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本編
ムスクと甘い時間 4
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ミカエルの部屋に移動すると、大きなベッドが目に入った。
バタン、と扉が閉まる音が心なしか大きく聞こえる。
窓の外は少し薄暗くなっていた。
「ジョシュアとはいつもどうやってマーキングしてたの?」
「添い寝して――」
振り返るとミカエルが迷いなく服を脱いでおり、俺は思いきり動揺した。
そうだ、マーキングといえば本来、性的な行為をしながらやるものだった。
ミカエルは怪訝そうに眉を寄せる。
「ん、添い寝?」
「そ、そうだ。パジャマで!」
「は? ……抜き合いとかもしてなかったの?」
「しない! 最近は髪とかに軽くキスしたりしてたけど……それだけだ」
「……マジか。清いっつーか、なんつーか……。さすがロイスって感じだな」
「……兄弟だぞ。遊び人のお前と一緒にするな」
驚愕の顔をされ、自分は変なのかなと思えてくる。
ミカエルはしばらく唖然としていたけれど、そのあと何故か優しい微笑を浮かべた。
「じゃ、上だけ脱いでやろっか。早く家に帰りたいんだろ?」
「あ、うん……」
「地肌のほうが早く匂いがつくから、それで添い寝しよう」
「……俺も脱ぐのか?」
「何もしねーから」
何をするつもりだったんだろうと思いながら、俺はどきまぎしつつ頷いた。
上半身裸くらいなら問題ないはずだ。更衣室で散々見られているし、シャワー室の中を素っ裸で横切ることもあるのだ。
しかし上半身裸でベッドに寝そべるミカエルを見ると、いやらしく見えてしまって仕方ない。いや、意識してしまう俺が変なのか?
「その、下は脱がなくていいんだよな?」
「脱がしてやろうか?」
「いや、いい」
藪蛇だった。
おいで、というように腕を広げられて、おずおずとその中に入る。
「こうして見ると細っこいなぁ」
「……お前と比べるな」
「へいへい」
シーツにごろんと横にされ、次いで肌が擦りつけられる。
ばくばくと心臓が鳴っていたけれど、時計の音を聞くうちに力が抜けてきた。
「ミカエルは……面倒じゃないか……? こういうこと」
「面倒なわけない。ロイスにマーキングできて嬉しい。アルファってオメガにマーキングしたいっていう欲求があるし」
「へえ……?」
「お前がオメガだって分かった時もさ、俺がマーキング代われたらってずっと思ってた」
「……そうなのか」
「だから今すげー幸せな気分」
「でもミカエルは、他の人にもモテるだろうし……」
「ロイスの代わりはいねーもん」
「……物好きだな」
「そうか? ロイスもモテてると思うけど」
モテてなんていない、と思った。
「俺はずっと一人だっただろ」
「学生時代はそうだったけど。いまは他の奴らとも話してるじゃん」
「ミカエルが話しかけてくれて、やっとみんなと話ができるようになったんだ」
「へえ……、俺いいことした?」
「……うん」
体温が混ざり合って、ひとつになっているようだった。
ミカエルからは薄っすらとムスクとウッディの香りがする。大人びた匂いだ。
「ミカエルは人気者だったから……なんで話しかけてくるのかなって思ってた」
「そういや、最初の頃すっげー避けてたよな。あれなんで?」
「あれは……その、面白くないやつだって思われそうで……」
「え、そんな理由で避けられてたの、俺」
「ん、緊張して……」
「はは。もしかしたらきらわれてんのかなーって思ってた」
「そんなことない。話しかけてくれて嬉しかった……」
抱擁が強くなる。
肌がより密着して、幸福感を覚えていた。オメガにもマーキングされたい欲求があるのかもしれない。
「ミカエル……。欲求は満たせてるか?」
「ん?」
「マーキングしたいっていう……」
「ああ。すげー満たせてるよ」
「そうか、ならいい」
ほ、と息をつく。迷惑にならず、役に立てているのなら嬉しい。
