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本編
最愛の番 3
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屋敷に帰った頃には深夜になっていた。
シャワーを先に浴びて、バスローブ姿でひとり所在なく寝室のベッドに腰を下ろす。
鼓動がドク、ドクと強まっていた。
――番になるなら、早いほうがいい。
憲兵に発情した姿を見られた以上、弱みになる部分は消さないといけない。
そのため今から番契約をすることになった。番契約には精を体内に注いでもらう必要がある。
番になったまましばらくアルファとして振舞って、俺は計画通りに理想のアルファを目指し、ピッチングしたことにする。
「……兄さん」
弟もシャワーを浴びてバスローブ姿で現れた。鼓動がバクバクと跳ね上がっていく。
そういえば、呼び方が”兄さん”のままだけれど、ロイスと呼んでほしいともう一度言ってみていいだろうか。格好悪いだろうか……。後悔したくないと思う。
「あの、呼び方……」
「うん、まだ慣れなくて……」
「そ、そうだな……」
名前で呼ばれるのは慣れないし、兄さんのほうがしっくりくるのも確かだ。
「――ロイス、さん」
「え」
しかし不意に呼ばれて足元に片膝をつかれ、俺は仰天した。
「僕は、運命の番ではないけれど――。ロイスさんを世界中の誰よりも愛している。どのアルファよりも優秀であると証明してみせる」
「……!」
プロポーズだ。
弟は美しい紫の瞳で俺を射抜いた。
「あなたを幸せにする栄誉を、僕に下さい」
「…………」
まだまだ色んな不安は残っている。家督の相続は重責じゃないだろうか、証明しようと無理しなくてもいい、一緒にいてくれたらそれで十分だ……。
けれど『栄誉』という言葉で迷いの霧は晴れていく。
片膝をついた姿勢は、王族に忠誠を誓う騎士のようだった。
「――全部あげるよ。ジョシュア」
騎士としての誇りも、オメガとしての身も、ジョシュアになら全て持って行ってほしい。
ジョシュアは俺の手を取ると、指先に誓いのキスをしてくれた。
「……っ」
すぐに立ち上がって、今度はお互い待ちきれずに唇を求めていた。
もう、弟じゃなくなる。これからは番になるのだ。
舌が熱く絡まって気持ちいい。上あごをたどられると腰の力が抜けてしまって、ベッドへとなだれ込んでいた。
ジョシュアはまだまだ足りないというように口内を貪ってくる。
バスローブに手が割り入ってくると、刺激で体がぴくんと跳ねた。
「っ……」
「ロイスさん、ずっとこうしたかった……」
「お、俺も……ッ」
恥ずかしいけれど、後悔しないように全力で伝える。
ジョシュアは俺のバスローブを肌蹴させ、まるで体のひとつひとつを確かめるような手つきで丁寧に撫でてきた。
「ぁっ……」
「首筋が弱いんだね、皮膚がうすいからかな?」
「んっ……ふ、」
「耳も気持ちいい? これまでのマーキングのときも感じてたのかな」
「そ、んなっ……っ」
図星だったけれど、羞恥で咄嗟に首を逸らす。
指は乳首へと到達してきて、俺はノドをのけぞらせた。
「は、ぁ……っ」
コリコリとこねたり押したりされ、いよいよ色事めいた行為と痺れるような快感に頭が茹って飽和していく。
「ロイスさん……。可愛い」
「ぇっ……?」
「もっと感じて……」
ジョシュアは言いながらぎゅっと乳の粒を摘まんできて、切ない快感が腰へ駆け巡った。
「ぁッ……、ふっ」
「もしかして、ちょっと強引な方が好き?」
「ンンッ……!」
ピンピンと弾かれて、ノドがぐッと大きくのけぞる。
「ひッ、ジョシュっ……!」
「気持ちよかったら、イイって言って……」
「ぁ……っ、んっ、い……、イイッ……ッ」
