【完】オメガ騎士は運命の番に愛される《義弟の濃厚マーキングでアルファ偽装中》

市川パナ

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本編

最愛の番 4

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「ぁっ……」
「安心して、馴染むまで待つから……」

 ひ、ひ、と息が引きつる。
 弟はゆっくりと俺を抱きしめると、髪を撫でてきた。

「受け入れてくれてありがとう……」
「ぁっ……ん、ンンっ……」

 愛おしそうな声を聞くと胸がいっぱいになってしまって、ひとつになっている幸福に感じ入った。
 結合部は甘く蠢いていて、じんわりと蕩けるような快感がつづいている。

「ジョシュッ……ア……っ」
「――ロイス」

 名前を呼ばれて、腰からぞくんと快感が駆け上り、全身に鳥肌が立った。
 ジョシュアは俺の顔を覗き込みながら言う。

「夢みたいだ……。ずっとこうしたかった」
「うん……っ」
「愛してる……」

 たまらず内部のものをぎゅうと締めつけてしまい、反動で快感が溢れてきて腰が震えた。
 弟がく、と苦しそうに息を漏らす。

「ッ動くね……いい?」
「うんっ、うん……っ」
「ん……!」

 妊娠しないように避妊薬は飲んでいる。子供は孕めないけれど、番の契約のために精を注いでもらう必要がある。そしてそれだけでなく、俺の体でジョシュアにも感じてほしい。
 ジョシュアが腰を上下に揺すって、絡めていた両腕にこもる力が強くなる。

「んッ、……あぁっ!」
「……兄さんっ、」

 ゆっくりと律動しながら兄と呼ばれる。素が出てしまったようで可愛いと思ったり、兄弟でしてしまったと思ったり、思考がおぼろげに浮かんでは消えていく。
 ばちゅばちゅと律動が早まり、淡い理性も全部真っ白に染まっていく。

「兄さん……ッ!」
「あぁっ! ッ……あぁっ……!! んくっ、ぅ……!!」
「ロイス、ッ……!!」

 どのジョシュアもすべてが愛おしい。
 覚えたての内部の快感も押しあがってきて、全身が煮崩れていくようだった。
 弟が唇を求めてきて、粘膜の全てで互いを求めて味わっていく。

「出すよ……!!」
「ぁッ……」

 ごちゅっと奥を一際深くえぐられた直後だった。
 内壁に熱い飛沫が叩きつけられているのを感じる。ジョシュアが俺の奥に精を注いでいる。
 瞼の裏に火花が弾けて、俺は足の指を丸めて大きくガクガクと痙攣した。
 喜ぶようにぎゅうぎゅうと男根を搾り取っていく。

「兄さん……」

 ピクピクと震えていると先に落ち着いたジョシュアがキスの雨を落としてきた。
 たまらなく幸せで、もっととねだるように内部の男根を締めつけるけれど、ズルズルと陰茎を抜かれて、「ぁぁ、」と喪失感で切ない声が漏れていた。

「それじゃあ項を噛むから、後ろを向いてくれる?」
「っ……う、ん」

 ジョシュアは冷静だった。そうだ、行為をすれば番が結べるのだ。
 フラフラとしながらもベッドに座ると、汗ばんだうなじを確かめるように撫でられる。

「噛むね」
「……うん」
「……入れながら噛もうか?」
「………………うん」

 小さな寂しさに気付かれてしまって、俺は赤面しながら俯いた。
 性には奥手だと思っていたけれど、繋がっていたときの幸せの中で番になりたいと思ったのだ。
 ジョシュアはくす、と笑う。はしたないと思われただろうか。

「四つん這いになってくれる?」
「う、うん」

 自分で望んでおきながら、丸見えで後ろが見えない状態が恥ずかしい。
 腰を掴まれるとぐぬぬぬと硬い男根が入ってきて、背中が震えた。

「ぁ……、ふぅ」

 そのまま上半身を引き寄せられ、後ろ向きで座位をしている状態になる。いつでも噛める体制だ。

「……ロイス」
「ん……?」
「最後にもう一度だけ聞くね。番になったら僕は二度と解除する気はない。それでも噛んでいい?」
「――うん」

 俺は微笑んで頷いた。
 二度と離さないでほしい。

「ジョシュアに噛んでほしい」

 ジョシュアは頷いて、首元に手を当てる。
 ぐっと力強く項の皮膚に歯が食い込んできた。
 神経に直接触られるような、電流のような快感が走った。脳が焦がされいく。別の何かになるような感覚。

「ッ……ッ……!?」

 番の契約はできただろうか。念を入れるようにジョシュアは離さない。
 内部の勃起したものを締めつけてしまって、俺は精液を垂れ流しながら何度も何度も絶頂を極めていた。

「ぉッ……ッ……? ッ? ッ……?」

 両手足がバタバタと震えて制御できない。
 ジョシュアは気付いているはずなのに、きつく抱きしめて歯を立てつづけている。
 快楽で視界がスパークしていて、もう前後左右もわからなくなっていた。
 俺の陰茎からは何かの液がさらに噴き出していく。
 
「ッ……ッ……!?」

 しばらくしても歯はまだ食いこんでおり、視界がだんだん瞼を剥いていく。
 息ができない。このままだと意識が飛ぶ、と思った瞬間、うなじから歯が離れた。

「ぁッ……ぁッ……!?」
「マーキングできたみたいだね。フェロモンが出ていないからできるか心配だったんだ……。ごめんね、痛かったよね」
「ッ……ぁッ……」

 余韻でガクガクと震えながら、俺はどうにか”だいじょうぶ”と伝えたくて頷いた。
 ぎゅうぎゅうと男根を締めつけてしまっており、またひとりで淡く達する。
 ジョシュアが目を細めて腰を揺すった。

「優しいな、兄さんは」
「んぁッ……?」
「動いていい?」
「ッ……」

 待ってほしかったけれど、結合部は喜ぶように収縮してしまい、ジョシュアは「ありがとう」と嬉しそうに微笑んだ。




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