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リーヴィアの元気が無い。
「結局どの学部に決まったの?」
ヴェリタスが聞くと、
「僕ね、最後まで建築か土木かで迷ったけど建築にしたんだ」
とジャン。
「リーヴィアは芸術大学だったよね?やっぱりご実家が繊維関係だからテキスタイルデザインとか?僕、実はそっちの方も興味あるんだよね」
「・・・・・・」
無言のリーヴィアから滂沱の涙が溢れてきた。
「えっ?なに?」
「どうしたの?」
ワーっ!!と声を上げてリーヴィアが泣き崩れた。
理由が分からず慌てて慰めるヴェリタスとジャン。
その様子を隠れて見ていたラルスはいたたまれない気分でその場を去った。
週末ヴァルノー家であったことを聞いたヴェリタスは憤慨した。
「なんで?どうしてそこまで他人の人生を好き勝手できると思ってんの?」
「そういうのを蹂躙つって言うんじゃない?人権侵害だよ」
ジャンも怒りを顕にする。
「何・・を、言っ、て、も・・・全く、通・・・じ、ないの」
泣き出したら止まらないリーヴィアは、しゃくりあげながらやっと言った。
ヴェリタスは怒りで顔を真っ赤にしてドスドスと足音を立てながら何処かに行ってしまい、残ったジャンが一生懸命リーヴィアを慰めた。
ヴェリタスは何箇所か校舎内を探し回ってラルスとコリーナが一緒にいる所を見つけ出した。
「ちょっとアンタ!話があるんだけど!」
ヴェリタスがいきなり怒鳴りつけたのでラルスはビックリした。
「なによ、失礼にも程があるんじゃない?地味女の分際で」
「アンタは黙ってて。ラルスに用事があるのよ。ちょっと来て!」
ラルスはヴェリタスの勢いに気圧されて、思わず立ち上がるとコリーナに「ゴメンね、ちょっと行ってくるね」と言ってヴェリタスの方に近づいて来た。
「他の人には聞かれたくないから」
ヴェリタスが小声で言って、二人は空き教室を探して入った。
「単刀直入に言うけどさ、リーヴィアのことどうにかしなさいよ!
って言うか、アンタの母親をどうにかしなさいよ!」
「・・・・・」
「だんまりかい?だんまりなのかい?!」
「・・・言い出したらきかない、っていうか話が全く通じないんだよ」
「・・・アンタさあ、なんでアンタの母親がリーヴィアに粘着してるか知ってる?」
「・・・ハッキリとは知らないけど、・・・どうやらうちの両親はイジメっ子だったらしいよ」
ラルスは俯きかげんにそう言った。
「・・・これからもリーヴィアの両親を支配下に置いて虐めるつもりなのかなっ・・・って。
・・・恥ずかしいよ・・・」
ヴェリタスはため息をついた。
「それだけの理由で息子に望んでもいない結婚を無理強いする親がいると思う?」
「それは俺も不思議なんだけどさ、君は何か知ってるの?」
「多分」
ヴェリタスは絶対誰にも言うなよ、と釘を刺してから、リュネールの伝説について自分が知ってる話をした。
「えっ?!えっ?えっ?えっ?!
リーヴィアの先祖って月から来たの?!」
驚きと興奮の混じった声を上げるラルス。
目が輝いている。
伝説大好きが遺伝してるんじゃなかろうな?
若干不安になるヴェリタス。
「ンなわけあるかっ!!
バッカじゃねーの?!」
「・・・そうだよね」
「ただの言伝え、与太話だよ!」
「・・・じゃ、なに?
うちの母親はリュネールの月の遺産、かなんか知らないけど財宝が目的だって言うの?」
「おそらく」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
だよな。
そうなるよな。
「あるいは・・・うちの母が言うにはアンタの母さんはどうにかして伝説の一部になりたがっているんじゃないかと・・・」
「・・・馬鹿すぎる・・・うちの母」
ラルスは絶望したような顔になった。
「アンタのお母さんはリーヴィアなんか気に入ってない、っていうかむしろ嫌ってるけど、リーヴィアの生む子供が欲しいんだよ。
で、もちろん伝説は作り話だから、何人子供ができようと、月の道が開かれることは無い。
そうなったらどうなる?
