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竜伐祭編
第十話/ギルド裏庭の蜜柑(前編)
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兄花通りは、兄花島観光地区を北から南に縦断するように伸びている。
観光地区の古い建造物の多くは、その兄花通り沿いか、もしくは沿岸沿いに建っており、
比較的近代になって建てられた建造物は、兄花通りの東側、海から離れた地帯に建っている。
観光地区唯一のコンクリート建築、兄花島ギルド支部が建っているのは、その地帯だった。
「ええっとー、確か出店希望リストは、この引き出しにー……」
「ベラミさん、その引き出しもう三回は探しましたよ」
「そうだっけー? にゃっはっはー」
先程から、机という机の引き出しをひっくり返しているのは、ギルド職員の猫亜人ベラミ・イスナットである。
祭事実行委員の総務班として出店希望者を管理している彼から、出店希望者リストを貰いにきたヒロとゴウは、
もうかれこれ五分以上は、ベラミがリストを探す姿をカウンター越しに眺めている。
だが、どうにも雲行きは怪しい。
何度も同じ場所を探しては、ゴウが突っ込みを入れているのだが、
ベラミは毎度、半分閉じられている眠そうな猫目を更に平たくして、にへらと気の抜けた笑いを浮かべるだけである。
ヒロとゴウは、その都度、互いの顔を見合った。
言葉にせずとも、それだけで互いの考えは伝わる。
これは、紛失しているのではなかろうか……である。
「ベラミさん、ポケットとか探しましたよね?」
不安そうな口ぶりを抑えずにヒロが尋ねる。
まさか、今更ポケットにあるとも思えなかったが、それでも一応聞いてみた。
「んん? どれどれー?」
言われるがままに、ベラミがポケットに手を突っ込む。
「……あれ?」
「あれ、って、ベラミさん……?」
「あー! あった、あったー」
表情と同じく、間の抜けた語尾でベラミが言う。
彼がポケットから手を引き抜くと、手には折り畳まれた用紙が握られていた。
「まさか、本当にポケットにあったとは……」
「ポケットくらい最初に調べておいて下さいよ……」
あまりにも安直な場所からの発見に、ヒロとゴウが呆れきった口調で突っ込む。
「いやー、ごめんごめん。はいこれー」
「ども」
反省の色を表さずに謝るベラミから、ゴウが用紙を受け取る。
ゴウが用紙を開いた所でヒロが覗き込むと、十数名の氏名と連絡先、希望出店内容、使用ブース数が記載されていた。
間違いなく、出店希望者リストのようである。
「これがリストなんだ」
「おう。総務の確認が済んでいる最終リストだから、これを元にブース設営の準備をするんだ。
今年も希望者数は例年通りって所か……」
「あ、サヨちゃんのお店も載ってるね」
「ちとせだな。毎年鉄板焼き系の飲食ブースを出しているんだが、なかなか評判が良いぞ」
「へえ、楽しみだなあ。できれば当日参加したいけれど……」
「お前は店もあるからな。あまり無理はするなよ?」
諭すように言うと、ゴウはリストを再び折り畳んで自分のポケットにしまいこむ。
それから、相変わらずへらへらと笑っているベラミに一礼した。
「それじゃあ、俺達はこれで」
「ええ、もう行っちゃうのー? せっかくだから、兄花島ギルド支部名物の兄花餅買ってかなーい?」
「俺達観光客じゃないんだから、変なセールスしないで下さい」
「そんな事言わないでさー。カツカツなんだよー」
「兄花島ギルド支部って、国からの予算の割り当てじゃ足りてないんですか?」
「いーや、それなりにあるよー。これは僕が個人的に仕入れたのー」
ベラミはさも当たり前のように言う。
「小遣い稼ぎじゃないですか……」
「あーあー、違うぞー! この稼ぎは恵まれない子供達にだなー!」
ベラミが言い訳をする。
胡散臭い言い訳ランキングがあれば、間違いなく上位に食い込むであろう言い訳である。
「はいはい……やっぱりヒロにも来てもらって正解だったよ。
俺、どうにもこの人とは波長が合わん」
ベラミに聞かれる事も厭わず、ゴウが肩を落としながら言う。
確かにゴウの言う通り、ベラミは掴み処がなく、何を考えているのか分からない所がある。
だが、さすがにこれはベラミが怒るのではないかと、ヒロはちらとベラミを一瞥した。
