燦燦さんぽ日和

加藤泰幸

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竜伐祭編

第二話/女神の丘(前編)

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 宿泊業の朝は忙しい。
 季節や土地にもよるが、太陽の日差しを感じられる頃には、彼らの仕事は既に始まっている。
 まだ就寝している宿泊者も多い早朝に何をするのかと言えば、起床後のもてなしの準備に他ならない。
 つまりは、朝食の用意である。


 海桶屋の二人も、七時には仕事に取り掛かっている。
 朝食を作るのは、板前であるヒロの仕事だ。
 一方のセンダンの仕事は、宿の内外の掃除と、朝食を出す為の用意である。
 食事は客室にて提供しているが、寒い時期には一階の囲炉裏部屋で食べて貰う事もある。
 その為の用意なのだが……冬場だけの仕事で、大した手間でもない。ヒロに比べれば暇を持て余してしまう。
 ならばヒロを手伝えば良いのだが……そうはいかない。彼女が厨房に立つと、大抵は逆に邪魔になってしまう。

 朝の掃除を終えて暇になると、センダンはよく宿の外に出る。
 とはいえ、外でも特に用事はない。
 やる事は、あくびをしながら海を眺めるか、散歩中の島民と雑談に興じる位の事しかしないのである。





「ふぁ~あ……ねむ……」

 この日の朝も、彼女は暇だった。
 頭から生える狐耳が、眠気を示すように力なく垂れている。
 店の壁に背中を預け、ただ海を眺める。
 その様子は、さながら狐の干物である。
 干物がそうして朝の日差しを浴びている所に、自転車に乗った郵便局員が姿を見せた。


「あ、おはようございますー!」
 郵便局員の姿を見つけた干物は、人懐っこく手を振って声を掛ける。

「おはようございます。海桶屋さん、郵便です」
「おおっ。お疲れ様です」
 郵便局員から差し出された葉書をセンダンが受け取る。
 次の配達先に向かう郵便局員を見送ってから、葉書の表面を見た。
 ヒロ宛の葉書で、差出人欄にはナナ・ナバテアと記されている。
 センダンの知らない名前だった。
 丸みを帯びた、女性らしい文字だった。





「郵便ですか?」
 センダンの背後から声が掛かった。
 彼女が振り向くと、ヒロが割烹着を脱ぎながら近づいて来ていた。

「そだよ、ヒロ君宛。はいこれ」
「どれどれ? ……へえ、ナナちゃんからか」
 葉書を受け取ったヒロは差出人を見るなり、少し嬉しそうな顔をする。
「ねね! ナナちゃんって誰?」
 センダンが興味心身で尋ねる。
 ぴんと起き上がった耳が、その心境を表していた。

「中級アカデミーの時の同級生です。僕を怖がらないでくれた数少ない友達なんですよ」
「ほほう。随分肝が据わった人ね」
「肝が据わると言うか、マイペースと言うか、天然と言うか……。
 上級アカデミーに入ってからも何度か会ったけど、それから二年位経ちますね」
「で、そのナナちゃんが、どうしてお手紙くれたの?」
「それなんですが……」
 ヒロが葉書をセンダンに戻した。
 読んでも良い、という事である。
 センダンは遠慮なく葉書の裏面を見る。
 真っ先に目に留まったのは、印刷された教会の写真だった。

「ええっと、なになに?
 古教会を改装した書店『ロレーヌ』をオープンします。近くに来たら遊びに来て下さいね……。
 わあ! ナナちゃんって人、お店を開いちゃったの!?」
「そうみたいですね」
「ヒロ君の同級生って事は、二十一歳でしょ? 凄いねえ」
「そうですね。精霊信仰が深くて、本も好きな人でして、
 いつかはこういうお店を開きたいとは言ってたんですけれど……もっと先の事だと思っていたんで、僕もびっくりです」
「そっかあ。なんだか自分の事みたいに興奮しちゃうね!」
 センダンが無意味に飛び跳ねながら言う。
 眠気はもう完全に覚めたようである。


「……オープン、明後日みたいですね」
 ヒロが言う。
「うん、そう書いてあるね」
「写真を見る限り、なかなか大きそうな教会ですよね」
「うんうん」
「準備とか大丈夫なのかな……」
「ん……?」
 センダンの視線が、葉書からヒロに移る。
 ヒロは顎に手を宛がい、何やら考え込んでいるようだった。