役立たずの孫達の運命は?」
「・・・・・・絶対にリーヴィアと結婚なんかしちゃダメだ・・・」
ラルスは拳を固く握った。
「結局どの学部に決まったの?」
ヴェリタスが聞くと、
「僕ね、最後まで建築か土木かで迷ったけど建築にしたんだ」
とジャン。
「リーヴィアは芸術大学だったよね?やっぱりご実家が繊維関係だからテキスタイルデザインとか?僕、実はそっちの方も興味あるんだよね」
「・・・・・・」
無言のリーヴィアから滂沱の涙が溢れてきた。
「えっ?なに?」
「どうしたの?」
ワーっ!!と声を上げてリーヴィアが泣き崩れた。
理由が分からず慌てて慰めるヴェリタスとジャン。
その様子を隠れて見ていたラルスはいたたまれない気分でその場を去った。
週末ヴァルノー家であったことを聞いたヴェリタスは憤慨した。
「なんで?どうしてそこまで他人の人生を好き勝手できると思ってんの?」
「そういうのを蹂躙つって言うんじゃない?人権侵害だよ」
ジャンも怒りを顕にする。
「何・・を、言っ、て、も・・・全く、通・・・じ、ないの」
泣き出したら止まらないリーヴィアは、しゃくりあげながらやっと言った。
ヴェリタスは怒りで顔を真っ赤にしてドスドスと足音を立てながら何処かに行ってしまい、残ったジャンが一生懸命リーヴィアを慰めた。
ヴェリタスは何箇所か校舎内を探し回ってラルスとコリーナが一緒にいる所を見つけ出した。
「ちょっとアンタ!話があるんだけど!」
ヴェリタスがいきなり怒鳴りつけたのでラルスはビックリした。
「なによ、失礼にも程があるんじゃない?地味女の分際で」
「アンタは黙ってて。ラルスに用事があるのよ。ちょっと来て!」
ラルスはヴェリタスの勢いに気圧されて、思わず立ち上がるとコリーナに「ゴメンね、ちょっと行ってくるね」と言ってヴェリタスの方に近づいて来た。
「他の人には聞かれたくないから」
ヴェリタスが小声で言って、二人は空き教室を探して入った。
「単刀直入に言うけどさ、リーヴィアのことどうにかしなさいよ!
って言うか、アンタの母親をどうにかしなさいよ!」
「・・・・・」
「だんまりかい?だんまりなのかい?!」
「・・・言い出したらきかない、っていうか話が全く通じないんだよ」
「・・・アンタさあ、なんでアンタの母親がリーヴィアに粘着してるか知ってる?」
「・・・ハッキリとは知らないけど、・・・どうやらうちの両親はイジメっ子だったらしいよ」
ラルスは俯きかげんにそう言った。
「・・・これからもリーヴィアの両親を支配下に置いて虐めるつもりなのかなっ・・・って。
・・・恥ずかしいよ・・・」
ヴェリタスはため息をついた。
「それだけの理由で息子に望んでもいない結婚を無理強いする親がいると思う?」
「それは俺も不思議なんだけどさ、君は何か知ってるの?」
「多分」
ヴェリタスは絶対誰にも言うなよ、と釘を刺してから、リュネールの伝説について自分が知ってる話をした。
「えっ?!えっ?えっ?えっ?!
リーヴィアの先祖って月から来たの?!」
驚きと興奮の混じった声を上げるラルス。
目が輝いている。
伝説大好きが遺伝してるんじゃなかろうな?
若干不安になるヴェリタス。
「ンなわけあるかっ!!
バッカじゃねーの?!」
「・・・そうだよね」
「ただの言伝え、与太話だよ!」
「・・・じゃ、なに?
うちの母親はリュネールの月の遺産、かなんか知らないけど財宝が目的だって言うの?」
「おそらく」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
だよな。
そうなるよな。
「あるいは・・・うちの母が言うにはアンタの母さんはどうにかして伝説の一部になりたがっているんじゃないかと・・・」
「・・・馬鹿すぎる・・・うちの母」
ラルスは絶望したような顔になった。
「アンタのお母さんはリーヴィアなんか気に入ってない、っていうかむしろ嫌ってるけど、リーヴィアの生む子供が欲しいんだよ。
で、もちろん伝説は作り話だから、何人子供ができようと、月の道が開かれることは無い。
そうなったらどうなる?
役立たずの孫達の運命は?」
「・・・・・・絶対にリーヴィアと結婚なんかしちゃダメだ・・・」
ラルスは拳を固く握った。
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