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12 バカップル ※若干エロ
しおりを挟む「私、ウィーキヌスに来られて本当に幸せですわ」
手を繋いで庭を散歩している途中でふいにサフィニアが言った。
「本当に?」
ジュスト殿下は嬉しそうにサフィニアを見た。
「貴女の意思など碌に確認もせずに強引に連れて来てしまったでしょう?
本当はどう思ってたのかなって気になってたんですけど、もう貴女を手放すことはできないから聞くのも恐ろしくて」
サフィニアはフフフと笑って良い匂いのするユリに鼻を近づけた。
「最初に愛妾にしたいと言ったときは断りましたよね?
愛妾というのは、やはり嫌でしたか?」
「・・・いえ・・処女じゃなかったのが・・・打ち首になるかも・・・って」
ジュスト殿下はハハハハと声を立てて笑った。
「女性にばかり純潔を求めるのはフェアじゃありませんよ。
私はこだわりません」
「・・・でも、私は殿下が良かったです」
ジュスト殿下は俯いてしまったサフィニアの顎を上げると、
「黄色い花粉が鼻の頭についてるよ」
と言ってキスをした。
「あ、殿下の鼻にも移っちゃいましたよ」
二人は顔を見合わせて笑った。
穏やかな時間が過ぎていく。
「私の第一印象ってどうでしたか?
怖くありませんでしたか?」
「・・・少し」
どうせ私は強面ですよ、とジュスト殿下はイジケた。
「あまりにお美しかったから」
とサフィニアが慌てて言うと、
「いいもん、いいもん、どうせボクちんは泣く子も黙る『ウィーキヌスの黒鬼』だもん」
と拗ねて見せた。
「・・・最初は、相手が元婚約者から今度はこの人に変わるだけだって思いました。
どこに行っても同じ。
私は分相応の商家にでも嫁いで、平凡でも温かい家庭が築きたいという希望がありましたが、父は違いました。
上昇志向が強くて、周りをなぎ倒して前進していくんです。
その為に母も犠牲になりましたし、私も・・・・。
父にとって私は商品でしたから、フィカス侯爵家より有利な条件で売り付けられるジュスト殿下に乗り換えただけのことでした。
私にとって男性の基準は元婚約者でしたから、・・・同じ様な扱いを受けるものだと思っていました。
愛のある生活なんて、私には一生無縁なのだなって 」
「・・・まあ、当時の貴女は私のことを数多の女たちを侍らす性獣だと思ってたわけですから無理もないですね」
「いえ、そこまでは言ってません!」
「絶倫野獣でしょ?」
「意地悪だわ!」
殿下はハッハッと笑いながらサフィニアが打とうとする手を避けた。
「じゃあ狼さんが襲っちゃうぞォ~」
「キャー!」
花の迷路の中をキャッキャと逃げ惑うサフィニアを追い回すジュスト殿下。
やがて捕まえられたサフィニアが嬉しそうにジタバタしながら抱きかかえられて部屋に連行されていく。
建物に入る前にジュスト殿下がサフィニアを抱きかかえたままクルクルと回った。
「キャー!殿下、もう一回やってください」
「じゃ、特別サービスだぞォ~」
クルクル。
キャッキャ、
ウフフ・・・アハハ・・・
その様子を少し離れた所から見ていた護衛の者たちが、目を半開きにして無我の境地に至ろうとしていた。
なんだよ、もう部屋に戻るのかよ?
散歩はどうした、散歩は。
馬鹿馬鹿しくてやっとられん。
イヤだこんな仕事。
部屋に戻るとサフィニアをソファーに下ろしたジュスト殿下が愛しくてたまらないという表情でサフィニアにキスを繰り返した。
唇を吸って口の中を舐め回した殿下が、
「さてはお嬢さん、チョコレートをお召し上がりになりましたな?」
と笑う。
「私、他人の食べかけの物は絶対に食べられなかったくらいですから、キスする人の気が知れなかったんですけど、ジュスト様には、もっとして欲しいって思っちゃうの、なぜなんだろう?」
「大胆なお言葉ありがとう~」
ジュスト殿下はサフィニアにキスをしながら背中のボタンを外していく。
自分の腕の中でサフィニアの筋肉が弛緩して体を預けてくれる重みに歓喜した。
始めの頃は触れる度に緊張したサフィニアの体。
酷い目に遭わされた事を考えると無理はさせられなかった。
それが今は伸びやかな肢体を晒して嬉しそうに自分を受け入れてくれる。
ワンピースの上部が落ちて、下着を剥ぎ取られ、サフィニアの控え目な胸が露になる。
サフィニアが恥ずかしそうに腕で隠す。
「小さくて恥ずかしいわ。殿方は豊かな胸がお好きでしょう?」
ジュスト殿下はサフィニアの腕をどかすと両手で胸を揉み始めた。
眉間にシワを寄せて真剣な顔でやっているので、サフィニアは可笑しくて笑いだしてしまった。
するとジュスト殿下は、うーむ、と神妙な顔つきをして見せてから一句詠んだ。
~おっぱいは
みんな違って どれもいい
ジュスト~
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