「そんなに褒めないでよー」
褒めていない。
だというのに、ベラミは胸を張っている。
不安は杞憂であった。
「あはは……心配性のゴウ君とじゃ、確かに合わないのかもね」
「はあ……さ。帰ろうぜ」
「あ、ごめん。先に帰っててもらっても良いかな」
ヒロは思い出したようにそう言う。
「あん?」
「僕、ギルドでもうちょっと用事があってさ」
「そうか。じゃあ先に帰るぞ」
ゴウは深く理由を聞くことなく頷いた。
「ずばり、お餅を買う用事だね!」
「違います」
会話に入ってきたベラミの言葉は、即座に否定した。
燦燦さんぽ日和
第十話/ギルド裏庭の蜜柑
ギルドを出たゴウの姿が見えなくなると、ベラミは素早く首を回してヒロの方を見た。
「で、用事ってー?」
「実は、ギルドに置いて欲しい物がありまして……」
そう言いながら、手にしていた袋の中から数十枚のチラシを取り出す。
「ふむ?」
「海桶屋の宣伝チラシです」
「へえ。拝見拝見ー」
ベラミはチラシを受け取ってカウンターの上に置くと、一番上の一枚を手にする。
海桶屋の外観や、特徴的な朱塗りの内装の写真が大部分を占めるチラシで、
サービスの内容に関する説明も書かれているのだが、写真を邪魔しない適切な配置となっていた。
目を引き、海桶屋の特徴が掴みやすく、情報の不足もない、良い出来である。
「なかなか上手じゃないか。ヒロ君かセンダンさんが作ったのー?」
「いえ、友達の妹が絵の勉強をしているので、その子に頼みました」
「へえー。絵の勉強をしていたら、デザインセンスも良くなるものなのー?」
「どうなんでしょうかね……個人差はあるでしょうけれど、少なくとも素人よりは良いんじゃないんでしょうか」
ヒロは肩を竦めて答える。
「なーる。餅は餅屋なんだねえ……」
ベラミは関心した様子で、手にしたチラシを山に戻そうとする。
だが、その手の動きは途中で止まった。
「……ねえ、お餅」
「買いません」
即答する。
突飛な提案への突っ込みなら、常日頃から鍛えられている。
「それは残念」
ベラミは猫耳を畳んでしょげた。
「ところでベラミさん、昨日、ギルドロビン支部に出かけてたんですよね?」
ベラミの言う事の大半は冗談である。
本気で落ち込んでいるわけではないと分かっているヒロは、特に気を使わずに話を変えた。
「うん、そうだけどー?」
ベラミもすぐに元の緩い喋り方で返事をする。
「……でしたら、あれ、買ってきてくれました?」
周囲をきょろきょろと見まわしながら尋ねる。
ギルド兄花島支部は、総面積も部屋数も海桶屋と大差ない小さなギルドだが、職員はベラミ以外にもいる。
雑談程度なら許容される、雰囲気の緩い所ではあるのだが、なんとなく、他の職員には聞かれたくない話だった。
「あれー?」
「あれです。ほら、あの本……」
恥ずかしそうに言う。
「ああ。あれね、あの本ねー」
何の事だかようやく思い出したベラミが、ピンと尻尾を突き立てながら言う。
「ヒロちゃん、あんたも好きねえー」
「止めて下さい、誤解されます」
ベラミを睨みながら突っ込む。
「ははー。冗談冗談。怖い顔がいっそう怖くなってるよー」
ベラミは笑いながら、先程散々ひっくり返した引き出しから、雑誌を一発で取り出した。
表紙には、週刊スピリット、の文字が印刷されている。
ヒロ愛読のマナ情報誌である。
「これです。いつもありがとうございます」
ヒロは素直に礼を言うと、財布から小銭を取り出して雑誌と引き換えた。
「なーに。仕事のついでに買ってる本だし、心付けも貰ってるし、どーって事ないのよー。にゃっはっはっ!」
「いやあ、そうは言いましても……何かお礼が出来れば良いんですけれど……」
「本当に大丈夫だってばー。ヒロ君は真面目だねえー」
両手を頭の後ろで組みながら、ベラミが目を細めて言う。
「そうでしょうか?」
「そうだよ、そうだよー。特にお礼なんか……あっ!」
ベラミの言葉が不意に途切れた。
「どうかしました?」
「……実は仕事がひとつあったのよねー」
「あ、でしたら……」
「うん。時間があったら、お言葉に甘えて一働きしてくれるかなー?」
「はい、もちろんです」
威勢良く返事をする。
今日は夕方から予約客が来るのだが、まだ時刻は正午を過ぎたばかりで、時間は十分にあった。
「おお、ありがとねー。……仕事、ガッツリ溜まってるんだよねえー」
ベラミの笑みが、緩いものから不敵なものに変わる。
