燦燦さんぽ日和

加藤泰幸

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竜伐祭編

第十三話/竜伐祭前夜(後編)

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「ヒロ君、おにぎりだよーう!」
 陽も大分暮れかけた時刻になって、大きな盆を持ったセンダンが顔を覗かせた。
 センダンら設営班女性陣は、ベンチや照明の設置を担当していたのだが、
 そう言えば、センダンの姿がいつの間にか消えていた事を、ヒロは思い出す。


「センダンさん、どこでなにしてたんですか?」
「ん? 海桶屋帰ってたの」
「なんでまた」
「ゴウ君から『軽食を用意してくれ』って言われたから、用意してきたのよ」
「軽食……?」
 ヒロの表情が曇る。
 センダンが持っている盆には、大量のおにぎりが乗った皿があった。
 例えおにぎりとはいえ、家事の苦手なセンダンに、まともなものが作れるとは思えない。
 猛烈に嫌な予感に駆られ、思わず瞼がひくついてしまう。


「……ヒロ君。その顔は何か言いたそうね」
 センダンは不機嫌そうだ。
「何か言っちゃいけませんか?」
「あーら、そんな態度とって良いのかしら。ヒロ君にはあげないわよ?」
「別にいりません」
「そう? サーヨコちゃーん! ヒロ君は軽食いらないんだってー!」
 センダンが振り返って大きな声を出す。
「サヨちゃん……?」
 予想外の名前に首を傾げながら、センダンと同じ方を見る。
 暗くなりはじめていてよく見えなかったが、センダンから二十メートル程離れた所に、同じく盆を手にして近づいてくるサヨコがいた。



「センダンさん、歩くの速いです……」
「えへへー、ごめんごめん。私達が作ったおにぎり、早く皆に食べて貰いたくてさ」
 センダンが後頭部を掻きながら、舌を出す。
 それから、またヒロの方を向いた彼女は、にやりと口の端を上げてみせた。


「……あっ、あの、センダンさん」
 ヒロはおずおずと口を開く。
「なぁに、ヒロ君?」
「おにぎりって、センダンさんだけが作ったんじゃないんです?」
「うん。私とサヨコちゃんの二人で作ったの。
 祭事実行委員じゃないけれど、手伝いに来てくれたのよ」
「……えっと、僕、お腹が空いていたりするんですが……」
「ふふん。じゃあ、家に帰るまで空腹のままねえ。
 みんなー、食べ物用意したから早く集まれー!」
 センダンはヒロを鼻で笑い、設営班男性陣に向かって声を掛けた。
 その声は海沿い広場によく通り、腹を空かせた男性陣がわらわらと集まってくる。


「おおー、うまそうじゃないの」
「腹がペコペコだったんだよ……」
「センダンちゃん、好きなの取っていいの?」
 一仕事を終えた男達の胃袋は猛々しい。
 センダンがベンチの上に置いた盆の前に、我先にと半円状になって詰め寄せる。

 ヒロはそこからやや離れて、ぽつんと立ち尽くしていた。
 センダンが、ちらちらとヒロの方を見ては睨んでくるのだ。
 輪に入っていこうものなら容赦はしない、とでも言いたげな目付きだった。


「はい、食べてオッケーよ!」
 ヒロが近づかない事を感じたセンダンは、そう言って指を鳴らした。
 それを合図に、男達は次々とおにぎりに手を伸ばす。

「おっ、いけるいける」
「腹が減ってると特にうめえなあ」
「ごほっ、ぶえふっ、ぐえっ! 砂糖……?」
 男達がおにぎりを味わう。
 味わっていない者もいるようだが、とにかく味わう。
 腹が減っているからこそ、単純に炭水化物を摂取するのが美味しく感じられるようである。



「……むう」
 取り残されたヒロは、その光景を見ながら唸る他なかった。
 うらやましい。
 何ともうらやましい。
 腹が唸りをあげて、おにぎりをうらやましがる。


「……あの、ヒロちゃん……」
 そこへ、ようやく追いついたサヨコが声を掛けてきた。
 盆をちょこんとヒロの方に突き出してくる。
 センダンの持っていた盆と同じく、おにぎりの皿が乗っていた。

「ヒロちゃんもどうぞ」
 サヨコが小さく微笑む。
「え……でも、僕、いらないとか言っちゃって……」
 ヒロは思わずうろたえてしまう。
 確かに腹は減っているのだが、いざ食べて良いと言われれば、少々の罪悪感を感じてしまう。

「センダンさんとふざけあっただけでしょ?
 分かってるから大丈夫。ね。どうぞ」
 サヨコは穏やかな口調で言った。

 天使は、ここにいる。
 ヒロの表情は大いにほころんだ。







「あら、もう準備は終わったのね」
 そこへ、また女性の声が聞こえた。
 おにぎりに伸ばした手を止めてそちらを見ると、赤ん坊を抱えた小柄な女性がいた。
 やはり顔と名前が一致しないのだが、マッチョさんの奥さんである事は覚えている。
 赤ん坊の世話に忙しい身で、祭事実行委員のメンバーではないのだが、打ち合わせの際に時折差し入れを持ってきてくれた事があった。
 マッチョさんと並ぶと、大人と子供のような身長差になるのだが、勝気な人でマッチョさんは頭が上がらないようである。