そのときふと、布越しに下腹部に当たるものに気が付いた。指摘したほうがいいのだろうか、黙っておくべきものだろうか。
鼓動がどきどきしてきた。次第にさらに硬くなってゴリゴリと当たってくる。
「……ミ、ミカエル。ミカエル」
「ん……ごめん。生理反応」
「そ、うか」
「……ロイスも、ちょっと勃ってる?」
「え」
ふと見下ろせば、確かにきざしている。
「あ……せ、生理反応で」
「そっか。えっちな気分ってこと……?」
甘い声で聞かれる。
「えっ……そんなことは……!」
「せっかくだし、さわってやろうか?」
「え!? いやそんな、」
「お尻のほうがいじってほしい……?」
「ちがっ……!」
確かにじくじくと疼いている。けれどミカエルは親友だ。
「……だ、だめだろう」
「ん? なにがだめ……?」吐息が甘い。
「友達、だろう……」
「抜き合いっこくらいするだろ?」
「……ミカエルは、そういうことに慣れてるかもしれないけど」
学生時代はひっきりなしに恋人がいたミカエルだ。浮気しすぎて学校前で修羅場になっていたこともある。
ミカエルは俺の頭を撫でた。
「ん、そーだな。ロイスがいやならしない」
「……あ、りがとう」
「んー。いいよ」
「あの、……ミカエルはしたいのか?」
「……うん」
「……手、なら貸すけど」
「いいよ。いやなことさせたくないし」
「でも……それ、痛くないか?」
「ここまでくると痛いけど」
「う」
「おかげで汗も出てきてるし。マーキングすんなら丁度良い。だろ?」
熱した空気からムスクとウッディの匂いが立ち昇っていた。鈍った鼻でも感じ取れる。
どきどきしてしまうけれど、ミカエルは俺を落ち着かせるように頭を撫でてくれるので、だんだん眠気が押し寄せてきた。昨日はあまり眠れなかったのだ。
以前、ミカエルに頭を撫でられた時には逃げたけれど、今はもっと撫でていてほしい……。
「ロイス。そろそろ起きろ」
「……ん」
不意に呼びかけられて、熟睡してしまっていたのだと気付いた。月明かりが差し込んでいる。
俺はがばりと跳ね起きた。
「今っ何時だっ?」
「夜8時半。2時間くらいしてた」
「か、帰らないと……!」
弟が待っている。
「家まで送るよ」
「いいよ、歩いて帰れる。近いし」
ミカエルと一緒に服を着ながら話す。
「送りたいから」
「え……うん」
迷惑じゃないだろうか。けれどまだ甘えたい気分だった。
ミカエルは俺の髪の匂いをくん、と嗅いだ。
「ん、匂いもしっかりついてるな」
「ありがとう……本当に」
「いいって。俺がやりたいんだし。明日からもやるからな」
「うん……助かる」
もう一度撫でられて、頬が熱くなった。
バタン、と扉が閉まる音が心なしか大きく聞こえる。
窓の外は少し薄暗くなっていた。
「ジョシュアとはいつもどうやってマーキングしてたの?」
「添い寝して――」
振り返るとミカエルが迷いなく服を脱いでおり、俺は思いきり動揺した。
そうだ、マーキングといえば本来、性的な行為をしながらやるものだった。
ミカエルは怪訝そうに眉を寄せる。
「ん、添い寝?」
「そ、そうだ。パジャマで!」
「は? ……抜き合いとかもしてなかったの?」
「しない! 最近は髪とかに軽くキスしたりしてたけど……それだけだ」
「……マジか。清いっつーか、なんつーか……。さすがロイスって感じだな」
「……兄弟だぞ。遊び人のお前と一緒にするな」
驚愕の顔をされ、自分は変なのかなと思えてくる。
ミカエルはしばらく唖然としていたけれど、そのあと何故か優しい微笑を浮かべた。
「じゃ、上だけ脱いでやろっか。早く家に帰りたいんだろ?」
「あ、うん……」
「地肌のほうが早く匂いがつくから、それで添い寝しよう」
「……俺も脱ぐのか?」
「何もしねーから」
何をするつもりだったんだろうと思いながら、俺はどきまぎしつつ頷いた。
上半身裸くらいなら問題ないはずだ。更衣室で散々見られているし、シャワー室の中を素っ裸で横切ることもあるのだ。
しかし上半身裸でベッドに寝そべるミカエルを見ると、いやらしく見えてしまって仕方ない。いや、意識してしまう俺が変なのか?