「む、むう……」
礼を返せるという意気込みはどこへやら。
突然沸いて出た嫌な予感に困惑するヒロであった。
観光地区の古い建造物の多くは、その兄花通り沿いか、もしくは沿岸沿いに建っており、
比較的近代になって建てられた建造物は、兄花通りの東側、海から離れた地帯に建っている。
観光地区唯一のコンクリート建築、兄花島ギルド支部が建っているのは、その地帯だった。
「ええっとー、確か出店希望リストは、この引き出しにー……」
「ベラミさん、その引き出しもう三回は探しましたよ」
「そうだっけー? にゃっはっはー」
先程から、机という机の引き出しをひっくり返しているのは、ギルド職員の猫亜人ベラミ・イスナットである。
祭事実行委員の総務班として出店希望者を管理している彼から、出店希望者リストを貰いにきたヒロとゴウは、
もうかれこれ五分以上は、ベラミがリストを探す姿をカウンター越しに眺めている。
だが、どうにも雲行きは怪しい。
何度も同じ場所を探しては、ゴウが突っ込みを入れているのだが、
ベラミは毎度、半分閉じられている眠そうな猫目を更に平たくして、にへらと気の抜けた笑いを浮かべるだけである。
ヒロとゴウは、その都度、互いの顔を見合った。
言葉にせずとも、それだけで互いの考えは伝わる。
これは、紛失しているのではなかろうか……である。
「ベラミさん、ポケットとか探しましたよね?」
不安そうな口ぶりを抑えずにヒロが尋ねる。
まさか、今更ポケットにあるとも思えなかったが、それでも一応聞いてみた。
「んん? どれどれー?」
言われるがままに、ベラミがポケットに手を突っ込む。
「……あれ?」
「あれ、って、ベラミさん……?」
「あー! あった、あったー」
表情と同じく、間の抜けた語尾でベラミが言う。
彼がポケットから手を引き抜くと、手には折り畳まれた用紙が握られていた。
「まさか、本当にポケットにあったとは……」
「ポケットくらい最初に調べておいて下さいよ……」
あまりにも安直な場所からの発見に、ヒロとゴウが呆れきった口調で突っ込む。
「いやー、ごめんごめん。はいこれー」
「ども」
反省の色を表さずに謝るベラミから、ゴウが用紙を受け取る。
ゴウが用紙を開いた所でヒロが覗き込むと、十数名の氏名と連絡先、希望出店内容、使用ブース数が記載されていた。
間違いなく、出店希望者リストのようである。
「これがリストなんだ」
「おう。総務の確認が済んでいる最終リストだから、これを元にブース設営の準備をするんだ。
今年も希望者数は例年通りって所か……」
「あ、サヨちゃんのお店も載ってるね」
「ちとせだな。毎年鉄板焼き系の飲食ブースを出しているんだが、なかなか評判が良いぞ」
「へえ、楽しみだなあ。できれば当日参加したいけれど……」
「お前は店もあるからな。あまり無理はするなよ?」
諭すように言うと、ゴウはリストを再び折り畳んで自分のポケットにしまいこむ。
それから、相変わらずへらへらと笑っているベラミに一礼した。
「それじゃあ、俺達はこれで」
「ええ、もう行っちゃうのー? せっかくだから、兄花島ギルド支部名物の兄花餅買ってかなーい?」
「俺達観光客じゃないんだから、変なセールスしないで下さい」
「そんな事言わないでさー。カツカツなんだよー」
「兄花島ギルド支部って、国からの予算の割り当てじゃ足りてないんですか?」
「いーや、それなりにあるよー。これは僕が個人的に仕入れたのー」
ベラミはさも当たり前のように言う。
「小遣い稼ぎじゃないですか……」
「あーあー、違うぞー! この稼ぎは恵まれない子供達にだなー!」
ベラミが言い訳をする。
胡散臭い言い訳ランキングがあれば、間違いなく上位に食い込むであろう言い訳である。
「はいはい……やっぱりヒロにも来てもらって正解だったよ。
俺、どうにもこの人とは波長が合わん」
ベラミに聞かれる事も厭わず、ゴウが肩を落としながら言う。
確かにゴウの言う通り、ベラミは掴み処がなく、何を考えているのか分からない所がある。
だが、さすがにこれはベラミが怒るのではないかと、ヒロはちらとベラミを一瞥した。
「そんなに褒めないでよー」
褒めていない。
だというのに、ベラミは胸を張っている。
不安は杞憂であった。
「あはは……心配性のゴウ君とじゃ、確かに合わないのかもね」
「はあ……さ。帰ろうぜ」
「あ、ごめん。先に帰っててもらっても良いかな」