「わわ! 赤ちゃんだ!」
 センダンが真っ先にマッチョ夫人に近づいた。
 マッチョさんもそれに続くのだが、彼の表情は涙目であった。
 どうやら、センダンが作ったと思われる砂糖入りおにぎりを食べたのは、マッチョさんのようだ。

「かわいいー! 何ヶ月なんですか?」
「九ヶ月よ。まだまだ手間がかかる時期なの」
「ママも大変なんですねえ」
「でも、この子の笑顔を見たら、なんでも頑張れちゃうかも」
「うんうん、分かります。凄くかわいいもん。あ、笑った」

 センダンとマッチョ夫人が、赤ん坊を覗き込みながら会話を交わしている。
 時折、会話の中に赤ん坊の笑い声が混じり、その様子は微笑ましく感じられた。
 そうしてセンダンらを遠くから眺めていると、センダンが顔をこちらへと向けた。



「ねえ、ヒロ君とサヨコちゃんもこっちにきなよ。凄くかわいいんだから」
 流石に赤ん坊に気をつかってか、センダンが声を抑えてヒロ達を呼んだ。
 ヒロとサヨコは顔を見合わせたが、どちらからともなく笑顔で頷き、誘われるがままに近づく。
 マッチョ夫人に軽く会釈をすると、夫人は赤ん坊を抱える腕を少し上下させつつ会釈を返してきた。
 赤ん坊からも挨拶、という事なのだろう。

「ね? かわいいでしょ?」
 センダンがニコニコしながら言う。
 近くで見る赤ん坊は、頭も瞳もクリクリとしていて非常に愛らしい。
 何が嬉しいのかは分からないが、目を三日月の様に細めて微笑んでいる。
 ……のだが、それは、その瞬間までの事であった。

「うん、かわいいなあ」
 ヒロはそう言いながら、もっとよく赤ん坊を見ようと顔を寄せる。
 それがいけなかった。
 赤ん坊の表情から、一瞬にして笑顔が消え去る。

「ふぇ……」
「ふぇ……?」
「ふぇええええええええええん!!」
「わ、わわ!」
 驚いて顔を離すが、もう遅い。

「うええええええええ!! びええええええええ!!」
「ご、ごめん、ごめんね……」
「ふああああああああ!! びぃいいいいいいい!!」
 赤ん坊が、ありったけの声で泣き叫ぶ。
 その小さな体のどこに、それだけ泣けるエネルギーがあるのかと思いたくなる、凄まじい泣き声である。

「あらあら、この子ったら急にどうしたの? おお、よーしよしよし」
 マッチョ夫人は首を傾げながら赤ん坊をあやす。
 どうやら、マッチョ夫人は赤ん坊が泣き出した理由が分かっていないようである。
 だが、ヒロは違った。




「………」
 申し訳なさでいっぱいになりながら、下を向く。
 赤ん坊に怖がられるのは、ヒロにとってはそう珍しい事ではなかった。







 ◇







 前日設営は終了し、一同は解散した。
 特に他の用事がないヒロは、まっすぐに帰宅の途へと就いた。
 もう完全に陽は落ち、海沿いに並んでいる家々の明かりの下をとぼとぼと力ない足取りで歩く。
 大仕事を終えたというのに、気分は陰鬱も良い所である。
 その気分の理由は一つしかない。



「ヒロ、おいヒロ! ちょっと待て!」
 後ろから名前を呼ばれた。
 振り返ると、ゴウが小走りで駆け寄っている。
 それからやや遅れて、サヨコの姿も見受けられた。

「ゴウ君、サヨちゃん。どうしたの?」
 言われた通りに立ち止まる。
 それでようやく追いついた二人は、少し息を整えてから、ヒロの左右に並んだ。

「ふぅ……ま、とりあえず歩こうぜ」
 ゴウがヒロの肩を叩く。
「あはは。待てと言ったり歩けと言ったり、どっちなのさ」
 ヒロは笑いながら、また歩き始める。
 だが、その笑い声に力はない。
 自分でも、それは感じられた。
 これではいけない、と思う。



「……ヒロちゃん。元気、だして?」
 同じくヒロと一緒に歩き出したサヨコが心配そうな声で言う。

 やはり、二人の目的は先程の件に関する事のようである。
 大方、ゴウはサヨコから事の顛末を聞いたのだろう。
 自分の顔が怖い事が悪いのに、余計な心配をかけては申し訳ない。
 ヒロは、勤めて明るい声を出した。

「大丈夫大丈夫。怖がられるのには慣れてるし、どうって事ないよ」
「………」
「赤ん坊にまで怖がられるのも初めてじゃないしさ。
 自分じゃ分からないけれど、どれだけ怖いんだろうね。あはは……」
 なんとか笑い声を出す。
 だが、ゴウもサヨコも表情は晴れない。