「……ヒロ君、オープンの手伝いに行きたいんでしょ?」
「うえっ!?」
 突然の指摘に、ヒロが裏返ったような声を漏らす。
「な、なんで分かるんです?」
「顔に書いてあるもん」
「ありゃあ……」
「いいよ、行ってきなよ。明日は予約入ってないし」
「そ、それじゃあセンダンさんも……」
「私も行きたいんだけれどねえ……」
 センダンの顔色が曇る。
「ほら、明日はウメエさんの所で料理修行があるじゃない」

 彼女には、ヒロの祖母との先約があった。
 決して、先代板前のウメエ・タカナを嫌っているわけではない。
 むしろ慕っており、ウメエが常勤ではなくなった今でも、時間を作ってはウメエに料理の教えを乞うている。
 ただし、その成果はと言うと……努力が実るのはまだまだ先のようである。





「……そ、それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」
 ヒロが申し訳なさそうに、だが笑顔で言う。
「ん。是非そうしなさいな。……その代わり!」
 センダンがズバッと指を一本突き立てた。

「絶対お土産買ってきてよ! 食べ物!
 絶対だか『ぎゅう~~~~~っ』」
 彼女の力強い主張は、彼女自身の腹から鳴った音にかき消される。

 腹を空かせたセンダンは、大いに赤面した。










 燦燦さんぽ日和
 
 第二話/女神の丘










 ヒノモト諸島を出ると、建造物の雰囲気は幾度か変化する。

 まず、木造建築を主としたヒノモト風の景観が、ヒノモト以外の地区の一般的な建造物に用いられる組積造の景観へと変貌する。
 ヒノモトを出て少し行くと着くロビンの都も、基本的には組積造の建物が多く建ち並んでいるのだが、東部、中央部、西部それぞれに特徴が出ている。
 港のある西部には、百年前の戦争で用いた軍事施設の跡がスラムとして残っており、中央部の商業地区では、コンクリート製の建物が目立つ。
 そして、この日ヒロが向かう東部には、三百年前の内乱時代に建った歴史的建造物が多く残っている。
 いずれにしても、ヒノモトとは全く異なる景色である。

 葉書に記された元教会の書店ロレーヌに着くまでには、それなりの時間を要した。
 兄花島ギルド支部で馬を借り、三つの島を越えるのに一時間半。
 そこから幾つかの小さな町を経て、ロビンに辿り着くまでに一時間。
 ロビン南門を潜り、中央部まで出るのに三十分。
 そこからロレーヌがある東部に着くのにまた三十分。
 東部には景観保護地区があり、馬で奥まで乗り入れる事が出来ない為、繋ぎ場で下馬する。
 ロレーヌは開発された丘の上に建っており、徒歩でそこまで辿り着くのに二十分程掛かった。

 そうして約四時間掛け、やっと辿り着いたロレーヌの前には、一人の少女がいた。






「うわっ! ヒロ君だ」
「うわっ、て……」
 ヒロを見つけるなり、少女は辛らつな言葉を投げかけてきた。
 その一言に、ヒロは大きく肩を落とす。


「あ、ごめん。だって来るなんて思ってもみなかったから」
「……というか、カナちゃん、よく僕の事覚えてたね」
「当たり前でしょ。ヒロ君の顔を忘れる方が難しいわ」
 ボブカットに整えられた鮮やかなブロンドヘアーが印象的なその少女、カナ・ナバテアの口調には少しキツいものがあった。

「まあ、怖い顔なのは否定しないけれど……でも何年ぶりだっけ?」
 そう尋ねながら、記憶を遡る。
 記憶にあるカナは、とても小さかった。
 ナナの妹であるカナと最後に会ったのは、上級アカデミー在学中だった事だけは覚えている。
 上級アカデミーは五年制の為、卒業後の一年を足し、最長で六年ぶりという事になる。


「四年じゃないかな。ヒロ君と最後に会った時、私まだ下級アカデミーだったもん」
 カナが言う。
「そうだっけか。今は?」
「中級の三年生。もう今年で十五歳よ」
「そっか。来年は上級に行くの? それとも就職?」
「……多分、就職かな。上級に行ける程賢くないから。それより何しに来たの?」
「あ、そうだ。お店お店」
 ヒロは思い出したように言葉を繰り返す。

