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その後何回か会合という名のお菓子を食べながら雑談する会が催されたが、これと言って決め手になるような情報は出てこなかった。
「判ったことといえば、グレアムの父親が家の母さんを狙っていたってことくらいだな」
「なにそれ?気持ち悪い」
「フォルコンリー侯爵、当時の令息は婚約者だったグレアムの母親と婚約解消をしようとしたらしいよ」
「なるほど、それでお母様に恨みをもっているのね」
「カトリーヌが母さんにそっくりなのも気に入らないし、ソアルーサーに金を出させるだけなら他に方法もあるだろうにグレアムとお前の婚約を強行したことにも、他に何か侯爵の思惑があるんじゃないかと夫人は不信感をもっているようだ」
「まさかカトリーヌを狙ってるのは侯爵ってことないよな?!」
思ったことはすぐに口にしてしまうヒースである。
「気持ち悪いこと言わないで」
カトリーヌは身震いする。
キャサリンは、私もちょっと思ったけどさぁ、とヒースを軽蔑したような顔で見る。
「あとは侯爵は怪しげな投資に引っ掛かっているようだよ」
「またウチに肩代わりしろって言い出すわね。
負債を肩代わりするかわりに婚約を解消してもらえないかしらね」
「ますますウチの資産に執着して、手離さなくなるだろうよ」
すると、それまでおとなしかったキャサリンが、
「・・・心理的に追い込むのは?」
と言い出した。
どういうこと?と皆が興味を持つ。
「どんな豪邸だって、そこに夜な夜な幽霊が出て、住む人は呪われる・・・てなったらどう?
逃げ出すでしょ?」
「なんだよ、幽霊が出るのは誰ん家なんだよっ!
もっとわかるように話せよ!」
とヒースが焦れる。
「・・・つまり、セリーヌさんの話もアディヤ夫人の話も、事実として突きつけるとしらばっくれるか逆に怒るでしょ?
それを使ってまだ見ぬ未来の話として脅すってのはどうかな?」
「ますます意味わかんねぇ。
なにが、つまり、だよ」
「・・・アーサー王の神話を利用するとか」
「どういうことかな?」
ユージンが興味を持った。
「死に戻り・・・カトリーヌは一回死んで戻って来た。
グレアムと結婚した先にある不幸な結末を回避するためにはどうしても婚約を解消する必要があるって筋書きよ。
その台本に誰も知るはずのない秘密を盛り込むのよ」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや・・・
全員が笑った。
言った当人のキャサリンも笑った。
無理無理無理無理無理無理無理・・・
誰が信じるんだよ~
ひとしきり皆で笑った後、キャサリンが真顔で言った。
「私を殺したのは、貴方とピンクブロンドの可憐なご令嬢だったわ」
キャサリンの凛とした声が響きわたると、皆が無言になった。
シーンとした沈黙を破ったのは、
「こえーっ!こえーよ。
これ、心当たりあるヤツなら心臓飛び出そうに怖いわ」
というヒースの声だった。
「・・・まあ、『思い込み』や『洗脳』を使うのは軍事でもよくある手法だしね。
あながち効力がないとも言えないかな」
ユージンは興味を示したようだ。
「じゃあ、私がグレアムに殺されてグレアムが殺人犯で捕まる未来があるから婚約解消すべきだと信じ込ませればいいってわけね?
・・・私にそんな演技できるかしら」
「「できるよ!」」
ヒースとキャサリンがハモった。
「だけど成功させるには綿密な台本が必要よ。
プランB、いや、プランCとかDまで用意して二重三重の罠を仕掛けないとね」
キャサリンが悪い顔になっていた。
「判ったことといえば、グレアムの父親が家の母さんを狙っていたってことくらいだな」
「なにそれ?気持ち悪い」
「フォルコンリー侯爵、当時の令息は婚約者だったグレアムの母親と婚約解消をしようとしたらしいよ」
「なるほど、それでお母様に恨みをもっているのね」
「カトリーヌが母さんにそっくりなのも気に入らないし、ソアルーサーに金を出させるだけなら他に方法もあるだろうにグレアムとお前の婚約を強行したことにも、他に何か侯爵の思惑があるんじゃないかと夫人は不信感をもっているようだ」
「まさかカトリーヌを狙ってるのは侯爵ってことないよな?!」
思ったことはすぐに口にしてしまうヒースである。
「気持ち悪いこと言わないで」
カトリーヌは身震いする。
キャサリンは、私もちょっと思ったけどさぁ、とヒースを軽蔑したような顔で見る。
「あとは侯爵は怪しげな投資に引っ掛かっているようだよ」
「またウチに肩代わりしろって言い出すわね。
負債を肩代わりするかわりに婚約を解消してもらえないかしらね」
「ますますウチの資産に執着して、手離さなくなるだろうよ」
すると、それまでおとなしかったキャサリンが、
「・・・心理的に追い込むのは?」
と言い出した。
どういうこと?と皆が興味を持つ。
「どんな豪邸だって、そこに夜な夜な幽霊が出て、住む人は呪われる・・・てなったらどう?
逃げ出すでしょ?」
「なんだよ、幽霊が出るのは誰ん家なんだよっ!
もっとわかるように話せよ!」
とヒースが焦れる。
「・・・つまり、セリーヌさんの話もアディヤ夫人の話も、事実として突きつけるとしらばっくれるか逆に怒るでしょ?
それを使ってまだ見ぬ未来の話として脅すってのはどうかな?」
「ますます意味わかんねぇ。
なにが、つまり、だよ」
「・・・アーサー王の神話を利用するとか」
「どういうことかな?」
ユージンが興味を持った。
「死に戻り・・・カトリーヌは一回死んで戻って来た。
グレアムと結婚した先にある不幸な結末を回避するためにはどうしても婚約を解消する必要があるって筋書きよ。
その台本に誰も知るはずのない秘密を盛り込むのよ」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや・・・
全員が笑った。
言った当人のキャサリンも笑った。
無理無理無理無理無理無理無理・・・
誰が信じるんだよ~
ひとしきり皆で笑った後、キャサリンが真顔で言った。
「私を殺したのは、貴方とピンクブロンドの可憐なご令嬢だったわ」
キャサリンの凛とした声が響きわたると、皆が無言になった。
シーンとした沈黙を破ったのは、
「こえーっ!こえーよ。
これ、心当たりあるヤツなら心臓飛び出そうに怖いわ」
というヒースの声だった。
「・・・まあ、『思い込み』や『洗脳』を使うのは軍事でもよくある手法だしね。
あながち効力がないとも言えないかな」
ユージンは興味を示したようだ。
「じゃあ、私がグレアムに殺されてグレアムが殺人犯で捕まる未来があるから婚約解消すべきだと信じ込ませればいいってわけね?
・・・私にそんな演技できるかしら」
「「できるよ!」」
ヒースとキャサリンがハモった。
「だけど成功させるには綿密な台本が必要よ。
プランB、いや、プランCとかDまで用意して二重三重の罠を仕掛けないとね」
キャサリンが悪い顔になっていた。
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