「……なあ、ヒロ」
 今度はゴウが声をかけてきた。
「明日の仕事、なんだが……」
「ああ、あれ?」
 設営の最中にゴウと話した事を思い出す。
 受付の人手が足りないのでそちらに回ってもらうという件だ。
 その話を持ちかけられた時に、自覚し、断っておくべきだったかもしれない。
 自分の顔で勤まる仕事ではないのだ。


「あれ、僕は辞めておくよ。その分センダンさんに頑張ってもらわなきゃね」
「別に、お前じゃ駄目だとか、そういう事じゃ……」
「気を遣ってくれなくても大丈夫だよ。ありがとう」
 明るい声で礼を言う。

 おそらくゴウは、受付を担当した自分が、またショックを受けるような事がないかと心配してくれているのだろう。
 その気持ちは嬉しいし、素直に受け取りたい。
 それと同時に、皆に迷惑をかけるわけにも行かない、とも思う。
 参加者を泣かせるような事があっては、逆に迷惑になるのだ。



「サヨちゃんは出店、ゴウ君と僕は祭りのお仕事。明日は頑張ろうね」
 笑顔でそう言った。
 辛かったが、ヒロはとにかく笑った。
 ゴウとサヨコがそれで安堵してくれたのか、彼には分からなかった。







 ◇







「こぁーん! お帰りー!」
「なにやっているんですか、センダンさん……」

 海桶屋に帰ると、先に帰っていた狐がフロントで待ち受けていた。
 狐亜人センダンではなく、狐そのものの顔のセンダンである。
 彼女は、なぜか白い狐の面を被っていた。
 写実的なデザインで、どことなく神秘性を感じる面である。



「ねえヒロ君。私、良い事思いついたのよ」
「はあ……」

 また『良い事』である。
 突然の事で、今回は何を思いついたのか見当がつかなかった。
 それだけに、ろくでもない提案があるのではないかと、思わず身構えてしまう。

「帰る前にゴウ君に聞いたんだけれど、私達、明日は受付予定でしょ?」
「あ、それなんですが……」
「じゃあさ、明日は二人でこれを被ろうよ!」
「はい……?」

 一瞬、彼女の提案の意図が理解できなかった。
 狐の面を被って何の意味があるのか。
 顔が隠れてしまっては色々と不便なのでは……
 そこまで考えて、やっとセンダンの提案の目的を悟る。
 狐面で、顔を隠すのが目的なのである。



「どうせヒロ君の事だから『受付担当したら、また誰かを泣かせるんじゃないか』とか考えて、お仕事辞退してきたんでしょー?」
 センダンが先に言葉を続けた。
 しかも図星である。
 そこまで見通されていて惚けるわけにもいかず、ヒロは苦笑しながら頷く。

「ええ、まあ……」
「ヒロ君ってば、どうでも良い事に気を遣っちゃうのよねえ」
「どうでも良いって事は……」
「どうでも良いの! 限界突破の強面だからといって、生まれつきじゃどうしようもないでしょ?
 そんな事を、ヒロ君がそんなに気にする必要はないのよ」
「からかっているのか、慰めているのか、どっちですか」
 ヒロはジト目で突っ込む。

「慰めてるに決まってるじゃないの!
 でも大丈夫! そこで狐面! この狐面よ!」
 センダンの声は力強い。
「表情は隠せるし、お祭りにフィットしたデザイン!
 その上可愛い可愛い狐ちゃんなんだから、もうこれしか考えられないわよね!!」

 訪問販売でも受けているような気分である。
 なんとも、くだらない。
 だが、くだらないからこそ、ヒロは苦笑を抑えられない。
 なんだか、顔の事で悩んでいるのが馬鹿らしくなってきた。




「二人で、って事は、センダンさんもそれ被るんですよね?」
「もちろん」
「狐亜人が狐面を被るんですか?」
「その通り。面白いじゃないの!」
「面白いというか、アホらしいというか……」
「はあっ? どこがアホらしいっていうの?
 こん、こぁん、こぁーーん!!」
「ぷくっ……はは……」
 センダンの自信に満ちた口調は、なんとも滑稽である。
 ヒロは湧き上がるおかしさに抗わず、笑い声を漏らした。
 気遣いでも作り笑いでもなんでもない、本心からくる笑いだった。




「むう。笑うなあ!」
「ご、ごめんなさい……だっておかしくて……くくくっ……!」
「禁止ー! 狐を笑うの禁止ー!!」
 センダンが両腕を頭上で交差させ、抗議のポーズを取る。
 ヒロに笑われるのが面白くないようで、口調には不満の色が満ちていた。
 だというのに、狐面は真顔なのだから、なおさらおかしく感じられた。


「わ、分かりました。もう笑いませ……ふは、あははははっ!」
「こぉらあ! ヒロくん!!」


 センダンの怒りの声さえも、今のヒロにはおかしく感じられる。
 なんだかんだで、今日も海桶屋には笑いは絶えなかった。
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