頭でパチパチと小さな火花が弾けている。
素直にイイと言ってしまうと相乗効果のように快感も強くなってしまって、体の熱も一気に上がっていた。
股間で張り詰めたものがツキツキと痛みを持ってきて、触ってほしい、と思った瞬間だった。
「んあッ!?」
握られた感触があって目を落とせば、ジョシュアが屹立をくわえようとしている。
「ジョ、ジョシュッ……ッ」
可愛い弟にこんなことをさせるわけにはいかない――。
「んぅうッ、はん……っ、!!」
必死で抵抗するけれど、次の瞬間、温かい粘膜に包まれて全身がビクビクと跳ね上がった。
快感を堪えようとするけれど、舌で先端を愛撫し、さらに大きく咥内に含んで吸引される。
急速に刺激が強まってきて、陰嚢がせりあがってくる。
しかしだめだ、弟の口に出してしまう。首を左右にふって快感をふりはらうけれど、陰茎への吸引は止まらない。
ついに限界が弾けて、尿道を液体が走っていった。
――弟の口の中に、放っている。
なんてことを、と衝撃と余韻で震えていると、ようやく口が離れていった。
安堵した直後だった。ゴクンと飲み込む音が聞こえてきた。
「ぇ……?」
見れば、ジョシュアが満足げな微笑を浮かべている。
「な、な……? いや、うが……うがいを……」
「すごく美味しかったよ、もっと飲みたいな」
美味しいはずがない。しかし柔和に微笑んで、飢えた獣のような眼光をしている。
そのまま射精して敏感になった性器を軽くくすぐられ、俺は「ひっ」と身もだえた。
そして後孔に指を差し入れてられ、なすすべもなく動けなくなっていた。
「ぁ、ぁっ……!?」
「すっかりほぐれてるね。ユリウス隊長に発情したときもこんな風にしてたのかな、灼けちゃうな」
「んッ、あぁっ……」
他のアルファに発情してしまって、赦して、というようにきゅうきゅうと媚びてしまう。
弟はチュクチュクと指を前後してきて、その刺激のたびに跳ねていた。
指一本だけで腰が支配されているようだ。
さらに腹側の部分をこねられたとき、腰の奥からうねるような快楽が湧き上がってきた。
「はッ……ぁぁっ……!?」
「ここ、膨らんでるね。触ってほしいって言ってるみたいで可愛いね……」
トントンとノックされて、ビクンビクンと跳ね上がる。
不安で必死に手を伸ばせば、ジョシュアが抱き締めてくれてバニラの匂いが漂った。
「は――ッ、ッ!」
たちまちぎゅうと指を締めつけてしまい、同時に気持ちのいい箇所を揺すられて、ジョシュアの体に足を絡めながら法悦する。
「ッ……、ッ……!」
視界は真っ白で、頭の中も何も考えられなかった。
「上手にイケたね」
頭を撫でられて、ようやく射精せずに達したのだと気付いた。
指を抜かれると寂しさに駆られてしまって、クパクパと窄まりが開閉する。余韻で全身が淡く痺れており、いまは何も考えられない。
ふと衣擦れの音がして目を向ければ、大きな怒張を取り出しているところが視界に飛び込んだ。
形は美しいのにカリが張り出ていて、ところどころ血管も浮き上がり、ビクビクと別の生き物のように震えている。目が離せない。弟が幼い頃に一緒にお風呂に入ったこともあったけれど、まるで別物だ。
「入れていい?」
「う、うん……」
ゴクリと生唾を飲み込んでいた。
「ロイスさん。息を吐いて」
「ぁ……、」
照準を合わせてきて、入口がぴっとりと合わさる。
期待と恐怖の中で、俺は息をふーっと吐き出した。
直後、内臓をメリメリと拡張しながらそれはゆっくりと押し入ってきた。
「ぐッ……、ッ!?」
気遣ってくれているようだけれど、それでもサイズが大きい。しかしぬかるんだ内部は男根を受け入れていく。
ぐ、ぐ、と押し開かれ、体内の形が変わっていく感覚に震える。