「その、下は脱がなくていいんだよな?」
「脱がしてやろうか?」
「いや、いい」
藪蛇だった。
おいで、というように腕を広げられて、おずおずとその中に入る。
「こうして見ると細っこいなぁ」
「……お前と比べるな」
「へいへい」
シーツにごろんと横にされ、次いで肌が擦りつけられる。
ばくばくと心臓が鳴っていたけれど、時計の音を聞くうちに力が抜けてきた。
「ミカエルは……面倒じゃないか……? こういうこと」
「面倒なわけない。ロイスにマーキングできて嬉しい。アルファってオメガにマーキングしたいっていう欲求があるし」
「へえ……?」
「お前がオメガだって分かった時もさ、俺がマーキング代われたらってずっと思ってた」
「……そうなのか」
「だから今すげー幸せな気分」
「でもミカエルは、他の人にもモテるだろうし……」
「ロイスの代わりはいねーもん」
「……物好きだな」
「そうか? ロイスもモテてると思うけど」
モテてなんていない、と思った。
「俺はずっと一人だっただろ」
「学生時代はそうだったけど。いまは他の奴らとも話してるじゃん」
「ミカエルが話しかけてくれて、やっとみんなと話ができるようになったんだ」
「へえ……、俺いいことした?」
「……うん」
体温が混ざり合って、ひとつになっているようだった。
ミカエルからは薄っすらとムスクとウッディの香りがする。大人びた匂いだ。
「ミカエルは人気者だったから……なんで話しかけてくるのかなって思ってた」
「そういや、最初の頃すっげー避けてたよな。あれなんで?」
「あれは……その、面白くないやつだって思われそうで……」
「え、そんな理由で避けられてたの、俺」
「ん、緊張して……」
「はは。もしかしたらきらわれてんのかなーって思ってた」
「そんなことない。話しかけてくれて嬉しかった……」
抱擁が強くなる。
肌がより密着して、幸福感を覚えていた。オメガにもマーキングされたい欲求があるのかもしれない。
「ミカエル……。欲求は満たせてるか?」
「ん?」
「マーキングしたいっていう……」
「ああ。すげー満たせてるよ」
「そうか、ならいい」
ほ、と息をつく。迷惑にならず、役に立てているのなら嬉しい。
そのときふと、布越しに下腹部に当たるものに気が付いた。指摘したほうがいいのだろうか、黙っておくべきものだろうか。
鼓動がどきどきしてきた。次第にさらに硬くなってゴリゴリと当たってくる。
「……ミ、ミカエル。ミカエル」
「ん……ごめん。生理反応」
「そ、うか」
「……ロイスも、ちょっと勃ってる?」
「え」
ふと見下ろせば、確かにきざしている。
「あ……せ、生理反応で」
「そっか。えっちな気分ってこと……?」
甘い声で聞かれる。
「えっ……そんなことは……!」
「せっかくだし、さわってやろうか?」
「え!? いやそんな、」
「お尻のほうがいじってほしい……?」
「ちがっ……!」
確かにじくじくと疼いている。けれどミカエルは親友だ。
「……だ、だめだろう」
「ん? なにがだめ……?」吐息が甘い。
「友達、だろう……」
「抜き合いっこくらいするだろ?」
「……ミカエルは、そういうことに慣れてるかもしれないけど」
学生時代はひっきりなしに恋人がいたミカエルだ。浮気しすぎて学校前で修羅場になっていたこともある。
ミカエルは俺の頭を撫でた。
「ん、そーだな。ロイスがいやならしない」
「……あ、りがとう」
「んー。いいよ」
「あの、……ミカエルはしたいのか?」
「……うん」
「……手、なら貸すけど」
「いいよ。いやなことさせたくないし」
「でも……それ、痛くないか?」
「ここまでくると痛いけど」
「う」
「おかげで汗も出てきてるし。マーキングすんなら丁度良い。だろ?」
熱した空気からムスクとウッディの匂いが立ち昇っていた。鈍った鼻でも感じ取れる。
どきどきしてしまうけれど、ミカエルは俺を落ち着かせるように頭を撫でてくれるので、だんだん眠気が押し寄せてきた。昨日はあまり眠れなかったのだ。
以前、ミカエルに頭を撫でられた時には逃げたけれど、今はもっと撫でていてほしい……。
「ロイス。そろそろ起きろ」
「……ん」
不意に呼びかけられて、熟睡してしまっていたのだと気付いた。月明かりが差し込んでいる。
俺はがばりと跳ね起きた。
「今っ何時だっ?」
「夜8時半。2時間くらいしてた」
「か、帰らないと……!」
弟が待っている。
「家まで送るよ」
「いいよ、歩いて帰れる。近いし」
ミカエルと一緒に服を着ながら話す。
「送りたいから」
「え……うん」
迷惑じゃないだろうか。けれどまだ甘えたい気分だった。
ミカエルは俺の髪の匂いをくん、と嗅いだ。
「ん、匂いもしっかりついてるな」
「ありがとう……本当に」
「いいって。俺がやりたいんだし。明日からもやるからな」
「うん……助かる」
もう一度撫でられて、頬が熱くなった。
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