ヒロは思い出したようにそう言う。
「あん?」
「僕、ギルドでもうちょっと用事があってさ」
「そうか。じゃあ先に帰るぞ」
ゴウは深く理由を聞くことなく頷いた。
「ずばり、お餅を買う用事だね!」
「違います」
会話に入ってきたベラミの言葉は、即座に否定した。
燦燦さんぽ日和
第十話/ギルド裏庭の蜜柑
ギルドを出たゴウの姿が見えなくなると、ベラミは素早く首を回してヒロの方を見た。
「で、用事ってー?」
「実は、ギルドに置いて欲しい物がありまして……」
そう言いながら、手にしていた袋の中から数十枚のチラシを取り出す。
「ふむ?」
「海桶屋の宣伝チラシです」
「へえ。拝見拝見ー」
ベラミはチラシを受け取ってカウンターの上に置くと、一番上の一枚を手にする。
海桶屋の外観や、特徴的な朱塗りの内装の写真が大部分を占めるチラシで、
サービスの内容に関する説明も書かれているのだが、写真を邪魔しない適切な配置となっていた。
目を引き、海桶屋の特徴が掴みやすく、情報の不足もない、良い出来である。
「なかなか上手じゃないか。ヒロ君かセンダンさんが作ったのー?」
「いえ、友達の妹が絵の勉強をしているので、その子に頼みました」
「へえー。絵の勉強をしていたら、デザインセンスも良くなるものなのー?」
「どうなんでしょうかね……個人差はあるでしょうけれど、少なくとも素人よりは良いんじゃないんでしょうか」
ヒロは肩を竦めて答える。
「なーる。餅は餅屋なんだねえ……」
ベラミは関心した様子で、手にしたチラシを山に戻そうとする。
だが、その手の動きは途中で止まった。
「……ねえ、お餅」
「買いません」
即答する。
突飛な提案への突っ込みなら、常日頃から鍛えられている。
「それは残念」
ベラミは猫耳を畳んでしょげた。
「ところでベラミさん、昨日、ギルドロビン支部に出かけてたんですよね?」
ベラミの言う事の大半は冗談である。
本気で落ち込んでいるわけではないと分かっているヒロは、特に気を使わずに話を変えた。
「うん、そうだけどー?」
ベラミもすぐに元の緩い喋り方で返事をする。
「……でしたら、あれ、買ってきてくれました?」
周囲をきょろきょろと見まわしながら尋ねる。
ギルド兄花島支部は、総面積も部屋数も海桶屋と大差ない小さなギルドだが、職員はベラミ以外にもいる。
雑談程度なら許容される、雰囲気の緩い所ではあるのだが、なんとなく、他の職員には聞かれたくない話だった。
「あれー?」
「あれです。ほら、あの本……」
恥ずかしそうに言う。
「ああ。あれね、あの本ねー」
何の事だかようやく思い出したベラミが、ピンと尻尾を突き立てながら言う。
「ヒロちゃん、あんたも好きねえー」
「止めて下さい、誤解されます」
ベラミを睨みながら突っ込む。
「ははー。冗談冗談。怖い顔がいっそう怖くなってるよー」
ベラミは笑いながら、先程散々ひっくり返した引き出しから、雑誌を一発で取り出した。
表紙には、週刊スピリット、の文字が印刷されている。
ヒロ愛読のマナ情報誌である。
「これです。いつもありがとうございます」
ヒロは素直に礼を言うと、財布から小銭を取り出して雑誌と引き換えた。
「なーに。仕事のついでに買ってる本だし、心付けも貰ってるし、どーって事ないのよー。にゃっはっはっ!」
「いやあ、そうは言いましても……何かお礼が出来れば良いんですけれど……」
「本当に大丈夫だってばー。ヒロ君は真面目だねえー」
両手を頭の後ろで組みながら、ベラミが目を細めて言う。
「そうでしょうか?」
「そうだよ、そうだよー。特にお礼なんか……あっ!」
ベラミの言葉が不意に途切れた。
「どうかしました?」
「……実は仕事がひとつあったのよねー」
「あ、でしたら……」
「うん。時間があったら、お言葉に甘えて一働きしてくれるかなー?」
「はい、もちろんです」
威勢良く返事をする。
今日は夕方から予約客が来るのだが、まだ時刻は正午を過ぎたばかりで、時間は十分にあった。
「おお、ありがとねー。……仕事、ガッツリ溜まってるんだよねえー」
ベラミの笑みが、緩いものから不敵なものに変わる。
「む、むう……」
礼を返せるという意気込みはどこへやら。
突然沸いて出た嫌な予感に困惑するヒロであった。
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