挿入が止まって奥にコツンと当たった瞬間、全て受け入れたのだと感じ、頭の奥が奇妙な多幸感で蕩けた。
シャワーを先に浴びて、バスローブ姿でひとり所在なく寝室のベッドに腰を下ろす。
鼓動がドク、ドクと強まっていた。
――番になるなら、早いほうがいい。
憲兵に発情した姿を見られた以上、弱みになる部分は消さないといけない。
そのため今から番契約をすることになった。番契約には精を体内に注いでもらう必要がある。
番になったまましばらくアルファとして振舞って、俺は計画通りに理想のアルファを目指し、ピッチングしたことにする。
「……兄さん」
弟もシャワーを浴びてバスローブ姿で現れた。鼓動がバクバクと跳ね上がっていく。
そういえば、呼び方が”兄さん”のままだけれど、ロイスと呼んでほしいともう一度言ってみていいだろうか。格好悪いだろうか……。後悔したくないと思う。
「あの、呼び方……」
「うん、まだ慣れなくて……」
「そ、そうだな……」
名前で呼ばれるのは慣れないし、兄さんのほうがしっくりくるのも確かだ。
「――ロイス、さん」
「え」
しかし不意に呼ばれて足元に片膝をつかれ、俺は仰天した。
「僕は、運命の番ではないけれど――。ロイスさんを世界中の誰よりも愛している。どのアルファよりも優秀であると証明してみせる」
「……!」
プロポーズだ。
弟は美しい紫の瞳で俺を射抜いた。
「あなたを幸せにする栄誉を、僕に下さい」
「…………」
まだまだ色んな不安は残っている。家督の相続は重責じゃないだろうか、証明しようと無理しなくてもいい、一緒にいてくれたらそれで十分だ……。
けれど『栄誉』という言葉で迷いの霧は晴れていく。
片膝をついた姿勢は、王族に忠誠を誓う騎士のようだった。
「――全部あげるよ。ジョシュア」
騎士としての誇りも、オメガとしての身も、ジョシュアになら全て持って行ってほしい。
ジョシュアは俺の手を取ると、指先に誓いのキスをしてくれた。
「……っ」
すぐに立ち上がって、今度はお互い待ちきれずに唇を求めていた。
もう、弟じゃなくなる。これからは番になるのだ。
舌が熱く絡まって気持ちいい。上あごをたどられると腰の力が抜けてしまって、ベッドへとなだれ込んでいた。
ジョシュアはまだまだ足りないというように口内を貪ってくる。
バスローブに手が割り入ってくると、刺激で体がぴくんと跳ねた。
「っ……」
「ロイスさん、ずっとこうしたかった……」
「お、俺も……ッ」
恥ずかしいけれど、後悔しないように全力で伝える。
ジョシュアは俺のバスローブを肌蹴させ、まるで体のひとつひとつを確かめるような手つきで丁寧に撫でてきた。
「ぁっ……」
「首筋が弱いんだね、皮膚がうすいからかな?」
「んっ……ふ、」
「耳も気持ちいい? これまでのマーキングのときも感じてたのかな」
「そ、んなっ……っ」
図星だったけれど、羞恥で咄嗟に首を逸らす。
指は乳首へと到達してきて、俺はノドをのけぞらせた。
「は、ぁ……っ」
コリコリとこねたり押したりされ、いよいよ色事めいた行為と痺れるような快感に頭が茹って飽和していく。
「ロイスさん……。可愛い」
「ぇっ……?」
「もっと感じて……」
ジョシュアは言いながらぎゅっと乳の粒を摘まんできて、切ない快感が腰へ駆け巡った。
「ぁッ……、ふっ」
「もしかして、ちょっと強引な方が好き?」
「ンンッ……!」
ピンピンと弾かれて、ノドがぐッと大きくのけぞる。
「ひッ、ジョシュっ……!」
「気持ちよかったら、イイって言って……」
「ぁ……っ、んっ、い……、イイッ……ッ」
頭でパチパチと小さな火花が弾けている。
素直にイイと言ってしまうと相乗効果のように快感も強くなってしまって、体の熱も一気に上がっていた。