「お店、明日開店なんだよね」
「そうだけれど……ヒロ君、もしかして何か手伝いに来てくれたの?」
「一応ね」
 そう言いながら、眼前のロレーヌを一瞥する。
 古い教会を改装したと聞いていたが、白い壁は明らかに真新しく見える。
 おそらくは改装の際に塗り直したのだろう。
 意外と奥行きはないのだが、その代わりに高さがある。
 外から見る限りではあるが、三階建てのように見受けられた。
 入口は年季の入った木製扉で、重厚感が感じられる。

「奇麗でしょ? お姉ちゃん、改装にはお金かけたみたいよ」
「うん。奇麗だねえ」
 二人してロレーヌを見上げる。
 暫くそうしていると、店の扉が開いた。



「あ、ナナちゃん」
 ヒロが声を上げる。
 中から出てきた女性、ナナ・ナバテアも、すぐにヒロに気が付いた。
 カナと同じ色合いのブロンドヘアーを肘辺りまで伸ばした彼女は、その髪をなびかせながら小走りで駆け寄ってくる。

「わあ、ヒロ君だあ!」
「ナナちゃん、久しぶり」
 ヒロは手を上げながら挨拶をする。
「久しぶり~。二年位会ってなかった?」
「そうだね。二年ぶりだと思うよ」
「そっかあ。ヒロ君、また少し背が伸びたんじゃない?」
「ん、そうかな?」
「うんうん。伸びたと思うよ。大人びたみたい」
 ややゆったりとした口調の彼女が微笑む。
 近くでナナを見ると、前髪が中分けされているのに気が付いた。
 二年前に会った時は、前髪を下ろしていたはずである。
 ナナの雰囲気も、昔より少し大人びたような気がした。



「ところでヒロ君、なんで来てくれたの?」
「開店の手伝いに来てくれたんだって」
 ナナの問いにカナが答える。
「かいてんの手伝い……?」
 ナナは首を傾げた。
 カナの言葉をすぐに理解できないようである。
 首を傾げたままで、その場でくるくると体を回転させてみせる。
 彼女のロングスカートがふわりと揺れた。

「その回転じゃないから……」
「あら、違うの?」
「ここで『かいてん』って言ったら、お店のオープンの事に決まってるでしょ」
「あ、そうね。なんで私回ったのかしら」
「知らないわよ」
 カナが呆れたように言う。
 そんな二人のやり取りを、ヒロは笑って眺めた。
 見た目は大人びても、ナナの天然っぷりは、相変わらずのようである。




「そうだったんだ。お店の手伝いに来てくれたんだ。わざわざありがとう」
 回るのを止めたナナは、ヒロに頭を軽く下げた。
「いやいや、急に来ちゃってごめんね」
「なんで謝るの。仕事はまだあるから、凄く嬉しいわ」
「なら良かった。教会大きそうだったから、準備とか大変なんじゃないかな、って思って」
「そう。搬入が凄く大変だったのよ。
 カナも手伝ってくれて、やっと昨日終わった所だったの」
「ありゃ。搬入は終わってたんだ」
 別に悪い事をしたわけではないのだが、どことなく申し訳ない気持ちになる。
 ぽりぽりと頭を掻いていると、カナが助け舟を出してくれた。
「搬入はね。でも、もう一つ大事な仕事が残ってるのよ」
 腕を組みながら言う。
 カナはその姿勢のままで、ヒロを吟味するかのようにまじまじと見つめる。



「……なに?」
「ううん」
 唸るようなカナの声。
 少し体を引いて、ヒロを観察し続ける。
 彼の事を訝しんでいるようにも見えた。
 

「……ヒロ君には向いてない仕事かもねえ」
 






 ◇







「書店ロレーヌ、明日オープンです」





「丘の上の書店ロレーヌです。明日オープン……」





「ロレーヌ……です……明日……」





 ――ロビン中央広場は、多くの人が行き交う活気に満ちたスペースだ。
 大きな噴水と、おそらくは内乱時代に作られたのであろう年季の入った石畳、
 そしてそれらを囲うようにケヤキが植林された、奇麗な景色の広場である。
 広場が活気に満ちる一因はその美しさであるのだが、何よりも立地が最大の理由だった。

