男にも責められたのか?」
「ぁ、ぁッ……!! く、ぅぅぅ……ッ!!」

 トントンと気持ちのいい場所をノックされて、頭は一気に白く染まっていく。
 だめだ、と思っても抗えない。
 ユリウス隊長は微笑みながらも、少し嘆かわしそうに言う。

「問うまでもないな。開発されきった体だ……」
「やッ、あ、あぁ……ッ!! やめ、てッ!!」
「ここは苦手か?」

 ぐり、と押し潰され、たまらず腰が跳ね上がった。

「――――ァッ!! ッ、ッ……!!」

 快楽が脳内を犯しており、体が言うことを聞かない。
 息を吸えばユリウス隊長のシトラスの匂いがして、脳髄まで浸食されていく。

「これから少しずつ快感に従順にしてあげよう。あの男の痕跡は全て消し去ろう」
「ぁ……」

 指が抜けると、隊長が俺の足を大きく広げた。
 ぼやけた視線の先にあるのは、鬱血して勃ちあがった男根だ。
 わずかな理性で逃げようとしたけれど、それも膝をひっくり返されて無駄に終わった。
 ゆっくりと穴へ宛てがわれる。

「っいや……」
「覚えろ。これが君の”本当の番”の形だ」

 ぐぬぬ、と拡げられ、俺は息を詰めて顔を逸らした。
 歓喜と絶望が交互に湧きおこっている。
 馴染むのをわずかばかり待った後、揺さぶられて、感情は一気に歓喜へと傾いていった。

「あっ!! くぅッ、ン……、あぁっ……!!」

 ばちゅんばちゅんと肌を打つ音が響き、接合部からは強烈な快感が溢れてくる。
 ふと見上げれば、食い入るような眼差しがそこにあった。
 きゅん、と淫肉が轟いて、隊長のものを締めつける。

「は、んンンッ……!?」

 ジョシュアじゃないのに、体は悦んで受け入れてしまう。

「ゆ、ゆるしっ、てッ……!! ゆるしてッ……!!」
「――ッ、赦そう。これまでの全てを……!!」
「ちがっ、ッ、ぁぁッ……!!」

 抽挿が早まって、何を赦して欲しいのかもわからない。
 目の奥が熱くなってくる。

「ジョシュアッ……!! ジョシュ、ッ……!!」
「――ッ」

 がつんと奥をえぐられた瞬間、ジョシュアの姿を脳裏に想い描きながら絶頂した。
 ガクガクと四肢が震える。ユリウス隊長が中に放つ感覚があり、絶望と歓喜が湧きおこり、つうっと涙が頬を伝った。
 ユリウス隊長が低い声音で言う。

「…………まさか、あの男を本気で愛しているとでも?」

 そうだ。俺はどうにか頷いた。

「ジョシュアが、好きっ……」

 こんな心と体が分離した状況が苦しかった。
 嗚咽まじりで言うと、隊長が男根を抜いていく。
 後孔からゴポリと精液がこぼれ出し、犯されたのだと理解して涙は止まらない。
 だから、次に聞こえた言葉の理解に遅れた。

「――わかった」
「…………え?」

 ユリウス隊長は一転して、まるで慈愛の天使のような微笑を浮かべた。

「君が本当に彼を愛しているというのなら、その君も受け入れよう」
「…………?」

 何だか嫌な予感がする。けれど、解放してくれるというのなら、帰りたい。 
 悪寒で鳥肌が立っているが、それを無視して、渡された服に着替えた。

 部屋を出ると、そこはホテルだった。
 辻馬車に乗って、住み慣れた我が家へユリウス隊長と一緒に夜道を進む。
 玄関ホールの扉を開けば、屋敷はがらんとしていた。

「ジョ、ジョシュア……?」

 ジョシュアは家にいるのだろうか。
 呼びかけるが返事はない。




つづく
しおりを挟む
※第11回BL大賞に参加中です! 投票して貰えると励みになります!!アプリの方は一覧ページに戻って頂きますと、あらすじの下に投票ボタンがあります。ウェブの方も同様ですが、各ページのタイトル上にも投票ボタンがありますので、そちらをポチっとできます。投票以外でも、感想コメントやエール機能で応援して頂くことも、大変励みになります。応援してくださる温かいお気持ちが創作意欲になりますので、どうぞよろしくお願い致します。
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!

古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます! 7/15よりレンタル切り替えとなります。 紙書籍版もよろしくお願いします! 妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。 成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた! これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。 「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」 「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」 「んもおおおっ!」 どうなる、俺の一人暮らし! いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど! ※読み直しナッシング書き溜め。 ※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。  

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

【完結】運命の番に逃げられたアルファと、身代わりベータの結婚

貴宮 あすか
BL
ベータの新は、オメガである兄、律の身代わりとなって結婚した。 相手は優れた経営手腕で新たちの両親に見込まれた、アルファの木南直樹だった。 しかし、直樹は自分の運命の番である律が、他のアルファと駆け落ちするのを手助けした新を、律の身代わりにすると言って組み敷き、何もかも初めての新を律の名前を呼びながら抱いた。それでも新は幸せだった。新にとって木南直樹は少年の頃に初めての恋をした相手だったから。 アルファ×ベータの身代わり結婚ものです。

キンモクセイは夏の記憶とともに

広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。 小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。 田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。 そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。 純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。 しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。 「俺になんてもったいない!」 素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。 性描写のある話は【※】をつけていきます。

この噛み痕は、無効。

ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋 α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。 いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。 千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。 そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。 その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。 「やっと見つけた」 男は誰もが見惚れる顔でそう言った。

消えない思い

樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。 高校3年生 矢野浩二 α 高校3年生 佐々木裕也 α 高校1年生 赤城要 Ω 赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。 自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。 そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。 でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。 彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。 そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜

ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。 そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。 幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。 もう二度と同じ轍は踏まない。 そう決心したアリスの戦いが始まる。

処理中です...