股間で張り詰めたものがツキツキと痛みを持ってきて、触ってほしい、と思った瞬間だった。
「んあッ!?」
握られた感触があって目を落とせば、ジョシュアが屹立をくわえようとしている。
「ジョ、ジョシュッ……ッ」
可愛い弟にこんなことをさせるわけにはいかない――。
「んぅうッ、はん……っ、!!」
必死で抵抗するけれど、次の瞬間、温かい粘膜に包まれて全身がビクビクと跳ね上がった。
快感を堪えようとするけれど、舌で先端を愛撫し、さらに大きく咥内に含んで吸引される。
急速に刺激が強まってきて、陰嚢がせりあがってくる。
しかしだめだ、弟の口に出してしまう。首を左右にふって快感をふりはらうけれど、陰茎への吸引は止まらない。
ついに限界が弾けて、尿道を液体が走っていった。
――弟の口の中に、放っている。
なんてことを、と衝撃と余韻で震えていると、ようやく口が離れていった。
安堵した直後だった。ゴクンと飲み込む音が聞こえてきた。
「ぇ……?」
見れば、ジョシュアが満足げな微笑を浮かべている。
「な、な……? いや、うが……うがいを……」
「すごく美味しかったよ、もっと飲みたいな」
美味しいはずがない。しかし柔和に微笑んで、飢えた獣のような眼光をしている。
そのまま射精して敏感になった性器を軽くくすぐられ、俺は「ひっ」と身もだえた。
そして後孔に指を差し入れてられ、なすすべもなく動けなくなっていた。
「ぁ、ぁっ……!?」
「すっかりほぐれてるね。ユリウス隊長に発情したときもこんな風にしてたのかな、灼けちゃうな」
「んッ、あぁっ……」
他のアルファに発情してしまって、赦して、というようにきゅうきゅうと媚びてしまう。
弟はチュクチュクと指を前後してきて、その刺激のたびに跳ねていた。
指一本だけで腰が支配されているようだ。
さらに腹側の部分をこねられたとき、腰の奥からうねるような快楽が湧き上がってきた。
「はッ……ぁぁっ……!?」
「ここ、膨らんでるね。触ってほしいって言ってるみたいで可愛いね……」
トントンとノックされて、ビクンビクンと跳ね上がる。
不安で必死に手を伸ばせば、ジョシュアが抱き締めてくれてバニラの匂いが漂った。
「は――ッ、ッ!」
たちまちぎゅうと指を締めつけてしまい、同時に気持ちのいい箇所を揺すられて、ジョシュアの体に足を絡めながら法悦する。
「ッ……、ッ……!」
視界は真っ白で、頭の中も何も考えられなかった。
「上手にイケたね」
頭を撫でられて、ようやく射精せずに達したのだと気付いた。
指を抜かれると寂しさに駆られてしまって、クパクパと窄まりが開閉する。余韻で全身が淡く痺れており、いまは何も考えられない。
ふと衣擦れの音がして目を向ければ、大きな怒張を取り出しているところが視界に飛び込んだ。
形は美しいのにカリが張り出ていて、ところどころ血管も浮き上がり、ビクビクと別の生き物のように震えている。目が離せない。弟が幼い頃に一緒にお風呂に入ったこともあったけれど、まるで別物だ。
「入れていい?」
「う、うん……」
ゴクリと生唾を飲み込んでいた。
「ロイスさん。息を吐いて」
「ぁ……、」
照準を合わせてきて、入口がぴっとりと合わさる。
期待と恐怖の中で、俺は息をふーっと吐き出した。
直後、内臓をメリメリと拡張しながらそれはゆっくりと押し入ってきた。
「ぐッ……、ッ!?」
気遣ってくれているようだけれど、それでもサイズが大きい。しかしぬかるんだ内部は男根を受け入れていく。
ぐ、ぐ、と押し開かれ、体内の形が変わっていく感覚に震える。
挿入が止まって奥にコツンと当たった瞬間、全て受け入れたのだと感じ、頭の奥が奇妙な多幸感で蕩けた。
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