 ロビンの北門、南門、東門、そして西の貿易港からは、中央部に向かう大きな通りが伸びている。
 その全ての通りに繋がっている中央広場は、交通の便が良く、待ち合わせ場所として用いられる事が多い。
 更に、その四本の通りの中でも、貿易港から伸びる市場通りに繋がっている事が大きかった。
 貿易港を持つ都市柄から、市場通りの露店は品揃えが豊富であり、この街でも特に人が多い地区である。
 この市場通りから、特に多くの人が流れてくるのである。


 その中央広場において、この日に限って、人が近づこうとしない一角が出来ていた。
 広場でチラシを配ろうとするヒロの周辺である。






「あの……ロレーヌ……」

「ヒ、ヒロ君、少し休もう……」

 同じくチラシを配っていたカナが、見るに見かねて、紙コップを二つ手にして声をかけてきた。
 そのうちの紙コップを一つ差し出された。
 受け取ると、中味はアイスコーヒーだった。
 紙コップ越しに冷気が伝わってくる。
 おそらくは、公園内にあるカートの軽食店で購入したものだろう。

「……ありがと」
 力の籠らない礼を述べ、カナと一緒に広場奥のベンチに腰掛ける。
 楽な姿勢になると、まだ疲れていないはずなのに、体がどっと重たくなるような錯覚を覚えた。
 チラシを受け取ってもらえない心労だろうか。
 慣れない事をした心労だろうか。
 おそらくは両方だろう、とヒロは思う。


「ナナちゃんは?」
「お姉ちゃんはまだ配ってる。もう少ししてから休むんだって」
「そっか。じゃあお先にコーヒー頂いちゃおうか」
 紙コップを口につけ、アイスコーヒーを喉に流し込んだ。
 木漏れ陽の程良い暖かさを感じつつ、冷たいものを飲むと、
 冷やされた部位から順に、爽快感が全身へと沁み渡っていくような感覚を覚えた。




「……ヒロ君のチラシ、まだ残ってるね」
 同じくコーヒーを口にして一息ついたカナが、ヒロが膝の上に置いたチラシを一瞥する。
「皆、怖がって受け取ってくれないからね。そんなに怖がらなくてもいいのになあ」
 はあ、と重い嘆息。
 膝の上にある百数十枚のチラシが、随分と重い物のように感じられた。

「いやあ、チラシ配りってそんなものよ。なかなか貰ってくれないって」
 カナがフォローを入れてくれる。
 だが、そう言う彼女が傍に置いているチラシは、既に半分以上なくなっている。
 現実とは、かくも目に見えるものであった。



「そういえばこのチラシ」
 ヒロがチラシを見ながら呟く。
「チラシがどうかしたの?」
「女神みたいなイラストが描かれてるよね」
「ああ、うん」
「これ、カナちゃんが描いたんじゃないの?」
「……どうして分かるのよ」
 カナの声色が不機嫌そうなものになる。
 理由に思い当たりは全くなかった。
 余計な事を聞いてしまったかと後悔しながら、カナを覗き込むようにしておずおずと理由を口にする。

「どうしてって……カナちゃん、絵を描くのが好きだったでしょ? 四年前に会った時に言ってたじゃない」
「そうだけれど、なんで覚えてくれてるのよ」
「なんでと言われても……」
 特に理由はない。
 覚えているものは覚えている、としか返事のしようがなかった。
 しかし、カナの様子を見る限り、釈然としない返事をすれば、一層不機嫌にさせそうである。




「……ま、いいわ。ところでどう?」
 返事に窮していると、先にカナが口を開いた。
「どう、って?」
「イラストの出来はどう? って事よ」
 カナが少し早口になる。
「あ、そっかそっか」
 こくりと頷き、またチラシに視線を移す。
 描かれた女神は、少し凛々しい顔つきをしていた。

「僕は絵の事は良く分からないから、どこがどうと説明できないんだけれど……」
「うん」
「上手いと思うよ。とにかく、上手い」
 顔を上げ、真顔で言う。
 言ってから、もう少し具体的な言い様はなかったものだろうか、と自責する。
 ナナも、それを求めてくるかもしれない。


「……変なの」
 だが、それ以上の言葉は求められなかった。
 少女は、そう言って笑ってくれた。
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