そして私は惰眠を貪る

43 ここまでのあらすじ2

　〝何もしない〟ことを条件にラルスと離婚前提の結婚をしたリーヴィア。

　充分なお小遣いをもらって毎日遊び歩く毎日は悪くなかった。

　一方のラルスは一度は妻としてリーヴィアと真剣に向き合おうとしたのだが、リーヴィアに拒絶されたことが精神的ショックとなり家に寄り付かなくなった。

　形だけの夫が帰ってこないヴァルノー家でリーヴィアは悠々自適な生活を楽しんでいた。

　その状況に我慢ならなかったのがラルスの母ヨハンナだった。
　
　彼女は腹いせにリーヴィアから外出着も靴も取り上げ、部屋の外から鍵をかけて外界との連絡を遮断した。

　することのないリーヴィアは1日の大半を寝て過ごすことになる。

　リーヴィアの見る不思議な夢は次第に〝もう一つの別の世界〟の様相を呈していき、リーヴィア自身も起きた時に夢の世界のことをノートに書いて楽しむようになっていった。

　一方、まったくリーヴィアと連絡が取れなくなったヴェリタスとジャンは何かがおかしいとラルスに詰め寄った。

　家に帰らず友達の家を転々としていたラルスは実家で行われていることに気づいておらず、ヴェリタス達から責められる。

　その頃のリーヴィアは夢の世界で大好きな月光騎士団の団長らと出会い、向こうの世界を楽しんでいた。

　ただ、夢の世界の月光騎士団はリーヴィアが知っている月光騎士団の物語とは色々違っているようである。

　家に戻ったラルスは何日も目覚めることなく昏々と眠り続けるリーヴィアを目の当たりにして母親の仕打ちに愕然とした。
　
　ラルスはリーヴィアの書いた夢日記を読んで、それが妄想、創作の類なのか判別がつかないでいた。

　しかしある日眠るリーヴィアがこの世界の物では無いものを握っているのを見つけたラルスはヴェリタスとジャンに相談に行く。

　その後目覚めたリーヴィアはヴェリタスとジャンと再会し、〝あっちの世界〟のあれこれについて話をする。
　翌日ラルスに会ったヴェリタスとジャンは自分たちもリーヴィアの言う〝あっち〟の世界に行った、とラルスに報告してきた。

　どうやらリーヴィアの〝お土産〟の飴を食べたことが原因のようだ、というのが二人の見解だった。

　異界の食べ物を食べたことであちらの世界に行けたのではないか？と。

　そして〝あっち〟でヴェリタスとジャンも月光騎士団の団長とゾーイに出会った。