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ジャンとの待ち合わせの図書館に行く途中でリーヴィアはコリーナを見かけた。
取り巻きの女の子達を従えて街に遊びに行くところのようだ。
「アイツ今頃校門の前で頭頂部を焦がしながら待ちぼうけしてるわよ~」
「いい気味~」
ハハハと笑いながら人気のカフェに行く算段をしている。
「だけど今日はラルス、何か用事があるらしくて会えないんだって~。
待ちぼうけにされたアイツの前を二人で腕組んで歩く計画だったのにな~」
いや、もうアナタのお家の力を使うなりなんなりしてラルスを攫ってください。
早くアナタだけのラルスにしてください。
リーヴィアは心で唱えながらコリーナ達に見られないように気をつけて図書館へと急いだ。
図書館のレファレンスルームに着くと先に着いていたジャンが片手を上げてはにかんだように微笑んだ。
男子にしては小柄で細身のジャンは学校では目立たない子だが、私服のジャンはとても魅力的に見えた。
「貴方ってスゴくオシャレなのね?」
リーヴィアが言うとジャンは
「僕、ファッションとかアートとか好きなんだ」
と恥ずかしそうに答えた。
中性的な感じのするジャンは確かに男らしい男の子、というのとは少し違っているかもしれないけど女の子が負けるくらい綺麗な顔をしている。
一般的にモテるタイプではないかも知れないが、こういう男の子を好む女子も一定数いそうな感じがする。
「貴方私が好きな小説に出てくる人みたい」
「え?」
「・・・いや、なんでもないです」
危ない危ない。ついいつものヴェリタスとのノリで要らないことを言ってしまった。
二人は長い机に並んで座った。
「僕ね、君の昨年の発表。あれ、すごく良かったと思ったんだ」
「えへへ。そうかな」
去年はリーヴィアとヴェリタスが中心になって古代の測量法を用いて学園の裏手にある沼地を計測し地図に起こした。
その発表は学園長賞に輝き、いつもは誰からも顧みられることのない地味グループがほんの一瞬輝いたのだった。
「そうだよ。僕も測量に参加したかったなって思ったんだ」
リーヴィアはジャンの言葉に嬉しくなってしまった。
「そんな風に思ってくれた人がいたなんて嬉しいわ。
あのあと『地味女のくせに目立とうとするな』って散々嫌味を言われたから」
「言いたいヤツには言わせとけばいいよ」
リーヴィアは「そうだね」と笑ってみせる。
「あのさ、僕さ、川の流れとか興味があるんだ。
治水対策でウエストリバーが付け替えられたのって知ってる?」
「うん。昔は水害が繰り返し発生したって聞いたことはあるけど、本来の川が何処をどう流れていて、付け替えによってどういう効果があったとか無かったとか、そういう詳しいことは知らない」
「古地図と見比べて現地を歩いて痕跡がないか調べてみない?」
「すごく面白そう!」
二人は司書さんに助けてもらいながら古地図や過去の水害や治水工事についての資料を探した。
そうやって二人が仲良く調べ物をしている頃、ラルスは校門の前にいた。
取り巻きの女の子達を従えて街に遊びに行くところのようだ。
「アイツ今頃校門の前で頭頂部を焦がしながら待ちぼうけしてるわよ~」
「いい気味~」
ハハハと笑いながら人気のカフェに行く算段をしている。
「だけど今日はラルス、何か用事があるらしくて会えないんだって~。
待ちぼうけにされたアイツの前を二人で腕組んで歩く計画だったのにな~」
いや、もうアナタのお家の力を使うなりなんなりしてラルスを攫ってください。
早くアナタだけのラルスにしてください。
リーヴィアは心で唱えながらコリーナ達に見られないように気をつけて図書館へと急いだ。
図書館のレファレンスルームに着くと先に着いていたジャンが片手を上げてはにかんだように微笑んだ。
男子にしては小柄で細身のジャンは学校では目立たない子だが、私服のジャンはとても魅力的に見えた。
「貴方ってスゴくオシャレなのね?」
リーヴィアが言うとジャンは
「僕、ファッションとかアートとか好きなんだ」
と恥ずかしそうに答えた。
中性的な感じのするジャンは確かに男らしい男の子、というのとは少し違っているかもしれないけど女の子が負けるくらい綺麗な顔をしている。
一般的にモテるタイプではないかも知れないが、こういう男の子を好む女子も一定数いそうな感じがする。
「貴方私が好きな小説に出てくる人みたい」
「え?」
「・・・いや、なんでもないです」
危ない危ない。ついいつものヴェリタスとのノリで要らないことを言ってしまった。
二人は長い机に並んで座った。
「僕ね、君の昨年の発表。あれ、すごく良かったと思ったんだ」
「えへへ。そうかな」
去年はリーヴィアとヴェリタスが中心になって古代の測量法を用いて学園の裏手にある沼地を計測し地図に起こした。
その発表は学園長賞に輝き、いつもは誰からも顧みられることのない地味グループがほんの一瞬輝いたのだった。
「そうだよ。僕も測量に参加したかったなって思ったんだ」
リーヴィアはジャンの言葉に嬉しくなってしまった。
「そんな風に思ってくれた人がいたなんて嬉しいわ。
あのあと『地味女のくせに目立とうとするな』って散々嫌味を言われたから」
「言いたいヤツには言わせとけばいいよ」
リーヴィアは「そうだね」と笑ってみせる。
「あのさ、僕さ、川の流れとか興味があるんだ。
治水対策でウエストリバーが付け替えられたのって知ってる?」
「うん。昔は水害が繰り返し発生したって聞いたことはあるけど、本来の川が何処をどう流れていて、付け替えによってどういう効果があったとか無かったとか、そういう詳しいことは知らない」
「古地図と見比べて現地を歩いて痕跡がないか調べてみない?」
「すごく面白そう!」
二人は司書さんに助けてもらいながら古地図や過去の水害や治水工事についての資料を探した。
そうやって二人が仲良く調べ物をしている頃、ラルスは校門の前にいた。
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