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一般的な感覚からはかけ離れたものではあったが、リーヴィアにとって新婚生活は存外に快適だった。
リーヴィアは契約に基づき、働かずして充分な小遣いを貰い、24時間自分の時間生活を満喫していた。
リーヴィアは朝遅く起きて軽い朝食を取ると昼頃から出かける毎日を過ごした。
お小遣いはたっぷりあるし、街で目についた素敵な洋服や靴なんかはあまり悩むことなく買うことができた。
本屋で面白いものが無いか物色したり図書館や美術館に行くのが日課のようになっていた。
そして夕方近くなって美術館に併設された穴場のカフェで大きな窓から木立を眺めながらお茶と軽食を戴く。
都会にいながらリゾートのようだ。
それから週に3日は授業を終えたヴェリタスやジャンと合流して遊びに行く。
芝居を観に行ったり帰りにバーでお酒をたしなんだり。
そこで二人から聞く大学生活の話は、リーヴィアにとって憧れと希望に満ちていた。
「でも、思ってたより快適そうな生活で良かったじゃない?」
「ヴェリタスが弁護士さんをつけてくれたお陰で助かっております」
と感謝するリーヴィア。
ヴェリタスとジャンはリーヴィアから新婚初夜のゲロシャワーの話を聞いた時、腹を捩って爆笑した。
そしてその後ラルスが家に寄りつかなくなったことも知っている。
多少ラルスが気の毒だと思わなくもないヴェリタスは、ことの真相をリーヴィアに教えてやった方がいいのかな?と思わなくもなかったのだが、ラルスとコリーナが(ほとんど)裸で抱き合っていたのは事実だし、ラルスがリーヴィアを長年蔑ろにし続けて、そのせいでリーヴィアの学園生活か楽しいとは程遠いものになったのも事実だ。
どうせ離婚するのだ。
わざわざ教えてやる必要はあるまい。
ヴェリタスは答えを出した。
「お小遣いもらって毎日遊び歩けて最高じゃん!」
ヴェリタスが笑うとリーヴィアも薄く笑った。
「でも、やっぱり早く法的にも自由になりたい。
今は、なんていうか、鍵の掛かっていない檻にいる気分よ」
毎日遊び歩いてホロ酔い気分で帰ってくる。
ヨハンナはそんな嫁にイライラしていた。
息子ラルスはどこをほっつき歩いているのだか、ちっとも姿を見せない。
確かに契約通りには違いないが、それでは困る。
結局多額の慰謝料を支払うだけでヴァルノー家になんのメリットもないなんて、そんなのは納得できない。
ヨハンナは素敵な素敵な私の可愛いラルスちゃんの魅力の前にリーヴィアが陥落するのは時間の問題。あっと言う間に子供の三人もできて、契約結婚のことなどどっかに消し飛んでしまうと思っていた。
むしろ別れたくないとラルスに追い縋るリーヴィアに、
「法的に拘束力のある契約ですものね?」
と子供だけ奪って追い出してやるのもいい気味だと思っていた。
リーヴィアに契約通りの金を渡すのは惜しいが、それを遥かに上回る「財宝」が手に入るのだから、まあ、我慢してやろう。
それなのに・・・。
この現状はなんだろう?
ラルスはちっとも家に寄りつきやしないし、リーヴィアは良い気になって毎日遊び歩いている。
何一つ私の思い通りにならないじゃないの!!
ヨハンナはギリギリと歯を噛み締めながら固く握った拳を震わせた。
リーヴィアは契約に基づき、働かずして充分な小遣いを貰い、24時間自分の時間生活を満喫していた。
リーヴィアは朝遅く起きて軽い朝食を取ると昼頃から出かける毎日を過ごした。
お小遣いはたっぷりあるし、街で目についた素敵な洋服や靴なんかはあまり悩むことなく買うことができた。
本屋で面白いものが無いか物色したり図書館や美術館に行くのが日課のようになっていた。
そして夕方近くなって美術館に併設された穴場のカフェで大きな窓から木立を眺めながらお茶と軽食を戴く。
都会にいながらリゾートのようだ。
それから週に3日は授業を終えたヴェリタスやジャンと合流して遊びに行く。
芝居を観に行ったり帰りにバーでお酒をたしなんだり。
そこで二人から聞く大学生活の話は、リーヴィアにとって憧れと希望に満ちていた。
「でも、思ってたより快適そうな生活で良かったじゃない?」
「ヴェリタスが弁護士さんをつけてくれたお陰で助かっております」
と感謝するリーヴィア。
ヴェリタスとジャンはリーヴィアから新婚初夜のゲロシャワーの話を聞いた時、腹を捩って爆笑した。
そしてその後ラルスが家に寄りつかなくなったことも知っている。
多少ラルスが気の毒だと思わなくもないヴェリタスは、ことの真相をリーヴィアに教えてやった方がいいのかな?と思わなくもなかったのだが、ラルスとコリーナが(ほとんど)裸で抱き合っていたのは事実だし、ラルスがリーヴィアを長年蔑ろにし続けて、そのせいでリーヴィアの学園生活か楽しいとは程遠いものになったのも事実だ。
どうせ離婚するのだ。
わざわざ教えてやる必要はあるまい。
ヴェリタスは答えを出した。
「お小遣いもらって毎日遊び歩けて最高じゃん!」
ヴェリタスが笑うとリーヴィアも薄く笑った。
「でも、やっぱり早く法的にも自由になりたい。
今は、なんていうか、鍵の掛かっていない檻にいる気分よ」
毎日遊び歩いてホロ酔い気分で帰ってくる。
ヨハンナはそんな嫁にイライラしていた。
息子ラルスはどこをほっつき歩いているのだか、ちっとも姿を見せない。
確かに契約通りには違いないが、それでは困る。
結局多額の慰謝料を支払うだけでヴァルノー家になんのメリットもないなんて、そんなのは納得できない。
ヨハンナは素敵な素敵な私の可愛いラルスちゃんの魅力の前にリーヴィアが陥落するのは時間の問題。あっと言う間に子供の三人もできて、契約結婚のことなどどっかに消し飛んでしまうと思っていた。
むしろ別れたくないとラルスに追い縋るリーヴィアに、
「法的に拘束力のある契約ですものね?」
と子供だけ奪って追い出してやるのもいい気味だと思っていた。
リーヴィアに契約通りの金を渡すのは惜しいが、それを遥かに上回る「財宝」が手に入るのだから、まあ、我慢してやろう。
それなのに・・・。
この現状はなんだろう?
ラルスはちっとも家に寄りつきやしないし、リーヴィアは良い気になって毎日遊び歩いている。
何一つ私の思い通りにならないじゃないの!!
ヨハンナはギリギリと歯を噛み締めながら固く握った拳を震わせた。
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